第2回レポート問題解答例
[1]
(1) 式(1C)の両辺を時間tで微分すると、
t
t
0 E となる。
また、式(1B)の両辺の発散をとると、
t
E
J
H) 0
( となる。
左辺はベクトル恒等式よりゼロとなる。つまり、(H)0 である。従って上式より、
t t
E J
J 0
0 であり、従って、
t
J (1E) の電荷保存則の式が導かれる。
(2) 式(1A)は、微分形式でのファラデーの電磁誘導の法則であり、これをある具体的なループ状の回路Cに適用 すれば、積分形式でのファラデーの電磁誘導の法則の式(1F)が導かれる。
従って、まず式(1A)の両辺を、ループ状の回路によって囲まれる任意の閉曲面Sで面積分すると、
S
S
S d t d td t B S
H S S
E 0 となる。ここでϕは、閉曲面Sを貫く磁束である。
上式の左辺は、ストークスの定理を用いれば、ループ状の回路Cに沿った線積分に変換できる。つまり、
d d U
C
S
E S E l である。ここでUは、ループ状の回路Cに沿って電界Eを周回積分したもので、ループ状の回路の起電力である。従って、ループ状の回路の起電力は、そのループ状回路を貫く磁束の時間 微分であるという、所謂積分形式で表したファラデーの電磁誘導の法則の式
U t
(1F)が導かれる。
(3) 真電荷が存在しなければ真電流も流れないので、真電荷が存在しない真空中のMaxwell方程式は、式(1A)~
(1D)で、真電荷ρと真電流Jの値をゼロとするだけである。
従って、 t
H
E 0 (1A)、
t
E
H 0 (1B’)、E0 (1C’)、H 0 (1D)
(4) 式(1B’)の両辺の回転をとると、 E E
H
0 t 0 t となる。
この式の左辺にベクトル公式H H2H を適用し、右辺には式(1A)を代入すると、
2 2 0 0 0
0 2
t t
t
H H
H
H となる。
さらに、式(1D)のH0より、H 0であるから、左辺は2Hとなり、従って、
2 2 0 0 2
t
H
H (1G)が導出できる。
(5) 式(1A)の両辺の回転をとると、 H H
E
0 t 0 t となる。
この式の左辺にベクトル公式EE2E を適用し、右辺には式(1B’)を代入すると、
2 2 0 0 0
0 2
t t
t
E E
E
E となる。
さらに、式(1C’)のE0より、E0であるから、左辺は2Eとなり、従って、
2 2 0 0 2
t
E
E が導出できる。これが、Eに関する波動方程式である。
[2]
1) 入射波、反射波、透過波の位相は各々 r·kI − ωt, r·kR − ωt, r·kT − ωt であるが、それが媒質界面(z = 0)上の全 ての場所において、任意の時刻で一致することより、rkIrkR rkTとなる。従って界面上で、
xkI s i nI xkR s i nR xkT s i nTの条件が成立しなければならない。このことから、
R I I R
sin sin
k
k
、
T I I T
sin sin
k
k
である。媒質内Ⅰおよび媒質内Ⅱでの波数と屈折率との関係は、
c n1
1 R
I k
k 、
c n2
2
T
k となるから結局、
R
I
(反射の法則) および
2 1 T
I I T
sin sin
n
n
k k
(屈折の法則) が導ける。
2) a) 媒質の界面においては、電場は接線成分、電束密度は法線成分が連続となる。
界面において、電場接線成分が連続であることから、
T 0T R 0R I
0Icos E cos E cos
E である。また、電束密度の法線成分が連続であることから、
T 0T 2 R 0R 1 I 0I
1 sin sin sin
E E E 従って、1(E0IsinIE0RsinR)2E0TsinT である。
b) 式(6)において、反射の法則(I R)と屈折の法則
2 1 I T
sin sin
n
n
を考慮すると、
0T 2 1 1 2 0T I T 1 2 0R
0I sin
sin E
n E n
E
E
が導ける。さらに、 2
1 2 2 2
1 2 2 1
2 1 2
n n c n
c
n
であることより、
) 8
0T (
1 2 0T 2 1 2 1 2 2 0R
0I E
n E n n n n E n
E が導ける。また、式(7)に反射の法則(I R)を用いると、
) 9 cos (
cos
0T I T 0R
0I E E
E
も導ける。
c) 式(8)において、振幅反射係数を r E0R E0Iとし、さらに屈折の法則
2 1 I T
sin sin
n
n
を用いると、
0T T
I 0T
1 2
0I sin
) sin 1
( E E
n E n
r
となる。さらに式(9)においても、振幅反射係数を r E0R E0I とすると、
0T I T
0I cos
) cos 1
( r E E
となる。この2つの式から
T I T
I
cos cos sin
sin 1
1
r
r が導かれ、さらに変形すると、
T T I
I
T T I
I
cos sin cos
sin
cos sin cos
sin
r が導かれる。ここで、
cos sin cos
sin
) cos (sin
cos sin ) cos (sin
cos sin
sin cos sin cos
sin cos cos
sin sin cos
cos sin
sin sin cos
cos sin
cos cos
sin
) cos(
) sin(
2 2
2 2
2 2
2 2
の関係を用いると、
) tan(
) tan(
) sin(
) cos(
) cos(
) sin(
) cos(
) sin(
) cos(
) sin(
T I
T I T
I T I T
I T I T
I T
I
T I T
I
r と式(10)が導かれる。
3)
T I I
I
I sin
sin cos
tan sin
より、cosI sinT である。従って、
T I
T I
T T I
I
T T I
I
cos sin
cos sin
cos sin cos
sin
cos sin cos
sin
r となる。
I I
2 T
2
T 1 sin 1 cos sin
cos であるから、
cos 0 sin
cos sin
T I
T
I
r となる。
これは、
T T
I sin cos 2
cos で、
T 2
I
でもあり、I はBrewster角に相当する。