西松建設技報 VoE.22
大深度開削 トンネルの施工報告
Cons t r uc t i onofLa r g eDe pt hCo ve r T unne l
渡部 勝敏*
KatsutoshiWatabe 佐野 雅治*
MasaharuSan°
U.D.C.624,1:625.711.3
藤縄 浩*
HiroshiFujinawa
要 約
本工事 は,開削工法 によって高速道路 トンネルを構築す る ものであ る.本工事 の特徴 は,以 下 の6点があげ られる.第 1にSMWの深度が55mと大深度 であ る こ と,第2に盤膨 れ防止対 策 と して18m以上 もの地下水位低下 を行 わなければな らない こ と,第3に当工 区の始点泰郎 におい て グラ ン ドア ンカー を施工 しなければ な らない こ と,第4に大深度掘 削 の安全対 策上 ,計測管 理 を行 わなけれ ばな らない こ と,第5に トンネル側壁 の厚 さが1.5mであ るため温度 ひび割 れ対 策 を実施 しなけれ ばな らない こ と,第6に地下水 汚染 防止 の ため埋 め戻 し材 を慎 重 に選定 しな ければな らない こ と,である.
そ こで,本報告 は,各施工段 階 における問題点 ・対策 について報告す る.
I‑7 :.//(
§ 1.工事概要
§2.大深度sMWの施工
§3.地下水位低下工
§4.グラウ ン ドア ンカーの施工
§5.大深度掘削 における計測管理
§6.マス コンクリー ト対策
§7.トンネル項部 の埋戻 し材 の品質管理
§8.おわ りに
§1.工事概要
本工事 は,埼玉県南部 の浦和 ・与野 ・大宮市 に跨 る旧 国鉄大宮操作場跡地 に建設 されている 「さいた ま新都心」
事業 の一環 で,首都 高 速道路高 速大宮線 を建設 す る もの であ る.「さい た ま新都 心」 の位 置 図 を図‑ 1,構想 図
を図‑ 2に示す.
*関東 (支)首都高新都心 (也)
図‑ 1 工事位置図
図‑ 2 さい た ま新都 心
大深度開削 トンネルの施工報告
工 程 表
(力平城5年 3月17El 0E26工区(2) トンキル エ解党的 賀長A]
項)平城5年 4月か ら11月 まで 施 工授i91.登 日食 に よる土質認 滋及び工法手兵貰1 ^工率=i御 三・妄言第・芥ミ芸文共同 ,'t,劉 杏
③ 平成5時 12月 か ら平成6年6月 まで SMWの施 工(d650) ①OE26r̲区(2)トンキルJ̲芳i・ ・打tJ)I̲l言暮
④ 】事域 6年 7月か ら平成7年8月 まで 昭次誌を真及 び壬岩永過 多凋 1‑if衆討 ②OE26r̲区(2)トンネル rI郡 (そのlの2) fli党工<i;i
⑤ 平城6年 7月 か らp‑銭7年12月 まで GL‑1LIm迄 (4ほ fiミ)以 別完 丁
(9平成7年 9月か ら平成8年6J・]まで 止水は入 BJ ‑;与二g31校 娼FL別呆式会社
⑦平城8年 8月 か ら平成9時3月 まで fE:削 工萄i(貝長与荻 川 ブ法で )完 了 ①OE26工区 (2)トン7ル 工科 (その2)
⑧碑銘9年 ・1月か らヰ成 10年11月 まで 郎体摘農 工都及び機銃 工率 ・しゆん111
西松 建設技報 ∨○】.22
a 工 萄i 皐三 貴潔 施 孟 貝会SMtV工ぞ壬‡揚水.Sl式験15投i∃÷∵ll削】 1 5iヒ水f主人 エ 準 5I1iいi寸圭l∴l那 i+汰i〜紅i工 三l 至1 ・i】 男三il戻t ∵I ∵上I〜2 1
t 、. l l1 . 4段王妃削
ヨ 3/ 18
3 / ‑ 3 = 1
ど
i ≡ 4 / 1
1号く 20TI‑t・、」・11
(P銭5fF3Fl18日‑一手成6年8月29日まで)
秦‑ 1 工程表
図‑3 平面図
1‑ 1 工事概要
工事件名 :oE26工 区 (2) トンネル工事 工事場所 :埼玉県与野市上洛合
企 業 先 :首都高速道路公 団
工事期 間 :平成5年3月18日〜平成10年11月7日 工事 内容 :工事延長 し=80m
SMW (≠650,L=55・Om) 掘削工
埋戻工
グう ウン ドア ンカー
ll,361m2 72,000m3
20,000m3
170本
L L SJ旦jiig
(壬一弦8年HH E]‑与践8咋10日31日まで) そg)2̲I̲部
(I‑娩 8年2月15E1‑㌢1号9エFfHlltHほ で)
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図‑4 断面図
切梁腹起工 3,soot 薬液注入工 2,000m3
コンクリー ト(BB272B) 17,400m3
鉄筋(sD345) 3,白oot デ ィープウェ ル 8本 リチ ャージウエル 12本
当工 区 は,土留 め壁 をsMWと した開削工 法 に よって 地下構造物 (ボ ックスカルバー ト) を構築す る ものであ る.全体工程表 を表‑ 1に,平面図 を図‑ 3に,断面図 を図‑4に示 す.
