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基地関係収入と市町村財政

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全文

(1)

はじめに

現行制度のもとで、 地方税収入は当該行政 区域における経済活動水準、 すなわち所得、

資産、 消費の賦存量によって規定される。 そ して各地方公共団体の財政力はおおむね当該 団体の歳入総額に占める地方税の割合で判断 することができる。

一人あたり県民所得が全国最低水準にある 沖縄県において、 県下市町村の財政構造は地 方税を基幹とする自主財源の比率が低く、 依 存財源の比率が高い。 もちろん、 これは沖縄 県下市町村に固有の特徴ではなく、 他の低所 得県における市町村の財政構造と大同小異で ある。

しかし、 沖縄県の場合には、 それに加えて 戦後27年間に亘ってアメリカ施政権下におか れていたことや本土復帰以降も広大な米軍基 地が存在してきたことから、 米軍基地を抱え る市町村は基地に関係した収入を得ており、

これらの収入 (以下、 「基地関係収入」 とい う。) が市町村財政に組み込まれているとこ ろに、 その特色がある。

こうした観点から、 本稿では基地関係収入 に焦点をあて、 基地をめぐる政府間財政関係 の制度を法律に基づいて分析していく。 まず、

基地関係収入の種類について概観し、 これら が全国一律の制度によって運用されているこ とを確認する。 次いで市町村財政における基 地関係収入の現状分析を行う。 最後に基地関 係収入による市町村間の財政力格差について 考察する。

第1節 基地関係収入の種類 1. 防衛省の所管に属する補助金

国防、 司法、 外交といった中央政府の供給 する財・サービスは、 居住地を問わず、 すべ ての国民に等量消費される財・サービスであ る。 この点から考えれば、 防衛施設 (軍事基 地) や裁判所、 あるいは国会の立地について は、 さほど問題とならない。 だが、 すべての 国民が等しい効用を得ていると考えるならば、

人口密集地に設置した方が効率的だろう。 実 際、 わが国では国会、 最高裁判所は東京に、

高等裁判所はその他の大都市に立地している。

The Journal of General Industrial Research

基地関係収入と市町村財政

Military Base-related Revenues and Municipal Government Finance in Okinawa

仲地 健

Ken Nakachi

【目 次】

1

節 基地関係収入の種類

2

節 基地関係収入の実際

3

節 結びに代えて

(2)

では、 国防の場合はどうであろうか。 外国 からの侵略が想定される場合、 軍事基地はそ の国境周辺に配置するのが望ましいと考えら れる。 事実、 自衛隊基地は冷戦時代から北海 道に多く所在していたし、 現在でもその約40

%が立地している。 しかしながら、 南西の国 境に位置する沖縄県には、 自衛隊施設は全体 の0.6%が配置されているに過ぎない。 いう までもなく、 その機能の一部は在日米軍によっ て代替されているからである。

戦後、 わが国では米軍を駐留させ国防サー ビスの多くを米国に依存してきたが、 こうし た米軍の存在は東アジア地域の安定にも寄与 しており、 国際公共財とみなすことができる。

しかし、 防衛施設は全国的には便益施設で あるにもかかわらず、 演習に伴う騒音、 事故 のリスクなど地域的には迷惑施設になるとい う矛盾を孕んでいる。 したがって、 防衛施設 を安定して運用していくには、 このような矛 盾を緩和する必要がある。 この目的のために

「防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する 法律 (以下、 「環境整備法」 という。)」 が制 定されている。 環境整備法に基づく対策は、

国 (防衛省) が原因者として基地周辺住民の 被る外部不経済を是正するものであり、 それ は国と地方の財政関係を通じて、 具体的には 防衛省から基地所在市町村への補助金を通じ て実施されている。 そこで、 環境整備法によ る基地周辺対策及びその配分方法についてみ ていくことにしよう。

まず、 この法律は第1条において、

自衛隊等の行為又は防衛施設の設置若 しくは運用により生ずる障害の防止等の ため防衛施設周辺地域の生活環境等の整

備について必要な措置を講ずるとともに、

自衛隊の特定の行為により生ずる損失を 補償することにより、 関係住民の生活の 安定及び福祉の向上に寄与すること目的 とする。

と定められている。 そして、 第2条において

「自衛隊等」 とは、 自衛隊及び米軍であり、

「防衛施設」 とは自衛隊基地および米軍基地 であると定義されている。

さて、 環境整備法における対象及び配分方 法については、 第

3

条以下で次の①から⑥の ように定められている。

① 障害防止工事の助成

(環境整備法第

3

条第

1

項) 演習場では射撃や戦車の訓練実施により山 林が荒廃し、 付近の河川では土砂流出などの 被害を周辺地域に及ぼすことがある。 こうし た自衛隊等の特定の行為によって生じる障害 の防止、 軽減のために地方公共団体が工事 (道路、 河川、 沿岸の工事や水道、 下水道な ど) を行う場合、 国はその費用の全部または 一部を補助する。

