• 検索結果がありません。

一 教育研究員研究報告書

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "一 教育研究員研究報告書"

Copied!
67
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

小 ・中 ・都 立 学 校

平 成12年

教 育 研 究 員 研 究 報 告 書

心 身障害 教 育

東 京 都 教 育 委 員 会

(2)

平成12年 度教 育研 究員 分科会別 名簿

教科等名(教 育課題)教 科等名(教 科)

NO

学 校 名 氏 名

NO

学 校 名 氏 名

1

杉 並 ろ う

姫野 成幸

i

立 小 平 養 護 伊組 敦 O

2

立 青 鳥 養 護 村山 大介 0

2

立 多 摩 養 護 可長 清美

3

立 足 立 養 護 高野 浩幸

3

立 墨 田 養 護 吉岡 晴彦

4

立 久 留 米 養 護 久保田 聡

4

立 港 護 安田 昌弘

5

中 飯塚 弘子

5

衣非まさ子

6

長谷 大介

6

田 馬 込 第 二 小

小 口か ほる 7

柿沼 法子

7

世 田 谷 沼津ちひろ

8

田 町 田 第 四 小 志村 節子

8

田 第 四 吾 嬬 小 菅原 京子

9

田 本 町 田 東 小 渡邉真理子 0

9

小 金 井 小金井 第二中 財前 吉彦 0

10

東久留米 滝 小 木村 宏枝

10

東久留米 東 中 山田 洋子

教科 等名(領 域 ・教科 を合わ せた指 導)

教科等名(自 立活動)

NO

学 校 名 氏 名

NO

学 校 名 氏 名

1

立 葛 盲 藤田 和子

i

あ鵠野糠 護 宮下 徹 0

2

立 光 明 養 護 佐々木孝之

2

立 八 王 子 養 護 田中 隆夫

3

立 江 戸 川 養 護 ヨ甫 克彦 0

3

立 立 川 養 護 山崎 玲子

4

立 八 王子東養護

望月 しお り 4

立 七 生 養 護 辻村喜恵子

5

立 矢 口 養 護 宮越 弘子

5

立 水 元 養 護 卜部 実

6

清 瀬 養 護 ヨ 甫 浩文

6

立 中 野 養 護 堀江 知子 0

7

立 葛 飾 養 護 吉田精太郎

7

立 石 神 井 養 護 波岡 孝子

8

並 済 美 養 護 金児 洋子

8

立 板 橋 養 護 富永 裕子

9

島 大 中 石原 久浩 O

9

宿 新 宿 養 護 鈴木 真喜

10

摩 東 寺 方 小 渡邉 裕子

10

調 布 神 中 上羽 正純

◎全体世話人 ○副 世 話 人

(3)

〈教育課題〉

2

一 人 一 人 の 自 己 表 現 を 大 切 に す る 授 業 の 工 夫

〈教 科 〉 18

一 人 一 人 が 生 き、 力 を伸 ばす 教 科 指 導 の工 夫 一 数 の 基 礎 概 念 に 視 点 を 当 て て 一

〈領 域 ・教 科 を 合 わ せ た 指 導 〉 34

一 人 一 人 が 生 き 生 き と活 動 す る 指 導 の 在 り方 一 「人 と か か わ る 力 」 を 育 て る 指 導 の 工 夫 一

〈自 立 活 動 〉 50

自 立 活 動 の 指 導 の 工 夫

一 集 団 に お け る 個 に 応 じた 授 業 の 工 夫 一

一1一

(4)

一 人一 人 の 自 己表 現 を大 切 にす る授 業 の 工 夫

研究の概要

教 育 課 題 分 科 会 で は 、 「自分 の 思 い や 気 持 ち を 適 切 に 表 現 で きな い 児 童 ・生 徒 の 指 導 に っ い て 」 と、 「人 との コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ンが 円 滑 に 行 え な い 児 童 ・生 徒 の 指 導 に つ い て 」 が 共 通 の 課 題 と して あ げ られ 、 自 己 表 現 や 自分 の 感 情 の コ ン トロ ー ル が 適 切 に で き な い 児 童 ・生 徒 の 指 導 に っ い て 、 研 究 を して い く こ と と した 。

