外 国語 科 の カ リキ ュ ラムの 改善 に関 す る研 究
平 成9(1997)年9月
国 立 教 育 研 究 所
外 国 語 教 育 研 究 室
̀ま し カ く き
21世紀 における中 ・高等学校の外 国語科教育 の 目的 は、国際的に通用す る発信型 コミュ ニケー シ ョン能力 と態度 を育成 す ることだ といわれて いる。 これは、国際化 の進展 に対応 すべ き国際(異 文化)理 解教育 の大 目標 の一っであ る。 ここでい う発信型 とは、 自分の考 えや 自国 の文化等 にっいて、異文化の人 々に対 して積極 的に発信す る能力や態度 の ことを 意 味する。 その際、話 し方 と して は、他国の人 々が容易 に理解で きるよ うに 「論理的で説 得力 のある話 し方 」が求 め られて いる。 しか しなが ら、多 くの 日本人 は、 この論理的 な話
し方 を苦手 としてい る。
そのよ うな状況の中、2003年 か ら公立小学校 において外国語教育が導入 される こと にな った。 おそ らく国際化 の進展 に対応す るため には不可欠 な教育 だ と判断されたか らで あろ う。具体的 には、教科 として導入 され るので はな く、国際理解教育の一環 として総合 的学習 時間等 を利用 して実施 され ることになる。 したが って、外 国語教育の研 究は、今後 小 ・中 ・高等学校の関連性を深 めたカ リキ ュラム研 究に取 り組まねばな らない。 そのため には、先 ず、 中 ・高等学校 の外 国語科教育の現状 と課題 にっ いて考察す る必要 がある。次 に、改善 のための問題点 も洗 い出す必要が ある。
本報告書 は、 そのよ うな趣 旨か ら中 ・高等学校 における外国語科 のカ リキ ュラムの課題 と改善 に関す る研究をま とめた ものであ る。但 し、他教科 の研究のま とめ もあり、研究予 算上、 このよ うな小冊子にな らざるを得 なか った ことは誠 に残念であ る。 しか しなが ら、
本研究 は、21世 紀 にお ける外国語教育 のカ リキ ュラム に関す る研究の は じま りで もあ り、
今後 は、小 ・中 ・高等学校 における教育現場 のカ リキ ュラム開発 に役立っ研究を進 めて い く予定であ る。
平成9年9月
国立教育研究所 教科教育研究部 外国語教育研 究室長 渡邉 寛治
〈研 究協 力 者 氏名 ・所 属 〉 五 十 音順 、 平 成9年3月 現 在
青山 彰 太田 美智彦 醍醐 路子
中村 敏
東京都立教育研究所指導主事 元 新宿区立四谷第二中学校長 杉並区立宮前中学校教諭
目黒区立駒場小学校教諭
目 次
研究結果 の概要
I
1 2 3
外 国語(英 語)科 カ リキ ュラムの現状 と課題
外 国語(英 語)科 の授業 時数及び選択履 修の状 況 新 しい学力観 に基づ く指 導 と評価
完全週5日 制 にお ける教 育課程 基準 の改訂 に関す る教職 員の意識
1 2 2
II 外 国 語(英 語)科 カ リキ ュ ラム の 改 善 につ い て
1「 生 き る力 」 を育 む た め の外 国 語(英 語)科 の役 割 は何 か 2選 択 幅 の 拡 大 を外 国 語 科 と して どの よ うに取 り入 れ る か 3外 国 語 と して 「ゆ と り」 あ る教 育課 程 編 成 の視 点
4外 国 語 教 育 に お け る小 ・中 ・高等 学校 の 関 連
3 3 4 8
IIIそ の 他 の 課 題
1教 職 員 に よる 開 かれ た 学 校 2高 校 ・大 学 入 試 の 問題
10 10
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研究結果の概要 研 究 の 内 容
本 研 究 班 は,主 と して 中 学 校 外 国 語(英 語)科 カ リキ ュ ラ ム の 改 善 に 向 け て,小 学 校 に お け る英 語 教 育 へ の 展 望 や 高 等 学 校 に お け る外 国 語 教 育 との 関 連 を 図 りな が ら,検 討 を 行 っ た 。
1外 国 語(英 語)科 カ リキ ュ ラ ム の 現 状 と課 題
1.外 国 語(英 語)科 の授 業 時 数 及 び 選 択 履 修 の 状 況 。 中 学 校 で は,例 え ば 東 京 都 の 場 合,何 ら か の 形 で95%以 上 が 週4時 間 実 施 して い る が,殆 どが 学 校 選 択 で,様 々 な 理 由か ら個 人 選 択 が 出 来 に くい 状 況 に あ る。 ま た,コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 の 育 成 の 上 で,生 徒 の 論 理 的 表 現 力 の 欠 如 が 課 題 で あ り,指 導 内 容 ・方 法 の 改 善 が 必 要 で あ る。
2.新 しい 学 力 観 に 基 づ く指 導 と評 価 。 この こ と につ い て,学 校 全 体 の70%以 上 が 意 識 して 指 導 して し て い る が,4つ の 観 点 の うち,「 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン へ の 関 心 ・意 欲 ・態 度 」 や,「 言 語 や 文 化 へ の 知 識 ・理 解 」 の 評 価 に つ い て は,困 難 を 感 じて い る の が 実 態 で あ る。
3.完 全 週5日 制 に お け る教 育 課 程 基 準 の 改 訂 に 関 して,外 国 語(英 語)科 の 選 択 教 科 と して の 位 置 づ け に っ い て は,60%強 が 「現 状 で よ い 」 と して い る 。 「改 善 す べ き 」 と して い る 内 容 に は,
必 修 教 科 に して,2,3年 に は 更 に個 人 選 択(年 間35時 間)を 加 え る と して い る の が 多 い 。 授 業 時 数 は,ほ ぼ 現 状 で よい と して い る 。
H外 国 語(英 語)科 カ リキ ュ ラ ム の 改 善 に っ い て
1.「 生 き る 力 」 を 育 む た め の 外 国 語(英 語)科 の 役 割 は,表 現 力 を重 視 した コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 の基 礎 を 育 ん で い く こ とに あ る。 コ ミ ュニ ケ ー シ ョ ン 活 動 を通 して,自 ら の 考 え を 引 き 出 さ せ,発 言 させ て い く個 に 応 じた 指 導 が,外 国 語 科 と して 重 要 な こ とで あ る。
2.選 択 幅 の 拡 大 を 図 る た め に,こ れ ま で の 時 数 の 波 線 を廃 止 し,1年 は 学 校 選 択 の み と し,2, 3年 は,学 校 選 択 と個 人 選 択 の2本 立 て とす る。 選 択 の 時 間 の あ り方 に つ い て は,他 教 科 と 同様 に 複 数 の コー ス を設 定 して,個 人 選 択 させ る 。 ま た 「総 合 的 な 学 習 の 時 間 」 との 関 連 も考 え て い く。
3.外 国 語(英 語)科 と して 「ゆ と り」 あ る教 育 課 程 を 編 成 す る に は,ま ず,外 国 語(英 語)科 と して の 基 礎 ・基 本 を 十 分 お さ え て お く。 次 に 各 学 年 の 目標 を 発 達 段 階 を考 慮 して 具 体 的 な 表 現 に す る。 更 に 言 語 活 動 や 言 語 材 料 に つ い て も,コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョン か らの 視 点 に 立 っ て 考 慮 し,指 導 方 法 との 関 連 で 内 容 の 選 択 を 図 る。 ま た,他 教 科 との 連 携 や 「総 合 的 な 学 習 の 時 間 」 に お け る 外 国 語(英 語)科 の 関 わ りに よ る厳 選 も考 え る 。
4.外 国 語 教 育 にお け る小 ・中 ・高 等 学 校 の 関連 で あ るが,3学 校 種 別 に よ る外 国 語(英 語)科 の 目標 は,基 本 的 に は 相 通 ず る も の で あ る 。 小 学 校 で は教 科 で な い だ け に,ど うい う形 態 で,ま た ど うい うカ リキ ュ ラ ム で 導 入 さ れ る か は,特 に 小 ・中 との 連 携 を 考 え る 上 で 重 要 で あ る 。
皿 そ の 他 の 課 題
