アナログ基礎:AD/DA編
---AD/DA変換方式や仕様を理解する---2018年6月6日 群馬大学協力研究員 東京電機大学非常勤講師 中谷 隆之 内容 ADC/DACの基本を知る ・サンプリングシステム ・ADC/DAC変換方式 ・ADC/DACの仕様を理解する。 特にACダイナミック特性の理解が重要ADC/DACによるサンプリング・システム
2 アナログ 出力 アナログ 入力 LPF ローパス フィルタ サンプル & ホールドADC
DAC
DSP デジタル 信号処理 アンチエイリアシング フィルタ LPF ローパス フィルタ スムージングフィルタ アンチイメージングフィルタ サンプリングクロック サンプリングクロック 𝒕𝒔 = 𝟏 𝒇𝒔ts
サンプリング周期 時間0
FS
アナログ信号レベル
および
量子化レベル
サンプリング(離散化)されたアナログ入力信号・連続するアナログ信号を等時間間隔でサンプリング(離散データ化)しADCでデジタル化
・サンプリング間隔fsは
ナイキストのサンプリング定理
(Nyquist sampling theorem)から、
扱う最大信号周波数の2倍以上のサンプリグ周波数で行う。
12bitでは
0~FS間を
1/4,096分解
サンプリングを行うのがサンプル&ホールド回路
3 連続するアナログ信号を、サンプリング(離散化データ)するのがサンプル&ホールド回路
(SHまたはSHA)。 別名トラック&ホールド回路(TH)とも呼ばれる。
ホールドされた離散化アナログ信号が、AD変換器でデジタルデータに変換される。
アナログ信号の
Sample & Hold
この瞬間の アナログ信号 をサンプリング サンプル サンプル ホールド (トラック)
ADC
デジタル出力 アナログ 入力 サンプリング クロックタイミング
C
h ホールドキャパシタホールド時間にAD変換
SW制御 SW制御N bit
ADCの変換速度(サンプリングレート)量子化による量子化雑音
4Quantization
量子化雑音はDC~fs/2ナイキスト周波数範囲に分布 振 幅 (dB)fs/2
DC 周波数 信号 量子化雑音 Bit数少ないと量子化雑音は増加 量子化誤差のrms
=
𝟏
𝟑
𝒒
𝟐
=
𝒒
𝟏𝟐
12bit 4.096VFSのADCの量子化雑音rms
q=1mVなので、
1 (𝑚𝑉) 12= 289μV rms
Nbitの量子化(デジタル化)により、アナログ入力信号とデジタル出力の間に誤差が生じる。 これを量子化誤差といい、本来の信号にないランダムノイズおよび高調波歪を発生させる。 デジタル 出力 アナログ入力 デジタル出力 アナログ入力 アナログサイン波を量子化 量子化誤差 q=1LSB量子化(デジタル化)における分解能と精度
5精度面で回路設計を考えると、12bitクラスまでは一般的な精度設計で良いが
14bit以上では、精度、雑音設計など高レベルな設計が必要。
高 精 度 設 計 域分解能
1LSB/相当
Bit 数 N2
N% FS
ppm FS
dB FS
2
4
25
250,000
-12
4
16
6.25
62,500
-24
6
64
1.56
15,625
-36
8
256
0.39
3,906
-48
10
1,024
0.098
977
-60
12
4,096
0.024
244
-72
14
16,384
0.0061
61
-84
16
65,536
0.0015
15
-96
18
262,144
0.0004
4
-108
20
1,048,576
0.0001
1
-120
22
4,194,304
0.000024
0.24
-132
24
16,777,216
0.000006
0.06
-144
ppm=10
-66dB/bit
Bit数とダイナミックレンジ
6音のダイナミックレンジ
CDは16bitで約100dB
ハイレゾは24bitで約140dB
音の大きさとダイナミックレンジ
ダイナミックレンジ
140dB
AD変換方式と応用分野
7 参考 http://www.analog.com/jp/education/landing-pages/003/a_sigma_delta_adc.html ・分解能と変換速度により各種変換方式が使い分けられる ・最近のADCは、ほとんどがCMOSプロセス品。またデジタル演算による精度補償技術が多用. 8 10 12 14 16 18 20 22 24 分 解 能 (b it) 10G 1G 100M 10M 1M 100K 10K 1K 100 変換速度 (sps) デルタシグマ型 工業計測 オーディオ 音声帯域 逐次比較型 (SAR)汎用ADC
パイプライン型 サブレンジング型 汎用高速ADC ビデオ、通信帯域 多重型(インターリーブ型) 超高速ADC デジタルオシロスコープ 高ダイナミックレンジADC ・汎用ADC:逐次比較型が多い ・高速ADC:パイプライン型/サブレンジ型 ・音声帯域や工業計測:デルタシグマ型 ・数Gsps以上の超高速ADC: ADCを多重化(インターリーブ型)並列型(フラッシュ型)ADC
8 ・高速だが2n-1個の比較器とラダー抵抗が必要。比較器がサンプル&ホールド機能を有する
・昔は、バイポーラプロセスで8bit20MspクラスのADCでも多く使われたADC変換方式 ・現在では、Gbps以上の超高速ADCなどで一部で使われる程度
