中国地域における航空機関連産業の振興方策 調査報告書
平成22年3月
財団法人 ちゅうごく産業創造センター
概要版
この事業は、競輪の補助金を受けて
実施したものです。
http://ringring-keirin.jp/
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は じ め に
航 空 機 関 連 産 業 は 、世 界 的 同 時 不 況 に よ り 航 空 会 社 の 業 績 不 振 等 で 航 空 機 の 発 注 が 落 ち 込 ん で お り 、ま た 新 造 機 新 型 機 (ボ ー イ ン グ 787,MRJ)の 開 発 ・ 納 入 が 遅 れ て い る も の の 、中 長 期 的 に は 成 長 す る と 予 想 さ れ て い る 。国 内 で は 大 手 (重 工 業 )メ ー カ ー が 今 後 の 需 要 に 備 え 、 複 合 素 材 ユ ニ ッ ト の 製 造 な ど 生 産 体 制 を 強 化 し て い る 。
こ の よ う な 中 、全 国 各 地 に お い て 新 規 参 入 に 向 け て 、中 小 企 業 の 動 き が 活 発 化 し て お り 、 中 国 地 域 で は 、 共 同 受 注 グ ル ー プ の 「 ウ イ ン グ ウ ィ ン 岡 山 」 が 平 成 16 年 10 月 に 設 立 さ れ 、 広 島 で は 「 広 島 航 空 宇 宙 研 究 会 」 が 立 ち 上 が っ て い る 。
そ こ で 本 調 査 は 、中 国 地 域 の 中 堅・中 小 企 業 が 航 空 機 関 連 分 野 へ の 展 開 を 図 る た め に 、担 う こ と が 可 能 な 分 野 、必 要 と さ れ る 技 術 レ ベ ル 等 の 課 題 を 把 握 す る と と も に 、中 国 地 域 に お け る 航 空 機 関 連 産 業 の 集 積 を 図 る た め に 地 域 が 取 り 組 む べ き 方 向 性 を 定 め 、 振 興 に 必 要 な 具 体 策 と そ の 手 順 に つ い て 検 討 し た も の で あ り ま す 。 本 報 告 書 が 、今 後 中 国 地 域 に お け る 航 空 機 関 連 産 業 の 振 興・発 展 に つ な が れ ば 幸 い で す 。
本 調 査 の 実 施 に 当 た っ て は 、産 ・ 学 ・ 官 の 有 識 者 、関 係 者 で 構 成 す る「 中 国 地 域 に お け る 航 空 機 関 連 産 業 の 振 興 方 策 調 査 」委 員 会 を 組 織 し て 、ご 審 議 い た だ く な ど 、 関 係 各 位 の ご 協 力 と 適 切 な ご 提 言 を 賜 り ま し た 。
ま た 、 専 門 的 な 立 場 か ら 財 団 法 人 岡 山 経 済 研 究 所 の ご 協 力 を い た だ き ま し た 。 こ こ に 、ご 審 議 い た だ き ま し た 委 員 の 皆 様 を は じ め 、関 係 各 位 の ご 尽 力 に 対 し て 深 く 感 謝 す る も の で あ り ま す 。
当 セ ン タ ー は 、今 後 と も 、産 ・ 学 ・ 官 の 緊 密 な 連 携 の も と 、中 国 地 域 の 活 性 化 の た め に 努 力 し て ま い る 所 存 で ご ざ い ま す の で 、一 層 の ご 支 援 、ご 鞭 撻 を 賜 り ま す よ う お 願 い 申 し あ げ ま す 。な お 、本 調 査 は 、財 団 法 人 JKA の 機械工 業 振 興事業 の補 助 事業 と し て 実 施 し ま し た 。
平 成2 2年3月
財 団 法 人 ちゅう ご く 産 業創造 セ ン タ ー
会 長 松 井 三 生
中国地域 中国地域 中国地域
中国地域における における における航空機関連産業 における 航空機関連産業 航空機関連産業 航空機関連産業の の の の振興方策調査 振興方策調査 振興方策調査 振興方策調査 委
委 委
委 員 員 員 員 会 会 会 会 名 名 名 名 簿 簿 簿 簿
委 委委 委 員員員員
(敬称略、所属50音順)
氏 名 所 属 役 職 名
委員長 大﨑 紘一 岡山商科大学 副学長 産学官連携センター長 副委員長 岩下 英嗣 広島大学 大学院工学研究科 教授
委員 夏明 正伸 ㈱IHI 航空宇宙事業本部 呉第二工場 生産技術部 部長
〃 妹尾 正己 岡山県 産業労働部 経営支援課 総括参事
〃 本位田 和昭 (財)岡山県産業振興財団 経営支援部 次長
〃 谷畑 英樹 鹿島建設㈱ 中国支店 営業部 次長
〃 和泉 孝一 興南設計㈱ 取締役
〃 永岡 伸善 島根県 商工労働部 産業振興課 地域産業創造グループリーダー
〃 尾本 哲朗 中国経済産業局 地域経済部 地域経済課長 〃 都留 良男 中国経済連合会 理事
〃 林 義之 (社)中国地域ニュービジネス協議会 常務理事
〃 大江 隆二 中国電力㈱ エネルギア総合研究所 フィナンシャルテクノロジー担当 マネージャー
〃 中塚 総一郎 ㈱中塚鉄工所 代表取締役 社長
〃 田代 博造 ㈱ヒロコージェットテクノロジー 代表取締役 社長
〃 伊賀 沙綾香 広島県 商工労働局 産業振興部 新産業課 主任主事
〃 松本 良徳 広島市 経済局 産業振興部長
〃 神谷 幸秀 三菱重工業㈱ 機械・鉄構事業本部 機械事業部 総務部 次長
〃 小関 浩幸 山口県 商工労働部 商政課 主査
オブザーバー オブザーバー オブザーバー オブザーバー
オブザーバー 高橋 伸夫 岡山県 産業労働部 産業振興課 主任
〃 袋井 信圭 中国経済産業局 地域経済部 次世代中核産業クラスター担当係長
〃 川北 英孝 東広島商工会議所 専務理事
事務局 事務局 事務局 事務局
事務局 田村 真悠 (財)ちゅうごく産業創造センター 常務理事
〃 池田 利明 〃 調査部 部長
〃 金重 信彦 〃 調査部 部長
* 〃 宮崎 哲彦 〃 〃 〃
調査機関 調査機関 調査機関 調査機関
シンクタンク 雄龍 清志 (財)岡山経済研究所 調査部長
〃 山本 智之 〃 主任研究員
〃 宮前 善充 〃 主任研究員
*:人事異動による後任者
中国地域における航空機関連産業の振興方策調査〔要約〕
ⅠⅠ
ⅠⅠ....航空機関連産業航空機関連産業航空機関連産業航空機関連産業のののの現状現状現状と現状とと中国地域と中国地域中国地域中国地域のののの取組状況取組状況取組状況取組状況
<調査の目的>
1.現状
・国内の航空機産業は1兆円を超える程度の規模で、自動車の 約3%、一般機械の約4%と決して大きくない規模。欧米諸 国の市場規模に比べても小さい。
・航空機メーカーは、航空機の機体を製造する機体メーカー、
航空機用エンジンを製造するエンジンメーカーがある。海外 の主な民間航空機メーカーには、機体はボーイング、エアバ ス、エンジンはGE、RR、P&Wなどで寡占化状態にある。
国内では、三菱重工業、IHI、川崎重工業、富士重工業と いった重工メーカー等が機体・エンジンを生産している。そ の他に、ジャムコ、多摩川精機、住友精密工業、ナブテスコ などの装備品・機器メーカーが存在する。
・民間旅客機の航空機産業は、海外の機体・エンジンメーカー を頂点とした産業構造が形成されている。重工メーカー等は そのTier1として主要部材を供給している。重工メーカー等 に航空機部品を供給する部品メーカー(協力会など)が多数 存在する。その他に、生産・整備用機材として検査機器、治 工具類や“アフターパーツ”と呼ばれる補修用部品を開発・
