平成24年11月
日本大学 理工学部 社会交通工学科
教授
佐田 達典
センサ情報の標準化及び利活用に関する研究
第2010-03号
目 次
1.はじめに 1頁 2.研究の構成員 1頁 3.研究の背景と目的 2頁 4.研究計画の大要 3頁 5.土木分野におけるセンサに関する情報提供サイトの構築・運営 4頁 6.センサ利用の標準化を目標とした利用指針の策定 7頁
6.1 センサ利用標準化に関する議論 7頁
-平成23年度土木学会全国大会研究討論会-
6.2 垂井高架橋見学会 10頁 6.3 センサ工場見学会 12頁 6.4 センサ高度利用ガイドラインの策定 12頁 7.センサを活用することによる構造物の予防保全的な管理の提案 14頁
7.1 高度センサ利用技術による維持管理CALSの提案 14頁 -平成22年度土木学会全国大会研究討論会-
7.2 維持管理における先進モニタリング技術 17頁
-次世代センサ協議会との合同シンポジウム-
8.まとめ 19頁 謝辞 19頁
1 1.はじめに
本研究は,「センサ情報の標準化及び利活用に関する研究」として一般財団法人日本建 設情報総合センターの研究助成を受け,平成22年9月から平成24年8月まで実施したも のである。なお,本研究は土木学会土木情報学委員会(旧情報利用技術委員会)センサ利 用技術小委員会の活動と連携して行ったものであり,研究成果の一部は同小委員会の活動 成果に含まれる予定である。
2.研究の構成員
本研究は,表-1に示す土木学会土木情報学委員会センサ利用技術小委員会の委員及び オブザーバで実施した。
表-1 研究の構成員
(土木学会土木情報学委員会センサ利用技術小委員会)
小 委 員 長 佐田 達典 日本大学
副小委員長 福島 博文 株式会社建設技術研究所 委 員 遠藤 和重 国土交通省
委 員 岡本 修 茨城工業高等専門学校
委 員 田島 剛之 大日本コンサルタント株式会社 委 員 松谷 治 株式会社アイペック
委 員 佐藤 慶秀 株式会社構造計画研究所 委 員 塩崎 正人 三井住友建設株式会社
委 員 藤原 博 株式会社ネクスコ東日本エンジニアリング 委 員 石間 計夫 ジェイアール東日本コンサルタンツ株式会社 委 員 島田 芳夫 有限会社TWJ(次世代センサ協議会)
委 員 宇野 昌利 清水建設株式会社 オブザーバ 高田 知典 株式会社リプロ
2 3.研究の背景と目的
センサの種類は図-1に示すように極めて多岐に亘っているが,土木分野におけるセン サの利用は特に施工,維持管理を行う上で不可欠となっている。情報化施工は衛星測位を はじめとする各種のセンサで支えられている。また,今後増大する構造物の維持管理業務 を,更新時期を集中させずに効率よく実施するためには,センサによる劣化度等の情報が 欠かせない。そのために画像処理,MEMS,非破壊検査やRFID(ICタグ)などのセンサ の応用が図られ,データ収集を効率よく行うセンサネットワークが展開されつつある。し かしながら,「土木分野に特有の要求仕様が個別のセンサに十分反映されていない」,「デ ータの通信や処理の標準化がなされていない」,「市場性が明確でないため土木分野に必 要とされるセンサが安価に供給されていない」などの課題がある。これらは「利用者から メーカに対する情報発信が十分でないこと」,また,「利用者にとっても業務に必要なセ ンサの技術情報を的確に収集することは情報が分散しているために容易でないこと」等に 起因していると考えられる。
図-1 センサの種類(次世代センサハンドブック(培風館)より作成)
光・電磁波センサ
可視光センサ(画像センサ)
赤外線センサ(リモセン含む)
放射線センサ
その他(レーザドップラー速度計、SA R)
機械量センサ
マイクロ変位・角度センサ
加速度・角加速度センサ(ジャイロ)
力・トルクセンサ(ひずみゲージなど)
その他
流体センサ
圧力センサ(水位計など)
流速・流量センサ(流速計など)
レベルセンサ 粘度センサ 密度センサ 濁度センサ その他
磁気センサ ホール素子 ホールIC
半導体薄幕磁気抵抗素子
GMR MIセンサ
SQUID磁気センサ
その他
温度・湿度センサ 温度センサ 湿度センサ その他
化学センサ、バイオセンサ ガスセンサ
イオンセンサ バイオセンサ その他
音波・超音波センサ
空中用音波・超音波センサ 水中用音波・超音波センサ 固体用センサ
特殊環境用センサ その他
光ファイバセンサ 光ファイバセンサ 光ファイバジャイロ
電気系統用光ファイバセンサ 特殊センサ
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そこで本研究では,土木分野に特有の要求仕様,センサデータの標準化,費用対効果,
市場性に関する調査・検討を行い,メーカと利用者に対する情報発信をしていくことを目 的とする。具体的には,センサに関する情報提供サイトの構築・運営を行うとともに,セ ンサ利用の標準化を目標とした利用指針の策定を目指す。
4.研究計画の大要
本研究は次の3つの項目について実施した。
(1)土木分野におけるセンサに関する情報提供サイトの構築・運営
・センサに関する技術情報とその在りかを収集,整理するとともに,土木分野でのセンサ 利用例を幅広く収集,整理する。
・センサに係わる膨大な情報について,土木技術者が求める利用情報へ変換しつつ効率よ く利活用できるセンサに関する情報提供サイトの運営を行ない,狙い・分野・技術など を特化した専門的な情報提供を行う。
(2)センサ利用の標準化を目標とした利用指針の策定
・土木分野ごとにセンサに要求される仕様を利活用場面に応じて設定する。