参考 Analog-Digital Conversion :Analog Devices 基準電圧 抵抗ラダー 比較器 (コンパレータ) バイナリ エンコード ロジックと ラッチ回路 デジタル 出力
N
ストローブ (サンプリングクロック) アナログ入力 R R R R R R R/2 R/2All-Parallel (Flash)ADC
9 バイナリウェイト(分銅)を用いる化学天秤と同じ原理。バイナリ荷重を持つ分銅がDAC相当、
測定物と分銅の重さを比べるのが比較器(コンパレータ)。分銅を乗せかえる動作が逐次比較ロジック。 速度と精度のバランスが良く、必要チップエリアが小さく汎用ADCに最も多く使用される方式
逐次比較(逐次近似)型ADC
参考 Analog-Digital Conversion :Analog Devices アナログ 入力 サンプル&ホールド
SH
DAC
変換開始(Start) サンプリングクロック 変換終了 (EOC) デジタル出力 タイミング 比較器 逐次比較 (SAR) ロジック サンプリングクロック N 逐次比較変換用 クロック バイナリ荷重の分銅 重い分銅から順番に載せ替え1g
2g
4g
8g
化学天秤
測定物CMOS逐次比較型ADC
10
8bit~18bit汎用CMOS ADCでは、DACに容量バイナリ荷重型(スイッチドキャパシタ)を
用いた逐次比較型が多い。
スイッチドキャパシタDACはサンプル&ホールド機能も兼用する。
AD7981データシート Analog Devices
AD7981 16bit 600ksps
CMOS逐次比較型ADC
逐次比較 ロジック回路 バイナリ荷重容量DAC 比較器 400Ω 全容量約30pF
基準電圧 入力 差動(-) アナログ 入力 差動(+) アナログ 入力 DACスイッチ制御 デジタル 出力 変換開始 (CNV) 400Ωパイプライン型ADC
11 パイプライン型はk bit毎(一般的には1bit毎)にAD変換を行う。各段入力にはサンプル&ホールド(SH) 機能があり、AD変換処理が上位bitからパイプライン的に多重化でき、高速AD変換が可能。 数百Msps~Gspsの超高速AD変換方式として使用される。 各段において入力と量子化結果によるDAC値からの差分を増幅(1bitならx2増幅)して次の段に出力。Pipelined ADC
Analog-Digital Conversion :Analog Devices
1bit/段構成
パイプライADC
k bit/段構成
パイプライADC
X2 増幅器2
K 増幅器 サンプル& ホールド サンプル& ホールド2
K 増幅器 X2 増幅器 N bit デジタル出力 N bit デジタル出力サブレンジング型ADC
12 上位ビット群と下位ビット群に分けてAD変換する方式。2段以上に分けてAD変換する場合もある。 各段にサンプル&ホールドを設ければパイプランADC。 各段に冗長性ビットを持たせデジタル演算補正すると(例えば12bit ADCで6bit+7bitとする)線形性が 得やすく高精度化が可能となる。 12bit~16bit、数MHz~数百MspsクラスのADCに採用。参考 Analog-Digital Conversion :Analog Devices アナログ 入力 サンプリング クロック サンプル& ホールド 制御 デジタル演算補正+出力レジスタ N(=N1+N2) bitデジタル出力 MSB LSB N1 bit ADC N2+α bit ADC N1 bit DAC
Σ
G
+
-増幅器 オーバレンジ域 冗長性を持た せる
N2bit
レンジ内インタリーブ(多重)型高速ADC
13 Analog-Digital Conversion :Analog Devices
2個のADCをインターリーブしたスペクトラム
fs=400Msps、fin=180MHz
デジタル演算補正 ありTime-interleaved ADC
複数のADCをインターリーブ(多重化)動作させ高速ADCを実現。 各ADCの特性差(ゲイン、タイミング誤差など)で、 不要なイメージスプリアスが発生する。 各ADCの特性差をデジタル演算にて補正。2個のADC
デジタル演算補正 2つのADC特性差による エラー信号 AD1 AD2 サンプリング クロックインターリーブ型8bit/90Gsps超高速ADC
14 ISSCC 2014 IBM 差動 アナログ入力64個の逐次比較型ADCを多重化
8bit/90Gsps CMOS ADC:64個のSAR方式ADCを多重化
・64個のSAR方式ADを多重化し8bit/90GspsADCをCMOS1チップ化
・入力fin=19.9GHz,サンプリングfs=90Gspsにて、SNDR=33dB,SFDR=41.4dBと高性能
・電源電圧:1.2V
・消費電力:667mW
・プロセス:32nmSOI
・エリア:470x960μm
ISSCC2014 Session 22.,1 サンプリングクロックSAR
64個のADCを多重化
デジタルオシロ用超高速8bit/200Gsps ADC
15
テクトロニクス「ATI(Asynchronous Time Interleaving)」AD変換技術