製造する分野がある。
・航空機産業の特徴は、現状の産業規模は大きくないこと、多 品種小ロット生産であること、長期にわたる製品サイクル、
厳格な品質保証体制が求められることなどが挙げられる。
2.市場見通し
日本航空機開発協会の調査によると、世界の航空旅客は今後 20 年 間で年平均 4.7%の伸びを続け、2008 年の 2.5 倍に達すると予測。
サイズ別ジェット機では、60~99 席、100~119 席、230~309 席、310
~399 席などのクラスで大きな伸びを予測。
4.航空機関連産業の技術開発
(1)航空機生産技術の特徴
絶対的な安全性と高い信頼性のほか に、「軽量化」「インテグレーション」「航 空機特有の生産加工」「治具・工具の重要 性」が航空機生産技術の特徴として挙げ られる。
(2)自動車分野との技術相互波及 航空機分野から自動車分野への技術波 及はCFRP、ABS、5軸加工機、3次元C ADシステムなど。一方、自動車分野から 航空機分野への技術波及には、ムービン グ・ライン、ショットピーニング加工など がある。
(3)技術戦略マップ
航空機分野は宇宙分野とともに、「技術 戦略マップ」に平成 18 年以降毎年掲載。
技術戦略マップでは、航空機分野の技術 課題を材料・構造技術、空力技術、装備品 技術、エンジン要素技術などの6つに分 類して整理している。
世界の航空旅客伸び率
① 背景
・国内の航空機市場は今後、世界的な航空旅客数の増加に伴って市場規模の拡大が見込まれてい る。
・ボーイング社の次世代旅客機B787 の量産化が本格化すると国内の航空機産業は活況を呈するこ とが予想される。また、平成 20 年3月には三菱重工業が「MRJ」の事業化を決定し、「YS-11」
以来、40 年ぶりとなる国産旅客機の開発・生産が期待されている。
・航空機生産の拡大期を目前にして、全国各地で中堅・中小企業(以下、中小企業)の航空機産業 への参入に向けた動きが活発化している。これを受けて、参入をめざす企業に情報の提供や受 注活動の支援などを行う連携組織が近年、相次いで設立されている。
・中国地域では、「ウイングウィン岡山」「広島航空宇宙研究会」が活動を行っている。
① 背景(続き)
・実際に中小企業が航空機関連産業に参入するためには、技術・設備や品質保証の体制 づくりなど、乗り越えていかなければならない課題が数多くあり、参入に困難が伴 うといわれている。
② 目的
中国地域の中小企業が航空機関連分野で担うことが可能な分野、参入に必要とさ れる条件等を把握する。そして、中国地域の航空機関連産業の集積を図るために地 域が取り組むべき方向性を定め、具体的な方策とそのステップを検討するなど、中 国地域における航空機関連産業の発展に有効な方策を提案する。
3.中国地域の取組状況
・工業統計(平成 19 年)によると、中国地域の「航空機・同付属品製 造業」は事業者が6、製造品出荷額等が 600億円。
・中国地域における航空機メーカーの生産拠点は、広島県内に三菱重 工業㈱名古屋航空宇宙システム製作所広島工場、㈱IHI呉第二工場、
山口県内に三菱重工業㈱下関造船所が立地。
・中国地域の地域連携組織としては、「ウイングウィン岡山」が航空機 分野の受注開拓に向けた活動を展開、「広島航空宇宙研究会」は姉妹 都市の産業交流を通じて、広島地域の航空機関連産業の創出可能性を 探っている。
1989-2008年 2009-2028年
北米 3.3 3.5
欧州 5.5 4.1
アジア/太平洋 7.0 5.8
その他の地域 3.3 5.6
合 計 4.6 4.7
年平均伸び率 (%)
Ⅳ
ⅣⅣ
Ⅳ....中小企業中小企業中小企業中小企業のののの参入参入参入参入がががが期待期待期待される期待されるされる分野される分野分野分野ととと参入と参入参入参入にににに必要必要必要とされ必要とされとされとされ る
るる る条件条件条件条件
1.中小企業の参入が期待される分野
・機体およびエンジンの分野では、部品生産への参入に 余地がある。国内大手メーカーが海外航空機メーカー のTier1として国際共同開発・生産を担っているので、
その部品の生産が中小部品メーカーに回ってくる可能 性あり
・産業構造からみた中小企業の参入ポジションは、国内 大手メーカーへの「部品メーカー」を参入ターゲット とすることが正攻法
・中小企業がいったん参入できたとしても、工程の一部 を受注するだけで不安定な受注変動を繰り返す懸念が ある。安定した受注量確保の対策が必要
2.中小企業の参入に必要とされる条件
・設備面は、航空機部品の加工に5軸加工機の導入が必 要。業界標準の3次元CADソフト「CATIA V5」「N X6」の導入が必須
・今後は、JISQ9100、Nadcapの認証取得が参入の前提条 件
・長期にわたり部品を継続的に安定供給できる企業体質 の構築
・航空機の絶対的安全性を確保するために、参入する企 業、その従業員全員が“信頼”をベースにした航空機 特有のものづくり文化を理解し、企業に定着させるこ とが航空機関連産業への参入の大前提
ⅡⅡⅡⅡ...地域.地域地域地域企業企業企業企業ののの意向の意向意向意向
1.アンケート調査結果
中国地域に所在するプラスチック製品、金属製品、一般機械、電気機械、情報通信機器、電 子部品・デバイス、輸送用機械、精密機械、機械設計を主業種とする企業を対象。
調査対象企業は 1,526社、有効回答企業は 378社、有効回答率は 24.8%。
①航空機関連分野への関わり
・「航空機分野に継続的に関わっている」が6%、「不定期に関わっている」が7%で、「航空機 分野に関心があり、今後進出を検討したい」は 28%。
②航空機関連分野に関わりのある企業(進出分野、進出時期等)
・航空機関連分野に関わりのある企業への質問で、進出分野としては「治工具類」「機体分野」
「エンジン」が多い。
・進出時期は「2年超~5年前」「10 年超~20 年前」が多かったものの大きな差はみられない。
・概ね期待に近い効果が得られたものは「技術力の向上・高度化」「品質管理力の向上・高度化」
「人材育成・能力開発」「企業イメージの向上」など。
・今後の取組方針は「積極的に取り組む」が最多。
③航空機関連分野に関心があり、今後進出を検討している企業(進出理由、課題・問題点等)
・航空機分野への進出理由は「航空機市場が有望」が最多、「既存事業の成長が見込めない」「既 存設備が活用できる」も多い。
・進出に際しての課題・問題点は「進出のきっかけがない」が最多、「何から始めたらよいかが わからない」「技術情報、市場情報等が入手しにくい」との回答も多い。
・航空機分野をめざすグループへの参加意向は「積極的に参加」「参加の方向で検討」で8割超。
○航空宇宙産業フォーラム(名古屋市)
・航空機部品メーカーの海外展開を積極的に支援
・人材育成に産学官が連携して取り組む
・各支援機関と役割分担を図りながら事業推進
○住友精密工業株式会社(兵庫県尼崎市)
<参入企業へのアドバイス・要望>
・品質管理面など航空機産業の特性を理解
・一貫生産による完成部品の納入に期待
○三菱重工業株式会社名古屋航空宇宙システム製作所(名古屋市)
<参入企業へのアドバイス・要望>
・機体メーカーによるサプライチェーン再構築の動きに留意
・航空関連法令・規格等の熟知、品質管理体制の充実が重要 2.聞き取り調査結果
航空機関連産業に進出した中小企業 の参入時の状況、参入ポイント、参入時 にネックとなった点、および今後の取組 方針、行政への要望は以下のとおり