② 学校等騒音防止工事の助成

(環境整備法第

3

条第

2

項) 学校や病院は特に静穏を必要とされる施設 であり、 航空機の離発着などによる騒音を防 止または軽減するために、 その施設の管理者 または所有者が工事を行う場合に、 国はその 費用の全部または一部を補助する。

③ 住宅防音工事の助成 (環境整備法第4条) 自衛隊等の飛行場などの周辺地域において、

(3)

航空機の騒音を防ぐために住宅の所有者が防 音工事を行う場合、 その費用の全部又は一部 を補助する。

④ 移転の保障等 (環境整備法第

5

条) 防衛大臣が指定する基地周辺区域に所在す る建物、 立木竹について、 その所有者が移転 または除去する場合、 その者に対して予算の 範囲内で補償する。

⑤ 民生安定施設の助成 (環境整備法第

8

条) 防衛施設の設置または運用により、 その周 辺地域の住民の生活や事業活動が阻害される と認められる場合、 地方公共団体がその障害 の緩和に資するために必要な措置を採るとき は、 当該地方公共団体に対し国は補助するこ とができる。 具体的には、 地方公共団体が障 害の緩和に役立つように生活環境施設 (道路、

公園、 し尿施設、 ゴミ処理施設など) を整備 する場合、 その費用の一部を補助する。

また、 第

8

条の特別交付分として特別行動 委員会関係施設周辺整備助成補助金 (一般に

「SACO補助金」 と呼ばれている。) もある。

⑥ 特定防衛施設整備調整交付金 (第

9

条) 環境整備法第3条から

8条までの助成を行っ

ても、 補償が不十分な場合があると想定され る場合があることからこの交付金制度が確立 された。 交付金の対象となる公共施設は、

交通施設および通信施設、 スポーツまたはレ

クレーショナル施設、 環境衛生施設、 教育文 化施設、 医療施設、 社会福祉施設、 消防に関 する施設、 産業の振興に寄与する施設、 以上 の8分野となっている。 国の予算の範囲内に おいて、 特定防衛施設の面積、 運用の態様な どを考慮して交付される。

また、 第

9

条の特別交付分として、 特別行 動委員会関係特定防衛施設周辺整備交付金 (一般に 「SACO交付金」 と呼ばれている。) がある

3

条〜第

5

条は地方公共団体だけでなく 個人も対象に含まれるのに対して、 第

8

条〜

第9条は地方公共団体のみが交付対象となる。

さて、 上のような基地対策に要する経費は、

基地周辺対策費と呼ばれている。 表

1

には

2011年度における基地周辺対策経費が示され

ている。 表中 (1) の 「周辺環境整備」 に該当 するのは環境整備法第

8

条及び第

9

条に基づ く支出であり、 (2) の 「住宅防音」 に該当す るのは、 同法第

3

条、 第

4

条および第

5

条な どに基づく支出である。 総額1,185億円のう ち沖縄県への交付分は149億円であり、 配分 率は12.6%となっている。

以上が環境整備法に基づき交付されるもの で、 防衛省所管では、 それ以外にも下記のも のがある。

⑦ 土地の賃借料

これは一般に軍用地料と呼ばれており、 公 有地を防衛施設に提供していることに伴う借

SACO

とは、 沖縄における米軍施設・区域の整理・統合・縮小や騒音など米軍の活動に関連する諸問題による沖縄県民の 負担軽減を図るために、 日米安全保障協議委員会の下に設置された 「沖縄における施設及び区域に関する特別行動委員会 (Special Action Committee on Facilities and Areas in Okinawa)」 のことである。

特定防衛施設整備調整交付金の成立過程については、 川瀬 (2013) に詳しい。

1996年12月に沖縄県内に所在する米軍の11施設 (約 5

千ヘクタール) の返還が最終合意されたが、 この

SACO

合意事案を

受け入れた市町村に対し、

98年度から SACO

交付金が交付されるようになった。

(4)