デジタル信号処理技術+多重化ADC技術+デジタル補正技術により実現 ・70GHzの入力信号帯域幅を、200Gサンプル/秒で取り込むデジタルオシロに採用 ・100Gサンプル/秒のA-D変換器2個を使って、信号帯域を70GHzに高める ・70GHz帯域アナログ信号を位相が180度異なる75GHzサンプリングパルスで標本化 DC~35GHzの低周波(LF)と、35G~70GHzの高周波(HF)の2系統信号に分離 テクトロニクスHP デジタル信号処理技術を巧みに利用
8bit,100Gsps
~70GHz帯域 アナログ信号 75Gspsサンプリング 35GHz 多重化ADC LF LF LF LF LF LF HF HF HF HF HF HF HF HF LF LF2重積分型(デュアルスロープ)ADC
16
デジタル電圧計などの計測器に長年使用されてきたAD変換方式。
Analog-Digital Conversion :Analog Devices
基準電圧の積分しTxを計測 Txが入力電圧に比例
T
Tx
時間 傾き=
𝑽𝒊𝒏 𝑹𝑪 傾き=
𝑽𝒓𝒆𝒇 𝑹𝑪 傾きは一定Tx積分は、入力信号と 逆極性の基準電圧による アナログ 入力信号を一定時間(T)積分C
R
+Vref -VrefVin
アナログ入力 基準電圧 カウンタ CK Reset デジタル出力 積分器 制御回路 発振器 積分コンデンサ 誘電体吸収の少ない良質のコンデンサが必要 比較器(コンパレータ) ゼロクロス検出2重積分型ADCの周波数特性:50/60Hz
誘導雑音を除去
17 Analog-Digital Conversion :Analog Devices
2重積分型ADCでは、アナログ入力信号の積分時間を誘導雑音周期の整数倍にとり、誘導雑音除去 例えば、50Hz誘導雑音を除去するのは積分時間を20msの整数倍に設定。 50Hzと60Hzの誘導雑音を除去するには積分時間を100msecの整数倍とする。 T:入力信号の積分時間 周波数 (Hz) T=20msとした時の周波数 ア ナ ロ グ 入 力 レ ベ ル
(dB
)
アナログ入力の エンベロープ特性 積分時間Tとすると 1/T(Hz)のn倍周波数で 急俊なノッチ特性となる 50 5 100 150 500デルタ・シグマ(ΔΣ)型ADC
18デルタシグマ(ΔΣ)型ADCの原理は古い。デジタルLSI 技術進歩が可能としたAD変換方式。
デジタルオーディオの進化がデルタシグマ型ADCを進化させた。
この分野における日本の技術寄与は大きい。
ΔΣADCの特徴:
・キーコンセプトは“
アナログシンプル&デジタルリッチな高分解能AD変換方式
”
・デルタシグマADCにおいてキーとなるデジタル信号処理技術は、
オーバーサンプリング、ノイズシェーピング、デジタルフィルタ、デシメーションなど
・CMOS化に適したAD変換方式で、低消費電力、低コスト
・高分解能(~24bit)、優れた微分直線性(DNL)
・高分解能、自己&自動キャリブレーションが活きるシグナルコンディショニング分野や
高分解能、高ダイナミックレンジを活かした音声帯域やオーディオ分野への応用に最適
Delta-Sigma ADC
量子化雑音とオーバサンプリング
19 Analog-Digital Conversion :Analog Devices
デルタシグマADCは、極めてデジタルリッチなAD変換方式。
オーバーサンプリング、デジタルフィルタ、ノイズシェーピング、デシメーションなどの
デジタル信号処理技術で帯域内量子化雑音低減し高いSNRを実現
デルタシグマADCの原理
量子化ノイズ= 𝒒 𝟏𝟐 𝒒 = 𝟏𝑳𝑺𝑩 デジタルフィルタ 除去されたノイズ 除去されたノイズ ADC ADC ΔΣ ADC デジタル フィルタ デジタル フィルタ デシメーション デシメーション アナログ 入力 アナログ 入力 アナログ 入力 ナイキストサンプリング オーバサンプリング +デジタルフィルタ +デシメーション オーバサンプリング +ノイズシェーピング +デジタルフィルタ +デシメーション 逐次比較型や パイプライン型などデルタシグマ(ΔΣ)型ADCの原理
20 ・オーバサンプリング+ノイズシェーピング技術で、 高精度アナログ素子用いずに高分解能ADC実現 ・信号帯域の数十倍以上のサンプリングレートで サンプリング(オーバサンプリング) ・量子化器のbit数は極めて少ない(基本は1bit)ので 量子化ノイズは大きい。これはデジタルフィルタで除去 量子化bitが少ないので、 この量子化ノイズは大きい デジタルフィルタで この量子化ノイズを除去 ノイズシェーピングされた 量子化ノイズ 信号成分 LPF 周波数 残留量子化ノイズ 信号成分 LPF 周波数デルタシグマ(ΔΣ)変調
一次デルタシグマADC
デジタル 出力 Nbit fs 1bit kfsfs
オーバサンプリング クロックkfs
1bit量子化器 積分器 +Vef -Vef アナログ 入力 デジタル フィルタ1bit DAC
1bit データ+
-∫
デルタシグマ(ΔΣ)変調器+
Δ
Σ
+
+
デルタシグマ変調器の考え方
21 量子化雑音 入力を積分してから量子化。 そして微分して信号はフラット に戻す。 ノイズシェープした量子化 雑音はデジタルフィルタで除去。 この構成では、積分器出力 が飽和する可能性あり、 このままでの実現は不可能。 そこで微分回路を帰還系に 入れると、同じ動作が得ら れる。これがデルタシグマ変調器
図:群馬大学小林先生講演資料から アナログ 入力 積分器 量子化 微分器 デジタルフィルタ 積分器 ΣΔ
シグマデルタ
デルタシグマ
デルタシグマかシグマデルタか?