1.教 職 員 に よ る 開 か れ た 学 校 は 「ゆ と り」 あ る 教 育 を 推 進 す る た め に 重 要 で あ る 。 教 師 間 の 閉 鎖 性 を と り払 い,テ ィー ム ・テ ィ ー チ ン グ 等 で,教 科 内 は も ち ろ ん の こ と,教 科 間 の 人 間 関係 を 深 め て い く よ う,教 職 員 の 意 識 改 革 が 大 切 に な る。
2.高 校 ・大 学 の 入 試 問 題 が,「 生 き るカ 」 を 育 成 す る 上 で の 障 害 と な っ て い る 。 学 習 指 導 要 領 を逸 脱 した 問 題 が,未 だ に 一 部 の 国 立 高 や 私 立 高 で 出 題 され て い る が,一 層 の 改 善 が 望 まれ る と こ ろ で あ る。
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1外 国 語(英 語)科 力 リキ ュ ラ ム の 現 状 と課 題 1外 国 語(英 語)科 の 授 業 時 数 及 び 選 択 履 修 の 状 況 (1)個 人 選 択 の 時 間 が と りに くい
現 行 学 習 指 導 要 領 は,昭 和62年12,月 の 教 育 課 程 審 議 会 の 答 申 を受 け て,中 学 校 で は 選 択 拡 大 の 方 向 性 を 明 確 に 出 し,3年 で 全 教 科 に つ い て の 選 択 の 可 能 性 を示 して い る。 第15期 中 央 教 育 審 議 会 の 第 一 次 答 申 に お い て も,履 修 の 選 択 幅 の 一 層 の拡 大 を 図 る 必 要 が あ る と し,共 通 に履 修 させ る 部 分 を 厳 選 し,選 択 教 科 に 充 て る授 業 時 数 を 拡 大 す る と と も に,各 教 科 等 の 授 業 時 数 の 選 択 幅 の 拡 大 な ど教 育 課 程 の 一 層 の 弾 力 性 を 図 る と して い る 。こ の こ とを 念 頭 に 入 れ,現 在 の 中学 校 外 国 語(英 語) 科 の 授 業 時 数 の 実 施 状 況 を 振 り返 っ て み る と,外 国 語(英 語)科 は 選 択 教 科 で あ るが,現 実 に は 殆
ど必 修 教 科 と 同等 に 扱 い,各 学 年105〜140ま で の 幅 の 中 で,例 え ば 東 京 都 の 場 合,次 の 表 の よ うに 実 施 して い る 。(東 京 都 中学 校 英 語 教 育 研 究 会 平 成7年12月 調 査)
ア 学 校(共 通)選 択 で 週4時 間
イ 学 校 選 択 週3時 間+個 人 (生 徒)選 択 週1時 間
ウ そ の 他(週3.5時 間,
週3.75時 間 な ど)
1年
376校 (96%)
1校14校
2年
366校 (93%)
6校18校
3年
375校 (96%)
9校7校
(666校 中 回 答 校392校 回 答 率59%) 週4時 間 の う ち,「 個 に 応 じ る 指 導 」 と し て,い わ ゆ る 「 プ ラ ス1」 の 授 業 の 工 夫 を し て い る の は66%で,そ の 主 な 内 容 ・方 法 は,①4領 域 で は 「 話 す こ と 」 中 心 の 授 業 が180校,② 指 導 形 態 で はALTとTea皿 一Teachingが156校,③ 指 導 内 容 で は 異 文 化 理 解120校 と な っ て い る 。 こ の こ と か ら,外 国 語(英 語)科 目標 へ の 努 力 の 過 程 が 読 み とれ る 。 個 人 選 択 を 実 施 して い る 学 校 の 例 に よ る と,3年 の 場 合,A校 で は 基 礎 コ ー ス と応 用 コ ー ス,B校 で は ス キ ッ ト と ス ピ ー チ,C校 で は 英 会 話 コ ー ス と英 文 読 解 コ ー ス な ど で,英 語 科 と他 教 科 と の 組 合 せ は な く,全 生 徒 の 英 語 履 修 の 授 業 時 数 は 同 一 で あ る 。 個 人 選 択 を 困 難 に し て い る 原 因 は 次 の 通 り に な っ て い る 。
① 教 科 の 内 容 を 十 分 習 得 さ せ る に は 週4時 間 必 要
② 教 員 数 と 生 徒 数(コ ー ス 数)と の ア ン バ ラ ン ス 小 規 模 校 で 教 員 数 不 足(教 員 数 の 確 保 が 重 要)
③ 高 校 入 試 の 出 題 内 容 等 の 問 題
④ 教 師 の 意 識 や 研 究 不 足
⑤ 生 徒 の 学 力,興 味 等 多 様 で,ニ ー ズ に あ っ た 授 業 が 組 み に く い (2)生 徒 の 論 理 的 表 現 力 の 欠 如
中 ・高 等 学 校 の 英 語 教 育 の ね ら い は,コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 の 育 成 に あ る こ と は,英 語 の 教 師 と し て 十 分 認 識 は し て い る も の の,そ の 授 業 は 一 部 の 教 師 を 除 き,文 法 ・訳 読 式 が 中 心 に な っ て い る の が 実 態 で あ る 。 ま た,groupworkやclassworkでinformationgapを ふ ま え たinterview gameと 言 い な が ら,形 を 変 え たpatternpracticeに す ぎ な か っ た り,ga1皿eを 取 り 入 れ た 活 動 に 時 間 を と り 過 ぎ,教 科 書 本 文 の 理 解 が お ろ そ か に も な り が ち で あ っ た り し た 。 こ れ ま で コ ミ ュ ニ ケ
一1一
一 シ ョン 能 力 が 身 に つ か な い 批 判 の 中 に ,表 現力 にお け る論 理的 思 考 の欠 如 が あげ られ てい る。 こ の こ とは 主 と して 指 導 方 法 に 問 題 が あ る と思 わ れ る が,教 科 書 の 本 文 を 中心 と した 教 材 研 究 に 努 め, 論 理 的 表 現 に か か わ るWhy〜?Because〜.の 応 答 やIf〜,の 表 現 等 の 積 極 的 な 活 用,ま た ス ピ ー チ や デ ィ ベ ー ト,パ ラ グ ラ フwriting等,筋 道 を た て て 「話 す 」 「書 く 」 等 の 指 導 の 工 夫 が 大 切 に な っ て く る。
積 極 的 に コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョン を 図 ろ う とす る 態 度 の 育 成 の1つ に,1文 を っ け加 え て 言 わ せ た り 書 か せ た りす る 指 導 が あ る 。 そ の場 合 前 文 との つ な が りが 論 理 的 に意 味 の 通 ず る もの と な る よ う に and,but,so,becauseな ど,適 切 な っ な ぎ こ とば の 使 用 等 に も配 慮 した 指 導 が 必 要 に な り,た だ 文 の 量 を 考 え る だ け で は,論 理 的 思 考 力 は 育 た な い と思 わ れ る。
2新 しい 学 力 観 に 基 づ く指 導 と評 価 (1)評 価 ・評 定 に 関 わ る様 々 な 取 組 み
新 しい 学 力 観 に 基 づ く指 導 と評 価 を 意 識 して 指 導 して い る 学 校 は 全 体 の72%に 及 ぶ 。4っ の 観 点 に 基 づ き,コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 を 育 成 す る 指 導 の 充 実,個 に 応 じた 指 導,教 育 機 器 の 活 用,A
LTと の 連 携 等 多 様 な創 意 工 夫 が な され て い る 。 ま た,評 価 ・評 定 に っ い て の 現 在 の 取 り組 み は 次 の よ うに な っ て い る。
・5段 階 評 定 の み
1学 期58%2学 期56%3学 期19%
・5段 階 評 定 に 観 点 別 評 価 を 併 記
1学 期29%2学 期32%3学 期65%
な お1,2年 は,1,2学 期 は 観 点 別 評 価 の み,3学 期 に 評 定 を 併 記,3年 は1学;期 観 点 別 評 価 の み で,2学 期 は 観 点 別 評 価 と評 定 を併 記 して い る 学 校 も あ る。 所 見 記 入 に よ る 工 夫 で,無 理 の な い 観 点 別 評 価 の 改 善 が 図 られ る も の と考 え られ る 。
(2)情 意 面 や 言 語 ・文 化 の 知 識 ・理 解 の 評 価 の あ り方
