年度 年間 認知症対策 万人調査 予防 治療法探 厚労省 調査 認知症 発症 人 主 対象
――厚生労働省 厚生労働省は 11 月6日、認知症の予防や治療法の開発に向け、全国の約1万人を対 象にした追跡調査を 2016 年度から実施することを決めた。こうした大規模調査は初め てで、早期診断、治療に役立てる。安倍晋三首相が同日午前、東京都内の国際会議で表 明した。これを受け塩崎恭久厚労相は同日、認知症対策の新たな国家戦略を年内に策定 する方針を表明した。早期診断につなげる「初期集中支援チーム」をすべての市町村に 設置することなどを検討する。
厚労省によると、調査は認知症を発症していない人が主な対象で、16 年度から5年間 をメドに実施する。1万人規模の追跡は初めて。福岡県久山町が 1985 年から行われた 長期の住民調査をモデルとし、食事や喫煙、運動の有無などの生活習慣に加え、血液の データも収集する。
対象者が認知症になった場合、生活習慣などがどのように影響したかを探る。血液デ ータの遺伝子解析も検討し、認知症の発症メカニズムを調べたり、予防や治療法に生か したりする考えだ。
厚労相が表明した国家戦略は、厚労省が 13 年度に始めた認知症施策推進5カ年計画
16 年度から5年間 認知症対策で1万人調査 予防・治療法探る 厚労省 調査は認知症を発症していない人が主な対象
農水省 新・介護食品に7段階の独自規格設ける 愛称は「スマイルケア食」 JAS規格採用
介護現場のハラスメント実態調査 上司からのパワハラが最多 日本介護クラフトユニオン 相談窓口は「利用しづらい」
27 年度施行部分の介護保険法改正など都道府県担当者等に詳説 厚労省 新たな財政支援制度、介護分野の対象で考え方示す
第117号 平成 26 年 11 月 14 日(金曜日)
有馬公認会計士・税理士事務所
〒136-0071 東京都江東区亀戸 2-24-3 グランズ亀戸 3F TEL(03)5875-0315 FAX(03)5875-0316 http://www.care-advice.net
(オレンジプラン)に代わる包括的な内容とする。行方不明者の対応や悪徳商法対策な ど、省庁横断的な取り組みも含めて年末の予算編成に反映させ、来年度から実行する。
オレンジプランとは、2012 年 9 月に厚労省が公表した、「認知症施策推進 5 ヵ年計画」
の通称をさす。2013 年度から 2017 年度までの 5 ヵ年計画で今年度から次年度にかけ見 直しされる予定。
調査は具体的には、医師や看護師らが家庭を訪問して認知症の早期診断につなげる
「初期集中支援チーム」を全市町村に配置するほか、患者や家族を見守る市民ボランテ ィア「認知症サポーター」の育成目標を現行の 600 万人から引き上げることなどを想定 している。
この国際会議は認知症の予防とケアをテーマに、各国の取り組みや課題が話し合われ、
昨年 12 月の「G8(主要8カ国)認知症サミット」を受けたもの。検討結果は、来年 2月に米国で開催予定の国際会議などに反映させていく。
◇久山町研究とはー、
福岡県久山町の住民を対象に 1961 年(昭和 36 年)から現在まで継続されている生活 習慣病の疫学調査。久山町人口 8000 人余(平成 26 年 10 月現在)。年齢・職業構成は 61 年当時からこの 50 年余りにわたり、全国平均とよく一致している。住民の栄養摂取状 況も国民健康・栄養調査の結果とほとんど変わらない。 そのため久山町住民を標準的 国民のサンプル集団ととらえ、40 歳以上の全住民を対象に詳細な健康診断と長期にわた る追跡調査を行い、生活習慣病の罹患率や発症原因、合併症、死因などのデータを解析、
論文にまとめている
農水省 新 介護食品 段階 独自規格設
愛称は「スマイルケア食」 JAS規格採用