22実効値rms
・本来は、最初の命名者がつけた名称が尊重される
・最初の命名者は安田氏(デルタシグマと命名)だが、欧米では当初認知されていなかった
AT&Tの研究者が、欧米論文でシグマデルタとして広めた。
・実効値rmsを求める順番はsquare mean rootだが、理論式はroot mean squareの順
同様にΔΣを求める順番はデルタ シグマの順だが、理論式ではシグマデルタの順番
デルタシグマ
(実際の回路順)or
シグマデルタ
(式の順番)英語での論文が不十分だったよう
Analog-Digital Conversion ADI
(a)実際に求める順番
(b)計算式の順番
オーディオ用デルタシグマ型ADC特性例
23 AD1871データシート :Analog Devices
AD1871 24bit 96ksps ADC (Analog Devices)
デジタルフィルタ特性
48KHz 96KHz
20KHz帯域内スペクル
入力1KHz,-20dB of FS
デルタシグマ ADC部 デジタル フィルタ部fs=6.144MHz
アナログ 入力 デジタル 出力 24bit 96kspsデルタシグマADC量子化雑音
dBfs=6.144Msps
高次デルタシグマ(2次デルタシグマ)
24 ループ内のデルタシグマ変調器の段数を増やした 高次デルタシグマは、帯域内(パスバンド)の量子化雑音を 低くできる 高ダイナミックレンジ化 パスバンド Fs/2 ス ペ ク ト ラ ム 密 度 ス ペ ク ト ラ ム 密 度 信号 信号 周波数 2次量子化雑音 一次量子化雑音デルタシグマ量子化雑音
2次量子化雑音 一次量子化雑音拡大
2次デルタシグマ(ΔΣ)構成
デジタル フィルタ 量子化器 1bit DAC 積分器 積分器 Vin+
+
Kf
Sf
Sf
S高次デルタシグマ型
25多段ノイズシェーピング(MASH)
4次デルタシグマ(ΔΣ)
3次以上の高次ΔΣは 安定性に課題あり。 系を安定とする工夫が 必要。この4次例では、 局部帰還で安定性確保 高次ΔΣを安定とするアイデア。 前段の量子化誤差を次段のΔΣで 順次量子化。負帰還は1次系のみ。 このため3次以上の高次ΔΣでも 安定性が確保される。 NTT通研(松谷氏他)と松下電器との共同開発。 1987年初論文。 MASHはNTTの登録商標 アナログ 入力 デジタル 出力 DAC ∫ ∫ ∫ ∫ a1 a2 a3 a4 b1 局部帰還 b2 局部帰還+
+
+
+
積分 積分 積分 積分 量子化 係数 係数 ∫ ∫ ∫ + + DAC DAC DAC デジタル 出力 アナログ 入力 遅延 微分 微分 微分 1bit ΔΣ変調器 1段目の 量子化雑音 2段目の 量子化雑音 + + + + + 積分 量子化時間離散型と時間連続型デルタシグマADC
26時間離散型デルタ・シグマA/Dコンバータ
時間連続型デルタ・シグマA/Dコンバータ
http://www.analog.com/jp/education/landing-pages/003/a_sigma_delta_adc.html アンチエイリアシングフィルタ不 要で、入力にスイッチドキャパ シタ切り替えノイズの発生がな い利点ある。一般的なデルタシグマADC構成
サンプリング32bitデルタシグマADC搭載ASSP:ADS1262
(Texas Instruments )27 ・~38.4Ksps,32bit デルタシグマADC (さらに24bit デルタシグマADCも搭載)
・高精度:オフセット電圧ドリフト1nV/℃、ゲインドリフト0.5ppm/℃、線形性3ppm、ノイズ7nVrms ・高精度基準電圧内蔵:2.5V 2ppm/℃ ブリッジ抵抗式センサ 圧力センサ、歪みゲージ 熱電対、測温抵抗体(RTD) ADS1262 datasheet TI
温度補正高精度ブリッジ応用
ADS1262
ブリッジの+SENSEと-SENSE間に正確 な電圧印加が必要。 ブリッジフルスケール出力は印加電 圧5Vで10mV程度とかなり小さい。 はかりなどの高精度計測用基本的な電圧出力DAC
28電圧出力サーモメーター型DAC
抵抗ラダーと2n-1個のCMOSスイッチで構成。 スイッチはバイナリ入力コードをエンコード して制御される。電圧出力バイナリ抵抗荷重DAC
バイナリ比をもつ抵抗群と
CMOSスイッチとで構成
Voltage output DAC
Vout アナログ 出力 Vref 基準電圧 デジタル 入力 Vref 基準電圧 アナログ 電圧出力
N
デジタル 入力 デコード 回路 スイッチ駆動基本的な電流出力DAC
29
Current output DAC
バイナリ荷重電流源型
Iout
電流出力 デジタル 入力バイナリ荷重抵抗型
Iout 電流出力 デジタル 入力 基準電圧 デジタル入力電流出力R-2RラダーDAC+電流-電圧(IV)変換
電流-電圧変換 電圧出力 基準電圧セグメント型DAC:
上位ビットセグメント+下位ビットバイナリ荷重構成
30 チップ上で高精度バイナリ比を持つ電流源やR-2Rラダーの実現は難しい。
そこで高精度を得やすい等電流源を使用し、上位ビットはデコードして等電流源をスイッチ。 精度がそれほど必要としない下位ビット(一般的には8bit以下)はバイナリ電流源をスイッチ
Segmented current output DAC
Analog-Digital Conversion :Analog Devices