①進出のきっかけ
航空機需要の拡大期という受注好機 に、タイミング良く発注企業との取引開 始
②参入ポイント
設備、品質管理体制、参入意欲の3点
③参入時にネックとなった点
品質管理に関すること、参入時の投資 負担が大きいこと
④今後の取組方針
「積極的に取り組む」とする意見が多 い中で「現状維持」とする企業もあり
⑤行政への要望
受注開拓の支援、新規取引先の紹介等
○宇宙航空技術利活用研究会(静岡県浜松市)
・民間主導で取り組む(事務局は浜松商工会議所)
・コーディネータが会員企業の受注活動等に積極的に関与
・JAXAと連携
○次世代型航空機部品供給ネットワーク(大阪市)
・会員企業が主体的に取り組む
・会員企業によって一貫生産システムによる会社の設立
・公的支援事業を上手に活用して自らの事業展開に取り込む
○株式会社オー・ワイ・コープ(大阪市)
・一貫生産システムを具現化した会社の設立
・参加企業の各社がJISQ9100 の認証取得推進
・トレーサビリティシステム構築に公的資金を活用 1.地域連携組織の取組状況
他地域の連携組織の聞き取り調査により、以下の点を把握した。
・連携組織の多くは中小企業の航空宇宙分野への参入を目的に事業展開 ・民間主導の連携組織は入会に一定の制限あり
・宇宙分野より航空機分野の志向が多い
・連携組織の会員は地域限定としている組織が多い。一部に会員所在地 にこだわらない組織もあり
2.先進事例調査結果
中国地域の航空機関連産業の集積に向けて、参考となる事例を選定し、
先進事例調査を実施した。参考となる点は右記のとおり。
Ⅲ
ⅢⅢ
Ⅲ....他地域他地域他地域での他地域でのでのでの取組状況取組状況取組状況取組状況
ⅤⅤ
ⅤⅤ....中国地域中国地域中国地域中国地域でのでのでの取組方向での取組方向取組方向について取組方向についてについてについて
<基本方向>
ⅥⅥ
ⅥⅥ..中国地域..中国地域中国地域中国地域ののの航空機関連産業の航空機関連産業航空機関連産業航空機関連産業のののの発展方策発展方策発展方策 発展方策
航空機関連産業の発展方策は、5つの基本方策(1)情報収集機会の提供、(2)新たな連携組織づくり、(3)既存連携組織の機能 強化、(4)中国地域内でのネットワークづくり、(5)中国地域コンソーシアムの結成、で構成される。
その5つの基本方策に沿って、それぞれの具体的方策、取り組みは次のとおりとする。
基本方策 具体的方策 主な取り組み
(1)情報収集機会の提供 a.セミナー・勉強会等の開催 ○「航空機産業の動向」等の情報提供
(2)新たな連携組織づくり a.情報収集活動 ○連携組織によるセミナー・勉強会等の開催 等
b.受注開拓活動 ○共同での受注開拓 ○国内の航空宇宙展への出展 等 (3)既存連携組織の機能強化 a.これまでの活動の充実 ○情報収集活動の強化 ○国内での受注開拓活動の強化
○参入企業の経営体力の強化 b.一貫生産体制づくり ○一貫生産体制の実現化検討
○必要とされる工程への参加呼びかけ c.海外市場開拓 ○海外の航空宇宙展への出展
○海外航空機産業の市場調査 等 d.新機種受注の取り組み ○新機種に対応した研究開発 等 (4)中国地域内でのネットワー
クづくり
a.連携組織の連帯による取り組み ○連携組織による情報交換会の開催
○勉強会等への相互参加 ○共催によるセミナー開催 等 b.産学官一丸となった取り組み
①コーディネータの設置
②一貫生産プロジェクトの推進 ○一貫生産に向けた研究開発 ○一貫生産人材の育成研修 ③研究開発プロジェクトの推進 ○複合材の研究開発 ○共同利用設備の設置
④人材育成プロジェクトの推進 ○一貫生産人材の育成研修(再掲)
○「CATIA V5」等の研修 ○5軸加工機等の研修
⑤販路開拓プロジェクトの推進 ○国内での展示商談会の主催 ○国内の航空宇宙展への出展
○海外の航空宇宙展への出展 ○海外へのミッション派遣 (5)中国地域コンソーシアムの
結成
a.中国地域コンソーシアムの結成
b.コンソーシアムによる一貫生産体制づくり
c.海外市場開拓 ○貿易振興機関等との連携 ○海外の航空宇宙展への出展
○海外へのミッション派遣 d.新機種獲得に向けた取り組み ○新機種受注に向けた情報収集
○新機種に対応した研究開発
Ⅶ
Ⅶ
ⅦⅦ...発展方策.発展方策発展方策発展方策ののの推進の推進推進推進にににに向向向向けてけてけてけて 1.中国地域での参入可能性の検討
<航空機市場の状況>
・短期的には需要増は期待できない ・中期的には新規発注の可能性が高い
<中国地域の中小企業>
・設備,技術を有する中小企業あり ・参入意向のある中小企業が多数あり
<取り巻く環境>
・先発参入メーカーの存在 ・地域連携組織の活動 ・大手メーカーの生産拠点
中期的には参入可能性は十分にあり
2.連携組織の有効性の検討
PR効果、情報収集、一貫生産への対応可能性など の面からみて、地域連携組織による取り組みは有効
3.取組主体・エリアの検討
・民間企業が主体的に取り組む
・県域をベースに中国地域での取り組みも効果的
4.中国地域での必要な取り組み
<参入に関心がある、参入を検討している中小企業>
・情報収集機会の拡大
・新たな連携組織の立ち上げ
<既に参入している中小企業>
・既存連携組織の機能強化
・海外市場等の取引開拓
・中国地域内資源の有効活用
ネットワーク化による
内外の航空機関連産業への参入機会の創出
1.取組主体
5つの基本方策の中で、「新たな連携組織づくり」「既存連 携組織の機能強化」、さらに「中国地域コンソーシアムの結成」
の取組主体は民間企業であるが、立ち上げ時には公的機関の 関わりが求められる。参加企業が事業実施の経験を積み、運 営ノウハウ等を蓄積していくにつれて、徐々に取り組みを参 加企業中心に移行していくことが望まれる。
「情報収集機会の提供」「中国地域内でのネットワークづく り」では、行政・産業振興機関等の公的機関が取組主体となり、
各セクターに働きかける役割が期待される。
2.専門機関、先進地域との連携
中国地域内だけでなく、他地域の高次機能を活用すること によって、より充実した取り組みとする。
(例)・研究開発プロジェクトでのJAXAとの連携 ・人材育成で中部地域の育成研修ノウハウの活用 ・海外航空宇宙展で他地域での出展希望者との共同出展
3.新たな地域産業への成長を期待
中国地域の航空機関連産業の発展方策を積極的に取り組 むことにより、当該産業が次世代産業に成長することに期待 する。
目 次
調 査 調 査 調 査
調 査 のののの 目 的目 的目 的目 的 1 1 . 調 査 の 目 的 1 2 . 調 査 の 対 象 地 域 1 3 . 調 査 期 間 1
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ.... 航 空 機 関 連 産 業航 空 機 関 連 産 業航 空 機 関 連 産 業航 空 機 関 連 産 業 のののの 現 状現 状現 状 と現 状ととと 中 国 地 域中 国 地 域中 国 地 域 の中 国 地 域のの 取 組 状 況の取 組 状 況取 組 状 況取 組 状 況 2 1 . 現 状 2 2 . 市 場 見 通 し 9 3 . 中 国 地 域 の 取 組 状 況 10 4 . 航 空 機 関 連 産 業 の 技 術 開 発 15
