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自己効力理論を用いた進路指導 浦上 昌則 (南山大学文学部)

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Academic year: 2021

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自己効力理論を用いた進路指導

浦上 昌則

(南山大学文学部)

(1983)によるCDMSEに始まる。私が作成した尺 度も,これに従ったものである。信頼性・妥当性 ともに,大きな問題はない尺度と考えられる。し かしその測定対象,すなわちCrites(1965)に従う 進路選択行動という概念については,再検討の余 地が大きいと考えるようになってきた。進路選択 行動と進学のための活動,また就職活動との異同 についてなど,進路を選択する行動というものを 概念レベルで検討することが必要であろう。

自己効力と進路選択行動

○意識レベルでの関連

○行動レベルでの関連

 尺度の予測的妥当性や,概念の有効性を確認す る意味でも,自己効力と実際の活動の関連を検討 することは重要である。そして,これまでの研究 の多くのでは,有意な関連性が見いだされてい る。しかし特に行動レベルとの関連性を見る場 合,行動をいかにとらえるかという点は大きな問 題である。進路選択においては,いわゆる「寄り 道」的行動も重要とされたりする。活動の質をど のようにとらえるかという点は,さらに検討され るべきであろう。

自己効力を育成する実践例

○再帰属法を用いた実践例

○コンピュータシステムを使った実戦例

○ワークブックを使った実戦例

 このような実践研究は極めて少ない。しかしそ れぞれが,それなりの効果があったことを示して いる。進路指導研究の有用性を示すためにも,事 例研究なども含みつつ,研究成果の一層の蓄積が 望まれるところである。

終りに

 現在の教育心理学の課題として,最も大きなも ののひとつが進路指導にかかわる課題だと思う。

領域としての地位があいまいであることのメリッ トを生かし,様々な理論的背景を持った研究が増 加していけばと考える。

この小講演の目的

 学校進路指導については,以前からその重要性 が指摘されている。しかし教育心理学からのアプ ローチ(ここでいうのは,指導的見地に立ったア プローチ)は,その指摘に充分に応えているとは 言い難いのではないだろうか。

 このようなアプローチが少ない理由としては,

(1)望ましい指導の方向を見つけだしにくいとい う,進路指導という研究課題の持つ特性に加え,

(2)先行研究をはじめとする資料が少なく,それ が参入障壁となっていること,(3)領域としての 地位があいまいであり,アイデンティティをもち にくいことなどが考えられる。この状況を打開す るためには,何にもまして研究の数が増えること が最も必要なのではないだろうか。

 ここ数年,自己効力理論をベースに進路選択活 動(就職活動)に関する研究を行ってきた。ここ では先の現状を踏まえながら,自分の研究成果ま た他の研究成果を含めて報告したい。

自己効力理論を応用した理由

○生きていく力との類似性

○操作可能性

○先行研究の豊かさ

 最も大きな理由は,自分が漠然と思い描いてい た未知なるものへアプローチすることを可能にす る心理的力と,Banduraの言う自己効力とが似 通っていたことである。またそれ以上に,指導的 観点をとることが可能な概念であることが魅力で あった。しかし,自己効力理論がベストかと問わ れると,それに回答することは難しい。進路研究 から,独自の動機づけ理論が提唱されることが望 ましいが,すでに提唱されている動機づけの枠組 みを活用することも有用だと考えられる。

進路選択時に重要となる自己効力の測定

○Taylor & Betz (1983)の尺度

○その他の尺度

○因子数にかかわる問題

 このような自己効力の測定は,Taylor & Betz

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参考文献

進路選択時に重要となる自己効力の測定

Betz,N.E., Klein,K., & Taylor,K.M. 1996  Evaluation of a short form of the Career Decision-Making Self-Efficacy Scale. Journal of Career Assessment, 4, 47-57.

Crites,J.O. 1965 Measurement of vocational maturity in adolescence : I. Attitude test of the Vocational Development Inventory. 

Psychological Monographs, 79. (道脇正夫 訳 1972 職業的発達インベントリーによる態 度テスト 職業的発達の概念と測定 職業研究所 11-98.)

Taylor,K.M., & Betz,N.E. 1983 Applications of self-efficacy theory to the understanding and treatment of career indecision. Journal of Vocational Behavior, 22, 63-81.

古市裕一 1995 青年の職業忌避傾向とその関連 要因についての検討 進路指導研究 16, 16- 22.

坂柳恒夫・清水和秋 1990 中学生の進路課題自 信度と性役割自己概念との関連 進路指導研究  11, 18-27.

冨安浩樹 1997 大学生における進路決定自己効 力と進路決定行動との関連 発達心理学研究 8, 15-25.

浦上昌則 1995 学生の進路選択に対する自己効 力に関する研究 名古屋大学教育学部紀要(教育 心理学科) 42, 115-126.

自己効力と進路選択行動

Solberg,V.S.,  Good,G.E.,  Fisher,A.R., Brown,S.D.,  &  Nord,D. 1995 Career decision-making and career search activities:

Relative effects of career search self-efficacy and human agency. Journal of Counseling Psychology, 42, 448-455.

冨安浩樹 1997 大学生における進路決定自己効 力と時間的展望との関連 教育心理学研究 45, 329-336.

浦上昌則 1995 女子短期大学生の進路選択に対 する自己効力と職業不決断−Taylor  &  Betz (1983)の追試的検討− 進路指導研究 16,  40-45.

浦上昌則 1997 自己効力理論を用いた進路指導 に関する基礎的研究−女子短大生を対象に− 博 士論文(名古屋大学).

自己効力を育成する実践例

F u k u y a m a , M . A . ,   P r o b e r t , B . S . , Neimeyer,G.J.,Nevill,D.D., & Metzler,A.E. 

1988 Effects of DISCOVER on career self- e f f i c a c y   a n d   d e c i s i o n   m a k i n g   of undergraduates. The Career Development Quarterly, 37, 56-62.

Luzzo,D.A., Funk,D.P., & Strang,J. 1996  Attributional retraining increases career decision-making  self-efficacy. Career Development Quarterly, 44, 378-386.

Luzzo,D.A. & Day,M.A. 1996 Effects of Strong Interest Inventory feedback on career decision-making self-efficacy and social cognitive career beliefs. Journal of Career Assessment, 7, 1-17.

浦上昌則 1996 「進路選択に対する自己効力」の 育成に関する予備的研究−ワークブックを用いた 育成方法について− 進路指導研究 17, 17- 27.

その他

廣瀬英子 1998 進路に関する自己効力研究の発 展と課題 教育心理学研究 46, 343-355.

浦上昌則:[email protected]

参照

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