上位ビットはセグメント化抵抗 下位ビットはR-2Rラダー デジタルコード で制御 電流-電圧(IV)変換 Iout 上位ビットはセグメント化電流源 下位ビットはバイナリ電流源 デジタルコード で制御 電流-電圧(IV)変換 Iout Iout Iout
抵抗ベース
セグメント型
電流源ベース
セグメント型
R
fR
f+
+
-Vout 電圧出力 Vout 電圧出力 26 25 24 S7 S6 S5 S4 S3 S2 S1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 0 1 0 0 0 0 0 0 1 1 0 1 1 0 0 0 0 1 1 1 1 0 0 0 0 0 1 1 1 1 1 0 1 0 0 1 1 1 1 1 1 1 0 0 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 S1 S2 S3 S4 S5 S6 S7 23 22 21 20 S1 S2 S3 S4 S5 S6 S7 23 22 21 20
直線性1ppm、20bit高精度DAコンバータ:AD5791
(Analog Devices)
31
ISSCC 2013
上位6bitセグメント+下位14bit R-2Rラダー方式
AD5791 datasheet Analog Devices セグメント方式
モノリシックDACとして
驚異的な高性能
1ppm直線性と安定性をモノリシックで実現 CMOS/BJTプロセス+薄膜抵抗+補正技術 超安定化回路技術+低雑音回路技術 性能概要 ・1ppm分解能、1ppm非直線性(INL) ・7.5nV/√HZ 電圧雑音密度 ・0.19LSB 長期線形性安定性 ・<0.05ppm/℃ 温度ドリフト ・1μs セトリング時間 ・1.4nVsec グリッジ ・-40℃~+125℃ 動作温度範囲 ・20pin TSSOPパッケージ ・~±16.5V 電源電圧範囲電流セルマトリックス型DAC(デコード型DAC)
32
8bitなら255個の電流源セルを備え、8bitデジタル入力コードをデコードして、
255個のスイッチを制御。ONしたセルの電流を加算して出力。
CMOSプロセスによるDACに有利な方式。
Current cell matrix DAC
ONセル群
OFFセル群
行デコーダ
列 デ コ ー ダ デジタル 入力+Vd
R
LVout
Vout
+VdDi
Di
定電流源電流セルユニット
例
8bitでは255個のセル群
デジタル入力が100の時
100個のセルがON
155個のセルがOFF
バイナリ荷重容量DAC(スイッチドキャパシタ型DAC)
33 図 http://www.ssc.pe.titech.ac.jp/demo/lectures/analog/080721_12_analog.pdf D0~Dnをデジタル入力でスイッチ CMOS DAC方式として最も多用。CMOSでは抵抗より容量のほうが集積化しやすい デジタル入力コードによりバイナリ荷重容量を切り替え。スイッチONで容量を基準電圧Vrefに 接続。それ以外の容量はGND側に接続。Switched capacitor DAC
𝑸
𝒙
=𝑪
𝒙
𝑽
𝒓𝒆𝒇
デジタル入力によ り決まる 𝑸𝒙と同じ電荷がこの16Cにチャージ𝑽
𝒐𝒖𝒕
=
𝑸
𝒙𝟏𝟔𝑪
=
𝑪
𝒙𝟏𝟔𝑪
𝑽ref
デルタシグマ(ΔΣ)型DAC
34デジタル技術(オーバサンプリング+デジタルフィルタ+ノイズシェーピング)により
高精度アナログコンポーネントなしで高精度DACを実現可能。
ほとんどの回路がデジタル回路で構成される
Delta-Sigma DAC
∫ ∫ 𝐙−𝟏 ノイズシェープされた 1bit デジタルデータ オーバサンプリング されたデジタルデータ 2次ΔΣ変調器 遅延 量子化 積分 積分 ΔΣ変調器回路には、1次、2次、3次以上の特性のものが使用される デジタル 入力 1 stオーバサ ンプリング デジタルフィ ルタx4
2ndオーバ サンプリング デジタルフィ ルタx64
デジタル ΔΣ変調器 16bit 4fs 16bit 256fs1 bit
DAC
アナログ
ローパス
フィルタ
アナログ出力デルタシグマDAC (デジタルオーディオ用の例)
16bit fs= 44.1Ksps デジタル回路のみで構成オーバーサンプリング
35 サンプリングクロックfsをナイキスト周波数の2倍に近くにとると、DAC出力に急峻な特性を持つ ローパスフィルタ(アンチ・イメージング・フィルタ)が必要。 デジタル補間フィルタでサンプリング周波数を高めオーバーサンプリングすると、DAC出力のローパ スフィルタに要求される特性は軽減される。 デジタル入力DAC
アナログ出力 オーバー サンプリング クロッ オーバサンプリング デジタル 補間フィルタ アナログ アンチ イメージング フィルタAnalog-Digital Conversion :Analog Devices
ナイキストサンプリング
サンプリング周波数 アンチ・ イメージングフィルタ サンプリング周波数オーバーサンプリング
アンチ・イメージングフィルタデルタシグマDAC
デルタ・シグマ型DAC
36 参考 Analog-Digital Conversion :Analog Devices
デルタシグマ型DACは、ほとんどがデジタル機能。1bitDACもCMOSインバータ回路その