Ⅱ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅱ.... 地 域 企 業地 域 企 業地 域 企 業地 域 企 業 ののの 意 向の意 向意 向意 向 17 1 . ア ン ケ ー ト 調 査 結 果 17 2 . 聞 き 取 り 調 査 結 果 22
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ.... 他 地 域他 地 域他 地 域他 地 域 で ので ので ので の 取 組 状 況取 組 状 況取 組 状 況取 組 状 況 24 1 . 地 域 連 携 組 織 の 取 組 状 況 24 2 . 先 進 事 例 調 査 結 果 25
ⅣⅣ
ⅣⅣ.... 中 小 企 業中 小 企 業中 小 企 業中 小 企 業 ののの 参 入の参 入参 入 が参 入ががが 期 待期 待期 待 さ れ る期 待さ れ るさ れ るさ れ る 分 野分 野分 野分 野 ととと 参 入と参 入参 入参 入 にににに 必 要必 要必 要 と さ れ る必 要と さ れ ると さ れ ると さ れ る 条 件条 件条 件条 件 28 1 . 中 小 企 業 の 参 入 が 期 待 さ れ る 分 野 28 2 . 参 入 に 必 要 と さ れ る 条 件 33
ⅤⅤ
ⅤⅤ.... 中 国 地 域中 国 地 域中 国 地 域中 国 地 域 で ので ので の 取 組 方 向で の取 組 方 向取 組 方 向取 組 方 向 に つ い てに つ い てに つ い てに つ い て 35 1 . 中 国 地 域 で の 参 入 可 能 性 の 検 討 35 2 . 連 携 組 織 の 有 効 性 の 検 討 38 3 . 取 組 主 体 ・エ リ ア の 検 討 41 4 . 中 国 地 域 で の 必 要 な 取 り 組 み 42 5 . 基 本 方 向 44
Ⅵ
Ⅵ
Ⅵ
Ⅵ.... 中 国 地 域中 国 地 域中 国 地 域中 国 地 域 ののの 航 空 機 関 連 産 業の航 空 機 関 連 産 業航 空 機 関 連 産 業 の航 空 機 関 連 産 業のの 発 展 方 策の発 展 方 策発 展 方 策発 展 方 策 46 1 . 基 本 方 策 46 2 . 具 体 的 方 策 48
Ⅶ
Ⅶ
Ⅶ
Ⅶ.... 発 展 方 策発 展 方 策発 展 方 策発 展 方 策 ののの 推 進の推 進推 進 に推 進ににに 向向向 け て向け てけ てけ て 58 1 . 取 組 主 体 58 2 . 専 門 機 関 、 先 進 地 域 と の 連 携 59 3 . 新 た な 地 域 産 業 へ の 成 長 を 期 待 59
調 査 の 目 的
1 . 調 査 の 目 的
国 内 の 航 空 機 市 場 は 約 1 兆 円 の 規 模 を 有 し て い る 。 今 後 、 世 界 的 な 航 空 旅 客 数 の 増 加 に よ る 民 間 航 空 機 の 需 要 増 加 に 伴 っ て 、 市 場 規 模 の 拡 大 が 見 込 ま れ て い る 。 特 に 、 ボ ー イ ン グ 社 の 次 世 代 旅 客 機 で あ るB787 に は 、 国 内 大 手 メ ー カ ー は 機 体 分 野 で 開 発 段 階 か ら 35% と い う 高 い 分 担 率 で 参 画 し て い る 。 量 産 が 本 格 化 す る と 、 国 内 の 航 空 機 産 業 は 活 況 を 呈 す る こ と が 予 想 さ れ て い る 。 ま た 、 平 成 20 年 3 月 に は 三 菱 重 工 業 が リ ー ジ ョ ナ ル ジ ェ ッ ト 機「MRJ」の 事 業 化 を 決 定 し 、「YS- 11」以 来 、 40 年 ぶ り と な る 国 産 旅 客 機 の 開 発 ・生 産 が 期 待 さ れ て い る 。
航 空 機 生 産 の 拡 大 期 を 目 前 に し て 、 中 堅 ・中 小 企 業( 以 下 、 中 小 企 業 と 略 す )に お い て も 、 全 国 各 地 で 航 空 機 産 業 へ の 参 入 に 向 け た 動 き が 活 発 化 し て い る 。 こ れ を 受 け て 、 行 政 や 産 業 振 興 機 関 な ど が 主 体 と な っ て 、 参 入 を め ざ す 中 小 企 業 に 対 し て 、 情 報 の 提 供 や 受 注 活 動 の 支 援 な ど を 行 う 連 携 組 織 が 近 年 、 相 次 い で 設 立 さ れ て い る 。 中 国 地 域 で は 、「 ウ イ ン グ ウ ィ ン 岡 山 」 が 航 空 機 分 野 の 受 注 開 拓 に 向 け て 本 格 的 に 活 動 を 展 開 し て お り 、 広 島 市 の 「 広 島 航 空 宇 宙 研 究 会 」 は 姉 妹 都 市 の 産 業 交 流 を 通 じ て 、 広 島 地 域 の 航 空 機 関 連 産 業 の 創 出 の 可 能 性 を 探 っ て い る 。 し か し 、 実 際 に 中 小 企 業 が 航 空 機 関 連 産 業 に 参 入 す る た め に は 、 技 術 ・設 備 や 品 質 保 証 の 体 制 づ く り な ど 、 乗 り 越 え て い か な け れ ば な ら な い 課 題 が 数 多 く あ り 、 参 入 に は 困 難 が 伴 う と い わ れ て い る 。
本 調 査 で は 、 こ う し た 状 況 を 踏 ま え て 、 中 国 地 域 の 中 小 企 業 が 航 空 機 関 連 分 野 へ の 展 開 を 図 る た め に 、 担 う こ と が 可 能 な 分 野 、 参 入 に 必 要 と さ れ る 条 件 等 を 把 握 す る 。 そ し て 、 中 国 地 域 に お け る 航 空 機 関 連 産 業 の 集 積 を 図 る た め に 地 域 が 取 り 組 む べ き 方 向 性 を 定 め 、 必 要 と さ れ る 具 体 的 な 方 策 と そ の ス テ ッ プ を 検 討 す る な ど 、 中 国 地 域 に お け る 航 空 機 関 連 産 業 の 発 展 に 有 効 な 方 策 を 提案し 、当 該産 業 の 発 展 に寄 与す る こ と を 目 的 と し て い る 。
2 . 調 査 の 対 象 地 域 中 国 地 域
3 . 調 査 期 間
平 成 21 年5月~平 成 22 年 3 月
ⅠⅠⅠ
Ⅰ ....航 空 機 関 連 産 業 の 現 状 と 中 国 地 域 の 取 組 状 況
1 . 現 状
( 1 ) 国 内 の 航 空 機 産 業 の 経 緯
日本 の 航 空 機 産 業 は 、第 2次 世 界 大戦ま で は 世 界 の最 先 端に い た が 、敗 戦に よ り 航 空 機 の製 造を含む す べ て の 航 空 活 動 が禁 止さ れ た 。 そ の 間 、欧 米 先 進国 で は 航 空 機 の ジ ェ ッ ト 化 が著し く進 み、日本 は 技 術 の潮流 か ら 取 り残さ れ て し ま っ た 。“空白の7年 間”と呼ば れ る 期 間 で あ る 。昭 和 27 年 のGHQ覚 書に よ り 、 朝 鮮 戦 争で投入 さ れ た米 軍機 の修 理や一 部の部品 発 注 が日本 の メ ー カ ー に 出 さ れ る よ う に な っ た 。