「表 現 の 能 力 」,「 理 解 の 能 力 」 に つ い て の 評 価 に っ い て は,か な り工 夫 さ れ て き て い る も の の,
「コ ミ ュニ ケ ー シ ョ ン へ の 関 心 ・意 欲 ・態 度 」や 「言 語 や 文 化 へ の 知 識 ・理 解 」の 評 価 に つ い て は, とま どい を 見 せ て い る の が 実 態 で あ る 。 特 に4番 目の 観 点 で,何 を も っ て 「言 語 や 文 化 の 知 識 ・理 解 」 とみ るか に つ い て,様 々 な と ら え 方 を して い る。 文 法 の 知 識 ・理 解 を み る と,考 え て い る 者 も い れ ば,日 英 の 表 現 の 違 い 等 の 理 解 を み る とい う教 師 も い る。 例 え ば,日 本 語 で は,家 族 を紹 介 す る と き に 「姉 で す 」 「母 で す 」 と 自分 との 続 柄 の み を 言 っ て 名 前 を 言 わ な い こ とが 多 い が,英 語 で は,Thisismysister.と だ け 言 うこ とは な く,必 ず 名 前 を 言 うも の で あ る こ と な どで あ る 。 中 学 校 の 指 導 内容 は,す べ て 異 文 化 理 解 の 材 料 に な り う る もの で,コ ミ ュニ ケ ー シ ョン を 円 滑 に す す め て い く上 で の 知 識 を 評 価 して い く こ と も これ か らは 大 切 な こ とで あ る。 しか し,こ れ ら関 心 ・意 欲 ・態 度 の情 意 面 や,言 語 や 文 化 の 異 文 化 理 解 の 面 の 評 価 に な る と数 量 化 す る こ と は む ず か し く, 今 後 の 課 題 とな ろ う。 ま た,評 価 を ど う評 定 に 結 び っ け て い くか も,こ れ か ら検 討 して い か な く て
は な らな い 。
3完 全 週5日 制 に お け る 教 育 課 程 基 準 の 改 訂 に 関 す る 教 職 員 の 意 識 (1)選 択 教 科 と して の位 置 づ け
先 の 都 中 英 研 の 調 査 に よ れ ば,「 現 状 で よ い 」 が241校(61%),「 改 善 す べ き 」 が119校(39%),
一2一
改 善 す べ き 内 容 に は,・ す べ て 必 修 ・必 修 教 科 に して,2,3年 に は 更 に 個 人 選 択(年 間35時 間) を 加 え る が あ る。
・授 業 時 数
こ の こ とに つ い て は,ほ ぼ 現 状 で よ い が,「 上 限 週5時 間 を 希 望 す る」 が40数 校 み られ た 。
・学 習 指 導 要 領 の 目標
全 体 の 目標 も 学 年 目標 も概 ね 現 行 で よい 。
(2)現 行 学 習 指 導 要 領 の 改 善 す べ き 点(要 望)(詳 細 は 後 述)
・4つ の 言 語 活 動 の 達 成 目標 を 明 確 に す る
・活 動 の 内 容 は ,実 生活 に結 びつ い た身 近 な表現 にす る
・言 語 材 料 の 学 年 枠 は 現 行 通 りはず した ま ま に す る
・学 習 内 容 ,文 法 事項 を減 らす
・私 立 高 入 試 問 題 の 改 善
・高 校 オ ー ラル ・コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョンABCと の 関 連 を記 述 等
皿 外 国 語(英 語)科 カ リキ ュ ラ ム の 改 善 に つ い て
1「 生 き るカ 」 を 育 む た め の 外 国 語(英 語)科 の 役 割 は 何 か
「生 き る カ 」 を 育 成 す べ き 資 質 能 力 に 関 して,第15期 中央 教 育 審 議 会 の 第 一 次 答 申 は,そ の 第2 部 第 一 章 の 「こ れ か ら の 学 校 教 育 の 在 り方 」 の 中 で,「 我 が 国 の 文 化 と伝 統 に 対 す る 理 解 と愛 情 を
育 て る と と も に,諸 外 国 の 文 化 に対 す る理 解 と こ れ を 尊 重 す る態 度,外 国 語 に よ る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 を 育 て る こ と」 と述 べ た 。21世 紀 の 国 際 社 会 で た く ま し く生 き て い く に は,自 己 の 考 え や 日本 文 化 を 言 い 表 す こ との で き る 表 現 力 を重 視 した コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 を 育 ん で い く こ とが 大 切 で あ る。 この 外 国 語 に よ る 表 現 力 を 重 視 した コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 の 基 礎 を 育 ん で い く こ と こ そ,外 国 語 教 育 の 役 割 が あ る と 考 え る 。 ま た 「生 き る力 」 を育 む こ とは,児 童 ・生 徒 一 人 一 人 の 個 性 に 応 じた 指 導 に 通 じ る こ とで,コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 の 育 成 は,ま さに 個 に応 じて 「生 き る カ 」を 育 む こ とに な る。 コ ミ ュニ ケ ー シ ョン 活 動 を 通 して,一 人 一 人 の これ ま で の 生 活 体 験(個 性)
を 掘 りお こ しな が ら,自 らの 考 え を 引 き 出 させ,発 言 させ て い く個 に応 じた 指 導 が,外 国 語 科 の 役 割 と して 重 要 な こ とで あ る。 そ の た め の 身 近 な 生 活 表 現 な ど,教 材 の 準 備 が 重 要 に な る 。
2選 択 幅 の 拡 大 を外 国 語 科 と して ど の よ うに 取 り入 れ る か
中学 校 に お い て は,小 学 校 と比 べ,生 徒 の 能 力 ・適 性,興 味 ・関 心 等 の 多 様 化 が 一 層 進 む 時 期 で あ る の で,生 徒 の 特 性 等 に応 ず る こ とが で き る よ う,履 修 の 選 択 幅 の 一 層 の 拡 大 を 図 る必 要 が あ る 。
こ の た め 共 通 に 履 修 させ る部 分 を 厳 選 し,選 択 教 科 に 充 て る授 業 時 数 を 拡 大 す る と と も に,そ の 内 容 の 充 実 を 図 る こ とが 大 切 で あ る 。
現 行 学 習 指 導 要 領 に お い て,選 択 教 科 の 履 修 に つ い て は,一 般 的 に は 外 国 語 を 除 き,2年 で 音 楽, 美 術,保 健 体 育,技 術 ・家 庭 か ら1教 科 選 択,3年 で8教 科 の 中か ら2教 科 選 択 の 形 で 行 われ て い る 。 外 国 語 の 選 択 幅 の 拡 大 を 考 え る上 で も,全 体 で の 教 育 課 程 編 成 の 見 通 しの 上 に 立 っ て 考 え る こ とが 大 切 で あ る 。 現 行 で は1年 で の 選 択 教 科 は 外 国 語1教 科 で あ る が,1年 で は 基 礎 ・基 本 の 充 実 と,選 択 能 力 が 十 分 備 っ て い な い 生 徒 が み られ る こ とか ら,現 行 の ま ま とす る こ とが 考 え られ る 。 そ の 上 で2年,3年 で 選 択 教 科 の 教 科 数 や 授 業 時 数 の 拡 大 を 図 る こ と が 大 切 で あ る。 これ に は 「総 合 的 な 学 習 の 時 間 」 と も関 連 さ せ て 考 え る 必 要 が あ る 。 選 択 教 科 の 時 数 の 増 加 を 図 る に は,こ れ ま
一3一
で の 波 線 の 示 し方 を変 え,必 修 の 時 間 を 明 確 にす る こ と も大 切 で あ る 。 次 回 の 改 訂 も教 科 数 に 変 更 が な い とす れ ば,必 修,選 択 教 科 の 学 年 の 枠 組 み の 中 で 調 整 を 図 る必 要 が あ る。 例 え ば2年,3年 に お い て は,音 楽,美 術,技 術 ・家 庭 な どは す べ て 選 択 教 科 扱 い と し,保 健 体 育 と と も に な る べ く 午 後 に授 業 を 組 み,100分 授 業 な ど の 創 意 工 夫 が 望 ま れ る。