もの。ただし出力ローパスフィルタはチップ外回路で構成。
マルチビットデルタシグマDACでは、ΔΣ変調器とDACをマルチビット化し、帯域内で高SNR
を得る。
1bitデルタシグマDAC
デジタル 入力 オーバサンプリング デジタル 補間フィルタ デジタル デルタシグマ ΔΣ変調器 1 bit DAC アナログLPF
アナログ 出力N bit (@fs) N bit (@K fs) M bit (@K fs) アナログ2値レベル
マルチビットデルタシグマDAC
デジタル 入力 オーバサンプリング デジタル 補間フィルタ デジタル マルチビット デルタシグマ ΔΣ変調器 M bit DAC アナログLPF
アナログ 出力ゲイン誤差とオフセット誤差
37 オフセット誤差 オフセット誤差 ゲイン誤差 ゲイン誤差 オフセット+ゲイン誤差 オフセッ+ゲイン誤差 入力 入力 入力ユニポーラ型
(単極出力)
バイポーラ型
(双極出力)
Analog-Digital Conversion :Analog Devices
出力
出力
入力
直線性誤差:非直線性誤差(INL)
38入力
入力
出力
出力
最大直線性誤差 最大直線性誤差エンドポイント法
ベストストレートライン法
理想直線 理想直線・直線性誤差(リニアリティエラー)は、理想直線からのズレ
・理想直線は、0-FS(フルスケール)間を理想直線とするエンドポイント法と
最大直線性誤差を最小とする直線を用いるベストストレートライン法がある。
・ゲイン誤差やオフセット誤差は、簡単に補正可能だが直線性の補正は難しい。
・直線性は、DC精度およびACダイナミック特性(歪み発生)に影響を与える
デジタル入力コード アナログ 出力 DNL< -1LSBだと 単調性なし(非単調性)
直線性:微分直線性誤差(DNL)と単調性
39微分直線性(DNL)
Analog-Digital Conversion :Analog Devices
・ADCおよびDAC特有の直線性スペックが微分直線性(DNL)と単調性
・隣り合うデジタルコード間の精度が微分直線性
ミッシングコードと非単調性
アナログ入力 デジタル 出力 ミッシングコード 非単調性 (デジタルコードの欠け)Differential Non-Linearity & Monotonicity
ADC/DACのACダイナミック特性
40・高調波歪み:
主に2次高調波歪みと3次高調波歪み・最大高調波歪み:
高調波歪で最も大きい歪み成分・全高調波歪み (THD) :
一般的に2次~5次高調波歪みまでが計算される・全高調波歪み+ノイズ (THD+N):
DC成分は除外・信号対雑音+歪み比 (SINAD,またはS/N+D)
・有効ビット (ENOB)
・信号対雑音比 (SNR):
信号と全雑音の比・アナログ帯域(フルパワーおよび小信号帯域)
・スプリアスフリーダイナミックレンジ(SFDR):
最も大きいスプリアスレベル・2トーン混変調歪み
・マルチトーン混変調歪み
・ノイズパワーレシオ(NPR)
・隣接チャンネルリーケージレシオ(ACLR) :
通信分野で重要・ノイズフィギュア(NF)
・セトリング時間
・過電圧リカバリ時間
量子化雑音
41 Nbitの量子化(デジタル化)により、アナログ入力信号とデジタル出力の間に誤差が生じる。 これを量子化誤差といい、本来の信号にないランダムノイズおよび高調波歪を発生させる。 量子化誤差のrms=1
3
𝑞
2
=
𝑞
12
のこぎり波状に発生する デジタル 出力 アナログ入力 デジタル出力 アナログ入力 アナログサイン波を量子化 量子化誤差 q=1LSBNビット量子化による理論SNR
42 参考 Analog-Digital Conversion :Analog Devices
N bit量子化雑音により
SNR=6.02N+1.76 (dB)
となる理由
0
FS=𝒒𝟐
𝑵・FS入力=V(t)=
𝒒𝟐𝟐𝑵𝒔𝒊𝒏 𝟐𝝅𝒇𝒕
・サイン波のrms(実効値)=
𝟏𝟐(
𝒒𝟐𝑵 𝟐)
・量子化ノイズのrms(実効値)=
𝒒 𝟏𝟐・SNR=20𝑳𝒐𝒈
𝟏𝟎量子化ノイズの
𝑭𝑺サイン波の
𝒓𝒎𝒔値
𝒓𝒎𝒔値
=20𝑳𝒐𝒈
𝟏𝟎𝟐
𝑵+20𝑳𝒐𝒈
𝟏𝟎 𝟑 𝟐SNR=6.02N + 1.76 (dB)
DC~fs/2(ナイキスト周波数)帯域で測定される 12bit 4.096VフルスケールADCの例 1LSB q=1mvなので ・FSサイン波の実効値=0.707x2.048=1.45v rms ・量子化ノイズrms=1mv/√12=289μv rms ・SNR=20LOg 1.45 289𝑥10−6 = 74 (𝑑𝐵)q=1LSB
有効ビット(ENOB)
43有効ビット(ENOB
)=
𝑺𝑵𝑹 𝒅𝑩 −𝟏.𝟕𝟔𝒅𝑩
𝟔.𝟎𝟐
(bit)
ADCの特性評価でSNRを有効ビット数で示す場合もある。
雑音、ジッタでSNRおよび有効ビット数は影響される。また信号周波数特性を有する
Effective number of bit
Analog-Digital Conversion :Analog Devices
有効ビット(bit)
フルスケール入力信号の周波数特性 -3dB フルスケール入力時の有効ビット周波数特性 -20dB/FS入力時の有効ビット周波数特性 (dB) アナログ入力信号周波数 (Hz)ACダイナミック特性はFFT解析による
44 AD4940データシート ADIADCのFFT解析例