朝 鮮 戦 争 時に投入 さ れ た米国戦 闘機F-86 が日本 に 供与さ れ 、 こ れ が 航 空自 衛 隊の 主力機 と な っ た 。 そ の 後 、 航 空自 衛 隊の 主力 戦 闘機 はF-104、F-4、F-15 と推 移す る が 、ほ ぼ 10 年刻 みで米国 の最 新 鋭機種が導入 さ れ 、 そ の 機種の 国 内 で のライセン ス 生 産 が 行 わ れ た こ と か ら 、 航 空 機 の製 造技 術 の 発 展 、 生 産ライ ン の充実 へ とつな が り 、日本 の 航 空 機製 造 基 盤を築く こ と に な っ た 。 し か し な が ら 、東 西 冷 戦が終わ っ た こ と 、戦 闘機 の寿 命が延 びた こ と 、 1 機当た り の単 価が 高 い こ と を背 景に 、昭 和 51 年 にF -15 が日本 の 主力 戦 闘機 に採 用さ れ て 以 来 、 今日で も 次 期 の 主力 戦 闘機 が 決 定 し て お らず、他機種の製 造は あ る も の の 防 衛航 空 機 の 生 産 は減 少 傾向 に あ る 。
一方 、 民 間 航 空 機 の 分 野 で は 、昭 和 30 年 代 か ら 40 年 代 に か け て 国 産 小型旅 客 機 と し て 国 際 的 に評 価の 高 か っ たYS-11 の 開 発・生 産 に挑 戦し た 。昭 和 50 年 代 に 入 る と 、海 外航 空 機 メ ー カ ー の 大型旅 客 機 の 国 際共 同開 発・生 産 に 参 画 す る時代 へ と 発 展 し て お り 、 そ の共 同開 発・生 産 を 通 じ て日本 の 航 空 機 産 業 は 実 力を蓄え て き た 。 今日で は 、 国 内 航 空 機 の 生 産額が 1 兆 円 を超え る 規 模 の 産 業 ま で に 成長し て い る 。
( 2 ) 規 模
国 内 の 航 空 機 産 業(宇 宙 産 業 を含む)は 1 兆 円 を超え る程 度の 規 模 で あ る 。 他産 業 と比 較す る と自動車の 約 3 % 、一 般機械の 約4%程 度と 、他の 主 要 産 業 に比べ て 決 し て 大 き く な い 規 模 で あ る 。
ま た 、欧 米主 要 国 と比 較し て も日本 は 小 規 模 で あ る 。 主 要 国 の 中 で 規 模 が圧 倒的 に 大 き い米国 の 約7% 相当に すぎ ず、フ ラン ス 、 イギリ ス の 3 分 の 1程 度 し か な い 。
図 表ⅠⅠⅠⅠ ....1 日 本 の 産 業 別 出 荷 額 ( 平 成 18 年 )
54.1
32.7
18.5
9.0
4.5 2.9 1.4 0.6
0 10 20 30 40 50 60
自動車 一般機械 鉄鋼 家電 コンピュータ 造船 航空機宇宙 産業用ロボット
(兆円)
図 表ⅠⅠⅠⅠ ....2 各 国 航 空 宇 宙 産 業 売 上 高 ( 平 成 18 年 )
20.4
4.0 4.5
2.5 2.3 1.4
0 5 10 15 20 25
アメリカ イギリス フランス ドイツ カナダ 日本
(兆円)
( 3 ) 生 産 ・ 輸 出 入 a . 生 産 動 向
日本 の 航 空 機 関 連 の 生 産額は 、 平 成 13 年 に初め て 1 兆 円 を超え 、 平 成 18 年 に は過 去 最高 の 1 兆 1,935 億円 と 増 加傾向 に あ る 。 そ の背 景と し て は 、 三 菱 重 工 業 、I H I、川 崎重 工 業 な ど の 航 空 機 メ ー カ ー が 民 間 航 空 機 の 国 際共 同開 発 の 参 画 に お い て 、複 合 材 料技 術 等 の 高 い 技 術力に よ り 分 担比率 を 拡 大 し 、 機材・
資 料 : 日 本 航 空 宇 宙 工 業 会 「 平 成 2 1 年 版 日 本 の航 空 宇 宙 工 業 」
注 : フランス 、カナダはミサイル を含 む。
資 料 : 日 本 航 空 宇 宙 工 業 会 「 平 成 2 1 年 版 日 本 の航 空 宇 宙 工 業 」
エン ジ ン 等 の 供給が求め ら れ て い る こ と が挙 げら れ る 。 担当 部 位も 、従来 か ら 担当し て き た胴体 等 に 加 え 、 主翼等 の 高度な 技 術 を 要 す る部分 へ 拡 大 し て き て い る 。一方 、 こ れ ま で 生 産額の 大半を占め て い た防 衛航 空 機 需 要 は防 衛予算の 削 減な ど に よ り減 少 傾向 に あ る た め 、 平 成 19 年 に は 民 間 航 空 機 の 生 産額が防 衛 航 空 機 を初め て上 回っ た 。
民 間 航 空 機 需 要 の 高 ま り の 中 で 、 平 成 20 年 3 月 に は 三 菱 重 工 業 が 国 産初の 小 型ジ ェ ッ ト 旅 客 機「MRJ」( ミ ツ ビ シ ・リ ー ジ ョ ナ ル ・ジ ェ ッ ト )の 事 業 化 を 決 定 し 、 さ ら に は川 崎重 工 業 が完成 させたXP-1(次 期 対潜 哨 戒機)、XC-2(次 期輸 送 機)の 民 間転 用が 検 討 さ れ る な ど 、 航 空 機 産 業 は 民 需 中心に移行 しつ つあ る 。
11,867 11,419 11,935
9,481 9,430 9,660 10,111 10,306 9,946 9,765 8,159
8,111 8,709
9,404 9,775
0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000
平成6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
防衛航空機 民間航空機 全体
(年)
(億円)
注 : 平 成 20 年 は速 報 値 。 資 料 : 経 済 産 業 省 「 機 械 統 計 年 報 」
平 成 20 年 の 国 内 航 空 機 生 産額よ り 航 空 機 産 業 の構 造をみる と 、「 機 体 」、「エ ン ジ ン 」、 航 空計 器な ど の 「 そ の他機器」 の うち、「 機 体 」 と 「エン ジ ン 」 が 全 体 の 約9 割を占め て い る 。特 に「 機 体部品 」(31.4%)、「エン ジ ン部品 」(26.0%)
の 生 産額の割 合が 大 き い 。 航 空 機 は部品点数 が 数十 万か ら 数百 万 点と い わ れ 、 自動車に比べ て一 桁以上も 多 い部品 か ら構成 さ れ て い る 。 し た が っ て 、 航 空 機 産 業 は適 用さ れ る 技 術 の 数 や 、 関 わ る 産 業 の幅が 広 い と い わ れ て い る 。
ま た 、部品 の 定 期 交換、新 型 部品 へ の置き換え な ど 、安定 的 な修 理需 要 も 見 込 め る こ と が 特徴的 で あ る 。
図 表ⅠⅠⅠⅠ ....3 国 内 航 空 機 生 産 額 の 推 移
図 表ⅠⅠⅠⅠ ....4 国 内 航 空 機 の 生 産 額 ( 平 成 20 年 )
(単位:億円)
航空機 11,867
(100.0%)
エンジン 3,768
(31.8%)
機体 6,752
(56.9%)
その他機器 1,347
(11.3%)
機体部品
・付属装置 4,260
(35.9%)
本体 2,492
(21.0%)
本体 688 (5.8%)
エンジン用 部品 3,080
(26.0%)
機器・部品 (航空計器等)
808
(6.8%)
通信機器
(レーダー等)
539
(4.5%)
機体部品 3,723
(31.4%)
附属装置