――農林水産省 農林水産省は 11 月 10 日、介護食品の選び方は柔らかい・硬いなどで 7 分類として JAS 規格を採用し、第三者機関が検査する仕組みにすると発表した。同時に広く公募してい た「新しい介護食品」の愛称を「スマイルケア食」に決定し、新・介護食品の JAS 規格
(マーク)は 1 年半~2 年後の実施を目指す。
消費者が買う際の参考にしてもらうのが狙いで、新「介護食」規格採用に賛同する食 品メーカーは来年度以降に順次、導入し参入する見通しだ。
農水省は、新しい介護食品は「認知度向上、地域農産物を使った介護食品の開発・普 及、輸出促進に努めていきたい」とコメントしている。次の段階として国・業界は輸出 も視野に入れている。
現在市販の介護食も徐々に出回り、主なメーカー、商品を紹介すると、キユーピーは
1998 年にいち早く市販用の介護食品市場に参入。噛む力、飲み込む力に合わせて食品を 4 段階に区分した「やさしい献立」を販売している。レトルトパウチの商品で、主食か らおかずまで幅広い品揃えだ。
明治は、レトルトパウチ商品の他、チルドコーヒーのような小さなカップ型の介護食
「明治メイバランス Mini」を 2014 年 9 月に発売した。125 ミリリットルで 200 キロカ ロリーのエネルギー、たんぱく質、ビタミン、ミネラルを効率よく摂取することができ る。
マルハニチロでも、噛む力が弱くなった人向けに「やわらか食」を販売している。や わらかさを 4 段階に区分したレトルトと冷凍、ゼリー飲料などバリエーション豊富な品 揃えだ。
食品メーカーが新しいJAS規格マークをどのように商品につけていくかのガイド ラインは今年度内に決める。強制力はないが、大手中心の介護食品メーカーが参加する 見通し、と日本介護食品協議会は見ている。
●介護食品をやわらかさなどで7段階に色分け
介護が必要な高齢者らは、食べ物をかむ力やのみ込む力が弱まっている場合が多くな る。そこで新規格は介護食品をやわらかさや、口の中でのくっつき度合いなどを基準に アルファベットや色・形で7段階に分け、それぞれにマークをつける。青(D)、黄(A、
B、C)、赤(A、B、C)の順でよりやわらかくなる。これまでも民間の区分けが4 種類程度あったが、農水省は新たな規格に統一していきたい考えだ。
<図示説明>(新介護食品は、Dから右へ行くほど柔らかくなる)
やわらかい←――――――――――――――――→とてもやわらかい D(水色)→A・B・C(全て黄色)→A・B・C(全て赤色)
=7段階を判別しやすく色彩と形で表示分けしている。
*D(栄養が足りない人向け) A・B・C(黄色)=A(弱い力でかめる) B(歯 ぐきでつぶせる) C(舌でつぶせる) A・B・C(赤色)=A(スプーンで食べら れるペースト状) B(ムース状) C(ゼリー状)=B・Cは、ほぼ同じ
農水省の統計によると、介護食品メーカーは約 100 社で約 1800 食品ある。介護食品 の市場は 1020 億円(2012 年度)で、潜在的な市場規模は約2兆8千億円あるという。
介護食品は施設などで提供する食事の価格より割高とされているが、農水省は介護食品 を普及させ、生産量を増やして価格を下げていきたい考え。
現在市販の介護食も徐々に出回り、主なメーカー、商品を紹介すると、キユーピーは 1998 年にいち早く市販用の介護食品市場に参入。噛む力、飲み込む力に合わせて食品を 4 段階に区分した「やさしい献立」を販売している。レトルトパウチの商品で、主食か らおかずまで幅広い品揃えだ。
明治は、レトルトパウチ商品の他、チルドコーヒーのような小さなカップ型の介護食
「明治メイバランス Mini」を 2014 年 9 月に発売した。125 ミリリットルで 200 キロカ ロリーのエネルギー、たんぱく質、ビタミン、ミネラルを効率よく摂取することができ る。
マルハニチロでも、噛む力が弱くなった人向けに「やわらか食」を販売している。や わらかさを 4 段階に区分したレトルトと冷凍、ゼリー飲料などバリエーション豊富な品 揃えだ。
介護現場 実態調査 上司 最多
日本介護 相談窓口 利用
