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大阪狭山池車樋に使われた 鉄釘の断面観察

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Academic year: 2021

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大阪狭山池車樋に使われた 鉄釘の断面観察

 大阪狭山池の慶長の改堤工事に伴って作られた東樋の 蓋を本体に留める鉄釘は、表面にサビを生じているもの の、たいへん残りがよい状態で遺存していた。慶長年間 の改修工事には、当時の備中国奉行小堀遠州が資材調達 で大いに寄与したとされ、この鉄釘も備中産の鉄によっ

て作られた可能性もある。 17世紀初頭に製作されてから ほぼ400年を経過していることになり、製作年代もはっ

きりした鉄製資料として重要である。

 釘全体は鍛造で製作され、叩いて曲げて頭部を造作し ていると考えられるが、その技術の詳細も表面から見て いるだけではわからない。そこで、釘の頭から先まで、

縦断面で切断し、内部の金属組織を詳細に調査するとと もに、成分分析もおこなうことを試みた。

 鉄釘中央部における成分分析の結果、炭素の平均値 は、0.01%と低い。また、現在の鋼材で一般的に含まれ ていると見られる元素も、たいへん低いレベルにあるこ とがわかった。鉄マトリックスは、ほぼ純粋な炭素鋼と みてよい。従って成分分析から、特に始原材料を特徴づ ける元素を見出すことはできなかった。

 釘の縦断面の金属組織を顕微鏡によって詳細に観察す ると、この釘の製作技術が窺えた。釘の頭から刃先にか けてはほぼ均一な軟鋼を用い、ほぽ中間部から先端部分 にかけては硬い鋼を叩き合わせて鋭く仕上げている可能 性があることがわかった。整然とは言い難いが金属組織 が縞状に変化し、マクロ組織からも硬軟の異なる鋼が重 なっている状態がみてとれ興味深い。これは炭素量の異 なる鋼を鍛接した可能性を示唆しているのではなかろう か。日本刀の製作技術にも通じるものとして興味深い。

 研磨した断面のマクロ組織とともに、頭部の軟らかい 鋼の金属組織(フェライト(a‑Fe))と先端部の硬い鋼の

金属組織(パーライト(フェライトとパーライト(フェライト

+セメンタイト(Fe3C)の微細共析組織))の代表的なミクロ 組織を示した。鉄製品は一般的に錆びて残りが悪いが、

この釘はきわめて保存状態がよいため、当時の鉄釘の製 作技術を窺うに足る情報を提供してくれた。

 今後さらに、同様の資料に対して、金属組織の点から

調査を重ねることが重要であろう。    (村上 隆) 図66 狭山池東樋出土釘の断面マクロ組織

研究報告 43

参照

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 組織成員が組織に所属することに何かしらの「苦しさ」を感じていても、当該組織からの逃走が困難

果を惹起した者に直接蹄せられる︒しかし︑かようなものとしての起因力が︑ここに正犯なる観念を決定するとすれぼ︑正犯は

 そこで、本研究では断面的にも考慮された空間づくりに

シークエンシング技術の飛躍的な進歩により、全ゲノムシークエンスを決定す る研究が盛んに行われるようになったが、その研究から

の観察が可能である(図2A~J).さらに,従来型の白

部を観察したところ,3.5〜13.4% に咽頭癌を指摘 し得たという報告もある 5‒7)

その次の段階は、研磨した面を下向きにして顕微鏡 観察用スライドグラスに同種のエポキシ樹脂で付着 させ、さらにこれを

て当期の損金の額に算入することができるか否かなどが争われた事件におい