外 国 語 を と り ま く環 境 は,身 近 な 国 際 交 流,イ ン タ ー ネ ッ トの 普 及 等 に よ り一 昔 前 とは か な り変 化 して き て い る 。 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョン 能 力 の 育 成 が 重 要 視 され て い る ゆ え ん で あ る。 英 語 は これ ま で 選 択 教 科 と して 扱 わ れ て き た が,今 後 は,必 修 教 科 に す べ き で あ る とい う意 見 も 聞 か れ る 。 も っ と も の よ うに 思 え る が,今 こ こで 必 修 教 科 と した な ら ば,受 験 の た め の 学 習 に 一 層 拍 車 を か け,折 角 我 が 国 外 国 語 教 育 全 体 がListening,Speakingを 重 視 し た コ ミュ ニ ケ ー シ ョン 能 力 の 育 成 を 目 指 して い る と き,か え っ て 逆 効 果 に な る の で は な い か と杞 憂 す る。 そ れ よ り も現 行 の ま ま選 択 教 科
に して,こ れ ま で の 時 数 の 波 線 を廃 止 し,1年 は 学 校 選 択 の み と し,2,3年 は,学 校 選 択 と個 人 選 択 の2本 立 て とす る 。選 択 の 時 間 の あ り方 に つ い て は,他 教 科 と同 様 に 複 数 の コ ー ス を設 定 して, 個 人 選 択 させ る 。 これ も 学 校 の 規 模,生 徒 の 実 態 に よ る と こ ろ で あ る 。
「総 合 的 な 学 習 の 時 間 」 との 関 連 で あ る が,そ の 内容 と して 例 え ば 国 際 理 解 教 育 を 中 心 に 設 定 し た な らば,3年 間 の 見 通 した 計 画 の 中で,異 文 化 理 解,国 際 交 流 の 時 間 と して 活 用 し,英 語 教 育 の 実 際 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 体 験 の場 と して 活 用 す る こ とが で き る で あ ろ う。 選 択 履 修 の 時 間 と と
も に,教 職 員 の 共 通 理 解 の も とで 創 意 に 満 ち た 活 動 が 期 待 で き る 。
な お9教 科 以 外 の 選 択 教 科 の 設 定 は,中 学 校 の 場 合 に は 無 理 が あ り,高 等 学 校 に お い て 国 際 科, 環 境 科,人 間 科 な どが 考 え られ る で あ ろ う。 そ れ に して も選 択 幅 の拡 大 と そ の 充 実 を 図 る に は,地 域 社 会 人 の 協 力 を 得 る と と も に,教 員 の 増 加 が 何 よ り も 望 まれ る 。
3外 国 語 と して 「ゆ と り」 あ る 教 育 課 程 編 成 の 視 点 (1)外 国 語(英 語)科 と して の 基 礎 ・基 本 と は何 か
第 一 次 答 申の 論 旨 を た ど っ て み る と,「 生 き る カ 」 を 育 む に は,こ れ ま で み て き た よ うに,基 礎
・基 本 を 重 視 した 教 育 内容 の 厳 選 を す す め ,そ れ に よ って 「ゆ と り」の時 間 を生 み 出 し,「 ゆ と り」
の 時 間 を 「総 合 的 な 学 習 の 時 間 」 の創 設 や,選 択 教 科 の 拡 大 の た め に使 う とい う こ と に な る。 で は 外 国 語(英 語)科 と して の 基 礎 ・基 本 とは 何 か,十 分 に お さ え て お く必 要 が あ る 。 自 ら考 えた こ と を 外 国 語 で 「表 現 す る 能 力 」 が 重 要 な 「生 き る力 」 の1つ と考 え られ,外 国 語(英 語)科 と して の 基 礎 ・基 本 は,一 言 で 言 う な ら ば 「表 現 力 を 重 視 した コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョン 能 力 の 育 成 」 とい う こ と に な る。 こ の こ とは,基 本 的 な コ ミ ュニ ケ ー シ ョン 能 力 と積 極 的 に コ ミュ ニ ケ ー シ ョン を 図 ろ う と す る 基 本 的 な 態 度 の 育 成 と に分 け て 考 え る こ とが で き る。 基 本 的 な コ ミュ ニ ケ ー シ ョン 能 力 で は 何
と言 っ て も 「聞 く こ と ・リス ニ ン グ 」 が 基 本 的 で 重 要 で あ る 。 「聞 く こ と」 は 文 法 や 語 い な ど知 識 学 習 中心 と は 異 質 で,話 せ な くて も,読 め な く て も,書 け な くて も で き る す べ て の 生 徒 に対 応 で き る言 語 活 動 で あ るか らで あ る 。 ま た リス ニ ン グ の 技 能 は,「 話 す こ と」,「読 む こ と」,「書 く こ と 」 の 技 能 習 得 の ま さ に 基 礎 に な る 力 と言 え る。 ま ず コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョン 能 力 の 基 礎 は,「 リス ニ ン グ」
即 ち 話 し手 の 意 向 を 把 握 す る力(理 解 力)で あ る。 そ の 上 でspeakingに お い て は,あ い さっ,自 己紹 介 な ど,身 の 回 りの 生 活 の 身 近 な 基 本 的 な 表 現 を 身 に っ け る こ とで あ り,readingに お い て は, 文 と文 と の っ な が り を お さ え な が ら,筋 道 を 追 っ て 内容 を 理 解 して い く こ とが で き,ま た 相 手 に そ
の 内 容 が 分 か る よ う音 読 で き る こ と で あ る。writingも 自分 の 考 えが 伝 わ る よ うに,資 料 や 辞 書 を 参 考 に 基 本 的 な 文 が 書 け る 力 を 育 て る こ と で あ る。
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次 に 積 極 的 に コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョン を 図 ろ う とす る態 度 の 育 成 で あ るが,相 手 の 目を 見 て 人 に 頼 ら ず に 自分 か ら進 ん で 対 応 し よ う とす る 態 度 が ま ず 基 本 で あ り,ま た 相 手 の 発 言 が 理 解 で きず,困 っ た と き の 対 応 で,聞 き 直 した り,ボ デ ィ ・ラ ン ゲ ー ジ で 表 現 した り,知 っ て い る 単 語 を 用 い て 言 い か えた り,い ろ い ろ の 手 段 で 自分 の 気 持 を 伝 え よ う とす る 態 度 を 身 に つ け て い る こ と で あ る。 中 ・ 高 等 学 校 で は,ま と ま っ た 考 え を論 理 的 に 表 現 す る力 も 基 本 的 な 力 と して 重 要 に な っ て く る。
(2)学 年 の 目標 と 内 容(言 語 活 動 ・言 語 材 料)及 び 題 材 の 厳 選 は ど うあ るべ き か ア)「 ゆ と り」 の 考 え方(「 ス リム 化 」 と の 関 連 で)
か つ て 昭 和52年 改 訂 の 学 習 指 導 要 領 は,「 ゆ と り と充 実 」 を キ ャ ッチ ・フ レー ズ に した 。 と こ ろ が 第15期 中教 審 第 一 次 答 申 の 「ゆ と り」 と は,か な りニ ュ ア ン ス に 違 い が み られ る。即 ち 「ゆ と り」
を 具 体 的 に 定 義 して,「 ゆ と り」 と は,時 間 的 な ゆ と り,心 の ゆ と り,考 え る ゆ と りで あ る と して い る 。 そ して こ の ゆ と りの 確 保 が,子 供 た ち に 「生 き る カ 」 をっ け るた め の 手 段 で あ る と と ら えて い る 。 更 に こ の ゆ と りが 社 会 全 体 に も 欠 け て い る と認 識 し,諸 悪 の 根 源 と して 過 度 の 受 験 競 争 を あ げ て い る。 まず 大 切 な こ とは,完 全 学 校 週5日 制 と も関 連 して,た だ 教 育 内 容 を 削 減 して ス リム 化 し,時 間 的 な ゆ と りを 生 み 出 せ ば よい と言 う も の で な く,テ ィー ム ・テ ィー チ ン グ,グ ル ー プ 学 習, 個 に応 じた 指 導 の 改 善 を 図 り な が ら,ま た 「総 合 的 な 学 習 の 時 間 」 の 有 効 的 活 用 を 工 夫 しな が ら, 心 の 充 実 感 を 体 験 させ る こ とな の で あ る 。