「一 人 一 人 の 自 己 表 現 を 大 切 に す る 授 業 の 工 夫 」 と い う研 究 主 題 を 設 定 し、 授 業 の 工 夫 は 、 次 の5つ の 観 点 か ら行 う こ と と した 。

ア 教 師 の 基 本 姿 勢 イ 授 業 展 開 の 工 夫 ウ 題 材 、 教 材 ・教 具 の 工 夫 工 個 別 指 導 計 画 の 活 用 オ 支 援 の 工 夫 で あ る。

病 弱 養 護 学 校 、 知 的 障 害 養 護 学 校 、 小 学 校 通 級 指 導 学 級 で の3っ の 研 究 授 業 を 通 し て 、 工 夫 の 有 効 性 を 考 察 し、

① 自 己 表 現 を 促 して い く こ とが 必 要 な 事 例 に は

・自 己 表 現 を 活 発 に行 う こ との で き る 場 を 授 業 の 中 に 設 定 す る こ と。

・小 グル ー プ に よ る 指 導 やTTな ど の 指 導 形 態 、 興 味 あ る題 材 や ワ ー ク シ ー トな ど を 工 夫 し活 用 す る こ と 。

② 不 適 切 な 自 己 表 現 を 改 善 して い く こ とが 必 要 な 事 例 に は

・コ ミ ュニ ケ ー シ ョ ンを 円 滑 に 行 うた め の ス キ ル を 身 に 付 け させ て い く こ と。

・授 業 に 集 中 さ せ る た め の 、 教 材 ・教 具 を 工 夫 す る こ と。

な ど が 必 要 で あ る こ とが 分 か っ た 。

1主 題設 定の理 由

教 育 課 題 分 科 会 は 、 ろ う学 校 、 知 的 障 害 養 護 学 校 、 病 弱 養 護 学 校 、 心 身 障 害 学 級(知 的 障 害)、 通 級 指 導 学 級(弱 視 、 言 語 障 害 、 情 緒 障 害)の 担 任 で 構 成 さ れ て い る 。 は じめ に 、 私 た ち は 、 そ れ ぞ れ の 学 校 で の 児 童 ・生 徒 の 実 態 や 指 導 上 の 課 題 な ど を 出 し合 っ た 。 そ の 課 題 を 、 簡 易KJ法 を 活 用 し、 共 通 す る課 題 は 何 か 、 研 究 員 各 々 が 考 え て い る こ と を 明 確 に しな が ら話

し合 っ た 。'

障 害 種 別 が 違 って い て も、 研 究 員 の 担 当 す る学 校 ・学 級 に は 、 人 と人 との コ ミ ュニ ケ ー シ ョ ンが 円 滑 に 行 え な い 、 あ る い は 、 適 切 な 自 己 表 現 が で き ず 相 手 に 自 分 の 意 見 が う ま く伝 わ らな い 、 ま た 、 人 の 輪 の 中 に ス ム ー ズ に 入 れ な い 児 童 ・生 徒 が 多 くい る こ とが 分 か っ て き た 。 そ し て 、r自 己 表 現 』 やr自 己 の 感 情 の コ ン トロ ー ル 』 が う ま くで きず 、 人 と人 と の コ ミ ュニ ケ ー シ ョ ンが 円 滑 に 行 え な い 児 童 ・生 徒 た ちへ の 対 応 に っ い て が 、 分 科 会 の 共 通 課 題 で あ る と と ら え た 。

コ ミ ュニ ケ ー シ ョ ンを 図 る と き に も、 人 の 輪 に 入 る と き に も適 切 な 自 己 表 現 が で き る こ とが 大 切 で あ る 。 そ こ で 、 本 分 科 会 は 、r自 己 表 現 』 を しや す い 「課 題 」 「教 材 ・題 材 」 「授 業 展 開 」 と は ど の よ うな もの か 、 さ らに 、r自 己 表 現 』 が う ま くで き な か っ た 児 童 ・生 徒 に 、 ど の

よ う に 支 援 ・指 導 を す る と よ い の か と い う こ と を 中 心 に 研 究 す る 。

(5)