地料のことである。 基地建設の歴史的経緯の 違いから、 沖縄県外の在日米軍基地は約90%

が国有地であるのに対して、 沖縄県内では公 有地が約30%も占めている。

ここで、 市町村面積に占める米軍基地の割 合をみると、 最も高いのが嘉手納町であり、

実に82.5%に達する。 このように広大な基 地を抱える市町村はその中に公有地も含まれ ている。 この公有地に対して国との契約によ り土地の賃借料が支払われており、 これらは 財産収入として取り扱われる。

⑧ 施設区域取得等事務委託金

基地関係業務は多岐にわたり本来の行政外 の出費を生じる場合があるので、 それを償う ための委託金である。

⑨ 再編交付金

これは2007年に制定された 「駐留軍等の再 編の円滑な実施に関する特別法」 に基づいて 交付さる、 新しい交付金である。 この交付金 は、 米軍再編の進捗状況や負担の重さに応じ て、 国が地域振興を目的として対象地方団体 に支給するものである。 ハード事業 (護岸整 備、 緑地の整備、 公園整備など) だけでなく、

ソフト事業 (コミュニティ・バスの運営など) にも配分される。

2. 総務省の所管に属する補助金

前節では防衛省所管の補助金等をみてきた が、 次にみるように、 基地関係の補助金等は 総務省からも交付されている。

表1 基地周辺対策経費 (2011年度) (単位:百万円)

基地周辺対策経費 全 国 沖 縄 比率 (%)

118,509 100.0% 14,943 100.0% 12.6%

(1) 周辺環境整備

78,666 66.4% 9,416 63.0% 12.0%

① 障害防止事業

12,681 10.7% 1,649 11.0% 13.0%

② 騒音防止事業

12,564 10.6% 2,748 18.4% 21.9%

③ 民生安定助成事業

17,304 14.6% 1,386 9.3% 8.0%

④ 道路改修事業

7,307 6.2% 259 1.7% 3.5%

⑤ 周辺整備統合事業

687 0.6% 0 0.0% 0.0%

⑥ 周辺整備調整交付金

19,504 16.5% 3,001 20.1% 15.4%

⑦ 移転措置事業

7,830 6.6% 314 2.1% 4.0%

⑧ 緑地整備事業

735 0.6% 39 0.3% 5.3%

⑨ 施設周辺の補償

53 0.0% 21 0.1% 39.6%

(2) 住宅防音

39,843 33.6% 5,527 37.0% 13.9%

注)

1. 当初予算額

2. SACO

関係経費は除く

出所) 沖縄県 沖縄の米軍及び自衛隊基地 (統計資料集) 平成24年

3

月、

pp. 46-47の表を加筆・修正し

て作成。

次いで、 金武町 (59.3%)、 北谷町 (52.9%)、 宜野座村 (50.7%) と

4

団体が行政面積の50%以上を米軍基地に提供して いる。

30%を越える団体も、 東村 (41.5%)、 読谷村 (35.8%)、 伊江村 (35.2%)、 沖縄市 (34.5%)、 宜野湾市 (32.4%)

と5団体存在する (平成23年3月末現在)。

(5)

① 国有提供施設等所在市町村助成交付金 この交付金は 「国有提供施設等所在市町村 助成交付金に関する法律」 を根拠法として交 付されるものである。 地方税法第

2

条には

「地方団体は、 この法律の定めるところによっ て、 地方税を賦課徴収することができる。」

と規定されており、 地方税法第

5

条には市町 村が課すことのできる税目が列挙されている。

しかしながら、 防衛施設は市町村区域内の小 さくない面積を占めているが、 「地方税の臨 時特例法」 によって固定資産税など地方税 を免除されている。 このように、 防衛施設の 存在が所在市町村に財政的損失を与えている ことを考慮し、 この助成交付金が創設された。

したがって、 固定資産税の代替的なものとして 交付される財政補給金であり、 一般財源である。

交付対象は国有財産のうち米軍に使用させ ている土地、 建物及び工作物である。 また米 軍だけでなく、 自衛隊が使用する飛行場、 演 習場、 弾薬庫及び燃料庫の用に供する土地、

建物及び工作物も対象となる。

配分の方法をみると、 予算総額の7/10に相 当する額を対象資産の価格で按分し、

3/10に

相当する額を国有財産の種類、 用途及び市町 村の財政状況等を考慮して配分されている。

② 施設等所在市町村調整交付金

この交付金は、 「施設等所在市町村調整交 付金交付要綱」 に基づいて交付されるもので ある。 ①の助成交付金は、 財務省の国有財産 台帳が対象となるため、 米軍が合衆国の資金