イ)学 年 の 目標 ・言 語 活 動 ・言 語 材 料 の 厳 選 とそ の 考 え方
① 学 年 の 目標
第9節 外 国 語 の 第1の 目標 に つ い て は 現 行 学 習 指 導 要 領 を 踏 襲 す る と し,第2の 英 語 の 各 学 年 の 目標 に つ い て は,第1の 目標 の3つ の 柱 を 受 け て 学 年 の 発 達 段 階 を 考 慮 した 具 体 的 表 現 に す る こ と が 大 切 で あ る と考 え る。 例 え ば 中 学 校 の 例 で 言 う と,現 行 で は4領 域 毎 に 次 の よ うに 表 現 され て い る 。 これ は(1)の 「聞 く こ と」 の 目標 の3学 年 の 記 述 の 比 較 で あ る 。
1年 2年 3年
...英 語 を 聞 く こ と に 親 し み,...に 対 す る 興 味 を 育 て る 。
...英 語 を 聞 く こ と に 慣 れ,...に 対 す る 意 欲 を 育 て る 。
...英 語 を 聞 く こ と に1塾,̲に 対 す る 積 極 的 な 態 度 を 育 て る。
こ の 下 線 部 の 表 現 の 違 い に,学 習 指 導 要 領 の性 格 上 か ら理 解 は で き る も の の,と ま ど い を感 ず る こ と も あ る。そ の た め,こ れ を 第1の 目標 か ら派 生 的 に 学 年 に 下 ろ し,例 え ば 第1学 年 の 目標 の 場 合, 次 の よ うに 考 え る 。
(1)(コ ミュ ニ ケ ー シ ョン 能 力)
「聞 く こ と」,「話 す こ と」 の 活 動 を 中 心 に,コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョン 能 力 の 基 礎 を養 う (2)(積 極 的 に コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 図 る態 度)
周 囲 の者 に 頼 らず,誤 り を気 に せ ず に,す す ん で 自分 の 考 え を 述 べ る 態 度 を 育 て る (3)(言 語 や 文 化 へ の 関 心)
語 順 の 相 違 か ら く る 日英 の もの の 考 え方 の 違 い,語 の 概 念 の 違 い,コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン で の 日英 の 表 現 の 違 い な ど に 関 心 を もた せ る 。 これ を2年,3年 へ と発 展 的 に と ら え て 目標 を 記 述 す る が, そ の 具 体 的 な 内 容 は,指 導 書 の 中 で 解 説 す る。
② 言 語 活 動
現 行 学 習 指 導 要 領 の,2内 容(1)言 語 活 動 の 項 を み る と,易 か ら難 へ の 配 慮 とス パ イ ラル な 取 り
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扱 い は よ く理 解 で き る が,コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン か らの 発 想 とい うよ り,構 造 中 心 の 考 え が 基 本 に あ る よ うに 思 わ れ る。 例 え ば,ア 聞 く こ と を み る と次 の よ う に な っ て い る 。
第1学 年(ア)語 句 や 文 の 意 墜 を 正 し く 聞 き 取 る こ と (ウ)数 個 の 文 の 内 容 を 聞 き 取 る こ と
第2学 年(ア)自 然 な 口調 で 話 され た り読 ま れ た りす る文 や 文 章 の 内 容 を 聞 き 取 る こ と 第3学 年(ア)ま とま りの あ る 文 章 の 概 要 や 要 点 を 聞 き 取 る こ と
下 線 部 の こ の 語 句 の 表 現 は,イ 話 す こ と,ウ 読 む こ と,工 書 く こ と に も用 い られ て い る 。 ま た,各 学 年 の 「聞 く こ と」 「話 す こ と」 「読 む こ と 」 「書 く こ と」 の4領 域 の 言 語 活 動 の 内 容 を み
る と,ほ ぼ 同 じ表 現 に な っ て い る。 第1学 年 を 例 に み る と, ア 聞 く こ と
イ 話 す こ と ウ 読 む こ と 工 書 く こ と
(ア)語 句 や 文 の意 味 を 正 し く 聞 き 取 る こ と (ア)語 句 や 文 を は っ き り と正 し く 言 う こ と (ア)語 句 や 文 を は っ き り と正 し く音 読 す る こ と (ア)語 句 や 文 を 正 し く 書 き 写 す こ と
と な っ て い て,4領 域 と も 同 じ 表 現 で 語 句 や 一 文 か ら 入 る こ と に な っ て い る 。 と こ ろ が,第 一 学 年 に お い て は,「 聞 く こ と」 「 話 す こ と 」 に 中 心 が お か れ,コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 活 動 の 第 一 歩 の 「あ い さ つ 」 を み て も 次 の よ う に,複 数 の 文 か ら 始 ま る 。
A:Good皿orning,everyone.B:Goodmorning,Mr.Davis.
A:Howareyou,Ken?B:1'mfine,thankyou.Andyou?
A:Fine,too,thankyou.
そ れ 故,4領 域 の 活 動 の 内 容 を 同 一 の 表 現 に せ ず に,「 聞 く こ とJの 活 動 に お い て は,第1学 年 の 場 合 で も,第3学 年 の 「ま と ま り の あ る 文 章 の 概 要 や 要 点 を 聞 き 取 る こ と 」 の 活 動 を,後 半 に 取 り上 げ て い っ て も よ い よ う に 思 わ れ る 。 そ し て そ れ を 具 体 的 に コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 視 点 で と ら え る な ら ば,例 え ば,第1学 年 ア 聞 く こ と の 現 行 の(ア)(ウ)の 表 現 を 「 趣 味 や 家 族 の こ と な ど 相 手 の 自 己 紹 介 の 文 を 聞 い て,そ の 人 を 理 解 す る こ と が で き る 」 の よ う に して 活 動 の 内 容 を と り あ げ る な ら ば,授 業 で 教 材 と の 関 連 を 図 り な が ら 具 体 的 な 目 標 の 中 で,指 導 しや す い も の と な る で あ ろ う。
③ 言 語 材 料(語 い ・文 型 ・文 法)
言 語 材 料 に っ い て 文 型 ・文 法 な ど 学 年 の 枠 を は ず し た こ と は よ い こ と で,今 後 も そ う あ り た い 。 ま ず 語 い に つ い て で あ る が,現 行 で は507語 を 含 む 約1,000語 程 度 ま で の 語 と し て い る 。 し か し な が ら,表 現 力 を 重 視 す る な ら ば,な る べ く 多 く の 語 を 入 力 した 方 が よ い 。 そ の 意 味 で 現 行 の 語 い を 検 討 す る な ら ば,理 解 の 段 階 ま で の 語 と,表 現 ま で 高 め る 語 と に 分 け,理 解 の 段 階 ま で の 語 に つ い て は,2〜300語 は 増 や し て も よ い と 思 わ れ る 。 今 後,小 学 校 に 英 語 教 育 が 導 入 さ れ る こ と も 考 え て 語 い の 数,質 と も に 検 討 す る こ と が 大 切 で あ る 。