――日本介護クラフトユニオン(NCCU)
介護従事者約 6 万 7,000 人で組織する労働組合「日本介護クラフトユニオン(NCCU)」 は、介護業界におけるハラスメントの実態を探る WEB(ネット)アンケート調査を実施 し、このほど結果を発表した。
NCCU によると、現在、職場におけるハラスメント被害は常態化し社会問題化している という。ハラスメントはその判別にあたっての基準があいまいなため、ハラスメントと 特定しにくく、加害者がハラスメントをしている、被害者がハラスメントを受けている という意識がないことも表面(露見)化を妨げ、潜在化しているという。
調査結果によると、回答者の約 44%が何らかの「ハラスメントを受けた経験がある」
と回答した「これまで受けたハラスメントで最も被害を受けたもの」の回答では、セク シャルハラスメント 7.9%、パワーハラスメント 27.7%、モラルハラスメント 8.5%、
受けたことはない 55.9%で、仕事上での意思疎通や人間関係などのパワーハラスメント が約3割だった。
その過半数は「上司」から、次いで「利用者から」が 2 割弱という結果で、「そのこ とを誰かに相談した」人は半数に届かなかった。相談しなかった場合の理由は「相談し ても解決しないと思ったから」が 48.7%となっており、最初から諦めている傾向が見ら れた。相談した場合の相談相手は「上司」「同僚」で約 7 割となり、「所属法人の相談窓 口」は 1.7%だった。
相談窓口が設置されている法人も多いが、「ハラスメントについては法人に相談しに くい」または「相談窓口が組合員に周知されていない」ということが考えられる。その 理由には「加害者を名指しで批判し、第三者に知られる」「退職せざるを得ない」など の恐れなどが想定される。パワハラによる「不利な扱い」「職場に居ずらくなる」など の心理状態がみえてくる。「敵は身内にあった」というわけだ。
また、相談した場合でも、上司や相談窓口では、問題解決に向けて「真剣に対応して くれなかった」場合が 56.4%となっている。「対応してくれなかった」場合のその後の状 況は、「自ら退職」した組合員や「異動、転勤」となった組合員等、現状を変えること
によってハラスメントから逃れる、消極的なマイナス傾向がでている。
NCCU は、2010 年から「職場のハラスメント対策」の活動を行っている。今後も、組 合員が自ら知る活動、ハラスメントの発生しづらい職場環境の整備に向けての取り組み を継続し、働きやすい職場作りを推進していくとコメントしている。
◆アンケート調査概要-NCCU 組合員専用サイトでのアンケート(無記名式。回答回数 は 1 人 1 回に制限)。調査期間:2014 年 6 月 24 日~同年 7 月 7 日。有効回答数:329 名。
年度施行部分 介護保険法改正 都道府県担当者等 詳説
厚労省 新 財政支援制度 介護分野 対象 考 方示
――厚生労働省 厚生労働省は 11 月 10 日、「全国介護保険担当課長会議」を開催し介護保険制度の見 直しの進捗状況などについて説明した。
見直しの方向性として示されているのは、「地域包括ケア」「予防強化」の制度改正の 方向性に沿って、「介護予防の強化」「痴呆ケアの推進」「地域ケア体制」の整備である。
介護保険制度だけでなく、従来の保健福祉施策全体の大きな仕切り直しとなる。
医療介護総合確保推進法が 2014 年(平成 26 年)6 月に成立し、介護保険制度につい ても来年改正時期を迎え、大きな転機を迎えた。この担当者会議では、平成 27 年に施 行される改正点などについて厚労省幹部から詳細な説明が行われた。
(1)介護保険制度改正における費用負担に関する事項、(2)一定以上所得者の負担 割合の見直し、(3)医療・介護サービス提供体制改革のための新たな財政支援制度、(4)
デイサービスの見直し、(5)総合事業の監査等指針(案)、(6)平成 27 年度介護報酬改 定――などについて都道府県等の担当課長向けに詳説した。