によって取得した建物、 工作物等はその対象 から除外されている。 また、 基地外に居住す る軍人、 軍属その家族は、 住民税等の市町村 税を免除されているが、 一般住民と同様に市 町村の供給する公共サービスを受けている。

こうした基地所在市町村の特殊事情を考慮し、

調整交付金が創設された。 したがって、 固定 資産税・住民税の代替的なものとして交付さ れる財政補給金であり、 一般財源である。

交付対象は、 助成交付金の対象とされない 米軍資産である

配分の方法をみると、 毎年度予算で定めら れる金額の範囲内において交付され、 予算総 額の2/3に相当する額を米軍資産の価格を基 礎として配分し、

1/3に相当する額を臨時特

例法による住民税の非課税措置等により市町 村が受ける税財政上の影響及び財政状況を考 慮して配分されている。

2

には、 助成交付金および調整交付金の 配分状況 (2011年度) が示されている

まず助成交付金についてみると総額は267 億円であり、

47都道府県のうち富山県と福井

県以外の45団体に交付されている。 神奈川県 への交付分が最も多く51.5億円 (19.3%)、

次いで東京都34.6億円 (12.9%)、 沖縄県25.5 億円 (9.5%)、 青森県19.9億円 (7.5%)、 山 口県17.0億円 (6.4%)、 北海道16.5億円 (6.2

%)、 埼玉県14.4億円 (5.4%)、 千葉県10.3 億円 (3.9%) となっており、

10億円を超え

る団体は

8

団体ある。 沖縄県への交付分は神 奈川県の約50%であり、 配分率でみると10%

日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第

6

条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍 隊の地位に関する協定の実施に伴う地方税法の臨時特例に関する法律による。

ここでいう米軍資産とは、 安保条約第

6

条及び地位協定第

3

条第

1

項の規定により建設し、 設置した建物及び工作物のこ とである。

ただし、 助成交付金および調整交付金は市町村に対して交付されるものであるが、 表2では都道府県別に集計してある。

(6)

表2 助成交付金および調整交付金の配分状況 (2011年度) (単位:億円、 %)

