November 1966 The Journal of Geobotany Vol. XV. No. 1
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3桑原義晴持 北海道の帰化植物
Y. KuwABARA : Naturalized Plants in Hold日id凸 は し が き
久内清孝氏(1950)によると, 帰化植物の起原は, 一つは薬用・食用・観賞用・牧草用
・緑肥用手として輸入せられたもの, もう一つは貨物・輸入動物・輸入種子等に付着して 偶然渡来したものの二つに分けられる。前者は,輸入した地点,経路が判然とするが, 後 者は,渡来の時期が判明しない場合が多い。しかし,その何れにせよ, 現在までに, わが 国に帰化した植物は,おびただしい数に達している。
また,正宗厳敬博士(1956)によると, 植物の分布は,その植物自身の広がろうとする 因子と,広がりを制限する因子, この両因子の平衡が保たれている状態によって決定する という。したがって,帰化植物の分布の要因は, この二つの面からの考察が必要である。
ホ 北海道倶知安高等学校 Kutchan High School, Hokkaido - 49ー
北 陸 の 杣 物 第15巻鋪l〜3月・ 昭和41年11月
本稿においては,主として明治以後本道に帰化したものと思われるもののうち,主なも のについて,現在の分布状態を述べ,将来の分布や遷移を推察す る資料にしたい。
主 な 帰 化 植 物 ( ) 内 は 原 産 地 を 示 す 。
(1)Co""os〃αe○A加6"osiααγ""isi"e/b"αL・var.eノα"07・DEscouRTILs ブタクサ(北米)北海逆では,渡励国渡鳥大野からイ̲:ILIにいたる鉄道沿線,ならびに後志 阿狩太駅構lノ1にみられる。1年生蒐本で,商さは1m近くに逃する。明治初年わが祠に帰 化したものと推察されている。そう果によって受動散布を行なうが,移動は極めて緩陛で ある。北海道の耕地には,まだほとんど侵入していない。OAs#""o"‑6eノg"L.ユウ ゼンギク(北米)大正年間に渡来したもので,庭園に,観賞用として栽培しているが,原 野や路傍にも野生化している。多年生草本で,秋に淡紫色の美しい小頭状花を多数つけ
る。和名は,牧野富太郎博士の創定したものである。○Ac"""""G/b〃"加L・セイ ヨウノコギリソウ(欧州)元来,園芸穂であるが,小樽と札幌間の国道に沿って野生化し ている。多年生草本で,高さ60cmくらい,葉は深く羽裂し,裂片はさらに細分裂する。
○Caγ(力 "s "γo ""sGREENE(北米)アメリカヒレアザミ,ヒレアザミ属の植物 で,特に葉に著しく長いとげがある。また,果実に長い冠毛があるので,飛火的に散布す る。花は紫色で大きく,非常に美しい。小樽・共和・倶知安地方の草地・鉄道沿線・路傍 等に繁殖している。○Bγ αs"os"KITAM.エゾノキツネアザミ(欧州)耕地や原野 に広く分布する。高さ1〜2m,茎や葉に白い細毛が密生する。夏季紫紅色の花を開く。
○αc"o"z""j"ry6"sL.キクニガナ(欧州)戦時中,倶知安地方で一時栽培したこと があるが,現在,倶知安町や共和村に,わずかながら野生化している。Chicoryと称し,
根を乾燥して粉砕し,コーヒーに混ぜて増量と苦味をつけるのに用いた。○E"g"o"
cα"α "sisL.上メムカシヨモギ(北米)1〜越年生草本で,高さ1m内外,明治時代 に入ったのでメイジソウ,また,鉄道の発達に伴ってひろがったので,テツドウグサとも いっている。耕地・耕作放棄地,あるいは火入れ跡の新開懇地等に群落をつくる。OE.