・異種センサ間での共通通信仕様等のセンサ利用の高度化,効率化を目標とした利用指針 を策定する。
(3)センサを活用することによる構造物の予防保全的な管理の提案
・「情報化施工」,「維持管理」,「防災」,「環境」の関連を対象として,センサ利用 のあるべき姿,標準化,費用対効果等に関する議論を実施し提言を行う。
・中でも,「維持管理CALS」に向けて,センサを活用することによる構造物の更新時期を 集中させない予防保全的な管理の提案を行う。
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5.土木分野におけるセンサに関する情報提供サイトの構築・運営
センサに関する技術情報,利用情報を収集,整理し,センサに関するポータルサイトの 運用を通じて狙い・分野・技術などを特化した専門的な情報を提供することを目標に,セ ンサポータルサイトの構築を行った。
(1)目的
土木技術者向けにセンサ技術利用の便宜を図るために,センサの検索,使い方や技術等 について紹介することを第一の目的とする。また,ユーザからセンサメーカへニーズを伝 える場として,さらにメーカからユーザへ製品・技術情報を紹介する場として,相互交流 の場を提供することを第二の目的とする。
(2)コンセプト
・土木分野で従事する研究者,実務者を対象にセンサ利活用時にセンサの検索やセンサの 比較を容易にするための仕組みを提供する。
・センサ製造メーカが自主的にセンサ情報を登録仕組みとする。製造メーカには,ユーザ のニーズを伝える仕組みとする。
・センサの販売を目的としない。サイト利用者の判断で利活用することを前提とする。
・センサに係わる基準や標準化を行い,新たなセンサ開発や活用が容易にするための情報 を提供する。
・センサを活用した観測手法についての技術情報を提供することにより正確な事象検知に 役立てる情報の提供を行う。
(3)名称
「土木分野におけるセンサ利活用ポータルサイト」
ただし,当面,試行版とし,河川分野で作成した。図-2にトップページを示す。分野 は順次追加する予定である。
(4)コンテンツ a)センサ検索
複数の検索により目的とするセンサを抽出できる仕組みとする。
①適用分野別の検索:河川,橋梁,道路,トンネル,などの検索(図-3)
②種類別の検索:水位計,加速度計などのデバイス検索 b)センサ技術情報の提供
センサに関わる技術的情報を集積し,情報提供を行う。センサの計測原理やセンサ利用 の失敗,成功例を掲載することにより,ユーザの利便性を図る。
c)掲示板
センサに係わる質問や意見を紹介する。ユーザ(土木技術者等)の疑問をユーザ同士や センサメーカが回答する,また,センサメーカがニーズを確認することにより,ニーズ側
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図-2 ポータルサイトのトップページ
図-3 センサの検索画面例(適用分野別)
6 とシーズ側が対話できるコミュニティを形成する。
d)センサ利用事例
センサを利用した計測事例(論文)を紹介する。
e)センサ技術基準
センサを活用する上で留意すべき基準を紹介する。
f)センサ先端技術紹介
使用事例は少ないが最先端と考えられる技術を論文のリンクとして紹介する。
g)センサ要求仕様
各分野で計測したい事項についての要求仕様を紹介する。
(5)構築状況
ポータルサイトの構築に当たっては,本研究助成を活用し試行版を完成させた。今後は データ入力に際しての利用規約の整備を進めるとともに,利用者側の視点に立った検討を 進める。さらに,図-4に示す他の分野についても整備を進める予定である。
図-4 センサポータルサイトの分野(土木工学ハンドブックより作成)
河川分野
水位・地下水位計 流速計 水質計
その他
砂防分野 土石流監視計 地すべり計 その他
海岸・海洋分野 波高・周期、津波計 漂砂計 侵食計
その他
気象分野 雨量 風向・風速計 温湿度計 道路分野
空洞調査計 わだち計測 落下物 変状(段差など)
その他
トンネル分野 ひび割れ調査計 覆工内、背面空洞調査 変位調査
その他
鋼構造分野 腐食 疲労損傷 変位 接合緩み その他
コンクリート構造物 ひび割れ
変状
鉄筋かぶり圧 剥離 鉄筋腐食 座屈 基礎洗堀 その他
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6.センサ利用の標準化を目標とした利用指針の策定
6.1 センサ利用標準化に関する議論 -平成 23 年度土木学会全国大会研究討論会-
(1)開催概要
センサの標準化をテーマに,次の内容で研究討論会を実施した。
日 時:平成23年9月7日(水) 16:15-18:15 会 場:愛媛大学
題 目:センサはどこまで標準化すべきか? - 維持管理CALSに向けて - 主 題:
情報利用技術委員会センサ利用技術小委員会では,高度なセンサ利用技術を活用して土 木構造物の長期的な情報の収集・共有・利用を図る「維持管理CALS」を提案し,その実現 に向けた取り組みを行っている。本研究討論会では,構造物の維持管理分野で使用される 主なセンサの標準化に着目し,まず現在行われている標準化へ向けた取り組みの事例につ いて基調報告を行う。そして,維持管理分野に特有の要求仕様を踏まえて,標準化が必要 な部分とそうでない部分,標準化のあるべき姿,標準化による効果等についてユーザ側,
メーカ側双方の視点から幅広く議論を行う。
座 長:藤原 博氏 ((株)ネクスコ東日本エンジニアリング)
話題提供:
遠藤和重氏(国土交通省):電磁波地中レーダー方式による路面下空洞探査手法 田島剛之氏(大日本コンサルタント(株))
