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TDLAS 燃焼測定で威力を発揮するVCSEL

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Academic year: 2021

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2014.1 Laser Focus World Japan

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 独物理工学研究所(PTB)、独ダル ムシュタット工科大学、および独デュー スブルク・エッセン大学の研究チームは、 内燃エンジン内の水(H2O)蒸気測定を 目的として、垂直共振器形面発光レー ザ(VCSEL)を組み込んだ最初の波長可 変ダイオードレーザ吸収分光 (TDLAS またはTDLS)システムを開発し、実 証した(1)。このシステムは分布帰還形 (DFB)レーザダイオードを使った従来 のTDLAS配置の改良版である。 内燃エンジンにおける排気再循環 (EGR)は、①ガスを排気ダクトから吸 気側に戻すか (外部EGR)、または、② シリンダ内の燃焼後残留ガスを排気工 程末端に保持することによって (内部 EGR)、シリンダ内の不活性ガスの量を 増大させる。EGRは燃焼に大きな影響 を与える。したがって、点火前の残留 ガスの量とその時間および空間分布に 関する知見が重要になる。最も重要な EGRガス種、H2Oと二酸化炭素は、非現 実的なほど高温にしない限り、蛍光を使 って測定することはできない。幸いに も、両ガスは比較的大きな近赤外(NIR) 吸収断面積を持つので、NIR領域にお ける吸収を利用すれば検出できる。

なぜTDLASか

広帯域吸収分光法(BAS)や固定波 長吸収分光法(FWAS)は、これらの EGR種の測定に利用できるとはいえ、 高速で強い透過損失または明るいバッ クグラウンド放射に合わせた調節が困 難なので、特異な場合や複雑なキャリブ レーションルーチンに限定されている。 その代わりとしての、改良型TDLAS、 すなわち直接TDLAS(dTDLAS)は、 (レーザ減衰または信号アクセス窓上 の微粒子による)透過損失を効率よく 補正し、火炎または高温表面からのルミ ネセンスを抑制する。さらに、dTDLAS は、キャリブレーションなしで測定や、 走査速度マルチキロヘルツでの高解像 度のスペクトル吸収線プロファイルの 測定も可能であり、これによって高速 エンジン測定で重要なガス温度、圧力、 バックグラウンド放射などのデータも 得られる。 この研究チームは、かつて、内燃エ ンジンの圧縮工程における水濃度を 250μsの時間分解能で決定するDFB レーザベースのdTDLAS装置を開発し た。しかし、当初使用した30mWの通 信用DFBの有限のダイナミックレンジ は高い変調周波数領域で著しく狭まり、 エンジンの圧縮工程後半に見られる増 大した圧力でのスペクトル吸収線の捕 捉は不可能であった。

VCSELの利点

次に、この吸収分光セットアップで 使用されたのは中心波長 1369.84nm のVCSELであり、これは、出力がわず か0.17〜0.25mWであるが、その高い 変調帯域幅と5-8Xの広い同調レンジ (1368.2〜1371.3nm)とによりTDLAS 測定に有利であった(図1)。変調周波 数を0.1から10kHzまで増したとき、DFB

TDLAS燃焼測定で

威力を発揮するVCSEL

分光法

world news

レーザ変調周波数〔Hz〕 ダ イ ナ ミ ッ ク 同調 レ ン ジ〔cm − 1〕 VCSEL DFB laser 30,000 10,000 1000 11.14cm−1 −10% −23% 8.53cm−1 1.04cm−1 2.14cm−1 −51% 100 11 10 9 8 3 2 1 0 図1 ダイナミック同調レンジ 対レーザ変調周波数を DFB レ ーザ(緑)とVCSEL(赤)光源と で比較した。(資料提供:PTB)

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Laser Focus World Japan 2014.1

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レーザの同調レンジは50%(1キロヘル ツあたり5%)狭まるが、VCSELの同調 レンジははるかに広く、同一変調周波 数範囲での狭帯化は10%にすぎなかっ た。したがって、VCSELは30kHz変調 でさえ、希望する全圧力範囲にわたる 完全な吸収線をカバーする。 この実験装置では、ペルチェ素子で 温度安定化されたVCSELが鋸歯状信 号によって電流変調され、単一モード ファイバに結合される。このファイバ を出射する光はその後コリメートされ、 エンジンの燃焼室を通って透過する。 フォトダイオードが送られた信号を検 出する。その信号は電圧信号に変換さ れ、デジタル化されて、濃度決定のた めに測定されたH2Oスペクトルにあて はめられる。 4kHzの変調速度(DFBレーザでの 上限)において数barの圧力で測定さ れた水濃度のスキャッタプロットによ れば、DFBレーザベースシステムの標 準偏差が2970ppmであるのに比して、 VCSELベースシステムの標準偏差は わずか1155ppmであった。散乱は変 調速度を10kHzまで上げるとかなり減 少する。これが高圧のエンジン燃焼測 定で VCSEL ベース TDLAS 測定が優 れていることの理由である。 特に、内燃エンジンのような厳しい環 境では困難なセンサキャリブレーション が不要なので、TDLASは他の技術を凌 駕する大きな利点を提供する、とPTB のオリバー・ヴィッツェル氏(Oliver Witzel)とボルカー・エバート氏(Volker Ebert)は語っている。VCSELとそれ らの非常に大きな変調深さの利用は高 圧環境において貴重であり、それらの 低出力はすでにこの波長域で利用可能 なファイバ結合光増幅器によって補償 される。さらに、VCSELベース分光計 はいくつかの吸収特徴を瞬時に捕捉す る能力をもっている。ヴィッツェル氏 とエバート氏は、これらの特性ゆえに、 将来、VCSELは貴重な温度と濃度の 同時測定ツールになるであろうと付け 加えた。 (Gail Overton) 参考文献

参照

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