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数学的な見方や考え方の育成を重視した指導法の研 究(2)

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(1)

数学的な見方や考え方の育成を重視した指導法の研 究(2)

著者 吉岡 睦美, 吉岡 淳

雑誌名 教育実践研究指導センター研究紀要

巻 7

ページ 157‑168

発行年 1998‑03‑31

その他のタイトル Research on mathematics education with

emphasis on developing of students'

mathematical way of thinking(2)

URL http://hdl.handle.net/10105/4327

(2)

数学的な見方や考え方の育成を重視した指導法の研究( 2 )

吉 岡 睦 美

(奈良教育大学教育学部附属中学校) .i:岡   rt‑

(奈良県立奈良工業高等学校)

Research on mathematics education

with emphasis on developing of students'mathematical way of thinking(2)

Mutsumi YOSHIOKA

(The attached Junior High School, NARA University of Education, Nara 630, Japan) Atsushi YOSHIOKA

(Nara Technical High School, Nara 631, Japan)

要旨:数学的な見方や考え方の育成は、初めて直面した課題を自分の力で数学的にとらえ理解し 解決していく能力を育成するために必要な指導法である。本稿では、授業の導入段階における数 学的な見方や考え方の育成を重視した指導法について研究し、指導法の具体案を提案した。

キーワード:数学的な見方や考え方、学習指導法 1.はじめに

数学的な見方や考え方の育成は、生涯学習という点において重要であるo

前稿では、生徒の「数学的な見方や考え方」について調査し、その特徴を調べ、授業実践を通 して「数学的な見方や考え方」を育てるための指導法の検討を行った。しかしある1つの「数学 的な見方や考え方」を育成する授業は難しいことが分かった。そこで普段の授業をする中で「数 学的な見方や考え方」の育成の指導法の例を示すことができた。さらに教師の意識が「数学的な

見方や考え方」の育成において影響することが明らかにした。 1)

本稿では、 1時間の授業の導入段階における数学的な見方や考え方の育成を重視した指導法に ついて研究し、指導法の具体案を提案したい。

2.数学的な見方や考え方の育成を重視した指導法の枠組み

授業の構成を導入、展開、まとめの3段階に分けて、各々の段階における教師と生徒の意識を まとめて表1のように考えている。 2)

表1授業に対する教師、生徒の意識

生 徒

導 入 (1) 関心 . 意欲 . 態度を高める教材研究 知的好奇心 (2) 本時の目的の明確化 問題意識

(3) 生徒の実態把握 有用性

(3)

(1) 結 果 や 解 決 方 法 の 見 通 しの 重 視 洞 察 力 (2) 自力 解 決 で き るよ うな 時 間 確 保 持 続 力 (3 ) 実 験 、 実 測 な どの 操 作 的 活 動 集 中力 (4) 自分 の考 え を 表現 す る こ との 重 視 表 現 力 (5) グ ル ー プ学 習 を 利 用 した 自力 解 決 に 向 け 参 加 意 識

て の雰 囲気 づ く り

ま とめ (1) 目的 が 達 成 され た こ との 意 識 化 成 就 感 (2) 学 習 の価 値 の 理解 充 実 感

以上の項目をより多く含んだ授業を考え、数学的な見方や考え方のよさを体験的に認識するこ とができるような教材研究が重要になってくると考えるO そこで、本稿はこの導入段階に着E]し て、数学的な見方や考え方を重視した指導法の具体案について考察する。

2.1.関心・意欲・態度を高める教材の調査

N県立N高等学校第2学年108名を対象に質問紙を用いて実態調査を行った。 『算数・数学を 学習していて、よさや美しさを感じた教材や場面を書いてください。』の質問に対し、 「よさ」と

「美しさ」の2つに分けて分析すると、次のような回答があった。 2)

「よさ」

図1算数・数学のよさに対する生徒のとらえ方 簡潔さ(ややこしいものがすっきりと手短にまとめることができるよさ) 明瞭さ(意味がはっきりしているというよさ)

的確さ(間違いがなく的を得ていてよくわかるというよさ) 論理性(1つ1つのことを筋道を立てて考えるよさ) 発展性(1つのことからいろいろなことに発展するよさ) 有効性(いろいろなことが手際よくできるよさ)

有用性(工業の専門や社会に役に立っよさ) よさを感じたことがない

く≪2.8%≫

≪2.8%≫

く≪4.6 ≫

≪3.7%≫

く≪4.6%≫

く≪13.9%≫

く≪10.2%≫

く≪57.4%≫

(4)

数学的な見方や考え方の育成を重視した指導法の研究(2)