次 に 文 型 ・文 法 の 扱 い で あ る が,今 回 の 答 申 の 中 で,「 教 育 内 容 の 厳 選 の 視 点 」 に 関 し次 の よ う に 提 言 し た 。 「...中 学 校 の 外 国 語 に お け る 関 係 代 名 詞 や 不 定 詞 を 用 い た 文 型 で,実 生 活 で は 使 う こ と が 少 な い 表 現 方 法,精 密 な 文 法 構 造 の 解 釈 な ど,実 際 の 指 導 に お い て,内 容 の 取 り 扱 い が 行 き 過 ぎ に な り が ち な 内 容 の 精 選 を 図 る 」 と。 こ の こ と を 受 け て,専 門 誌 等 に お い て,2,3提 案 が な さ れ た 。 現 行 学 習 指 導 要 領 別 表1言 語 材 料 の イ 文,ウ 文 型,工 文 法 事 項 のb,cに 該 当 す る 部 分 を 中 心 と し た 削 除 の 問 題 で あ る 。 し か し こ れ ら 提 案 の 中 に は,削 除 しな い が 理 解 の 段 階 で と ど め る 内 容 と して,例 え ば,・ 不 定 詞 の う ち 形 容 詞 用 法 ・直 接 目 的 語 がhow+不 定 詞 な ど を あ げ て い る
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の も あ る。 確 か にIt+be動 詞+〜(+for〜)+to不 定 詞 の 文 型 な ど は 削 除 して も よ い か も知 れ な い 。 大 切 な こ とは,コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 の 基 礎 を 培 う上 で の 必 要 性 か ら,各 事 項 の 取 り扱 い をrecognitionの 段 階 ま で の もの と,productionま で も っ て い く もの と を は っ き り分 け て 考 え,そ の 指 導 の あ り方 を 考 え る こ と こそ 大 切 で あ る。 例 え ば,関 係 代 名 詞 の 基 本 的 な 用 い 方 に っ い て は,読 ん で ま た は 聞 い て 理 解 で き る 程 度 の 力 は 中 学 校 に お い て 身 に つ け さ せ て お き た い と考 え る。 関 係 代 名 詞 とい う と これ ま で 多 く は,2文 を1つ に す る 説 明 の 仕 方 で 扱 っ て き た が,名 詞 を 後 か ら説 明 す る 文 の 言 い 方 ぐ らい に,軽 く扱 うな ら ば,残 して お き た い 文 法 事 項 の1つ で あ る。 小 学 校 の 英 語 教 育 導 入 の 研 究 開発 学 校 で の 授 業 を 参 観 した 折,Whohasthena皿ethatstarts(ends)
withB?のALTの 質 問 に 児 童 が 積 極 的 に 答 え て い た 。 簡 単 な 表 現 に お い て も 関 係 代 名 詞 は よ く 使 わ れ る。 今 日,イ ン タ ー ネ ッ トの活 用 に よ っ て,情 報 の 国 際 交 流 が 一 層 活 発 に な る こ とが 予 想 さ れ る 。 相 手 の 情 報 を 理 解 で き る基 礎 的 な 読 解 力 を 身 に つ け る 上 か ら も 関 係 代 名 詞 は 指 導 して お きた い 。 ま た 文 型 で 主 語+ask,tellな ど+目 的 語+不 定 詞 も,指 導 方 法 に よ っ て 容 易 に 理 解 で き る 文 型 で,理 解 の 段 階 で と ど め る 内 容 と して 残 して お き た い も の で あ る。
ウ)他 教 科 との 連 携 に よ る厳 選
学 校 週5日 制 の 実 施 に よ り,削 減 され た 授 業 時 数 の 中 で,児 童 ・生 徒 に 不 足 して い る感 性 や 思 考 力,コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョン 能 力,創 造 力 を よ り高 め,「 生 き る力 」 を 育 て る 教 育 を 目指 して い く に は, 一 時 間 一 時 間 の授 業 の 質 的 転 換 が 一 層 重 要 と な っ て く る
。 そ の 一 つ の 工 夫 と して,教 科 問 で 共 通 の 学 習 課 題 を 見 い だ す こ と に よ り,学 習 内 容 を 厳 選 す る と と も に,複 数 教 科 で 授 業 を 展 開 す る こ とに よ っ て,カ リキ ュ ラ ム の 改 善 を 図 る こ とが で き る こ とで あ る。 平 成7・8年 度 と文 部 省 の 教 育 課 程 研 究 指 定 校 を 受 け たA中 学 校 で は,各 教 科 間 の 共 通 学 習 事 項 の 比 較 検 討 を 行 い や す くす る た め に, 年 間 指 導 計 画 を作 成 す る に あ た っ て,各 単 元 の 学 習 事 項 を 「基 礎 ・基 本 学 習 」 「課 題 追 究 学 習 」 「選 択 自 由 学 習 」 の3つ に 分 け た 。 そ して 特 に 「課 題 追 究 学 習 」(生 徒 主 体 の 学 習 活 動)を 中心 に,他 教 科 と重 な る学 習 事 項 を選 び 出 し,複 数 教 科 に よ る連 携 型 学 習 を行 う組 み 合 わ せ の ア ン ケ ー トを 実 施 して,次 の よ うな 複 数 教 科 に よ る連 携 型 学 習 を 実 施 して い る。
・「数 学 」 と 「理 科 」(3年)
数 学 の 「2乗 に 比 例 す る 関 数 」 の 「変 化 の 割 合 」 と理 科 の 「物 体 の 運 動 」 の 「落 下 運 動 」
・「保 健 体 育 」 と 「家 庭 」(3年)
「健 康 は,年 齢,身 体 活 動 な どに 応 じて,栄 養 の 質 や 量 な どの 調 和 の とれ た 食 事 を と る こ と に よ っ て 保 持 増 進 させ る こ とが で き る」
・「英 語 」 と 「音 楽 」(2年 選 択 コー ス)「 日本 語 の 歌 詞 を 英 語 に 直 し,作 品 を 英 語 で 歌 う」
〈英 語 科 と他 教 科 との 様 々 な 連 携 〉
・「英 語 」 と 「国 語J(1年)
「自 己紹 介 を し よ う」 の 材 料 を 整 え,考 え を ま と め て,自 己紹 介 の 文 を 書 く
・「英 語 」 と 「国 語 」(3年)
「俳 句 」 を 日本 語 と英 語 で 作 り,も の の 見 方,感 じ方 の 特 徴 を と ら え る 。
・「英 語 」 と 「社:会」(1年 ,2年,3年)「 世 界 の 地 域 と そ の 生 活 習 慣 」 が 共 通 の 学 習 事 項
・「英 語 」 と 「家 庭 科 」(1年)「 英 語 の レ シ ピー に よ る 英 米 の食 文 化 体 験 」 ALTと の テ ィ ー ム ・テ ィ ー チ ン グ に よ る,ア ップ ル ・パ イ の 調 理
・そ の 他 「社 会 ,美 術,音 楽」 「社 会,家 庭 」 「理 科,保 健体 育 」 等,教 科 間 の連 携 が考 え出 され, ス リム 化 へ の 基 礎 づ く りに 取 り組 ん で い る。
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エ)「 総 合 的 な 学 習 の 時 間 」 に お け る 外 国 語(英 語)科 の 関 わ り
各 教 科 の教 育 内 容 の 厳 選 や,教 科 間 の 連 携 に よ る カ リキ ュ ラ ム の 編 成 で 生 み 出 され た 時 間 で,「総 合 的 な 学 習 の 時 間 」 を新 た に 設 定 し,今 日的 な 教 育 課 題 で あ る 国 際 理 解 教 育,環 境 教 育,情 報 教 育 等 を 計 画 的 に 実 施 す る こ とは 重 要 な こ と で あ る。 ま た,こ の 時 間 の 設 定 は,関 係 教 科 の ス リム 化 に も通 ず る。 文 部 省 研 究 開発 学 校B小 学 校 の 実 践 を 例 に あ げ る と,研 究 主 題 を 「国 際 化 時 代 を 生 き る 子 ど もの 育 成 」 と と ら え,一 教 科 と して の 「国 際 科 」 の 成 立 を 追 求 す る と同 時 に,他 教 科 等 と の 関 連 か ら総 合 学 習 的 な 新 しい 発 展 を期 待 して 取 り組 ん で い る。 平 成7年 度 の年 間 授 業 時 数 は 低 学 年 で 17時 間,中 学 年 で25時 間,高 学 年 で35時 間 と な っ て い る。そ の 特 色 は 英 語 領 域 と国 際 領 域 と に 分 け, 英 語 領 域 で 小 学 校 に お け る 英 語 教 育 を,国 際 領 域 にお い て は 体 験 的 な 活 動 を 重 視 し,外 国 人 留 学 生