:インターフェイスを選ばないセンサへ向けて 石間計夫氏((株)ジェイアール東日本コンサルタンツ)
:センサを用いた測定の効率化に向けて
島田芳夫氏((有)TWJ,次世代センサ協議会):光ファイバセンサの標準化動向 末吉良敏氏((株)東京測器研究所):センサ標準化の問題点
(2)話題提供の概要
ユーザ側として,遠藤 和重氏(国土交通省)から「電磁波地中レーダー方式による路面 下空洞探査手法」と題して話題提供があった。路面下の空洞が大きな社会問題となってい る。そのため,路面下空洞探査による予防保全型管理は非常に重要となる。路面下空洞探 査手法の事例紹介や調査実績などの説明,予防保全型管理と維持管理CALS について,路 面空洞探査手法の解説の経緯などについて紹介があった。
ユーザ側として,田島 剛之氏(大日本コンサルタント(株))から「インターフェイス を選ばないセンサへ向けて」と題して,話題提供があった。センサはすでに我々のとって 身近な存在である。例えば,スマートフォンやゲーム機,家電,乗用車などは様々なセン サが組み込まれている。公共構造物においてもセンサは利用されており,亀裂モニタリン
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グなどがコンクリート橋などに設置されている。加速度計測を例として,同じ加速度を計 測するにしても,機械式,光学式,半導体式などに分かれており,それぞれ長所短所があ る。センサからの情報の伝達には,標準化すべき箇所として,センサ部,信号変換部,デ ータフォーマット部,アプリケーション部などに分けられ,どこをどのように標準化すべ きかが課題である。標準化されれば,様々なメリットが得られるが,デメリットもあり,
それらを含めて議論を進めるべきと考える。
ユーザ側として,石間 計夫氏((株)ジェイアール東日本コンサルタンツ)から,「セ ンサを用いた測定の効率化に向けて」と題して話題提供があった。鉄道に利用するセンサ の課題として,列車通過時の限られたデータのみが必要でありほとんどのデータは不要で あった。そこで,トリガ信号を入力して測定開始・終了を制御する対策をとった。イメー ジは容易にできるが実現させるためには,システムの改良・開発が不可欠であった。セン サの標準化は測定の効率化やメーカを問わず迅速な対応が実現できるため,緊急時や災害 時などに迅速な対応が容易となる。
メーカ側として,島田 芳夫氏((有)TWJ,次世代センサ協議会)から,「CEセン サの標準化動向」と題して,土木における光ファイバセンサの標準化についての話題提供 があった。現在,光ファイバセンサは,土木でも様々な分野で利用されている。垂井高架 橋のモニタリングやアメリカでも活用されている。光ファイバセンサの標準化のねらいは,
測定原理の共通化,光ファイバセンサのネットワーク化,共通化による低コスト化,イン ターフェイスの規格化などがある。標準化を今後進めていきたい。
メーカ側として,末吉 良敏氏 ((株)東京測器研究所)から,「センサ標準化の問題 点」と題して話題提供があった。センサの性能表示の標準化や,センサの動作原理,セン サの耐用年数,センサとデータロガとの接続,データロガとパソコン間のインターフェイ スの問題点,データファイル形式の現状などについ標準化への課題を提起している。
(3)討議内容
「標準化には賛成だがセンサを標準化するのか,データを標準化するのか。」との質問 があり,「橋梁点検では,長期間にわたるため,センサの在庫がなくなる場合も想定され る。代替できるセンサとして,センサの標準化も必要ではないかと考える。しかし,デー タの方の標準化がより重要であり,土木学会として,今後,提言していきたい。」との回 答があった。
また,「光ファイバセンサは今後,標準化されるのか」との質問に対し,「研究は多い が実用化が進んでいない。コスト等が課題である。インターフェイス,センサ部分の標準 化を図る必要がある。」との回答があった。
「ダムは施工中からモニタリングしているが,古いセンサはどのように標準化するのか」
との質問があり,「古いセンサは方式によっては測定器とセンサが一体化しているので標 準化は難しい。RS422対応の古いセンサも現実には稼働している。」との回答があった。
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「計測データの所有権が問題になってくるのではないか」との質問があり,今後,勉強 していきたい旨,回答があった。
「施工段階のセンサを維持管理センサとして引き継ぐことはできないのか。例えば,締 固めデータを維持管理に使えないか」との質問があり,「瀬戸大橋では施工時に取り付け た多数のセンサを維持管理で使用している。」との回答があった。
(4)まとめ
藤原博座長からセンサ標準化のための課題として次の点が示された(図-5)。
①センサの性能: 性能表示,性能試験方法,性能保証,出力信号,性能諸元の標準化 精度,誤差範囲(測定値の桁数等)
②機器の互換性: 機器互換性,出力,単位の標準化
③データ,アプリケーションソフト
: データコンテンツ,アプリケーション,データフォーマットの標準化
④センサの設置方法: 設置・測定方法,取扱者,製品納入検査方法の標準化
⑤メンテナンス: 耐用年数,メンテナス方法,情報公開の標準化 次に,センサの標準化によるメリットとして次の点が示された。
・標準化されればどのメーカのセンサであっても容易に取り換えられる環境が整備され,
アプリケーションの設定が容易になる。緊急時や災害時に迅速な対応が可能となる。ま た,ユーザが必要なデータを効率的に得ることができるようになる。