・室内装備 537
(4.5%)
b . 輸 出 入 動 向
航 空 機 関 連 の輸出額は 、 平 成8年頃か ら 航 空 機部品 の輸出 が 増 加 し た こ と か ら 、 平 成 10 年 に は 3,333億円 に達し た 。 そ の 後 は毎年 2,000 億円 を超え 、 平 成 19 年 の輸出額は過 去 最高 の 4,931億円 で 、生 産額に占め る比率 は 43% と な っ た 。 ボ ー イ ン グ 社 のB777、B787 の 分 担 生 産 な ど 国 際共 同開 発 のシェア拡 大 や海 外 か ら の下 請 部品 の 積極的 な 取 り 込みを 図 っ た こ と が 、 航 空 機部 材の輸出 増 加 に つな が っ て い る 。一方 、輸入 は 平 成 18 年 に 1 兆 円 を突 破し た 後 、 平 成 19 年 に は 1 兆 2,007 億円 と過 去 最高 を更 新す る な ど 増 加傾向 に あ る 。
0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000
平成5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19
機体関連 エンジン関連
(億円)
(年)
資 料 : 財 務 省 「 日 本 貿 易 年 表 」
図 表ⅠⅠⅠⅠ ....5 品 種 別 輸 出 額 の 推 移 資 料 : 日 本 航 空 宇 宙 工 業 会
( 4 ) 航 空 機 メ ー カ ー
航 空 機 メ ー カ ー は 、 航 空 機 の 機 体 を製 造す る 企 業 で あ る 「 機 体 メ ー カ ー 」 と 航 空 機用 エン ジ ン を製 造す る 企 業「エン ジ ン メ ー カ ー 」を合わせた総 称で あ る 。 民 間 旅 客 機 の 開 発費の巨 額化 に 伴 う リ スク分散の た め に 、現 在は 機 体 メ ー カ ー とエン ジ ン メ ー カ ー が 分 か れ て い る の が一 般的 で あ る 。 航 空 会 社 は 、 機 体 に搭 載す るエン ジ ン を複数 の候 補の 中 か ら選 択し て直 接 エン ジ ン メ ー カ ー か ら購入 す る仕組みと な っ て い る 。
a . 海 外
現 在、民 間 旅 客 機 の 機 体 メ ー カ ー は 、100席 ク ラス 以上の 中 大型ジ ェ ッ ト 機 分 野 で ボ ー イ ン グ 社 とエ ア バス 社 の2大 航 空 機 メ ー カ ー 、100席以下の リ ー ジ ョ ナ ル ジ ェ ッ ト 機 分 野 で カ ナダの ボ ンバルディア社 、ブ ラジ ル のエンブ ラ エル 社 に 集 約 さ れ た 。日本 の 航 空 会 社 も こ の4社 か ら 航 空 機 を 調達し て い る 。 リ ー ジ ョ ナ ル ジ ェ ッ ト 機 分 野 で は 、スホイ 社( ロ シ ア )が「SSJ100」、中 国 航 空 工 業 集団 公 司(中 国)が「ARJ」を完成 させて お り 、新規 参 入 を め ざ し て 受 注 活 動 を 行 っ て い る 。 三 菱 重 工 業 は 平 成 20 年 3 月 にMRJの 開 発 を表 明し 、 平 成 23 年 の初 飛 行 を め ざ し て い る 。
ま た 、 航 空 機エン ジ ン 市 場 は 、米国 のGE( ゼ ネ ラ ル ・エ レ ク ト リ ッ ク ) 社、P
&W( プ ラ ッ ト ・ア ン ド ・ホ イ ッ ト ニ ー )社、英国 のRR( ロ ー ル ス ・ロ イ ス )社な ど に よ る寡 占市 場 と な っ て い る 。
b . 国 内
国 内 の 航 空 機 メ ー カ ー も概 ね、 機 体 メ ー カ ー とエン ジ ン メ ー カ ー に 分 か れ る 。 機 体 の 開 発・生 産 は 、昭 和 27 年 に 航 空 機 生 産 の再開 以降、 三 菱 重 工 業 、川 崎重 工 業 、富 士重 工 業 、新 明 和工 業 な ど が 開 発・生 産 を 担当し て き た 。完成 機 につ い て は 、ライセン ス 生 産 に よ る防 衛 省向 け 航 空 機 が 多 く な っ て い る 。 近 年 は 三 菱 重 工 業 の 「MRJ」 のほか に 、自動車メ ー カ ー の 本田技 研 工 業 が 企 業 や個 人が 自 家 用と し て使うビジネス ジ ェ ッ ト 機 の 開 発 ・生 産 を進め て い る 。
航 空 機用 エン ジ ン は 、I H I、 三 菱 重 工 業 、川 崎重 工 業 な ど 大 手 重 工 メ ー カ ー が長年 、 開 発 ・生 産 を 手掛け て き た 。
三 菱 重 工 業 、川 崎重 工 業 、富 士重 工 業 は 、 各 社 の 国 内 生 産拠 点を愛 知 県、岐 阜 県に置い て お り 、 そ の 近隣に は下 請の部品 メ ー カ ー が 集 積 し て い る こ と か ら 、 中部地 域 が 国 内 航 空 機 産 業 の メ ッ カ と な っ て い る 。
航 空 機 の 機 体 、エン ジ ン の 開 発 に は長い 年 月 と 多額の資 金を 必 要 と し 、 特 に 民 間 機 につい て は 大型化 と 高 性 能 に 伴 う リ スクの 増 大 に よ っ て 、単 独民 間 企 業 の負担 能力を超え る も の に な っ て い る 。 そ の た め 、 開 発 リ スクの 分散、 市 場 の 確保・拡 大 等 を 目 的 と し た 民 間 航 空 機 の 国 際共 同開 発 は 世 界 的 な趨 勢と な っ て
い る 。
国 内 の 航 空 機 メ ー カ ー も 国 際共 同開 発・生 産 に 参 画 し て い る 。 ボ ー イ ン グ 社 のB767、B777、最 新のB787、 そ し てター ボフ ァンエン ジ ン 開 発 で は日・英・米・
独 4カ 国 の共 同開 発 のV2500、GE社 と の 小型民 間輸 送機用CF34 が あ る 。こ う し た海 外メ ー カ ー に 対 し て 、 主 要構 造 部、 主 要シス テム・コンポーネン ト な ど を直 接供給す る メ ー カ ー は 「Tier1 」(テ ィア ワン)サプライヤー と呼ば れ 、 ま た 開 発 段 階 か ら 参 画 す る と と も に販 売リ スクを 分 担 す る と い う 場合はパー ト ナ ー
(も し く は リ スク シェアリ ン グパー ト ナ ー)と称さ れ て い る 。例え ば 、B787 の 開 発 ・生 産 に お い て は 、 三 菱 重 工 業 、川 崎重 工 業 、富 士重 工 業 、新 明 和工 業 が 主 要構 造 部 位を 担当す るパー ト ナ ー と し て 参 画 し て い る 。
図 表ⅠⅠⅠⅠ ....6 ボ ー イ ン グ 787 へ の 日 本 企 業 の 参 画 状 況
メーカー 機種名 参画日本メーカー 部位 参画形態 シェア
ボーイング(米) B787 三菱重工業 主翼
(200~300席) 川崎重工業 前胴部位、中胴下部構造、主翼固定後 縁
富士重工業 中央翼及び中央翼と主脚脚室とのインテ グレーション
新明和工業 主翼前後桁 ブリヂストン タイヤ
パナソニック・アビオニクス 客室サービスシステム、機内娯楽装置 ジャムコ ラバトリー、ギャレー、操縦室ドアー・内装