との 交 流 活 動 を推 進 して い る 点 に あ る。C中 学 校 で も 国 際 理 解 に 関 す る教 育 を 横 断 的 ・総 合 的 に と ら え,特 別 活 動,道 徳 選 択 教 科 の 実 践 を 通 して 効 果 を あ げ て い る 。 す な わ ち,第1学 年 で は 外 国 人 を講 師 に迎 え て の 「イ ン タ ー ナ シ ョナ ル ・ミー テ ィ ン グ 」 を 国 別 に 講 座 を 開 設 し,学 年 行 事 を 核 に しな が ら,道 徳,社 会 科,学 級 活 動 と連 携 を 図 り,英 語 科 と して は,主 に 礼 手 紙 を 英 語 で 書 く な どで 学 習 し て い る。 第2学 年 で は,「 世 界 の 食 文 化 を 探 ろ う」 とい うテ ー マ を も とに,社 会 科,技 術 ・家 庭 科,英 語 科 の 選 択 教 科 にお け る総 合 的 な 学 習 を 実 践 して い る。 ま た,第3学 年 で は選 択 教 科 と して,「 環 境 科 」 「人 間 科 」 「表 現 科 」 の3つ を 設 定 し,必 修 教 科 の 枠 を越 え て 内 容 の 再 構 成 を 試 み て い る。 い ず れ に して も 国 際 化,情 報 化 に 対 応 す る 教 育 を横 断 的 ・総 合 的 な指 導 を 工 夫 す る と き,表 現 力 を 重 視 した コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョン 能 力 の 育 成 を 目指 す 英 語 科 の 役 割 は 大 き い も の が あ る 。
4外 国 語 教 育 に お け る 小 ・中 ・高 等 学 校 の 関 連 (1)学 校 種 別 に よ る 外 国 語 教 育 の 考 え 方
小 学 校 に お け る 外 国 語 教 育 に つ い て は,先 の 中 教 審 第 一 次 答 申 で は,「 教 科 と して 一 律 に 実 施 す る方 法 は 採 らな い が,国 際 理 解 教 育 の 一 環 と して,「 総 合 的 な 学 習 の 時 間 」 を 活 用 した り,特 別 活 動 な どの 時 間 に お い て,学 校 や 地 域 の 実 態 等 に応 じて,..で き る よ うに す る こ とが 適 当 で あ る。」
と述 べ た 。 教 科 で な い が,研 究 開 発 学 校 の 研 究 報 告 書 に よれ ば,国 際 理 解 教 育 の 一 環 と して の 指 導 で,「 聞 く こ と」,「話 す こ と」 を 中 心 に,言 語 材 料 は か な り広 範 囲 に わ た っ て い る。 こ の活 動 は, 学 校 や 地 域 の 実 態 等 に 応 じて とい うこ と も あ っ て,自 治 体 に よ っ て は,数 年 前 か ら特 別 活 動(学 級 活 動,ク ラ ブ 活 動)の 時 間 で,学 区 域 の 中 学 校 のALTを 活 用 して 指 導 して い る と こ ろ も あれ ば, 金 沢 市 の よ うに 昨 年11,月 よ り60校 全 校 に,学 級 の 時 間 に 毎 月1回,海 外 生 活 体 験 者 の 方 と担 任
との テ ィー ム ・テ ィー チ ン グ で 英 語 学 習 を 開 始 した と こ ろ も あ る 。 こ の4月 か ら政 令 都 市 と して 初 め て京 都 市 が 段 階 的 に 実 施 して い く と い う。 小 学 校 英 語 教 育 導 入 の 環 境 は,着 実 に 形 成 され っ っ あ る と言 え る。 中 学 校 ・高 等 学 校 に お い て は,今 日 も選 択 教 科 の ま ま で,学 校 で 選 択 し,一 律 に 履 修 させ る もの と,生 徒 選 択 に よ る もの と に 分 け て 指 導 して い る。 実 質 的 に は 必 修 教 科 同 然 の 効 果 を あ げ て い る 。
(2)外 国 語 教 育 の 目標 と指 導 内容 の 関 連 ア)目 標 の 関 連
小 学 校 に お け る外 国 語 教 育 の ね らい に つ い て,答 申 で は 「..例 え ば 英 会 話 等 に 触 れ る機 会 や 外 国 の 生 活 ・文 化 な ど に 慣 れ 親 しむ 機 会 を もた せ る こ とが で き る よ うに す る こ とが 適 当 で あ る。..」
と述 べ,ネ イ テ ィ ブ ・ス ピー カ ー や 海 外 生 活 経 験 者 な どの 活 用 を うな が して い る。 こ の こ とは,中 学 校 ・高 等 学 校 の 目標 で あ る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 の 育 成,積 極 的 に コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 図 ろ
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う とす る態 度 の 育 成,言 語 や 文 化 へ の 関 心 を 深 め る な ど と相 通 ず る も の で,児 童 の 発 達 段 階 を 踏 ま え て の 表 現 とな っ て い る。 小 学 校 で 音 声 中 心 に,歌 や ゲ ー ム を通 して 楽 し く学 ぶ 態 度 を 育 成 し,中 学 校 で は4領 域 の バ ラ ン ス の とれ た コ ミュ ニ ケ ー シ ョン 能 力 の 基 礎 を 身 に つ け させ,高 等 学 校 で は, オ ー ラ ル ・コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 重 視 しな が ら,4領 域 の 指 導 を 更 に 発 展 させ て い く こ と に な る 。 イ)指 導 内 容 の 関 連
小 学 校 に お け る 外 国 語 教 育 は,公 立 の 学 校 に お い て は 初 め て の 指 導 と な る故,カ リキ ュ ラ ム も こ れ か らの 課 題 と な る。 国 際 理 解 教 育 の 一 環 と し て,「 総 合 的 な 学 習 の 時 間 」 や 特 別 活 動 等 の 中 で, 学 校 や 地 域 の 実 態 等 に応 じて 実 施 され る こ とに な る の で,か な り多 様 な 活 動 とな る こ とが 予 想 され
る 。 しか し,研 究 開 発 学 校 や,す で に 取 り組 ん で い る 自治 体 で の 実 践 か ら,中 ・高 学 年 に お い て は 約 週1時 間 の 授 業 を 実 施 す る もの と して,指 導 内 容 を 考 えて み る こ とが で き る。 小 学 校 で の 英 語 学 習 で は,そ の 発 達 段 階 か ら考 え て,歌 や ゲ ー ム を 通 して で き る だ け 楽 し く,で き る だ け 自然 な 英 語 を た く さ ん 聞 か せ て 音 声 に慣 れ させ る こ とが 大 切 で あ る。 ま た 小 学 生 は ネ イ テ ィ ブ ・ス ピー カ ー だ か ら とい っ て 特 別 に 意 識 す る こ と もな く 自然 に接 す る の で,異 文 化 を 受 け 入 れ や す い 。 文 化 の 違 い に 興 味 ・関 心 を抱 か せ な が ら,日 本 の 文 化 に つ い て も理 解 を 深 め させ た い も の で あ る。
言 語 活 動 に お い て は,小 学 校 で は 「聞 く こ と 」 「話 す こ と」 が 中 心 とな る。 歌 や チ ャ ン ツ,ゲ ー ム 等 を 通 して,簡 単 な 身 近 な 生 活 表 現 を 口頭 で 練 習 す る 。 特 に,英 語 を 聞 い て 全 身 で 反 応 す るTP
R(TotalPhysicalResponse)ア プ ロー チ は 効 果 的 で あ る。 英 語 を積 極 的 に 理 解 しよ う とす る 態 度 は,中 ・高 等 学 校 に お い て も 十 分 基 礎 的 な 能 力 と して 関 連 して く る 。小 学 校 で は 「読 む こ と」 「書 く こ と」 に お い て は,当 初 よ り意 図 的 に 指 導 す る こ とな く,高 学 年 に お い て,そ の 学 習 へ の 意 欲 が 感 じ られ た と き に,語 や 簡 単 な 文 を み て 読 ま せ,そ れ をcopyingさ せ て い く 指 導 で 対 応 して い く こ とは 大 切 で あ る 。 研 究 開 発 学 校 の カ リキ ュ ラ ム を み る と,小 学 校 で の言 語 材 料 で は 語 数 に お い て ま た,文 型 ・文 法 に お い て,ほ ぼ 中 学 校 第1学 年 程 度 の 学 習 内 容 と な っ て い る 。 とす る な らば 中 学 校 で は,第1学 年 導 入 期 の 学 習 と され た ア ル フ ァベ ッ トや あ い さ っ,身 の 回 り の 単 語 等 は 復 習 と な