・身近にあるツールで簡単にセンサのデータを利用できる環境が実現できる。
図-5 研究討論会でのパネルディスカッション
10 6.2 垂井高架橋見学会
(1)実施概要
日 時:平成24年4月12日
場 所:垂井高架橋(和歌山県橋本市)
参加者:13名(小委員会委員)
内 容:
垂井高架橋は,国土交通省近畿地方整備局が和歌山県橋本市隅田町垂井に建設した橋長
297 m,7径間連続PRC箱桁ラーメン橋であり,本橋は京奈和自動車道橋本道路の一部を
成している。平成14年4月に竣工したが,平成15年10月頃に,橋梁上部工にひび割れが 発見されたため詳細な調査を行ったところ,多くのひび割れが発生しており,設計時点で 想定外の変形を生じていることが判明した。
このため,土木学会コンクリート委員会が調査を委託された。コンクリート委員会では,
『垂井高架橋損傷対策特別委員会』を設置し,現地調査・過去の調査結果の検討・材料試 験・現地載荷試験および数値シミュレーションを実施した。変状の原因究明,現状の耐荷 性能および補修・補強方法について検討を行い,平成17年9月に中間報告書,平成20年 3月に最終報告書を提出している。
本橋は,平成20年より各種センサを複数設置した長期モニタリングを実施しており,今 後10年間モニタリングを継続する計画となっている。
今回,国土交通省近畿地方整備局和歌山河川国道事務所殿及び日本高圧コンクリート株 式会社殿のご厚意により現場見学会を開催した。当日は現地でセンサの設置状況・運用状 況を視察した(図-6,7)。
(2)センサの設置状況
水管式沈下計(桁たわみ測定),変位計(支承変位測定),光ファイバ(ウエブ変形,
ひずみ測定),亀裂変位計(ひび割れ幅測定),ロードセル(外ケーブル張力測定),熱 電対(桁内外の温度測定)が設置され,常時監視が実施されている(図-8)。
図-6 垂井高架橋 図-7 視察状況
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水管変位計 光ファイバひずみセンサ 亀裂変位計 図-8 センサ設置状況
(3)ヒアリング結果
技術的な点について日本高圧コンクリート株式会社殿から次のヒアリング項目に回答を いただいた。
a)モニタリングの目的と内容
①対策効果の持続性の確認,②供用後における想定外の事象に対する備え,③周辺住民 に対する安全情報の提供を目的とし,変状,変位,損傷状況の把握を行う。
b)モニタリング機器のシステム構成と閾値の設定について
複数のセンサからのデータを現場計測ボックスで集約し計測を行い,光回線で結果をサ ーバに送っている。警報機能も有しており,常時計測における「たわみ測定値」を指標と して閾値を設定している。
c)モニタリングデータの活用方法
収録されたデータはリアルタイムでWEB上に公開され,誰でも閲覧することができる。
取得されたデータは今後同様もしくは類似した事例が発生した場合のための参考知見と して,また,研究用データとして大いに活用されるべきである。
d)モニタリング機器についての問題や要望
様々なメーカのセンサから計測されたデータがロガーで集約され,パソコンに一括して 取り込めるようにプログラムを構成している。それらのデータはテキストデータとして取 り込まれるため編集等が容易にできる。現段階ではインターフェイスを含めて問題はない。
e)センサ,データロガ,データフォーマットなどの標準化についての意見
現時点では異なるメーカの計測器が混在しているが,校正係数や出力調整などで正常に 測定できるように設定しており大きな不具合はない。将来的にはインターフェイスのスタ ンダード化や簡略化などにより異メーカ間の計測器の融通が自由に図れるようになること が望ましい。
(4)意見交換会
和歌山河川国道事務所殿とセンサ標準化に向けて意見交換を行った。センサに関する要 望として,「専門技術や知識がない技術者でも分かりやすい,使いやすいセンサが望まれ る。土木職でも扱える簡単なセンサ・システムを開発して欲しい。」などのご意見をいた だいた。
12 6.3 センサ工場見学会
日 時:平成24年6月30日
場 所:株式会社東京測器研究所桐生工場 参加者:13名(小委員会委員)
内 容:
株式会社東京測器研究所殿の桐生工場を見学し,ひずみゲージの製造過程,キャリブレ ーション,曝露試験等の説明を受けた。
参加者の多くはひずみゲージの設置や計測の経験はあるが,センサ製造工場の見学は初 めてであり,製作から品質管理の段階までを見学できたことは有意義であった。特に30年 近く続いている曝露試験については参加者の関心が高かった。センサと電源・通信装置を 小型化する技術,トレーザビリテイなどの体系維持に払われている努力など,技術的に非 常に深いところまで掘り下げて取り組まれている点が印象に残った。日本の計測技術の水 準と品質の高さを知ることができ,今後現場でこれらの技術をいかに効果的に活用すべき かを考えさせられる機会となった。
6.4 センサ高度利用ガイドラインの策定
これまでのセンサ利用の標準化に関する議論,見学会で得られた知見に基づき,「セン サ高度利用ガイドライン ―センサ利用の標準化に向けて―」の策定を行った。
目次の検討の後,小委員会委員で分担して執筆を行っており,平成24年度に公表の予定 である。 主な目次を以下に示す。
センサ高度利用ガイドライン
―センサ利用の標準化に向けて―
目 次 はじめに
1. 土木分野におけるセンサ利用の現状 1.1 センサに関する一般
1.1.1 センサとは 1.1.2 センサ市場
1.1.3 センサに関する情報源
1.2 ガイドラインで扱うセンサの範囲 1.3 センシング技術応用