20KHzスペクトラム
フルスケール(FS) 入力信号レベル スプリアスフリー ダイナミックレンジ 最大スプリアス レベル レ ベ ル(d B )fs/2
周波数 2次歪 3次歪ノイズおよびSNR
ADC/DACのACダイナミック特性は、FFT演算により得た周波数(スペクトル)データから解析される アナログ入力f
af
SNbit
ADC
サンプリングクロックM word
バッファ
メモリM point
FFT
解析 M/2本のスペクトル 出力M/2 bin
DSP:デジタル 信号処理デジタル信号処理では、様々な偽データを生ずる可能性がある。理屈を理解しておこう。
FFT:
高速フーリエ変換
エイリアシングエラー(折り返し誤差)
45 横軸を周波数とする横長透明用紙上に サンプリング周波数fsとし、ナイキスト周波数 fs/2のx n倍周波数で交互に用紙を折り返す。 そして透視すると、fs/2以上の信号は 0~fs/2の周波数帯域に折り返され観測されるサンプリング周波数をfsとすると、fs/2をナイキスト周波数という。
このナイキスト周波数fs/2以上の入力信号は帯域内に折り返される。
1M 25M 12M 1MHz (5M) (8M)エイリアシングエラー
fs
fs/2 3fs/22fs
0 1MHz 10M 20M 30M 40M 12MHz 25MHzfs=20Mspsでサンプリングした時のエイリアシングエラー
レ ベ ルAliasing Error
FFTポイント数でノイズフロワーが変わる
46下記データは何ポイントのFFT結果か?
SNR=86.4dB,ノイズフロワーが-120dBなのでFFTプロセッシングゲインが120-86.4=33.6dB
よって、4096ポイントFFTデータ
このノイズ成分には
・真のノイズ(これだけを測りたい) ・量子化ノイズ ・クロックアパチャジッタ影響 ・折り返しノイズ ・FFTプロセッシングによる影響 ・データウインドウの影響 などが重畳されている。FFTプロセッシングゲイン(dB)
=10log10(M/2)
M:FFTポイント数
M=1024 27dB
M=2048 30dB
M=4096 33dB
SNR
FFTプロセッシングゲイン N bit量子化によるSNRFFT解析によるSNRとノイズフロワー
47 Analog-Digital Conversion :Analog Devices
12bit量子化による、SNRとノイズフロワーの関係
N:12 bit
M:4096 FFTポイント数
SNR
FFT
プロセッシング ・ゲイン ADCフルスケール(rms) Bin 周波数スペクトル間隔 ナイキスト周波数 量子化雑音によるSNR FFTノイズフロワーSFDR
(dBcまたはdBFS) 最大スプリアスレベルSignal to Noise ratio
量子化雑音によるSFDRへの影響
48 Analog-Digital Conversion :Analog Devices
理想12bit 量子化におけるSFDR特性をシミュレーションで見てみる。
サンプリング周波数と発生信号周波数の関係で
SFDR(最大スプリアスレベル)
が異なる。
量子化雑音をランダム化するため、ディザ
(微小ランダム雑音)を信号に重畳する場合もある
量子化雑音がランダムに拡散
量子化雑音が高調波歪成分へ集中
SFDR -76dB SFDR -90dBSpurious free dynamic range
FFT解析:リーケージ、サイドロープ発生なし
49 データウィンドウ(FFT解析ポイント数)に整数のサイン波サイクル数を有するとき、信号周波数は binの中心となり、左右にサイドロープは生じない 周期関数 データ 周期関数 ウィンドウ このウィンドウ内データでFFT演算 時間ウィンドウ両端でデータが連続している
例
M=1024ポイント
fs=1.024MHz
fs/2=512KHz
BIN本数:512本
BIN分解能:1KHz
Analog-Digital Conversion :Analog Devices
𝒇
𝒊𝒏
𝒇
𝑺
=
𝑴
𝑪
𝑴
Mc:データウィンドウ内の信号サイクル数 M:レコード長(FFTポイント数) サイン波信号 周波数 1本のスペクトラムのみ サンプリング周波数 信号周波数100KHz
99KHz
101KHz
ADC試験ではコヒーレントサンプリングで
50FFT解析を用いたADCダイナミック試験では、試験サイン波信号周波数とサプリング
クロック周波数の同期をとり、下記式を満たす
コヒーレントサンプリング
を行う。
コヒーレントサンプリングでは、基本波、高調波信号は1本のbinに集中し、サイドロープは
生じなくなる。
Coherent sampling
例
M=1024ポイント
fs=1.024MHz
fs/2=512KHz
BIN本数:512本
BIN分解能:1KHz
fin=100KHz Mc=100
Analog-Digital Conversion :Analog Devices
f
in DC成分は 除く𝑓
𝑠2
周波数
2次歪み 4次歪み 3次歪み 振幅 (dB)512本のBIN
512KHz
100KHz
99KHz 101KHz
1KHz
すなわち周波数分解能 1KHz
ナイキスト周波数𝑓
𝑖𝑛
𝑓
𝑠
=
𝑀
𝐶
𝑀
FFTポイント数=2
n例:1024,4096など
サンプリング周波数 信号周波数 素数 データウインドウ内の 信号サイクル数FFT解析:リーケージ、サイドロープの発生