図2 算数・数学の美しさに対する生徒のとらえ方 解法(自力で問題がきれいに解けたときの美しさ)

結果(答えが1つになったりある式にまとめてできる美しさ) 証明(論理的に証明できる美しさ)

図形(平面図形や立体図形などの幾何的な美しさ) 数(数の並び方の美しさ)

定理、定義(ある規則がきれいに式にまとまること 美しさを関したことがない

く牀10.2%≫

<3.7%>

く≪2.8%≫

く≪10.2%≫

く≪3.7%≫

く牀7.4%≫

く≪62.0%≫

この結果から生徒は日常の授業においては「よさ」や「美しさ」を実感しながら学習していく ことにより関心が高まり意欲が出て主体的に考えられるようになると考察できる。その際、数学 的な見方や考え方が発揮されるのではないだろうか。この調査では「よさ」を実感している生徒 は約44%、 「美しさ」を実感している生徒は、約38%であった。この数字を増やすためにも意欲 的に学習できる場の設定が大切になる。

2.2.本時の目的と「よさ」の明確化

数学のよさの指導として、数学の実用的なよさ、あるいは数学が科学としての有用性のよさを 説く指導が考えられる。しかし、このよさは理性で認めさせられても実感として感じさせる指導 は困難である。小学校での内容程度を除けば、日常の実際の生活の中で数学を活用する必要があ ると実感できる場面は少ないのではないだろうか。中学校で学習する程度の正負の数や方程式や 関数等々知識や技能を活用して、具体的な生活の問題が本当に有効に解決、処理できたと生徒に 実感させられる場面はそれほどないものである。また、科学としての有用性を生徒に力説しても、

その有用性を否定しないであろうが、真にそのよさを感じるかは疑問である。それゆえ、数学そ のものの中に数学のよさや美しさを感じることができる指導が大切である。

ただ、数学の美しさは絵画や花のような美しさではないから、数学の体系や論理の見事さを提 示しても、そのままでは生徒には美しさとしては通じない。数学の美しさとは何かを定義するこ

(5)

とも無意味であるから、美しさは数えるものではなく、生徒の感情に訴えて生徒が感じとるもの である。当面した課題の解決を通して、生徒なりの発見をし、なるほどと感じ、生徒なりに納得 したものが、よさであり、美しさである。それゆえ、生徒が十分考えることができる授業をして、

その過程で生徒がよさや美しさを感得できることが重要となる。

2.3.生徒の実態把握3)

生徒が楽しく数学を学習し、望ましい方向へ向かうようにするためには生徒の実態把握は重要 である。たとえば代数的に考えることを得意とする生徒や幾何的にとらえることを得意とする生 徒がいる。また自分の考えに自信をもてない生徒、見通しをもって学習を進めていくことが苦手 な生徒、もう一度考えようとしない生徒など様々である。このような生徒一人一人の個性や学習 経験を授業はもちろんのこと学校活動全般においてとらえておくことが大切である。指導におい ては、こつこつ学習する生徒に対しては、机間指導で励まし、答えを出して見直しもしない生徒 には、根拠を求めたり、条件を変えた課題を提示して、興味を深めたり探求しようとしたりする ことにつながるように考えることが重要である。

3.授業実践(り 4) 3.1.指導の概要

日常生活における具体的な問題 をまとめた教材を作成し、生徒た ちに自由に解答させる。解いた順 番とその理由を考えさせることに より、数学的な見方や考え方のよ さを意識させる。

3.2.実践例

(高等学校【数学I 】二次関数:

二次関数の最大・最小)

学習の流れ・図3の授業プリン トを配布される。

・少なくとも1問を 解く。

・見方や考え方がよ く似ていることに

xi‑3くO

・考える糸口になる ような見方や考え 方を発表する。

・問題を解いた順番 とその理由を考え る。

数学I の 課題

1年 ( )租 ( )あ 氏名ぐ       ) (I )・&柚のqrこ、 C40ciの会B:tt*aからtft'llこ折り曲げて、切り口が&方

形状の排水iAを作りQ面に入れる.この断iZi酌を瓜大にするJ=は、どのよう

MATHlaHlリES

(2)鳩上から物体を、初速度40m/抄で再上i:ffち上げるとき, t抄後の物体 の布さymlま、およそ次の式で表される.

i=‑si'十401

*>T* IitJ柑rfォ5 2血問mmwmj'i?OIEGMS■asms uH m亡BETJin旦rarimEiヨ[ LH.H問;jagEKJXJS3 1agaサaa

332dLjfiisaはijサ3.,q‑i,iJ1回E4S凪EiS q IUWl tLI P柿にト 5E垣に悶EHMefサj laaamaZELSS粥 ォ*i*‑*サー^ Jロ蘭絹H hum;;回XEには:巳Eaは0‑転<サ'iaagォiiniサォォiggnPサー hj

El ど □ nT T‑.^Jl^J^3^^By^w^g^TJ*'l ‑昭をHTl叫1'1'lvk^‑l‑MW ∫ にIOOflの禿り上IJA<あるという. IPあたり2円破TLlするごとに511の eeetmmb茄E.UM呂.り主TXmnH MUHPはり「

の虐政をいくらにするのがよいカ、.