パネル・収納ボックス
多摩川精機 角度検出センサー(5種類)、小型DCブラ シレスモーター
住友精密工業 APUオイルクーラー ナブテスコ 配電装置
プログラム パートナー
35%
(日本)
ハミルトン・サンドストランドと共同
サプライヤー
資 料 : 日 本 航 空 宇 宙 工 業 会 「 航 空 宇 宙 データベース 」
航 空 機 メ ー カ ー のほか に 、装備 品 ・機器メ ー カ ー が 航 空 機 の 生 産 に欠かせな い 存在で あ る 。
航 空 機 の構成 要素は 広範 囲で あ り 、1 機当た り の装備 品 ・機器類は 大型機 で 数 万 点に及ぶ と さ れ て い る こ と か ら 、装備 品 ・機器等 の製 造に 携 わ る メ ー カ ー の 数 は 多 く 、幅広 い 分 野 に ま た が っ て い る 。例え ば 、油圧装置、操 縦 装置、電 源 装 置、空 調装置、降着 装置、電 子 装備 品 、室内装備 な ど を製 造し て い る 。ただし 、 1つの装備 品 ・機器類の 市 場 は 大 き く は な く 、 多 品種 少量 生 産 で あ る た め 、専業 メ ー カ ー は少な く 、 特 定 企 業 の 1 生 産部門で あ る こ と が 多 い 。
装備 品・機器等 の 分 野 はB767 の 国 際共 同開 発 へ の 参 加 を 機 に 、エ ア バス 社 も 含め た海 外か ら の 航 空 機 メ ー カ ー か ら の 受 注 が 増 え て い る 。 図表Ⅰ.6の よ う に B787 の 国 際共 同開 発・生 産 に は 、ブリヂス ト ン 、パナソ ニック・ア ビオ ニクス 、 ジャム コ、 多摩川精機 、住 友 精 密工 業 、 ナブテ スコと い っ た 、 多 数 の日本 メ ー カ ー が装備 品 ・機器等 の 供給者と し て 受 注 に 成功し て い る 。
( 5 ) 産 業 構 造 ・ 特 徴 a . 産 業 構 造
民 間 旅 客 機 の 場合、現 在、 世 界 的 な 機 体 メ ー カ ー は ボ ー イ ン グ 社 な ど4社 、 エン ジ ン メ ー カ ー はGE社 な ど 3 社 に 集 約 さ れ て い る 。 国 内 の 三 菱 重 工 業 、I H Iな ど 大 手 重 工 メ ー カ ー は「Tier1 」と し て 主 要部 材を直 接供給し て い る 。装備 品 メ ー カ ー はTier1 と し て 機 体 メ ー カ ー に 供給す る 場合、ま た はTier2と し て の 役割を 担 う 場合が あ る 。
大 手 重 工 メ ー カ ー の 航 空 機部門に部品 等 を 供給す る部品 メ ー カ ー(協力会 な ど)が 多 数存在し 、 ま た部品 メ ー カ ー の外注先と し て一 部に下 請企 業 がみら れ る 。 こ の よ う に 、 民 間 旅 客 機 の 航 空 機 産 業 は海 外の 機 体 ・エン ジ ン メ ー カ ー を頂 点と し たピラミッド型の 産 業構 造が形成 さ れ て い る 。
そ の他の 航 空 機 産 業 の 分 野 と し て は 、 生 産・整備用機材と し て 検 査 機器、治 工 具類や 、“ ア フ ターパーツ”と呼ば れ る 機 体 ・エン ジ ン整備補 修 用 部品 を 開 発 ・ 製 造す る 分 野 が存在す る 。
b . 特 徴
( a ) 産 業 規 模 が 小 さ い
国 内 の 航 空 機 産 業 の 規 模 は 約 1 兆 円強で あ る 。長期 的 にみた 場合に は さ ら な る 需 要 の 拡 大 が十分 期 待 で き る 産 業 で あ る が 、 規 模 の面で日本 の リ ーディ ン グ イ ンダス ト リ ー で あ る自動車産 業 に追いつく こ と は至難 で あ る 。
( b ) 多 品 種 小 ロ ッ ト 生 産
航 空 機 は 数十 万か ら 数百 万 点と い わ れ る部品点数 か ら構成 さ れ て 、非 常に 多 品種で あ る 。 ま た 、自動車の 組 立 工 場 で は 月 産 数万台単 位で 量 産 し て い る が 、 航 空 機 は 多 い 機種で も 月 産 数十機単 位で あ る 。 そ の た め 、 航 空 機 産 業 の 関 連 メ ー カ ー は 多 品種小ロッ ト に 対応し た 生 産 体 制 が求め ら れ る 。
( c ) 長 期 に わ た る 製 品 サ イ ク ル
航 空 機 が製品 化 さ れ る ま で に は 、 設計か ら試 作 試 験、製 造組 立 、飛行試 験、 型式証明を経て 、 よ う や く販 売に至る と い う長い 期 間 を 要 す る 。
ま た 、 航 空 機 1 機種の 平均生 産 期 間 は 約 15 年 か ら 20 年 、 機 体寿 命は 約 30 年 と い わ れ 、 航 空 機 産 業 の 関 連 メ ー カ ー は長期 に わ た っ て製品 、部 材等 を 供給す る義 務が 生 じ る 。
( d ) 厳 格 な 品 質 保 証 体 制
航 空 機 は極め て 高度な信 頼性 と安全 性 が 要求さ れ て い る 。 そ の た め 、製 造技 術だけ で な く 、部品 の 加 工 工程に従事 す る作業者のレ ベル ま で の幅広 く 、厳格 な 品 質 保 証 体 制 が求め ら れ て い る 。航 空 機 産 業 の 品 質 保 証 制度と し て 、JISQ9100 と 特殊工程の認証 制度で あ るNadcap が あ る 。JISQ9100 は 航 空 宇 宙 産 業 に お け る 品 質マネジ メ ン トシス テムの 規 格 で 、ISO9001 に 航 空 宇 宙 産 業 特 有 の 必 要 な 要
求事項が追加 さ れ て い る 。Nadcap は 、 航 空 機 産 業 に お け る 特殊工程 (溶接、表 面 処理等)の認証シス テムで あ る 。 こ う し た 品 質 保 証 制度の 取得が新規 参 入 の 最低の 条 件 と な りつ つあ る 。
さ ら に 、 生 産履 歴の追 跡(トレーサビリ テ ィ)を 担 保 す る た め の膨大 な記 録 作成 が メ ー カ ー側に 要求さ れ る 。
2 . 市 場 見 通 し
( 1 ) 世 界 の 航 空 旅 客 予 測
世 界 の 航 空 旅 客(有償旅 客キロ )は 1989 年 か ら 2008 年 ま で の 20 年 間 で 、 年 平均 4.6% で伸びて き た 。日本 航 空 機 開 発協会 の 調 査 に よ る と 、 今 後 20 年 間 、 2028 年 ま で 年 平均 4.7% の伸びを続け 、 2008 年 の 2.5 倍、 11 兆 4,310 億 人キロ に達す る と 予測さ れ て い る 。特 に 、アジア・太平洋地 域 は 年 5.8% の 大 き な伸び を示し 、 世 界最大 の 市 場 に な る とみら れ る 。
な お 、 ボ ー イ ン グ 社 の最 新予測で は 、 今 後 20 年 間 で 世 界 の 航 空 旅 客 は 年 平均 5.0%伸びる と し て い る 。
図 表ⅠⅠⅠⅠ ....7 世 界 の 航 空 旅 客 予 測
1989-2008年 2009-2028年 1989-2008年 2009-2028年
北米 1,441 2,885 3.3 3.5