西松建設技報 VoE.22
図‑5 地質巷状図
1‑2 地質の特徴
地質柱状 図 を図‑5に示す.地質の特徴 として土留壁 の
SMW
施工深度 内 にN
値 が50以上 の砂硬層 が あ る. 普 た, この層 は掘削時の盤膨れが懸念 される層 であ り,砂 層 と地下水位 はGL‑ll.0mである.隻2.大深度SMWの施工
2
‑ lSMW
工事の問題点当工事 は,盤膨れ防止対策 として18.15mもの水位低下 を行 う計画であ り, さらに土留壁 には高い遮水性が要求 された. また,土留壁 の施工 に伴 う問題点 としては次の 3点が挙 げ られる.
①遮水性 :掘削面内,地下水位低下工法の効果の向上
②大深度 :L=55.0m
③地盤条件 :最大れ き径 (約200mm)
これ らの問題 に対処す るため,先行削孔 を用いた試験 施工 を行 うとともに
,S MW
削孔精度の計測 を行 った.2‑2 削孔精度の管理
前述 の問題点 に対 し先行削孔 の精度 と
,s MW
の傾斜 等の出来形把握が重要 と考 え以下の計測 を行 った.(1)先行削孔
先行 削孔 は, ラ ップ状 況 の精度 の確 保 を図 るため ,
S MW
壁 を造成前 に1本お きに単軸で削孔す る.その後 ,2
つの穴 をガイ ド孔 と して3
軸削孔 を行 い,S MW
壁 を 造成す る.先行削孔施工手順 を図‑6
に示す.先行削孔 の精度 は,杭打機のオーガー先端 に取 り付 け られた傾斜 計か ら確認 した.計測 システム概念図を図‑7に示す.( 2 ) S MW
の精度s MW
の変位量の計測結果 を図‑ 8に示す.大深度開削 トンネルの施工報告
1 2 3 1
5
6兜行… Q ‑〔 ) ○ 壁 芯 8
̲
‑̲ / ‑
̲/
̲ ̲図‑6 先行削孔施行順序
11 22 g&% (cm)
図‑ 8 SMWの精度
2‑3
大深度SMW
の考察計測施工 を行 った
2 3
本 (全数量4 6 4
本 の5
%) につい ては,試験施工 で得 られた精度1/187を満 たす ものであ った.計測本数 は全体の 5%に過 ぎず全体 の施工精度 を 適切 に把捉す ることは出来ない ものの,結果の数億 の分 布状態か ら,定性 的な傾 向は把接で きた と考 えられる.$3.
地下水位低 下工当工事 の盤膨 れ防止対 策 としてGL38m以深 の砂 ・砂 磯層 の被圧地下水頭 (GL ll.0m)を18.15m低T させ る 必要があった. また,社会的条件 の中で周辺地盤の井戸 滴れ ・沈下,地下水 の地下 ダム化 を考慮 した施工が求め
られた.
そ こで,地下水低下工法 としてデ ィープウェルによる 揚水 とリチ ャージウエルによる復水の揚水 ・復水工法が 採用 された.
大深度開削 トンネルの施工報告
秦‑ 2 揚 水試験結果
項 目 計 画 結 果
必要臨水量 (t/日) 720 ll,∞0
表‑ 3 地下水解析比較
項 目 当初設計 再設計
モデ′レ 軸対称 準3次元 揚水量 (t/目) 720 6,388 sMW透水係数 0 2×10 '5
Dg層 1×10‑1 1×10 ‑1
Ds4層 4×10 ‑3 8×10 J
Ds5層 2×10 一l 2×10一呈
Dc5層 5×10七 2×lO 一1
3‑ 1 揚水量の検討
sMW造成完了後掘削 内 に設 けた4本 のデ ィープウェ ルによ り揚水試験 を実施 した.