中でも注目されるのは、(1)の介護保険制度改正における費用負担に関する事項(5)
総合事業の監査等指針(案)(6)の平成 27 年度介護報酬改定―-などである。
財政支援制度については、在宅医療・介護までの一連のサービスを地域において総合 的に確保するため、新たな財政支援制度(地域医療介護総合確保基金)が創設されてい る。2015 年度(平成 27 年度)からは介護分野も対象となる。具体的な対象事業の内容 や執行方法、予算規模等などについて、厚労省は年末の予算編成過程を経てから示すこ とになるとしながらも、現状の考え方を次のように示した。
● 介護施設等の整備については、地域包括ケアシステムの構築を着実に推進するた め、小規模多機能型居宅介護、定期巡回・随時対応サービス、認知症高齢者グル ープホーム、地域密着型特別養護老人ホーム等の地域密着サービスの施設・設備 の整備などに対して、財政支援を行う必要があるもの
● 介護従事者の確保については、各都道府県の裁量を重視していくことを考えてお り、地域包括ケアシステム構築に向けた地域支援事業の充実を図るための人材育
成や多様な人材の参入促進、介護従事者の資質向上、労働環境の改善などの観点 から、地域の実情に応じた計画的な人材確保が図られる検討がされること
また、「地域医療介護総合確保基金」を活用した「在宅医療の充実のための事業」と
「地域支援事業の在宅医療・介護連携推進事業」との関係も説明されている。
「在宅医療と介護の連携推進」については、2015 年度(平成 27 年度)以降、介護保 険法の地域支援事業として全国的に取り組むこととしており、市区町村が実施に必要な 経費に関しては、「地域支援事業交付金」により措置されることになる。
一方、「地域医療介護総合確保基金」の対象事業は、診療報酬や他の補助金等で措置 されているものは対象外としているため、厚労省は「在宅医療と介護の連携に関する事 業」のうち、地域支援事業交付金を受けている事業は、「地域医療介護総合確保基金」
の対象とはならないとしている。
さらに、新しい総合事業については、上限額の設定に関して詳しい説明をした。総合 事業に移行した後においても、移行するサービスに要する費用がまかなえるよう上限を 見直しつつ、事業の効果的かつ効率的な実施の観点から引き続き上限を設定するとして いる。
原則の上限は、2014 年度(平成 26 年度)の予防給付(訪問介護、通所介護、介護予 防支援)と介護予防事業の実績額に、直近 3 年平均の 75 歳以上高齢者数の伸び率を乗 じて、2015 年度(平成 27 年度)の上限を設定する。2016 年度(平成 28 年度)以降は、
前年度の上限額に、直近 3 年平均の 75 歳以上高齢者数の伸び率を乗じて上限とする。
ただし、移行期である 2015 年度(平成 27 年度)から 2017 年度(平成 29 年度)は、
予防給付と総合事業によるサービス提供が混在するため、算定された上限から予防給付 で対応する費用を除いた額を、当該年度の総合事業の上限とする。
また、原則の上限のほか、予防給付全体での費用効率化を評価する上限(選択可能な 計算式)を選び、原則の上限を置換えることを可能とする。この「選択可能な計算式」
は、予防給付として残る給付(訪問看護、リハビリ等)の費用の伸び率が、75 歳以上高 齢者数の伸び率(自然増)を下回る場合に、「原則の上限」で算定された額を超える上 限となる。
なお、「選択可能な計算式」は、「原則の上限」と比較の上、いつでも選択することが 可能だ。
厚労省としては今後は月一回のペースで担当課長会議を開き、作業の進捗状況を実務 担当者に情報提供するとともに、省内に介護保険制度改革広報センターを設置し広報活 動も活発化させる考えだ。
厚労省は、介護保険の予防給付と老人保健事業を一体的に見直し、要介護状態になる 前からの総合的な介護予防の仕組みが重要としている。