(5)ある水辰也ではイルカの曲芸がある.その曲芸のlつに浮き桧を水面に旺 いておくと、イルカが辞書Gの穴から邸を出すというのがある.いまイルカ は水面TB爪のBrlCいろ. x抄社の位正が、水面から測って

(‑÷x・‑ ‑.)‑

・9H9M/IにEサ当ii P唱mam閏rgtrraa頑tUXES現が頃日pEEE 3 汁 C LSJl*** 即は頭&XS的I瓜M̲Jj*.**S り且tmmSifM^BS

E ド aa 呈Ha^n払EjHl']litW」‑t913mAnJH3Hl ‥GFEkbSe]

凹LLI4IMW音utsctsn問¥mtjW3sa^sz号mS32屈DZH5 くらにすればよいか.

MMM3田か空相ニJjXsE廿ォ;T'>nサi*,ォwサォ」Ffaal H m呂の報土 ルの高さynは.およそyこ=ZOI‑S t* で表される.ポールは何秒後に最

* i*ji‑iym urn is蘭WMVSJ引ま画廿かH

D F日印isbbヨEJUvta^'jJEHi**T5 Era田打目iil硝BE p EHil卸の凹 ヨtilMEMaiH当t‑rmvi頭ど目EBl硝REXkHHaura

図3 授業プリント

(6)

数学的な見方や考え方の育成を重視した指導法の研究(2)

3.3.結果と考案

授業の終了直前に『今日の授業で、先生がみんなに身につけて欲しかった「見方や考え方」は 何ですか。また、その「見方や考え方」はみんなにうまく伝わりましたかo』という質問により 自由記述で38名の生徒に対してアンケート調査を行った。調査内容から問題を解く際の生徒の思 考の流れに注目し、以下のように整理した。

[互⊃ = ⊂亘]ご⊂亘コ= ⊂亘]

A :解決の方向性

・問題をよく読んで(3名)

・問題意識をもって

・前の授業を思い出して B.・表現

・図を書いて(28名)

・式にして(lo宅)

・表を使って(4名)

・絵を描いて C:実行

・あきらめずに(5名)

・能率的に

・試行錯誤して

・努力

D二輪ii:

見通しをたてて(2名) 同じように考える

文字を使って(12名) グラフをかいて(7名) 整理して

とにかくわかりやすいように 地道に(2名)

自分に自信をもって 規則性を見つけようとして

時には違う角度から考えようとして 数をあてはめて答えがあっているかを確かめようと

原点に戻って        ・答えが問題にあっているか。

その結果、上記Bのように片桐重男の研究5)6)における「数学の内容からみた数学的な考え 方」である、図、文字、式、グラフ、表、絵に関する回答が多かった。しかし、 「見通しをたて て」、 「観点を変更して」など上記Aのように「数学的な考え方を生み出す背景となる考え方」に 関することが少なかった。これらの見方や考え方こそある課題に直面した時に、働く見方や考え 方であるのに、教師が考えているほど、生徒には伝わりにくいようである。また、各問題の解い た順序、避けた問題を分析した結果、速さに関する問題や分数の入っている問題を生徒は好まな いという特徴が表れた。これを踏まえて教材研究をし、授業を工夫しなければならない。

4.授業実践(2) 4.1.指導の概要

三平方の定理は、図形と数量を結ぶ大切な定理であり、古くからその証明の多くに賢人が挑み、

いろいろなェピソードを持つ大切な定理である。

この定理の学習には上で述べたことも含めて以下の5つのよさが考えられる。

・三平方の定理そのもののよさ、美しさ

・数学史やエピソードにみられるよさ、楽しさ、感動

(7)

・証明の必要性、見事さ、証明方法の種類の多さ[資料1参照]

・活用場面の多さと有用性

・数学的な考え方

特に「数学的な考え方」に関しては、実験的、帰納的な活動の中から予想・発見した結論を仮 定ともとに既習の知識、技能、考え方を使って系統的・演緯的に導いていくという数学的な見方 や考え方が大切になる。このことの典型的な指導場面としても三平方の定理の発見から証明にい たる流れは価値が高い。この流れを追発見、追体験することによって数学的な考え方のよさを感 得させたい。