試験 の結果 (表 ‑ 2),計画 された揚水量 と試験結果 がかけ離れたため,原 因追究のために次 に列記す る各種 調査 を実施 した.
・壁体のオールコアボー リング (1本)
・追加地盤調査 ボー リング
・色素水通過試験
・電気電位試験
・観測井戸の設置
・デ ィープウェルの増設
しか し,上記の調査 を行 ったが,決定的な原因 を追求 で きなか った.そ こで,上記結果 を踏 まえsMWの透水 係数 を難透水層相当 (2×10‑5cm/sec)として再度地下水 の浸透流解析 を行い揚水量 を算定 した.当初設計時お よ び再設計時 における地下水解析比較 を表‑3に示す.
浸透流解析 の結果, 1日当た りの揚水量 は6388t/日と なった.現場 で設置可 能 なデ イブ ウエ ルの本 数 は8本 (200m3/本/日)であ り,デ ィープウェルによる1日当た りの揚水量 は1600t/日である. しか し,デ ィープウェ ル のみでは解析上の揚水量 に達 しないため,止水対策 を併 用する必要があった.
3‑ 2 止水対策の検討
止水対策 を行 うに当た り各種工法 を比較検討 した.そ の結果,約3年の効果があ り,大深度 (約60m )の施工 実績がある,二重管 ダブルパ ッカー工法 ソレタンシュ工 法 を採用 した.改良範囲は第3帯水層 の上部15.7mの高 さとし, SMW壁体 の背面 に行 うことに した.改 良範 囲 断面図 を図‑ 9に示す.また,薬液の注入率 を表‑ 4に,
1次注入,2次注入の配合 をそれぞれ表‑5,6に示す.
西松遥設技報 VoL22
掘削側 背面倒
粘性 土Dc3 】】l】【【【【【Lll.・.・.・.・.・.・.・.・.・.・SMW.・.・.・.・.I
砂 れ きDg A‑‑‑‑‑ 打 ■T"■ …丁 'l"'L
砂 質土Ds4 第3帯水層 W】:;≡最」̲,…"……▲.…………匝主也÷∩題⊃ヽ 砂質土Ds6
図‑ 9 改 良範 囲断面 図 表‑ 4 注 入率
項 目 間 隙 率 注 入 率 Dg 40% 40% Ds4 40% 40%
表‑ 5 1次注 入率 (1m一当た り注 入率5%) 普通セメント 250kg
ベントナイ ト 50kg
秦‑6 2次 注 入率 (1m3当た り注入率5%) SL水ガラス 250 (リツTb,) SLリアクター 60 (リツ廿)
3‑3 地下水位低下工の考察
上記の薬液注入工 による止水対策の結果, 18.15mの水 位低下 に対 し,デ ィープウェルによる揚水量 は1600t/日
となった.
GL‑50m以深の地盤状態,壁体 は 目視で確認で きず, 不確定要素が多い. また,揚水量 は,透水係数 に左右 さ れる.平面積 の大 きい掘削 においては土質のば らつ きや 地層 の変化が大 きく影響す ることが考 え られる.今後の 対策 として,現場の原位置ボー リングは もちろんのこと, 現場揚水試験 を実施 し現状 に即 した透水係数 を把握す る 事が重要である.
S4. グラウン ドアンカーの施工
当工 区の始点側妻部 (帽 35m)において,隣接工 区 と の発注時期 の違 い によ り, sMW妻壁 を施工後 グラウン ドア ンカーを施工 した.妻部断面図 を図 ‑ 10に,用いた
西松建設技報 Vo1.22
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図‑10奏部断面図 義‑7 工法仕様 工法 VSL工法 ㈱
削孔撤 ロータリーパーカッション(2重管) グラウト材 セメントペースト
工法の仕様 を表‑ 7に示す.本章では,種 々問題点の内, 波圧水対策 について報告す る.