1.3.1 国土交通省の研究事例
13 2.なぜ標準化が必要か
2.1 標準化とは
2.2 標準化が求められる背景 2.3 標準化の役割
2.4 標準化の先進事例
2.4.1 調査段階での先進事例-国土交通省の取り組み- 2.4.2 施工段階での先進事例-国土交通省の取り組み-
2.4.3 維持管理段階での先進事例‐NEXCO東日本エンジニアリングの取り組み-
2.4.4 移動体情報サービス事業の先進事例-JR東日本コンサルタンツの取り組み-
2.4.5 環境エネルギーモニタリングの先進事例-構造計画研究所の取り組み
2.4.6 防災・維持管理への先進センシング事例-光ファイバセンサの事例と標準化動向 2.5 標準化に関する議論
2.5.1 土木学会全国大会研究討論会 第1回
2.5.2 土木学会全国大会研究討論会 第2回
3. 標準化の内容
3.1 標準化によって期待される効果 3.2 標準化の範囲と内容
3.2.1 標準化すべき項目について 3.2.2 今後検討すべき項目 3.2.3 整備すべき資料
3.3 センサの性能に関する標準化(センサ単体の性能)
3.3.1 標準化を必要とするセンサの性能ついて 3.3.2 長期性能について
3.3.3 必要添付資料
3.4 データ送受信の互換性に関する標準化 3.5 データに関する標準化
3.5.1 データコンテンツの標準化 3.5.2 データ共通化の標準 3.5.3 データフォーマット
3.5.4 データセキュリティについて
3.6 データ利用のアプリケーションに関する標準化 3.6.1 アプリケーションの標準化
3.6.2 通信・入出力データ設定コマンド
3.6.3 維持管理CALSに向けて
3.7 設置方法・設置技術に関する標準化 3.7.1 概要
3.7.2 設置方法・設置方法のマニュアル例 3.7.3 品質管理に係わる評価基準について 3.7.4 設置事例
3.8 運用・メンテナンスに関する事項 3.8.1 耐用年数の標準化
3.8.2 メンテナンス標準化
3.8.3 センサを利用したシステムの運用 4. 今後のガイドライン策定
4.1 センサポータルサイトの紹介 4.2 ガイドラインの改定について
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7.センサを活用することによる構造物の予防保全的な管理の提案
7.1 高度センサ利用技術による維持管理CALSの提案
-平成 22 年度土木学会全国大会研究討論会-
(1)開催概要
日 時:平成22年9月1日(水) 16:15-18:15 会 場:北海道大学
題 目:高度センサ利用技術による「維持管理CALS」の提案 主 題:
今後増大する土木構造物の維持管理業務を,更新時期を集中させずに効率よく実施する ためには,センサによる劣化度等の情報が欠かせない。そのために画像処理,MEMS,非 破壊検査や RFID(IC タグ)などのセンサの応用が図られ,データ収集を効率よく行うセ ンサネットワークが展開されつつある。本研究討論会では,高度なセンサ利用技術を活用 して土木構造物の長期的な情報の収集・共有・利用を図る「維持管理CALS」を提案する。
そして,その実現に向けて維持管理分野におけるセンサ利用技術の位置付けをどのように 考えるのか,この分野に特有の要求仕様を個別のセンサに如何に反映させるかを軸に,デ ータの標準化,費用対効果,市場性等も含めて議論を行う。
座 長:佐田達典(日本大学)
話題提供者と題目:
①木村嘉富氏((独)土木研究所): 道路橋保全におけるセンサ技術への期待
②松谷 治氏((株)アイペック):構造物の維持管理に用いられる非破壊検査の注意点
③柳沢雄二氏((独)土木研究所 寒地土木研究所)
:音響カメラを用いた港湾構造物水中部劣化診断装置の開発
④藤原 博氏((株)ネクスコ東日本エンジニアリング)
:高速道路の点検業務への情報技術の利用
⑤島田芳夫氏((有)TWJ):光ファイバ応用防災モニタリングの事例
(2)話題提供内容
最初に佐田達典座長(日本大学)から「維持管理CALS」の提案について説明があった。
図-9に示すように維持管理段階において,高度なセンサ利用技術を活用して土木構造物 の長期的な情報の収集・共有・利用を図ることを「維持管理CALS」として新たに提案する。
その際,維持管理におけるセンサ利用技術の位置付けをどのように考えるか。この分野に 特有の要求仕様を個別のセンサに如何に反映させるか。データの標準化をどのように考え るか。費用対効果,市場性をどのように考えるか。センサの低価格化に必要な方策は何か を念頭に議論していきたい,との説明があった。
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図-9 維持管理CALSの概念図
木村嘉富氏((独)土木研究所)から,「道路橋保全におけるセンサ技術への期待」と 題して話題提供があった。高齢化する日本の道路橋についての点検についての説明と「荒 廃する日本」にならないために,橋梁の維持管理に必要な技術の紹介があった。損傷状況 の把握,耐荷力評価,劣化予測,補修・補強方法,モニタリングについて述べ,維持管理 CALSへの期待について紹介があった。
松谷 治氏((株)アイペック)から「構造物の維持管理に用いられる非破壊検査の注 意点」と題して話題提供があった。維持管理における調査・診断手法として,非破壊検査 の注意点である,ひずみ測定法,赤外線法,自然電位法,レーダー法についてそれぞれ述 べ,維持管理における非破壊検査の課題と維持管理CALSへの期待について紹介があった。