り,「 読 む こ と」 「書 く こ と」 の積 極 的 な 指 導 に 入 る こ と に な ろ う。
(3)小 学 校 と中 学 校 との 連 携 上 の 課 題
小 学 校 で 英 語 を 学 ん だ 生 徒 を受 け入 れ る とな る と,こ れ ま で の よ うに 初 め て 英 語 学 習 に 取 り組 む 生 徒 の 場 合 とは 異 な っ た 対 応 が せ ま られ る。 小 学 校 と中 学 校 との 連 携 を 考 え る 上 で 課 題 とな る 第1 点 は,小 学 校 に お け る 英 語 導 入 の 方 法 で あ る 。 す な わ ち 「総 合 的 な 学 習 の 時 間 」 か,そ れ と も ク ラ ブ 等 の 特 別 活 動 か,ま た は 両 方 の領 域 で 行 わ れ た か で あ る。 第2点 は 「総 合 的 な 学 習 の 時 間 」 で 実 施 され た 場 合,ど の 学 年 か ら開 始 した の か,ま た そ の 授 業 時 数 と指 導 内容 は ど うで あ っ た か,カ リ
キ ュ ラ ム の 問 題 で あ る。 第3点 目は,指 導 者 に 関 す る こ とで あ る 。 学 級 担 任 が 中 心 か,英 語 圏 で の 生 活 体 験 者 が 中心 か,あ る い はALTと の テ ィ ー ム ・テ ィー チ ン グ か,い ず れ に よ っ た か とい う こ とで あ る。中 学 校 側 と して は,小 学 生 の ど うい う英 語 学 習 経 験 者 を受 け入 れ る か とい う こ とで あ る 。 大 阪 市 内 の ア ン ケ ー トに よ る 追 跡 比 較 調 査(1994年11.月 実 施,中 学1年 対 象 。 下 線 部 が 小 学 校 で 英 語 を 学 ん だ 生 徒 の%)に よ る と,「 楽 し く 英 語 の 授 業 に 取 り組 ん だ か 」(64.3%,83.1%),「 進 ん で 英 語 を 話 そ う と した か 」(34.0%,71.1%),「JTEやALTの 英 語 を 進 ん で 聞 こ う と した か 」
(74,8%,85.0%),「JTEやALTの 話 す 英 語 が だ い た い わ か るか 」(36.0%,71.4%),「 テ ス トの 放 送 問 題 は で き た か 」(39.6%,72.1%)の 結 果 が で て い る 。 関 心 ・意 欲 や 態 度,ま た 知 識 ・ 理 解 ・表 現 の 能 力 に お い て 明 らか に優 位 性 を 示 して い る 。 そ の 反 面 生 徒 間 の 意 欲 ・学 力 差 の 問 題 が
あ る 。 導 入 期 に 扱 う単 語 ・文 型 に 関 して,少 数 と は い え 既 に 苦 手 意 識 を 持 っ て い る も の もい る とい
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う。 ま た 楽 しい は ず の 歌,寸 劇,ゲ ー ム に 対 して も 「幼 稚 だ 」 「くだ らな い 」 「飽 き 飽 き した 」 等 と,答 え て い る 生 徒 もい て,「 も の 珍 し さ 」 に よ り,生 徒 の 興 味 ・関 心 を 持 続 させ る こ とは 困 難 で あ る よ うで あ る。 生 徒 の 中 に は 「楽 しむ 要 素 」 と 「学 ぶ 」 要 素 が 結 び 付 き に くい 者 も い て,小 学 校 で の 英 語 は 「勉 強 で は な か っ た か ら
...」 とい う感 情 を ひ き ず っ た ま ま の 生 徒 が い る こ と も 見 逃 せ な い よ うで あ る 。 新 しい も の に 対 す る期 待 感 で は な く,学 習 が 本 格 化 す る こ とに 対 す る期 待 感 へ の 対 応 が 望 ま れ る。
な お,文 部 省 は 何 らか の 形 で,小 学 校 と 中 学 校 と の 連 携 を 考 え て い く上 で の指 導 資 料 を 作 成 す る 必 要 が あ る と思 わ れ る。
皿 そ の 他 の 課 題
1教 職 員 に よ る 開 か れ た 学 校
これ ま で 「生 き る 力 」 を 育 成 す る た め の,「 ゆ と り」 あ る 教 育 の あ り方 に っ い て,教 科 間 の 連 携,
「総 合 的 な 学 習 の 時 間 」 の 今 後 の 方 向等 に つ い て 述 べ て き た 。 そ の 中 で 特 に 教 科 問 の 指 導 内容 の 調 整 か ら く る 授 業 時 数 の 削 減 と,テ ィー ム ・テ ィ ー チ ン グ に よ る授 業 の 効 果 を 強 調 した 。 と こ ろ が 一 口に テ ィ ー ム ・テ ィ ー チ ン グ と言 っ て も 同 一 教 科 内 で さ え,な か な か 取 り組 み に くい 雰 囲 気 が あ る。
ま して 他 教 科 同 士 とな る と打 合 わ せ の 時 間 等 の 物 理 的 な 面 も さ る こ と な が ら,人 間 関 係 の 面 で も な じみ に く い 面 が で る。 何 よ り も大 切 な こ とは,す べ て の 教 師 間 の 閉鎖 性 を と り払 い,ソ フ ト面 で の 開 か れ た 学 校 と して い く こ と で あ る 。 一 人 一 人 の教 師 の 特 質,専 門 性 を 生 か し,互 い に お ぎ な い あ っ て こ そ,個 性 豊 か な 児 童 ・生 徒 の 育 成 に応 え て い く こ とが で き る。 こ の こ とへ の 教 職 員 の 意 識 の 転 換 を 図 る こ とが 大 切 で あ る。 そ の た め に は,ま ず 校 内 研 修 を 充 実 させ て い く こ とで あ る。
2高 校 ・大 学 入 試 の 問 題
「聞 く こ と」 「話 す こ と」 を 重 視 した コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 の 育 成 で,大 き な 障 害 と な っ て い る の が,高 校 や 大 学 の 入 試 で あ る。 文 部 省 は 昨年12,月26日 に,国 ・私 立 中 ・高 校 の1996年 度 入 試 問 題 に 対 す る調 査 ・分 析 結 果 を 発 表 した 。対 象 校 は 高 校 に 限 る と,国 立 高 校18校,私 立 高 校 は83校 で, そ れ に よ る と,学 習 指 導 要 領 の 範 囲 か ら外 れ た 「難 問 」 を 出 題 した 学 校 は,外 国 語 の 場 合,国 立 の 高 校 で は22.2%,私 立 高 は39.0%と な っ て い る。 前 年 度 と比 較 す る と,10%か ら20%弱 減 少 は して い る が,進 学 校 と い わ れ る 高 校 は 相 変 わ らず 逸 脱 した 問 題 が 出題 され て い る。 例 え ば 関 係 代 名 詞 whoseと か,受 け 身 の 未 来 形 な どで あ る。 も ち ろん 良 問 も あ る が,こ れ ら難 問 が な くな ら な い 限 り, 文 法 へ の こだ わ り は な か な か 解 消 しな い で あ ろ う。 ま た 公 立 高 同 様 に,私 立 高 校 に お い て も是 非 Listeningテ ス トの 導 入 を 期 待 した い 。何 よ り も,国 ・私 立 高 入 試 問 題 の 是 正 が 急 務 で あ る。な お,
大 学 入 試 に お い て も,リ ス ニ ン グ試 験 の 導 入 を積 極 的 に進 め る こ とが 大 切 で あ る。
(渡邉 寛 治,青 山 彰,醍 醐 路 子,中 村 敏,太 田 美 智 彦)
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外 国 語 科 の カ リキ ュ ラ ム の 改 善 に 関 す る研 究
平成9年9月