4.2.実践例(中学校【3年】図形と計量:三平方の定理)

予想 した数 学 的 な考 え方

. 正 方 形 の面 積 に 注 目

具体 的 に 考 え る

自分 の考 え を ど う表 す か

操作 して 考 え る

試 行 錯 誤 して 考 え る

い ろ い ろ な考 え方 で

確 か め な が ら考 え る

具体 的 に 考 え る

分 類 して考 え る

観 点 を変 更 して考 え る

理 由 を考 え る . 折 り紙 を ま ず 2 つ に 切 って 下

Ⅲ 蓋 … 恵 写 ≡ 警 … ≡ ≡ 三 三 三 菱 ≡

正方 形を作 って下 さい

Cp

悔 恩 義蒜 10義V¥, /K 4

③ ④ 業に関しては、質問が出ても教

肢 田 警豊 に、他の生徒に考え

. 3 枚でもできますね0 .例を示してください

ゥ ∴

. い ろ い ろ な面 積 が で きます ね . 全 部 違 い ます か

(8)

数学的な見方や考え方の育成を重視した指導法の研究L2)

・ ①②③⑥と④と⑤と違う

A ..b‑..̲H,a̲

aノFー""b' ノ C

・一番大きい(勤を証明します。

・まず四角形EFGHが正方形 であることを証明する必要があ

りますね。

・図より (a+b)

‑C2+‑ a b X4

2

が成り立っことを見つける。

・a2十b2‑clを導く。

・③や④でも証明できますね。

・(D、 ②、 ⑥の証明はちょっと 難しいですね。

・外の正方形と中の正方形との 面積の関係を考える

・三平方の定理の証明から三平 方の定理を発見させる

・やってみてください。

・難しいそうですが、やってみ てください。

逆向きに考える 帰納的に考える 証明しようとを考える

文字を使って考える

いろいろな考え方で

4.3.結果と考察

平成9年11月に第3学年4学級で行った本授業の結果は資料2の通りである。 4学級の生徒諸 君が考えた正方形の数々は実に多種多彩で、単にパズルの並べ替えだけで終わらずに現在平成10 年1月段階でもこの十数種類の図形の証明の取り組む生徒がいる。 「三平方の定理」は多面に活 用できる便利な定理であるが発見は非常に難しい。それだけにいろいろな指導方法が研究されて いるわけだが、私は「操作活動を通して図形の中に潜む性質を発見させる学習指導」として仮定 も結論も与えずに、教具の中から生徒が仮定も結論も証明までも作り出すという形をとっている。

最終的には新種類の証明方法を発見して「ギネスブック」に載せてもらおうというのが生徒と私 の夢である。

5.おわりに

新しい学習指導要領における数学教育の目的は、いくつかあげてあるが、とりわけ「数学的な 見方や考え方のよさを認識させる」ことに力点が置かれていると考えられる。感性の時代と言わ

れている現代、当然の目的と言うことができよう。

さて「数学的な見方や考え方のよさ」とは諸説あるが中原忠男氏は次のように述べている。 7)

「数学的な見方や考え方のよさ」を考える場合、その対象として以下の3つが考えられる。

(1)内容‑‑‑一・一数学の学問の内容 (2)表寛  =・‑ 数学の表環方法

(3)思考・方法  数学の思考過程、問題解決の方法

(9)

また、 「よさ」を考える視点としては以下の6つが考えられる。

(1)有用性・実用性 (2)簡潔性・明確性 (3)一般性・効率性 (4)発展性・創造性 (5)論理性・確実性 (6)優美性・審美性

今回の2つの実践例では導入教材を「数学的な見方や考え方の育成」を重視して、 6つの視点 をできるだけ意識しながら実践した。

このような実践では、以下の4つのことが重要であると考える

(1)身近な事象に関連した課題に対して実際に問題場面を実演することで、生徒は興味・関心を もち、数学を意欲的・主体的に学習する。また、課題を数学的に解決することで数学のよさ や美しさを実感し、数学を活用する態度が身につく。

(2)個々の能力に応じた多様な解決方法で課題にアプロ‑チすることにより生徒はわかる喜びや 学ぶ楽しさを味わうことができる

(3)生徒は、自分の意見や考え方を発表することにより学習意欲が高まり、他の人の発表を聞く ことにより理解が深まりお互いを高めあう学習ができる。

(4)自分で問題を発見し、解決するという経験を通して、数学の学習の有用性に気づくことがで きる。

今後は展開部分やまとめでの実践例を考えていきたい。

参考文献:

1)吉岡睦美、吾岡淳、山上成美: 「数学的な見方や考え方を重視した指導法の研究」

『奈良教育大学教育実践研究指導センタ‑研究紀要』、 No.6 pp.105‑116、 1997年

『研究集録 創刊号』、奈良県立教育研究所、平成6年、 pp.117‑118

2)吉岡淳: 「数学的な見方や考え方のよさが認識できる教材の開発‑数学的な見方や考え 方の形成要因について   」

『平成5年度研究報告書』、奈良県立教育研究所、平成6年

3)根本博: 「数学の学習と自己評価(4)」、 『中等教育資料 5月号No.651』、文部省中学校課高 等学校課編集、 pp.48‑49、平成7年

4)山上成美、吉岡睦美、吉岡淳: 「数学的な見方や考え方を重視した指導法について」

日本数学教育学会全国算数数学教育研究三重大会発表資料、 1994年

5)片桐重男: 『数学的な考え方・態度とその指導1数学的な考え方の具体化』

明治図書出版株式会社、 1988年

6)片桐重男: 『数学的な考え方・態度とその指導2 問題解決過程と発問分析』

明治図書出版株式会社、 1988年

7)中原忠男: 『数学教育における「構成的アプローチ」による授業過程の研究』

[資料1]

(10)

数学的な見方や考え方の育成を重視した指導桟の研究(21

旬四角形の回転を利用する方法

J

上の図のように,

HJ〝CB

U〝CA として

点Jを決めて△IIU をつくる。

DとGを結ぶと,

△ABC= △DGC

=△IHJ

J

直線ECと直線CF は一直線になる.

そこで,四角形 BFEAを点Bを中

心に900回転すると 四角形BCJIに重な る。したがって,面 積も等しい。

I

J

面積の等しい2つ の六角形から,合同 な△DGC, △IHJ と共通な△ABCを のぞくと,

iE方形ACDE 十正方形BFGC

‑正方形AHIB ゆえに

AC2十BC2‑AB2

J

四角形BFEAと GFEDは線対称だ から面積は等しい。

また,四角形BCJI とHJCAは点対称 で面積は等しい。

ゆえに 六角形AHJIBC

‑六角形ABFGDE

②内津円を使う方法

∴== ̲

△ABCの内接円の中心を0とすると

△ABC‑△AOC十△AOB

+△BOC一一(1)

‑C・‑・ ̀

内接円の半径をrとすると(1)の式は

昔ab‑手ar +‑y‑cr +‡br ‑

ゆえに ab‑(a十b十C)×r‑ ・(2)

円は3辺に接しているから

CD‑CF‑γ

AD‑AE‑a‑r

BFニ=BE‑A‑ r

ゆえに c‑(a‑r)+(b‑r)‑I‑(3)

㊤     C

‑∴ c‑‑・

(3)i 0 r=y(a+6‑c)

これを(2)の式に代入すると

ab‑‡{a+b+c)×(a十b‑c)

(11)

[資料2]

③正方形を分解して考える方法

E D

C A 自  白 「:

a, bを1辺とす る正方形を上の図の ようにならへこ,辺 BC上に点Hをとり, AH‑αとなるよう

にすると CH‑6 5iサS

△AHG= △CDH

‑一一(1)

・‑'蝣I

A B H蝣h

ゆえに

△AHG= △FIG

そこで,上の図の 矢印のように三角形 を移すと,はじめの 2つの正方形は.直 角三角形の斜辺Cを 1辺とする正方形に 移される。

sras

⑳ (1)より

∠GHA+ ∠DHC

‑90。

ゆえに

∠GHD‑90‑

また GH‑HD したがって,正方形 GHDIをつく るこ

とができる。

I

A B H ^C

点Iと点Eを直線 で結ぶと

DC‑DE DH‑D

∠HDC‑ ∠IDE ゆえに

△HDC= △IDE したがって

∠IED‑90。となり, IEFは1直線上に

画長方形を分解して考える方法

㊦の図のように,.辺がaとbの長方形と.辺 がa‑bの正方形をならべて,点AとG,点G

とDを結ぶと

△ABG=△GCD≡△GIA=△DHG

㊦‑⑦

△ABG, △GCDを移動させると,斜辺を1 辺とする正方形になる。この正方形は,合同な

4つの直角三角形と正方形を組み合わせたもの だから cz‑a2+b2

E

, b r

a‑6.H..‑‑6

[]

C .

a l

I

ftB

α;'↓G

d

G

参考資料

「標準カラー百科 2算数・数学」学研

(12)
(13)

参照

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