助成交付金 調整交付金 合 計

交付金額 割合 対象

市町村数 割合 交付金額 割合 対象

市町村数 割合 割合

北 海 道

16.5 6.2% 53 17.8% 0.2 0.3% 1 1.8% 16.6 5.0%

青 森 県

19.9 7.5% 11 3.7% 6.5 9.5% 3 5.4% 26.4 7.9%

岩 手 県

0.3 0.1% 3 1.0% 0.0 0.0% 0 0.0% 0.3 0.1%

宮 城 県

5.4 2.0% 11 3.7% 0.0 0.0% 0 0.0% 5.4 1.6%

秋 田 県

0.2 0.1% 3 1.0% 0.0 0.0% 0 0.0% 0.2 0.1%

山 形 県

0.3 0.1% 2 0.7% 0.0 0.0% 0 0.0% 0.3 0.1%

福 島 県

0.3 0.1% 6 2.0% 0.0 0.0% 0 0.0% 0.3 0.1%

茨 城 県

3.8 1.4% 8 2.7% 0.0 0.0% 0 0.0% 3.8 1.1%

栃 木 県

1.6 0.6% 2 0.7% 0.0 0.0% 0 0.0% 1.6 0.5%

群 馬 県

1.1 0.4% 2 0.7% 0.0 0.0% 0 0.0% 1.1 0.3%

埼 玉 県

14.4 5.4% 7 2.4% 0.1 0.2% 3 5.4% 14.6 4.3%

千 葉 県

10.3 3.9% 8 2.7% 0.2 0.2% 1 1.8% 10.5 3.1%

東 京 都

34.6 12.9% 14 4.7% 3.7 5.4% 11 19.6% 38.2 11.4%

神奈川県

51.5 19.3% 8 2.7% 8.8 13.0% 7 12.5% 60.4 18.0%

新 潟 県

0.9 0.3% 6 2.0% 0.0 0.0% 0 0.0% 0.9 0.3%

石 川 県

3.2 1.2% 3 1.0% 0.0 0.0% 0 0.0% 3.2 0.9%

山 梨 県

1.5 0.5% 3 1.0% 0.0 0.0% 0 0.0% 1.5 0.4%

長 野 県

0.3 0.1% 2 0.7% 0.0 0.0% 0 0.0% 0.3 0.1%

岐 阜 県

4.8 1.8% 3 1.0% 0.0 0.0% 0 0.0% 4.8 1.4%

静 岡 県

6.5 2.4% 7 2.4% 0.2 0.3% 1 1.8% 6.7 2.0%

愛 知 県

3.0 1.1% 6 2.0% 0.0 0.0% 0 0.0% 3.0 0.9%

三 重 県

1.1 0.4% 5 1.7% 0.0 0.0% 0 0.0% 1.1 0.3%

滋 賀 県

2.8 1.0% 2 0.7% 0.0 0.0% 0 0.0% 2.8 0.8%

京 都 府

3.8 1.4% 7 2.4% 0.0 0.0% 0 0.0% 3.8 1.1%

大 阪 府

3.0 1.1% 3 1.0% 0.0 0.0% 0 0.0% 3.0 0.9%

兵 庫 県

1.5 0.6% 7 2.4% 0.0 0.0% 0 0.0% 1.5 0.5%

奈 良 県

0.0 0.0% 1 0.3% 0.0 0.0% 0 0.0% 0.0 0.0%

和歌山県

0.1 0.0% 1 0.3% 0.0 0.0% 0 0.0% 0.1 0.0%

鳥 取 県

1.5 0.6% 4 1.3% 0.0 0.0% 0 0.0% 1.5 0.4%

島 根 県

0.1 0.0% 2 0.7% 0.0 0.0% 0 0.0% 0.1 0.0%

岡 山 県

1.4 0.5% 3 1.0% 0.0 0.0% 0 0.0% 1.4 0.4%

広 島 県

5.0 1.9% 5 1.7% 0.7 1.1% 3 5.4% 5.8 1.7%

山 口 県

17.0 6.4% 5 1.7% 2.8 4.2% 1 1.8% 19.9 5.9%

徳 島 県

2.6 1.0% 3 1.0% 0.0 0.0% 0 0.0% 2.6 0.8%

香 川 県

0.1 0.0% 3 1.0% 0.0 0.0% 0 0.0% 0.1 0.0%

愛 媛 県

0.1 0.0% 2 0.7% 0.0 0.0% 0 0.0% 0.1 0.0%

高 知 県

0.0 0.0% 1 0.3% 0.0 0.0% 0 0.0% 0.0 0.0%

福 岡 県

6.2 2.3% 16 5.4% 0.0 0.0% 1 1.8% 6.3 1.9%

佐 賀 県

0.6 0.2% 5 1.7% 0.1 0.1% 2 3.6% 0.7 0.2%

長 崎 県

7.1 2.7% 7 2.4% 2.0 2.9% 3 5.4% 9.1 2.7%

熊 本 県

0.4 0.2% 5 1.7% 0.0 0.0% 0 0.0% 0.4 0.1%

大 分 県

1.4 0.5% 7 2.4% 0.0 0.0% 0 0.0% 1.4 0.4%

宮 崎 県

2.2 0.8% 4 1.3% 0.0 0.0% 0 0.0% 2.2 0.6%

鹿児島県

3.2 1.2% 8 2.7% 0.0 0.0% 0 0.0% 3.2 1.0%

沖 縄 県

25.5 9.5% 23 7.7% 42.7 62.8% 19 33.9% 68.1 20.3%

全 国 計

267.4 100.0% 297 100.0% 68.0 100.0% 56 100.0% 335.4 100.0%

出所) 総務省 「国有提供所在市町村助成交付金及び施設等所在市町村調整交付金 (配分額一覧表)」 平成

23年度より作成。

(7)

に満たないことがわかる。

次に調整交付金をみると、 助成交付金とは 対照的に被交付団体は13団体に過ぎず、 その うち7団体は交付額が

1

億円未満となってい る。 総額68億円のうち沖縄県へ42.7億円が交 付されており、 配分率は62.8%に達する。 沖 縄県には米軍専用施設の73.8%が所在してお 、 当然の配分率といえよう。

両交付金の合計額は335.4億円であり、 こ のうち沖縄県へ68.1億円 (20.3%)、 神奈川 県へ60.4億円 (18.0%) 配分されている。 こ のように沖縄県への配分が突出して高いわけ ではないことがわかる。

助成交付金は法律に基づき交付される 「予 算補助」 であり、 調整交付金は 「要綱」 に基 づき交付される 「予算補助」 である。 いずれ も地方税の代替財源として財政補給金的な性 格を有しており、 恩恵的に交付されるもので はない。