α""""SPERS.ヒメジヨオン(欧州)越年生草本で,茎は高さ1m内外o前種同様,明治 初年に入って,直ちに全国にひろがった。耕地や原野に広く分布している。OG"ap"αノ.
z"加sy/"α"cz""L.エダウチチチコグサ(欧州)最近北海道に入った雑草らしい。筆者 は,1956年倶知安町の耕作放棄地で1株を採集したが,その後,当地方では普通にみられ るようになった。多年生草本で,全体に白毛があり緑白色にみえる。茎は細く,高さは 50cmくらいで,枝分れしない。葉は線形または倒皮針形である。果実は冠毛をもってい る。○G.""gi"osz"fzL.ヒメチチコグサ(エゾノハハコグサ)(欧州?)筆者は,1957 年岩見沢市郊外の粘土質の耕地で採集した。1年生草本で,本道では珍らしい。果実は非 常に細かいので,遠くまで飛散しやすい。○Hツ αc加獅〆"e"seTAuscHキバナコウ リンタンポポ(欧州)筆者が1955年,倶知安町の耕作放棄地で,はじめて採集した新しい 帰化植物である。和名は,村田源氏の命名したもので,この雑草は,コウリンタンポポに 似ているが,頭状花は黄色で,やや小さい。茎や葉には灰白色の毛が多く,高さは40〜60
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cmである。果実のほか,ほふく茎で繁殖する多年生草木である。○Hα" "" " L,
コウリンタンポポ(キツネノエフデ,ロスケタンポポ)(欧州)倶知安町の公園およびそ の付近の荒れ地に帰化している。しかし,本年(1966)7月,北桧山地方からも,北檜山 高校教諭滝沢英一氏によって発見された。多年生草本で,夏季朱紅色の花を開く。アメリ カでは,一時花園に栽培されたが,やがて,それが物凄い勢いで繁殖を始め,ミシガンか 良)ペンシルバニアにいたるまで,著しい雑草となり,非,肘にけんおされるようになったと いう。○Hγ c"oe"s""dic""L.ブタナ(タンポポモドキ)(欧州)小樽II職厭i町か ら札幌市にむかう国道に沿ってみられ,また,耕地の1部や鉄道沿線にも往々みられる。
茎の高さは60〜80cmで,茎や葉に毛があり,葉は四方にひろがって,地面に接着してい ることが多い。花はタンポポに似た黄色花で,果実は羽毛状の冠毛をもっている。その 後,この雑草は,倶知安地方でもみられるようになり,また,本年(1966)8月,黒松内 地方の路傍でも自生しているのをみたoなお,植物採集ニュース(第27号)によると,本 州では千葉県にも本植物が出現したという,吉川代之助氏の報告がある。○Hな"α"ノル"s Z"6""os"sL.キクイモ(ブラジル)多年生草本で,塊茎があり,韮には剛毛を生じ,高 さは2mにも達する。晩秋,黄色の花を開く。古くから本道にみられ,各地の耕地やその 周辺,路傍等に多い。○L"c"cα〃"oscL.(欧州)トゲバニガナ越年生草本で,高さ 1m内外,葉の裏の主脈に著しいとげが1列に生じ,葉縁にもとげがならぶ。小樽市や余 市町付近の路傍,鉄道沿線,工場敷地等に生育しており,果実に冠毛があるので,広く散 布する能力をもっている。○R"d6"彫αノαc"jα"L.オオハンゴンソウ(北米)本種 は,本州において筆者の観察した範囲では,青森県の東北本線や栃木県の日光線の沿線 に,少し生育しているくらいである。しかし,本道においては,きわめて旺盛な繁殖をし て,鉄道沿線や路傍等のやや湿ったところに,大群落をつくっている。後志地方や胆振国 伊達町から東室蘭にいたる鉄道沿線,日高国静内町,その他旭川地方に多くみられる。多 年生草本で,茎の高さは1〜2m,夏から初秋にかけて,大形の頭状花を着ける。元来,
園芸植物であるが,しだいに野生化するようになったものである。OR.〃〃mL.キヌ ガサギク(アラゲハンゴンソウ)(北米)渡島国渡鳥大野から軍川・大沼を経て野田生に いたるまでの鉄道沿線に分布している。高さ50〜100cm,茎や葉に毛が多く,花は朱紅色 で美しいo田中瑞穂氏(1936)によると,釧路の海岸台地にも群生しているところがあ る。○Sg""jo〃"Jgn"sL.ノボロギク(欧州)道内各地の耕地に普通な雑草である。