柳沢雄二氏((独)土木研究所 寒地土木研究所)から「音響カメラを用いた港湾構造 物水中部劣化診断装置の開発」と題して話題提供があった。港湾などの水中構造物の健全 度診断におけるニーズがある。光学式水中カメラでは,濁水中で撮影が不可能であったた め,音響カメラを活用した診断システムを開発して,維持管理 CALS に役立つツールとし ての紹介があった。
藤原 博氏((株)ネクスコ東日本エンジニアリング)から,「高速道路の点検業務へ の情報技術の利用」と題して話題提供があった。高速道路の点検にICT を活用して点検の 高度化・効率化を目指すシステム(夢シス)を開発した。RFID,センサ,通信機器を組合 せて,モニタリングシステム,保全点検システム,資産管理システムを開発し,維持管理 CALSへの期待を述べていた。
島田芳夫氏((有)TWJ)から,「光ファイバ応用防災モニタリング事例」と題して 話題提供があった。光ファイバセンサの特徴やアメリカ,ヨーロッパ,国内での事例など の紹介があり,メリットや維持管理CALSへの課題と対応について述べられた。
企 画
調 査・ 計 画
設 計
調 達
工 事
維 持 管
電子化
理
情報共有
ネットワーク 情報収集
情報利用
高度センサ 利用技術
Continuous Acquisition and Life-cycle Support
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(3)討議内容
討論会での主な意見を次に示す(図-10)。
①センサの寿命について議論したい。センサ単体としての寿命とシステムとしての寿命が ある。寿命が尽きても「物理量」を残すことができる仕組みが必要である。
②センサ利用目的を明確にして,それに合わせてセンサの選択,使用を考えるべきである。
③維持管理は対象物を人間が直接見るのが基本だが,数が膨大なると無理なのでセンサに よるモニタリングが必要になる。
④ニーズに応じたセンサの提供が望まれる。例えば,目的によっては精度や耐久性は劣っ ても安価なセンサが欲しい場合がある。費用対効果を考えた製品の供給が望まれる。
⑤センサの標準化の対象としては,I/Fの標準化などが必要。また,発注者等の垣根を 超えた標準化が必要である。
⑥光ファイバの場合,コスト削減には標準化が必要である。
⑦構造物の維持管理は安全安心のためであるから,「保険」の考え方を適用してもよいの ではないか。
図-10 研究討論会でのパネルディスカッション
17 7.2 維持管理における先進モニタリング技術
-次世代センサ協議会との合同シンポジウムの開催-
本研究ではセンサの利用に関して、特にユーザとメーカとの橋渡しを目指すことを重視 している。そこで主にメーカの立場から活動をされている次世代センサ協議会と合同で下 記のシンポジウムを実施した。
(1)開催概要
日 時:平成23年12月7日(水) 10:00-17:00 会 場:土木学会講堂
題 目:維持管理における先進モニタリング技術 - 橋の安全確保のために - 主 題:
土木構造物の維持管理を効率的に行う上で各種センサによるモニタリング技術の利用は 不可欠となっているが,土木分野に特有の要求仕様が個別のセンサに十分に反映されにく いなど,普及に向けての課題もある。土木分野におけるセンサへの要求仕様を整理し,標 準化,費用対効果,市場性等をユーザとメーカが協働して議論することが重要となってい る。本シンポジウムは,その一環として土木学会情報利用技術委員会と次世代センサ協議 会とが合同で企画したものであり,土木技術者向けに橋梁の維持管理における先進モニタ リング技術の全体像を理解していただくことを目的としている。
基調講演:橋の維持管理におけるモニタリングの役割
東京工業大学大学院 教授 三木千壽氏
講演1:橋梁モニタリングシステムBRIMOS (株)NTTデータ 石川裕治氏
講演2:光ファイバセンサ技術の高度化による橋梁ヘルスモニタリング
茨城大学 教授 呉 智深氏
講演3:無線センサネットワークを利用した橋梁振動モニタリング
東京大学大学院 講師 長山智則氏
講演4:非破壊検査規格と手法について (株)アイペック 松谷 治氏
(2)講演内容
最初に三木千壽教授(東京工業大学大学院)から「橋の維持管理におけるモニタリング の役割」と題して基調講演があった(図-11)。橋梁の損傷,疲労,腐食の事例説明が あり,橋のモニタリングを行う前に,維持管理の目標とモニタリングとは何かを明らかに しなければならないとの指摘があった。橋梁のモニタリングは,なぜ計るのか,何を,ど こまで,いつ,どうやって計るか,を明確にする必要がある。そして,センサ,データ通 信,データ処理で構成されるモニタリングシステムの開発と維持管理に対する有効性の検 証について事例を交えた紹介がなされた。
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図-11 合同シンポジウム(維持管理における先進モニタリング技術)
(株)NTTデータ 石川裕治氏からは,橋梁モニタリングシステムBRIMOSに関して,
システムの概要,情報提供のイメージ,情報提供の手段について説明があった。さらに,
実施事例として,国内,国外での事例紹介があり,実用化時の苦労,海外展開時の苦労に ついて説明があった。
呉智深教授(茨城大学)からは,光ファイバセンサ技術の高度化による橋梁ヘルスモニ タリングについて講演があった。近年の既存インフラ施設の老朽化や都市防災に関する認 識の高まりに伴い,光ファイバを用いたスマートなセンシング技術を活用した大規模構造 物の構造モニタリングに関する関心が高まっている。光ファイバセンサの構造形式やセン シング手法の特徴,適用範囲,研究開発事例,応用・実用化事例の説明,紹介があり,そ れぞれのセンシング技術が現在抱えている課題とそれらに対する取り組みについて示され た。