4‑1
被圧水対策 (1)口元止水削孔 中,山留壁 のSMWを貫通 した瞬 間に背面 の地下 水が噴 き出 して くる. この地下水 は,削孔 中 ・鋼線挿 入 ・注入 ・緊張定着 まで出水す る ものであ り土砂 も含 む ため周辺地盤陥没の危険がある.そ こで,本工事ではガ イ ド管 と呼 ばれる掘削径 よ りも一回 り大 きい鋼管 を先 に 打設 し鋼管の中の地下水 を止水する方法を用いた (図一11). (2)高被庄水対策
定着層が高被庄水 (30.4N/cm2) のため,定着体 の造 成の際 グラウ ト材が逆流 し,所定の引 き抜 き力 を確保で きない. これ を防止す るためにパ ッカーによ り逆流 を防 止 した.被庄水圧 よ り高い圧力でパ ッカーを膨 らま しさ
らに高い圧力で加圧注入 した (図‑12,13).
4‑2
アンカー工の考察仮設 山留支保工 と しての ア ンカーは,躯体構築 の際, 躯体打 ち継 ぎを少 な くす る,材料 ・重機の投入,引 き上 げが容易である事か ら施工例 は多い.今回の ような,大 断面(35m),大深度(32m),全12段 ,高被庄水である条件 でのア ンカー工 は非常 に困難であったが,綿密 な計画の もと異常 出水事故 もな く施工で きた. しか しなが ら, ガ イ ド管か らの湧水 は0.2t/分 に もお よび排水計画が重安で あると考 え られた.検討段階か ら排水が重要であること
大 深 度 開 削 トン ネル の 施 工 報 告
図‑11 口元止水概念図
注入時のマウスパoJカー作鮎状況
ケー シ ン グ ジ
ョ イ ント 部
iiiii ii
i i i i i i i i i i i i i i i i i i t
図‑12 逆流防止注入時概念図
注入停止時のマウスバpJ力一作勤我流
注入
図‑13 逆流防止装置作動時概念図
が予想 されていたが,実際 には予想 を遥かに超 えていた.
$5.
大深度掘削における計測管理現場 の各所 に取 り付 けた計測器 はモデムを通 じ一般電 話回線 よ り事務所内に設置 したコンピューターにデー タ を出力す る.計測値 は管理値 によ り自 ・黄 ・赤 の3色 に 色分 け した.黄 ・赤では同時 にサ イレンが なるシステム
とした.
大深度開削 トンネルの施工報告
表‑8 計測管理項 目
設置個所 検出器 数量 計測項目 銅舞阪 挿入対掛 計櫛 鰍 藤斗計 22 累積水平変位天端の挙動
土庄計 2 作用する土圧 SMⅣ 埋設型拒幹斗計 19 累積水平変位 土庄計 6 作用する土庄 地温 間隙水圧計ワイヤ式変位計 272 鉛直変位間
隙
櫨地表面沈下計 4 地表面の沈下
義‑9 地下水低下工実績
段 階 計画水位(Tnn) 揚水量 (t/日) 自然水位 ‑2.5 ‑ 5段掘削 十2.4 66 6段掘削 ‑2.0 282 7段旋削 ‑8.3 708 8段東削 ‑12.5 1476 9段掘削 ‑15.9 1612
5‑ 1 計測管理 フロー
計 測管 理項 目を表‑ 8に,計 測管理 フロー を図‑14 に示す.
5‑2 計測管理法
(1)盤膨 れ対策 (被圧水 の水圧管理)
盤膨 れ対 策 で あ る被庄水 の水 圧管 理 フロー を図 ‑ 15 に示す. さらに,地下水低下工 を行 った実績値 を表
‑9
に示す.
(2)山留壁計測管理
本工事 で行 った計測管理手順 を以下 に示す.
「時期
」
掘削工事 ,切梁腹起工事 の解体 の前後「準備
」
1週 間の変位 ,軸力量 の把捉「方法」 計測結果 の把握お よび 目視確認
ここで,図‑16に床付 け掘削時の計測結果 を示す.
5‑ 3 言†測結果の考察
計測の警報 システムは,た まに誤作動が あ り夜 中にサ イ レンが鳴 り響 くこ とがあ った. しか し,計測結果 は色 で識別で きるので全職員の 目に留 ま り現場全体 で管理で きた.地下水位 の計測 は,計測器 お よび手動計測 によ り 管理す る とい う二重の管理 を し, さらに,地下水位 は計 算値 よ り1mJJ、上低下す る揚水量 を設定 したため地盤 の 隆起等 の傾 向 も全 く見 られなか った.