○So"c""s"sp"HILLオニノゲシ(欧州)明治年間に日本にはいり,各地に野生して いる越年生草本。茎は太く,高さ40〜70cm,多肉で中空,無毛で,葉のきよ歯の先は堅 いとげ状になっている。○T"n""czwzαがYc航α"WEBERセイヨウタンポポ(欧州)
本道で普通にみられるタンポポは,殆んどこの種類である。外包が甚だしく反り返ってい るので,在来のタンポポとは区別がつく。耕地・路傍・鉄道沿線等に多い。
(2)Pz"'z"g""ce"eOPJα""go/α""o/""L.ヘラオオバコ(欧州)葉は狭 長で,へら形をしているので,この名がある。路傍や草地に広く分布している。
(3)scJ・op""Zα"αceae○陸γ6"sczwzr""s"sL.ビロウドモウズイカ(欧州)
北 陸 の 植 物 第15巻第1〜3号 昭和41年11月
越年生草本で,茎の高さは5()〜80cm,全休に白色の星状毛が密生するo花は黄色合弁 で,穂状花序をつくる。雄ずいは6個で毛が多いので《毛ずい花"という。小樽・共和・倶 知安地方の鉄道沿線・路傍等にみられる。OV."""i"""L.(欧州東部)菅原繁蔵 氏がエサシソウ(シロバナモウズイカ)Vb7'6"sc"加〃igγ" L.var."J6""SuGAwARA
と称したものである。外国では,東ドイツ・オーストリア・ハンガリー・ロシア南部・西 アジア等に産する。菜は瞳立し,il.6さ50〜60cm,葉は術い緑色で白毛がない。花は白色 で,ところどころに淡紅紫色のもようがある。松前・湯の岱・江差・駒が岳登山口・烏牧
、岩内町島野等に分布している。越年生草本で,細かい種子を多量に散布するので繁殖力 は強い。○Vbγ0JziC"P"Sic"POIR.オオイヌノフグリ(アジア西部・アフリカ)越年 生草本で,藍青色の花を開く。明治初年わが国に渡来した。小樽市付近・洞爺湖畔・有珠 岳山麓等の耕地に分布している。○y.αγ"g"sisL.タチイヌノフグリ(欧州・アフリカ
・アジア)越年生草本で,茎は直立し,高さ20cmlノ1外である。道南地方の鉄道沿線に分
布している。
(4)H"Zo炉α9"ce'yeOMy"o力"y〃"畑〃αsi〃e"seCAMBEssEDEsオオフサモ
(南米)筆者は,1955年後志国古宇郡堀株村の堀株川河口で採集したo流れのゆるやかな 濁水中に群生している。
(5)Ep"o""ce"eOO"of" α〃e""jsL,メマツヨイグサ(欧州)越年生草 本で,7月の中旬頃から黄色の花を開く。道内に広く分布し,耕作放棄地,原野等に群落 をつくる。O0.ノα加 c厩α"αSERINGEオオマツヨイグサ(北米?)メマツヨイグサ より大形の花を開く。大沼湖畔・岩内・小樽・蘭烏・塩谷等主として海岸地方に分布す
る。
(6)E"""o炉旋ace"eOE"""〆aszJpi""RAFIN・コニシキソウ(北米)1年 生の小さな草本で,茎はほふくする。葉も小形で,対生する。南は函館から北は網走ま で,鉄道沿線に分布しているが,耕地や路傍には,ほとんどみられない。しかし,将来は 本州なみに,耕地にも侵入する時期がくるであろう。
(7)PoI"g'zz"cetzeOPo/ygαノα""gfZL.var./α"ん"αToRREYetGRAY ヒロハセネが(北米)筆者は,1953年後志国喜茂別町で,はじめて採集した。薬用植物と して栽培したものが,逸脱したものと思われる。
(8)Oxz"α歴ce'zeOO""s"""α"aZuCc.ムラサキカタバミ(北米)多年 生草本で,地下に鱗茎がある。花は紅紫色,大形で美しいが,鱗茎によって強力に繁殖 し,たちまちひろがるので,害草とされている。木州では庭園・路傍等に,ごく普通であ
るが,本道での分布区域は限られている。(9)F"6zce"eOMを〃J〆卯ssz""o/e"sLEDEB.シナガワハギ(欧州)シナガ ワハギという名は,かつて東京品川で発見されたからであるという。古くはエビラハギと 呼んだ。花は黄色で,3〜5cmの,総状花序をつくる。小樽潮陵高校(現昭和高校)教 諭松木光治氏は小樽市で,筆者は,後志国泊村渋井海浜で採集した。○M.αノ6"DEsR‑
oussEAuxシロバナシナガワハギ(欧州)1年生草本で,高さ80cm内外,葉は3葉性
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