長山智則講師(東京大学大学院)からは,無線センサネットワークを利用した橋梁振動 モニタリングについて講演があった。計測,モニタリングで状態,外力を効率的に評価す る要素技術として,高精度加速度計測,通信方法について説明があり,実橋梁モニタリン グでの適用について紹介があった。
(株)アイペック 松谷治氏からは非破壊検査規格と手法について説明があった。鋼材・
溶接継手の非破壊検査規格として,放射線透過試験,超音波探傷試験,磁粉探傷試験,浸 透探傷試験の特徴,注意点の説明があった。また,コンクリート中の配筋検査法として,
レーダ法,電磁誘導法,赤外線法の説明があった。
19 8.まとめ
(1)研究成果
①センサに関する情報提供サイトの構築
名称を「土木分野におけるセンサ利活用ポータルサイト」として設計,構築を行った。
ただし,当面,試行版とし河川分野で作成した。土木技術者向けにセンサ技術利用の便宜 を図るために,センサの検索,使い方や技術等について紹介すること,また,ユーザから センサメーカへニーズを伝える場として,さらにメーカからユーザへ製品・技術情報を紹 介する場として,相互交流の場を提供することを目的としている。センサ検索,センサ技 術情報・利用事例・技術基準の提供,掲示板,センサへの要求仕様掲載等の機能を有して いる。
②センサ利用の標準化に向けた利用指針策定
「センサ高度利用ガイドライン ―センサ利用の標準化に向けて―」の策定を行った。
第1章「土木分野におけるセンサ利用の現状」,第2章「なぜ標準化が必要か」,第3章
「標準化の内容」,第4章「今後のガイドライン策定」で構成している。平成24年度内に 公表する予定である。
③センサ活用による予防保全的管理の提案
維持管理段階において高度なセンサ利用技術を活用して土木構造物の長期的な情報の収 集・共有・利用を図る「維持管理CALS」を平成22年度土木学会全国大会研究討論会で提 案した。引き続き平成23年度土木学会全国大会研究討論会においてもテーマとして設定し 議論した。
(2)今後の展開
センサ利活用ポータルサイトは試行版を完成させが,今後はデータ入力に際しての利用 規約の整備を進めるとともに,利用者側の視点に立った検討を進め,本格運用に向けた活 動を予定している。さらにセンサ高度利用ガイドラインは公表して活用を図るとともに,
広く意見を募り順次改訂をしていく。
謝辞
本研究の実施に際しては多くの方々にご協力を賜りました。垂井高架橋見学会の開催に 当たり,ご高配を賜りました国土交通省近畿地方整備局和歌山河川国土事務所長 直原史 明様,工事品質管理官 阿茂瀬浩様,また同じく見学会でのご説明,資料提供をいただき ました日本高圧コンクリート株式会社 鷹巣恵一様,堀重伸様に心より厚く御礼を申し上 げます。さらに,センサ工場見学会にご協力を賜りました株式会社東京測器研究所末吉良 敏様に深く謝意を表します。
最後に本研究の実施に当たり多大なご協力を賜りました一般財団法人日本建設情報総合 センター 河内康様、落合清二様に心より御礼を申し上げます。
1
様 式 - 3 - 3
A STUDY ON STANDARDIZATION AND UTILIZATION OF SENSOR INFORMATION
Sada,T. 1
1College of Science and Technology, Nihon University
The sensor technology plays an important part in construction and maintenance phase of the infrastructure. However, there are some problems to be solved. For example, the unique requirements in the civil engineering field are difficult to reflect to the sensor specification. The protocols of sensor data processing and communication have not been standardized. The prices of sensor remain expensive since the sensor market size of civil engineering field has not been clear. For solving these problems, it is necessary to exchange the information and opinions between the sensor users and the sensor makers. In this study, the unique requirements in the civil engineering field, the standardization of sensor data were investigated by the member of the sub-committee on civil engineering sensor processing in the committee of civil engineering informatics, Japan Society of Civil Engineers (JSCE).