③ その他、 地方交付税における基地関係収入 普通地方交付税と特別交付税にも基地に関 係した収入がある。

まず、 普通交付税についてみると、

1997年

度より防衛施設が所在することによる財政需 要を基準財政需要額に算入することとなった。

それまでは米軍人口 (米軍の構成員、 軍属及 び家族の数) が国勢調査の対象外であったた め、 人口を測定単位とする費目 (消防費、 清 掃費など) にその財政需要が反映されていな かったが、 米軍人口に応じて算入するように なった。 また、 基地が所在する自治体の多く は、 基地渉外課などを設けて職員を配置して

いたが、 こうした財政需要についても基地面 積に応じて算入するようになった。 制度創設 以降、 全国の基地所在市町村に毎年約150億 円が交付されており、 そのうち75億円が沖縄 に配分されている。 沖縄県への交付分75億円 のうち25億円が沖縄県に、

50億円が県内基地

所在市町村に配分されている。

次に特別交付税についてみると、 その算定 事項の中に、 「防衛施設周辺の整備事業に要 する経費があること (特別交付税に関する省 令第

2

条)」 とあり、 基地周辺整備法第

3

に規定する障害防止工事および第

8

条に規定 する民生安定施設の整備事業について、 市町 村負担分の1/2を交付することになっている。

第2節 基地関係収入の実際 1. 基地関係収入の現状

2011年度において沖縄県下の市町村に配分

された基地関係収入をみると、 防衛施設周辺 整備補助金が73億円、 助成交付金・調整交付 金が68億円、 軍用地料が102億円、 その他の 補助・委託金が16億円、 総額259億円であっ た。 その構成比をみると、 財産収入である軍 用地料が39.4%と最も高く、 次いで補償的収 入である環境整備法に基づく補助金が28.2%、

地方税の代替的収入である助成交付金・調整 交付金が26.3%、 その他が6.2%となってい る。

次に、 基地関係収入の市町村財政における ウエートの大きさをみてみよう。 沖縄県下41 市町村全体の歳入総額は約6,350億円であり、

基地関係収入 (259億円) は全体の4.1%を占 めるに過ぎない。 ただし、 基地関係収入がゼ

沖縄県知事公室基地対策課 沖縄の米軍及び自衛隊基地 (統計資料集) 平成25年

3

月、

p.1。

(8)

ロの市町村も存在するので、 それを除いた25 市町村の歳入総額に占める割合をみても、

4.8%である

。 このように、 マクロ的にみれ ば基地関係収入は決して多くはない。

しかしながら、 各自治体というミクロ的に みると事情は異なる。 まず、 歳入総額に占め る割合でみると、 基地関係収入が歳入総額の

20%以上占める団体は宜野座村 (34.1%)、

恩納村 (31.0%)、 金武町 (26.9%)、 嘉手納 町 (26.3%) と4団体ある。

10〜20%占める

団体は伊江村 (14.0%)、 渡名喜村 (11.0%)、

北谷町 (10.3%) の

3

団体となっている。

また、 金額ベースでみると、 沖縄市の約

35.0億円を筆頭に、 名護市 (29.1億円)、 金

武町 (28.7億円)、 宜野座村 (24.3億円)、 恩 納村 (24.0億円)、 嘉手納町 (20.8億円) の

6

自治体が20億円以上の収入を得ている。

10〜

20億円の収入のある団体は北谷町、 うるま市、

読谷村、 伊江村、 宜野湾市の

5

団体であり、

基地の所在する25市町村のうち11団体が10億 円以上の基地関係収入を得ている。

2. 基地関係収入と財政力格差

基地を抱える地方公共団体は、 程度の差は あれ、 基地に関連した収入がある。 それでは、

基地の所在する市町村とそうではない市町村 との間で、 財政力に相違はみられるであろう か。

図1は経常一般財源比率と歳入に占める基 地関係収入の割合との相関図を2011年度につ いて求めたものである。 経常一般財源比率と

は、 下の式で表される。

経常一般財源比率 =経常一般財源 標準財政規模

分子の経常一般財源とは、 毎年度連続して 経常的に収入される財源のうち、 その使途が 自由な収入の割合である。

分母の標準財政規模とは、 「標準税収入額 (地方税+地方譲与税等の理論上標準的な収 入見込額)+普通地方交付税額+地方譲与税 額+交通安全対策特別交付金額+臨時財政対 策債発行可能額」 で求められる。 つまり、 地 方公共団体の標準的な状態で通常収入される であろう経常的一般財源の規模を示している。

経常一般財源比率が高いほど、 収入の安定 性と財政上の自立性があり、 また100を超え るほど歳入構造に弾力性があると判断される。

1

から明らかなように、 財源に余裕があ る団体ほど歳入に占める基地関係収入の割合 が高い。 相関係数は

r

=−0.957531であり、

両者の相関は極めて高いことがわかる。

その理由は、 経常一般財源比率を求める際 に、 助成交付金、 調整交付金、 軍用地料は基 地を抱える一部の市町村にしか歳入がないた め、 分母の標準財政規模には算入されないが、