山留壁 の計測 については,計測結果か ら,切梁解体 時 には,最大100mm程度 の変位が見 られたが,他 の箇所 で
西松建設技報 VoE,22
図‑14 計測管理 フロー
図‑15 被圧水の水圧管理 フロー 変位畳 (mm)
0 102030405060708090100
05051122︼一︻︼([U)軸班藁鴬
図‑16 計測結果 (床付 け据肖駆寄)
の現場施Z では,切梁の コマ材切 断時 に貴大150mm程度 の変位 が見受 け られた. この事 は コマ材切 断の切 断代 で 確認 された.
$6. マスコンクリー ト対策
本 ボ ックス カルバ ー ト (図‑17) はス ラブ厚1.3‑
3.0m,壁専 l.5mのマス コンクリー トであ り,セ メン トの 水和熱 に起 因す る温度 ひび割 れの発生が懸念 された. さ
西松建設技報 VoL22
1500 1500
し5Ll:Ll 図‑17 断面図
1500(壁厚)
1mml A畢
箪
図‑18 ひび割 れ誘発 目地設 置断面 図
らに,特記仕様書 にも温度 ひび割れ対策が記載 されてい るため,温度 ひび割れに対する検討 を行 った.
本章では,壁部で実施 した温度 ひび割れ対策 (ひび割 れ誘発 目地) について報告す る.
6‑ 1 ひび割れ誘発 目地
使用 した誘発 目地は,主筋のかぶ り間,お よび主筋 間 に,スパ ンシール (水 と反応 し膨張す るゴム) を巻いた 鋼板 を設置 し, さらに型枠 に幅50mm,深 さ30mmの面 木 を入れた構造 とした (図‑18). このひび割 れ誘発 目 地の働 き (断面欠損) によ り,有害 なひび割れ を誘発 さ せ た.その後,止水工事 を行 う時 に, ウレタン材 と弾性
シー リング材で断面欠損部分 を仕上げた.
6‑ 2 断面欠損率の算定
有害 なひび割れを抑制 し,予定箇所 にひび割れ を確実 に入れるには,断面欠損率 を20‑30%以上 にす る事が望 ましい とされている.断面欠損率 は,下式か ら計算す る.
断面欠損率(%)=(Xl+x 2)×2+X3十X4×100
大 深 度 開削 トンネルの施工報告
秦‑10材料 の選定
項 目 コンクリ‑t 流動化処理 砕石+観王
地
耐力 ◎ ◎ ○
地下水 × ×
◎
ここに, B:壁厚 (1500mm),X.:化 粧 目地 の深 さ (30mm),x2:A部材 の帽 (40mm),X3 :B部材 の帽 (100mm),X4:C部材 の幅 (300mm),である.
上式 に本工事で用いたひび割れ誘発 目地材の諸元 を代 入する と,
断面欠損率(%)a(30+40)x2十100+300
1500 xlO0‑36(%) とな り, 目標倍以上の断面欠損率 を確保 した.
6‑ 3 結果及び考察
コンクリー トを打設 し,養生,型枠 の脱型,捜房 と進 捗す る中で漏水 は発生す る.本工事 も打継 ぎ目か らの漏 水が多 く止水工事 を施 した.今 回設置 した誘発 目地部か らの漏水 は,誘発 目地以外か らの漏水 よりも多 く,ひび 割れ誘発 目地の効果が現れている と考 えられる.
なお,漏水 の多い箇所 は当工事 の盛替梁 (H400)の 設置 した高 さに多か った.躯体 と山留 (SMW)の間 を コンクリー ト (t‑300,15‑12‑25BB)で充填 し,他の部分 は砂 を基本 とした流動化処理土で施工 した ものであ り, コンクリー トの充填性の悪い所か ら水みちがついた と考 え られる.
§7
トンネル頂部の埋戻 し材の品質管理トンネル頂部 には 「さいた ま広場」が建設 される.也 下3階+人工地盤の公園であ り上載荷重 は
9
t/m三である.また, さいたま新都心 の近隣はい まだ井戸 を使用 してい る住民が多 く,ボ ックスカルバー トとい う連続的なコン クリー ト構造物 は,地下水の流れ を遮断す る.そのため,
トンネル頂部 には,地耐力があ り,かつ透水性が′トさい 材料お よび施工法 を選定す る必要があった.
埋 め戻 し材 は,義 ‑10に示 す 3種 類 を検 討 した.