The main results of this study are as follows.
.The portal site for sensor use in the civil engineering field has been constructed as prototype for river engineering. The contents of site are search of sensor, sensor technology information, usage examples, specifications, and communication site between sensor users and sensor makers.
.The guideline for advanced sensor usage has been made to promote the standardization of sensor information and sensor data processing.
.The continuous acquisition and life support using advanced sensor technology in maintenance phase of infrastructure has been proposed and discussed in the panel of JSCE.
KEYWORDS:
sensor, standardization, utilization.
1 様 式 - 3 - 2
研 究 成 果 の 要 約
助 成 番 号 助 成 研 究 名 研 究 者 ・ 所 属
第 2010-3号 セ ン サ 情 報 の 標 準 化 及 び 利 活 用 に 関 す る 研 究
佐 田 達 典 日 本 大 学 理 工 学 部
1.研究目的
土木分野におけるセンサの利用は施工、維持 管理を行う上で重要な位置を占めている。し かしながら、土木分野に特有の要求仕様が個 別のセンサに十分反映されていない、データ の通信や処理の標準化がなされていない、市 場性が明確でないため土木分野に必要とされ るセンサが安価に供給されていない、などの 課題がある。これらは利用者からメーカに対 する情報発信が十分でないこと、利用者にと っても業務に必要なセンサの技術情報を的確 に収集することは容易でないこと、等に起因 していると考えられる。本研究では、土木分 野に特有の要求仕様、センサデータの標準化、
費用対効果、市場性に関する調査・検討を行 い、①センサに関する情報提供サイトの構築
・運営を行うとともに、②センサ利用の標準 化を目標とした利用指針の策定、③センサを 活用することによる構造物の予防保全的な管 理の提案を目的とする。
2.研究手順
本研究は土木学会土木情報学委員会(旧情 報利用技術委員会)センサ利用技術小委員会 の活動と連携して行った。同小委員会が主催 する研究討論会、シンポジウム、現場見学会 等を通じて土木分野に特有の要求仕様、セン サデータの標準化、費用対効果、市場性に関 する議論と調査、検討を行った。これらの結 果を踏まえ、次の手順で研究を実施した。
①センサに関する情報提供サイトの構築につ いて同小委員会内でWGを設けて議論を行い、
コンセプト、内容を設定した上で、設計、構 築、試行を行った。
②センサ利用の標準化を目標とした利用指針 の策定は、上記の調査を受けて同小委員会内 で目次の検討の後、分担して作成した。
③センサを活用することによる構造物の予防 保全的な管理の方法を同小委員会内で議論し 研究討論会で提案を行った。
3.研究成果
①センサに関する情報提供サイトの構築 名称を「土木分野におけるセンサ利活用ポ ータルサイト」として設計、構築を行った。
ただし、当面、試行版とし河川分野で作成し た.土木技術者向けにセンサ技術利用の便宜 を図るために、センサの検索、使い方や技術 等について紹介すること、また、ユーザから センサメーカへニーズを伝える場として、さ らにメーカからユーザへ製品・技術情報を紹 介する場として、相互交流の場を提供するこ とを目的としている。センサ検索、センサ技 術情報・利用事例・技術基準の提供、掲示板、
センサへの要求仕様掲載等の機能を有してい る。
②センサ利用の標準化に向けた利用指針策定
「センサ高度利用ガイドライン ―センサ 利用の標準化に向けて―」の策定を行った。
第1章「土木分野におけるセンサ利用の現 状」、第2章「なぜ標準化が必要か」、第3 章「標準化の内容」、第4章「今後のガイド ライン策定」で構成している。平成24年度内 に公表する予定である。
③センサ活用による予防保全的管理の提案 維持管理段階において高度なセンサ利用技 術を活用して土木構造物の長期的な情報の収 集・共有・利用を図る「維持管理CALS」を平 成22年度土木学会全国大会研究討論会で提案 した。引き続き平成23年度土木学会全国大会 研究討論会においてもテーマとして設定し議 論した。
4.研究成果の活用
センサ利活用ポータルサイトは試行版を完 成させが、今後はデータ入力に際しての利用 規約の整備を進めるとともに、利用者側の視 点に立った検討を進め、本格運用に向けた活 動を予定している。さらにセンサ高度利用ガ イドラインは公表して活用を図るとともに、
広く意見を募り順次改訂をしていく。