分子の経常一般財源には算入されるからであ る。 そのため基地所在市町村は経常一般財源 比率が高くなるのである。

1

によると、 特に財源に余裕のある

4

(嘉手納町、 金武町、 恩納村、 宜野座村) の うち嘉手納町を除く3団体 (金武町、 恩納村、

県下41市町村のうち、 米軍基地および自衛隊基地が所在するのは8団体 (那覇市、 沖縄市、 うるま市、 国頭村、 本部町、

恩納村、 金武町、 久米島町)、 米軍基地のみが所在する市町村は13団体 (宜野湾市、 石垣市、 浦添市、 名護市、 東村、 宜 野座村、 伊江村、 読谷村、 嘉手納町、 北谷町、 北中城村、 渡名喜村、 北大東村)、 自衛隊のみが所在する市町村は4団体 (糸満市、 宮古島市、 南城市、 八重瀬町) となっている。

(9)

宜野座村) は基地関係収入に占める軍用地料 の割合が高い。 金武町の場合、 基地関係収入 は28.7億円であるが、 そのうち18.8億円が軍 用地料 (66%) である。 宜野座村の場合、 基 地関係収入は24.3億円、 軍用地料は18.3億円 (75%)、 恩納村の場合は基地関係収入が24億 円、 軍用地料が16.3億円 (68%) となってい る。 いずれの団体も基地関係収入に占める軍 用地料の割合が

7

割前後もあり、 軍用地料が 歳入構造に弾力性をもたらす源泉となってい るようである。

しかし、 このような軍用地料がすべて住民 の福祉の向上に充てられるわけではない。 と

いうのも、 米軍に提供している公有地の多く はもともと各区の共有地を移管替えしたもの であり、 防衛省から市町村に支払われる軍用 地料は、 一定の割合でもって各区に再配分さ れるからである10。 たとえば、 金武町では50

%、 宜野座村では40%、 恩納村では35%、 名 護市では40%が各区に配分されている11

第3節 結びに代えて

政府活動の大部分は、 中央政府と地方政府 の共同作業で行われており、 典型的な中央政 府の役割とされる国防サービスの供給につい ても、 防衛施設の所在する地方自治体の協力

10 分収金については、 川瀬 (2013) に詳しい。

11 難波孝志 「沖縄の軍用地におけるコモンズの諸問題」 大阪経大論集 第63号第

5

号、

2013年1

月、

p.35。

図1 財政力格差と基地関係収入

出所) 経常一般財源比率は沖縄県のウェブページより、 基地関係収入は沖縄県知事公室基地対策課 沖縄の 米軍基地 よりデータを得て作図した。

(10)

が必要となる。 そして、 防衛施設を安定して 運用していくために中央政府と地方政府との 財政上の連繋が構築されている。 それが基地 関係収入といわれているものである。

これまでみてきたように、 基地関係収入は 大きく

3

つに分けることができる。 すなわち、

「環境整備法に基づく補助金」、 「助成交付金・

調整交付金」 そして 「軍用地料」 である。 環 境整備法に基づく補助金は、 立法趣旨から明 らかなように騒音やそれ以外の障害防止、 生 活環境への影響緩和といった迷惑料的・補償 的な収入である。 つまり、 防衛施設が存在す るがゆえの財政需要に対する補助金等であり、

本来ならば無い方が良いと言えよう12 助成交付金・調整交付金は市町村税の代替 的な収入であるが、 本来得られたであろう税 収に見合う額が交付されているかどうかにつ いて議論の余地がある。

軍用地料は、 沖縄県下市町村に固有の収入 といえるものである。 市町村所有の財産から の収益的な収入であり、 基地関係収入の約40

%を占め最も構成費が高い。 しかしながら、

その一部は各区へ再配分されていることがわ かった。

基地関係収入は、 沖縄だけに特別に恩恵的 に交付されているものではなく、 防衛施設が 所在すれば全国どの地方公共団体も被交付団 体となる制度が整えられている。 よって、 時 の政権の裁量によって交付額が増減するよう なものではない。