表‑10よ り,砕石 +転庄工法 を採用 した. しか し,紘 工 条件 に見合 った施工実績 が ない こ とか ら,室 内試験 (3軸圧縮試験 ,透水係数試験) を実施 した. また,室 内試験 を行 う砕石 は首都高速工事全体 で約5万m3にもな るため比較 的流通 の良い,C‑40(切込砕 石),RM‑40 (再生粒 度調整砕石),M‑40(粒度調整砕石)の3種 を
大深 度 開削 トンネルの施工報告
秦‑11 砕石の変形係数
側圧cr3(kgUcmう 0.5 1 3 M‑40 γd=2.l
o
序/cm3 738 1160 1900 C‑40 γdニ2.07&′cm3 492 887 1390 RM‑40 γd=1.77g/cm3 1020 1510 1470表‑12透水係 数試験結果
試料番号 M‑40 C‑40 RM‑40 乾燥密度γd(g/cm3) 1.997 1.897 1.775 透水係数
k (cm/sec) 1.9×10→ 1.1×10づ 1.3×101
「 M ¶ ーーW一m m〉爪
i さいた まひろば
図119 度戻断面図
選 定 した.3軸圧 縮試験 結 果 を表 ‑11に,透水係 数試 験 を表‑12に示す .室 内試験 の結果 ,地耐力が大 き く, 透水係数が小 さいRM‑40とM‑40の2種類 を採用 した.
次 に,埋 戻 工事 費 の見直 し,お よび表‑13に示 す機 械 の使用 を想定 した転庄法,転庄 回数,現場施工管理基 準 を決定 す るため に,秦 ‑14に示 す現場 施工前 試験 を 行 った. この結果,RI試験 による密度管理 を重視 す る事
とし,表‑15の施工管理基準 を用 いて施工 を行 った.
施工 は, トンネル段 差部 につ い てRM‑40材 で施工 し, 地下水 の汚染 防止 の ためその上 をt=100の コ ンク リー ト で蓋 を した. さ らに,RM‑40の上部 はM‑40で埋 め戻 し た (図‑19).
$8
おわ りに工事 の受注以来69ケ月に及ぶ工事 も平成10年11月に無 事竣功致 しま した.乗 り込 み当初 は,見渡す限 り野草 の 生い茂 った空 き地であ りま したが,現在 では 「さいた ま 新都心」建設事業 も最盛期 を迎 え,人,重機 の立 ち並 ぶ 一大 プロジェク トの全貌 ,進捗が一 日で分 か ります . こ
表‑13 使用機械
西松廻設技報 VoL22
機械名 規格
ブル トザ 」 3tクラス 振動ローラー 3tクラス クラムシェル 0.8m3
義‑14 施工前試験実施項 目
試 験項 目 試験方法 箇所
地盤の平振脚 数 JGS‑1521 1 道路の聯 験 JⅠS1ト1215 2 RI器による密度試験 JGS‑1614 20 RⅠ器による含水比測定 JGS‑1614 20 現場密度試験 ㈱ JⅠSJト1214 16 沈下鼓動則定 水準測量 24 現
象
cBR試験 JⅠS‑A‑1222 3秦‑15 施工管理基準
項 目 基 準
巻き出し厚 さ 35cm以下 仕上が り厚 さ 30cm以下
密度管理 択Ⅰ試験) 鞄酔密度2.10kg/cnP 蜘 邦験は 1測点6点,計3測点の4回の平均値である.
施 工単位短に,地盤の平板戟荷弼験を実施した.
の様 な工事 に従事 で きた こ とに感謝す る と共 に,土木設 計部 ,技術研 究所 ,支店 ,一般土木委員会 の方 々の強力 な支援 に深 く感謝 いた します.大深度 の開削工事 の事例 は多 くあ り,当工事 も構造物本体 は, さほ ど特殊 な事 は な く,その構造物 を築造す る過程 においての仮設工事 に 数 々の問題点があ りま した. まだ,書 ききれない事 も多 くあ りキー ワー ドのみ を掲載 しま したが,今後の同様 な 工事 に参考 に していただけれは幸 いです.
参考文献
1)sMW研 究会 :sMW連続壁標準積算資料,pp.20,1993.3 2)ソ レタ ンシ ュ注 入 協会 :ソ レ タ ンシュ地 盤 改 良工
法,pp.2,1996.4
3)ソ レ タ ン シュ注 入協 会 :ソ レ タ ン シュ地 盤 改 良工 法,pp.4,1996.4
4)土 質工 学会 :グラ ン ドア ンカー設計 ・施工基準
,
同 解説,19925)青 山一郎 :掘削 における
計
測施工,鹿 島出版会,1984 6)土 木 学 会 :コ ン ク リ ー ト標 準 示 方番
「施 工編」,pp.181,1996