欧州 1,292 2,911 5.5 4.1
アジア/太平洋 1,130 3,477 7.0 5.8
その他の地域 727 2,158 3.3 5.6
合 計 4,589 11,431 4.6 4.7
年平均伸び率 (%)
航空旅客 (有償旅客10億人キロ)
資 料 : 日 本 航 空 機 開 発 協 会 「 平 成 20 年 度 民 間 輸 送 機 に関 する調 査 研 究 」
( 2 ) サ イ ズ 別 ジ ェ ッ ト 機 の 構 成 予 測
サイズ 別にみる と 、99 席以下の リ ー ジ ョ ナ ル ジ ェ ッ ト 機 の 市 場 で は 、60~ 99 席 ク ラス でター ボ プロッ プ 機 か ら の 代替需 要 、新規 開 拓路 線の 需 要 等 が 見 込 ま れ て い る 。
中型機 で は 、 100~119 席 ク ラス で リ ー ジ ョ ナ ル ジ ェ ッ ト 機 を得 意と す る ボ ン バルディア社 と 、 中 大型機 を得 意と す る ボ ー イ ン グ 社 お よび エ ア バス 社 の 機 体 の 開 発競争が 予 想 さ れ 、経 済性 の良い 機 体 が 出現す れ ば 機 体 数 が伸びる と さ れ て い る 。
大型機 で は 、 230~309 席 ク ラス 、 310~399 席 ク ラス と も に 、 今 後 、経 済性 の 良い新機材の 開 発 に よ り 、既 存B747 の 代替や新し い長距 離 路 線の 需 要 が 見 込 め る こ と か ら 、国 内幹 線や 国 際線用の 主力機 と し て 大 き な伸びが 予測さ れ て い る 。
図 表ⅠⅠⅠⅠ ....8 サ イ ズ 別 ジ ェ ッ ト 機 運 航 機 数 お よ び 需 要 予 測
(単位:機)
2008年
運航機数 既存機 新規需要 運航機数
20- 59席 1,761 973 1,108 2,081
60- 99席 1,438 807 3,167 3,974
100-119席 941 183 3,813 3,996
120-169席 7,345 3,428 9,318 12,746
170-229席 1,328 506 2,557 3,063
230-309席 1,444 531 3,563 4,094
310-399席 1,124 600 2,277 2,877
400席以上 512 94 532 626
合 計 15,893 7,122 26,335 33,457
2028年 サイズ
資 料 : 日 本 航 空 機 開 発 協 会 「 平 成 20 年 度 民 間 輸 送 機 に関 する調 査 研 究 」
3 . 中 国 地 域 の 取 組 状 況
( 1 ) 工 業 統 計 か ら み た 中 国 地 域 の 状 況
工 業統計 (平 成 19 年)に よ り 中 国 地 域 の 航 空 機 産 業 を 産 業 分類 別にみる と 、
「 航 空 機・ 同付 属品製 造業 」 に 分類さ れ る 事 業所は 広 島県に 集 中 し て い る 。 事 業所が6、従業者数 が 816 人、製 造品 出荷額等 が 600 億円 と な っ て い る 。 事 業 所数 、従業者数 か ら推定 す る と 、 航 空 機・ 同付 属品製 造業 の うち「 航 空 機用原 動 機製 造業 」 の ウエイ ト が 高 い 。
図 表ⅠⅠ .ⅠⅠ..9 航 空 機 ・同 付 属 品 製 造 業 の 事 業 所 数 .
(単位:事業所)
鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県
航空機・同付属品製造業 295 6 - - - 6 -
航空機製造業 8 - - - - - -
航空機用原動機製造業 57 5 - - - 5 -
その他の航空機部分品
・補助装置製造業 230 1 - - - 1 -
資料:経済産業省「平成19年工業統計」、各県「平成19年工業統計」
産業分類 全国 中国地域
図 表ⅠⅠ .ⅠⅠ..10 航 空 機 ・同 付 属 品 製 造 業 の 製 造 品 出 荷 額 等.
(単位:億円)
鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県 航空機・同付属品製造業 14,723 600 - - - 600 -
航空機製造業 950 - - - - - -
航空機用原動機製造業 6,601 x - - - x -
その他の航空機部分品
・補助装置製造業 7,172 x - - - x -
注:xは秘匿値。
資料:経済産業省「平成19年工業統計」、各県「平成19年工業統計」
全国 中国地域 産業分類
( 2 ) 中 国 地 域 に お け る 航 空 機 メ ー カ ー の 生 産 拠 点
航 空 機 メ ー カ ー の 国 内 生 産拠 点は愛 知 県、岐 阜 県に 集 中 し て い る が 、 中 国 地 域 に お い て も 大 手 重 工 メ ー カ ー の 生 産拠 点で 航 空 機 の 機 体 、エン ジ ン の 組 立 、 部品 生 産 な ど が 行 わ れ て い る 。
中 国 地 域 に は 、 三 菱 重 工 業 、I H Iの 生 産拠 点が 立 地 し て い る 。 三 菱 重 工 業 は名 古 屋航 空 宇 宙シス テム 製作 所広 島 工 場 で 航 空 機 の一 部組 立 、下関造船 所で 機 体部品 の 生 産 を 行 っ て い る 。同社 は 航 空 宇 宙 事 業 の 主 要 生 産拠 点を愛 知 県内 に配置し て い る が 、 航 空 機 生 産 の 拡 大 に 伴 っ て 生 産移管が 1990 年 代 以降に順次 行 わ れ て き た 。I H Iは呉第二工 場 が 航 空 機用 エン ジ ン 関 連 の拠 点工 場 と な っ て い る 。
図 表ⅠⅠⅠⅠ ....11 中 国 地 域 の 航 空 機 メ ー カ ー 生 産 拠 点 の 位 置
③
① ②
①
三菱重工業㈱名古屋航空宇宙 システム製作所広島工場
㈱IHI呉第二工場 三菱重工業㈱下関造船所
① 三 菱 重 工 業 名 古 屋 航 空 宇 宙 シ ス テ ム 製 作 所 広 島 工 場(広 島 市 中区)
三 菱 重 工 業名 古 屋航 空 宇 宙シス テム 製作 所広 島 工 場 は 、 平 成4 (1992)年 に 同社 広 島製作 所( 現 在は 機械事 業部 )内 で 航 空 機 のパネル 生 産 を 開始し て 以 来 、 同社 の 航 空 宇 宙 事 業 の 生 産拠 点で あ る 。 平 成 21 年 10 月 の 組 織改 革に 伴 い 、同 社 広 島製作 所の 航 空 機部門は名 古 屋航 空 宇 宙シス テム 製作 所の直轄工 場 と い う 位 置づ け に変更さ れ た 。
現 在、広 島 工 場 は ボ ー イ ン グ 社 のB777 お よびB767 の胴体パネル の 組み立 て を 手掛け て お り 、同工 場 の 年 間 生 産 能力はB777 パネル 組 立 83 機 、B767 パネル 組 立 24 機 で あ る 。そ の他に は 、B747 の貨 物機 へ の 機 体改修、米 シ コル スキー 社ヘ リコプター のキ ャビン部の 組み立 て も 行 っ て い る 。
② I H I 呉 第 二 工 場(広 島県呉市)
I H Iは日本 の ジ ェ ッ トエン ジ ン 生 産 の 約 70% を 担 っ て お り 、 民 間 機 で は 大