しかしながら 「沖縄を特別扱いしている」

補助金がないわけではない。 最後に、 この点 について触れておこう。

1996年 8

月に梶山静

六内閣官房長官 (当時) の私的諮問機関とし て 「沖縄米軍基地所在市町村に関する懇談会」

が設置されたが、 この懇談会の提言を受けて 実施された事業 「沖縄米軍基地所在市町村活 性化特別事業」 がそれに該当するだろう。 こ れは1990年代中葉に生じたいわゆる沖縄問題 への対応策の一つである。 同年11月に提出さ れた提言を少し長くなるが引用しよう。

日米安全保障体制は、 日本が全体として 国の安全を確保するために選択した基盤 であるから、 安全保障に関する量的質的 負担は、 本来国民が等しく担うべきであ る。

その負担が沖縄のとりわけ基地所在市 町村に集中している事情に鑑み、 これら の地域住民の人々が直面している困難な 問題の改善のためには、 国全体として特 別の配慮が講ぜられるべきである。

こうした提言を受けて、

38事業47事案のプ

ロジェクトが1997度から実施された (総事業 費1,000億円)。 これは文字通り 「特別の配慮」

で予算措置された一つのプロジェクトであり、

経常的な収入ではない。

もう一つ 「特別な」 事業として考えられる のが、 小渕内閣の閣議決定 「普天間飛行場の 移設に関する政府方針 (1999年12月28日閣議 決定、

2006年 5

月30日廃止)」 に盛り込まれ た 「普天間飛行場移設先及び周辺地域の振興 に関する方針」 及び 「沖縄県北部地域の振興」

に基づいて実施される 「北部振興事業」 であ ろう。

2000年度から概ね10年間で1,000億円

12 池宮城秀正 「国依存の誤解を解く (1)-(4) 琉球新報/朝刊

2013年5

月11日。

(11)

の 「予算上の特別の配慮」 が講じられた13 北部振興事業は名称が若干変更され期間も 延長されているが、 いずれにせよ両事業とも 時限措置であり、 国と地方間における財政制 度に組み込まれた恒久的な収入ではない。

参考文献

1

. 池宮城秀正 「国庫支出金の制度と問題点」

梅中雅比古編 地域の発展と地方財政 白桃書房、

1993年。

2

. 沖縄県知事公室基地対策課 沖縄の米軍 基地 平成25年

3

月。

3

. 沖縄の米軍及び自衛隊基地 (統 計資料集) 平成24年

3

月。

4

. 川瀬光義 基地維持政策と財政 日本経 済評論社、

2013年。

5

. 「基地をめぐる政府間財政関係 ― 沖縄の事例を中心に―」 都市問題

90巻第10号、 1999年、 pp.27-42。

6

. 「復帰政策と地方自治」 宮本憲一・

佐々木雅幸編 沖縄

21世紀への挑戦

岩波書店、

2000年、 pp.51-77。

7

. 桜井良治 「嘉手納町財政と基地対策」 静 岡大学 法経研究 第44巻第

4

号、

1996

年、

pp.23-48。

8

. 高橋明善 沖縄の基地移設と地域振興 日本経済評論社、

2001年。

9

. 仲地博 沖縄の自治と平和 地方自治総 合研究所、

1992年。

10.

「軍事基地と自治体財政」 日本財 政法学会編 地方自治と財務会計制度 学陽書房、

1989年、 pp.281-309。

11. 難波孝志 「沖縄の軍用地におけるコモン

ズの諸問題」 大阪経大論集 第63号第

5

号、

2013年1

月、

pp.27-45。

12. 松浦茂 「沖縄の自治体財政と国の財政支

出」 レファレンス 第665号、

2006年 6

月、

pp.114-130。

13 「普天間飛行場の移設に係る政府方針」 の 「別紙

2

」 の 「財政的な措置」 の中で、 「本案に係る施策・事業を着実に推進す る上で、 相当規模の予算を要することから、 今後、 本案に係る施策・事業の具体化にあたっては、 その進捗に応じて予算 上の特別の配慮を行うこととする。」 を記されている。

参照

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■実 施 日: 2014年5月~2017年3月.. ■実施場所: 福島県

※1 13市町村とは、飯舘村,いわき市,大熊町,葛尾村, 川内村,川俣町,田村市,富岡町,浪江町,楢葉町, 広野町, 双葉町, 南相馬市.

疎開先所在地 勢多郡大胡町 群馬郡総社村 群馬郡総社村 勢多郡黒保根村 勢多郡富士見村 群馬郡古巻村 群馬郡古巻村 勢多郡北橘村

八王子市の一部 (中央自動車道以北で国道16号線以西の区域) 、青梅市、あきる野市、日の出町、檜原村及び奥多摩町 3 管理の目標.

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