51 データウィンドウ内に信号成分が非整数のサイン波サイクル数となる場合、信号の左右に大きなサイド ロープを生じる 周期関数 データ 周期関数 ウィンドウ この間のデータをFFT演算 両端が連続しないため切り取り誤差 (リーケージエラー)発生 時間Analog-Digital Conversion :Analog Devices
𝒇
𝒊𝒏
𝒇
𝑺
≠
𝑴
𝑪
𝑴
Mc:データウィンドウ内の 信号サイクル数 M:レコード長(FFTポイント数) サイン波信号 周波数 1本のスペクトラムにならない サイドロープ100KHz
101KHz
例
M=1024ポイント
fs=1.024MHz
fs/2=512KHz
BIN本数:512本
BIN分解能:1KHz
fin周波数が100K~101KHzにあると
FFT解析:窓関数(ウインドウ)の使用
52 Analog-Digital Conversion :Analog Devices
信号周波数とサンプリングクロックが非同期の場合、通常は窓関数を掛けた上で、
FFT解析を行う。窓関数処理により大きなサイドロープは改善される。
代表的な窓関数
周波数スペクトル HANNING MINIMUM 4-TERM BLACKMAN HARRIS M=1014 M=1014 入力信号 窓関数 窓関数が かけられた 信号 データ ウィンドウ窓関数処理
Window function
非コヒレーントサンプリング
53サンプリング周波数fs,信号周波数finが
𝑓
𝑖𝑛𝑓
𝑠=
𝑀
𝐶𝑀
の関係にあると、
信号スペクトラム左右にスペクトラムの広がり(リーケージ)を発生する。また高調波歪みの左右にも リーケージが発生。このため、Hanning窓では、基本波信号成分は、fin±25BinのスペクトルのRSS(2乗 和のルート)で求め、高調波も±3BinのRSSから求める。DC成分は6Binを除外し、THDやTHD+N計算Analog-Digital Conversion :Analog Devices
DC除去: 6 bins 各高調波:±3 bins 基本波信号 ・HANNING窓:±25 bins ・MINIMUM 4-TERM
BLACKMAN HARRIS窓::±10 bins
基本波、高調波は下記サイドロープbinを含めてRSS計算
𝒇
𝒊𝒏𝒇
𝑺≠
𝑴
𝑪𝑴
RSS
(Root Square Sum)
二乗和平方根ADCのSNR劣化要因
54 Analog-Digital Conversion :Analog Devices
ADCのSNRを決める要素
f
a:アナログ入力周波数(フルスケールサイン波)
t
jrms:ADCのサンプリングクロックジッタ(ADC内部ジッタ+外部クロックジッタ)
ε:ADCの平均DNL(微分非直線性)
N:ADCのビット数
V
n rms:ADC入力等価雑音電圧
SNR=-20𝑙𝑜𝑔
10
2π × 𝑓
𝑎
× 𝑡
𝑗 𝑟𝑚𝑠
2
+
2
3
1+𝜖
2
𝑁2
+
2× 2×𝑉
𝑛 𝑟𝑚𝑠2
𝑁2
サンプリングクロックジッタ ADCの量子化 ノイズ、DNL 信号ノイズもし、tj=0, ε=0, Vn rms=0とした理想ADCにおいて
SNR=6.02N + 1.76 (dB)
アパチャ・ジッタ
55 参考 Analog-Digital Conversion :Analog Devices
クロックの時間的揺らぎ(ジッタ)がノイズを増加 サンプリングクロックの時間的ゆらぎやバラツキ(アパチャ・ジッタ)は、 入力信号のサンプリング点を変化させSNRを劣化させる。 アナログ入力周波数が高いほど受ける影響は大きい。 入力周波数高い時 サンプリング された信号 ジッタ 入力周波数低い時 サンプリング された信号 ジッタ
Aperture jitter
ホールド サンプル Δ𝒕𝒓𝒎𝒔=アパチャジッタ アナログ入力信号の傾き=
𝒅𝑽 𝒅𝒕 Δ𝑽𝒓𝒎𝒔=アパチャジッタ誤差サンプリングにて時間バラツキが電圧バラツキに変換される。
(時間) (電圧) SNR劣化 大きいサンプリングクロックジッタの影響
56 ジッタ tj≒4psクロック源 ジッタ tj≒50fsクロック源サンプリングクロック周波数
fs=90Msps
アナログ入力信号周波数
fin=10MHz
Analog Dialogue Volume 42 Number 1
サンプリングクロックジッタが多くなると、信号周波数が高くなるほどノイズレベルが
上昇(SNR劣化)する。また信号レベルが高くなるほどノイズレベルが増加
ジッタ特性:アナログ入力周波数,SNR,有効ビットの関係
57 120 95 70 45 25 SN R ( d B FS ) 10M 100M 1G 10G 1M フルスケールアナログ入力周波数 (Hz)・サンプリングクロックジッタが1psあると、10bit精度だとアナログ入力周波数は100MHzまで、
12bit精度だと30MHzに、16bitだと2MHzに制限される。
・ジッタを抑えないと、SNRが低下(有効ビットの低下)となり、必要な分解能性能がでない
有効ビット
(bit)
Analog Dialogue Volume 42 Number 1
1M 10M 100M 1G 1n 100p 10p 1p 100f 300p 30p 3p 300f 30f フルスケールアナログ入力周波数 (Hz) ジ ッ タ tj (s e c)