研 究主題 につ いて

1研 究 主 題

研 究 主 題 「一 人 一 人 の 自 己 表 現 を 大 切 に す る授 業 の 工 夫 」

な お 、 研 究 を 進 め る に 当 た っ て 、 研 究 主 題 の 文 言 に っ い て は 、 以 下 の よ う に 共 通 理 解 を 図 った 。

(1)「 一 人 一 人 」 に つ い て

主 題 設 定 の 理 由 で 示 した よ う に 、 本 分 科 会 で 研 究 の 対 象 と す る 障 害 種 別 は 多 い 。 そ の た め 、 私 た ち は 、 そ れ ぞ れ の 学 校 や 学 級 の 児 童 ・生 徒 の 障 害 の 状 態 等 を し っ か り と見 っ め て

い く こ と が 大 切 で あ る と と らえ た 。 (2)「 自 己 表 現 」 に つ い て

r自 分 の 気 持 ち ・思 い ・考 え な ど を 、 何 らか の 方 法 で ま わ り に 伝 え る こ と』 と 定 義 した 。 (3)「 大 切 に す る 」 に つ い て

適 切 な 自 己 表 現 を 促 し、 不 適 切 な 自 己 表 現 を 改 善 す る こ と、 と と ら え た 。 (4)「 授 業 の 工 夫 」 に つ い て

教 師 の 基 本 姿 勢 、 授 業 展 開 の 工 夫 、 題 材 や 教 材 ・教 具 の 工 夫 、 個 別 指 導 計 画 の 活 用 、 支 援 の 工 夫 、 と5っ の 観 点 を 挙 げ た 。

2本 研 究 の イ メ ー ジ 図 に つ い て

私 た ち は 、 研 究 主 題 の 内 容 を 具 体 的 に イ メ ー ジ し、 研 究 員 が 共 通 理 解 を 図 り な が ら授 業 研 究 を 進 め て い くた め に 、 次 の よ う な イ メ ー ジ 図 を 作 成 した 。

児 童 ・生 徒 の 様 子 を 観 察 す る と 、 外 部 か ら の 何 らか の 働 き か け や 刺 激 に 対 し、 何 らか の 気 持 ち ・思 い ・考 え を もっ と考 え られ る。 私 た ち は 、 そ れ を こ こ で は 、 意 思 と捉 え た 。 図 の 下 半 分 の 部 分 は 、 そ れ を 表 現 して い くイ メ ー ジを 表 して い る 。

そ の 意 思 を 、 受 容 さ れ る環 境 が 整 っ た と感 じ られ 、5っ の 観 点 か ら組 み 立 て られ た 授 業 が 展 開 され た と き に 、 多 くの 児 童 ・生 徒 は 、 自 己 表 現 す る と 考 え た 。

しか し、 受 容 され る 環 境 が 整 い 、 授 業 の 工 夫 が な さ れ た と き で あ って も、 児 童 ・生 徒 の 表 現 が 語 彙 の 不 足 の た め に う ま く 自 己 表 現 が で きな い 、 誤 解 を 招 く、 状 況 に 応 じ な い 、 と い う

よ う な 表 現 と な る 場 合 もあ る。

そ こで 、 児 童 ・生 徒 が 適 切 な 表 現 を 知 り、 身 に付 け る た め に 、 教 師 は 指 導 を 振 り返 り 、 更 に授 業 の 工 夫 を 重 ね る 必 要 が あ る 。 そ れ に よ り児 童 ・生 徒 は 適 切 な 表 現 を 知 り、 実 践 して み る こ とで 相 手 に 伝 え られ た と き 、 児 童 ・生 徒 が 伝 わ る 喜 び を 実 感 す る こ とが で き る 。 ま た 、 適 切 な 表 現 に 対 して も 、 支 援 ・指 導 に よ り 自 己 表 現 を さ ら に促 し、 自 信 を 深 め る で あ ろ う と 考 え た 。 そ して 、 こ の 喜 び や 自 信 が 、 さ ら な る 自 己 表 現 に っ な が っ て 行 く と考 え る 。

一3一

(6)

良己表現

自 信 伝わる喜び

支 援 ・指 導

授 業 の より一 層 の 工 夫

適切な表現 不適切な表現

\ 鰯 現/

語彙の不足 ・主述が不明確 誤解を招くような表現 状 況に応じない表現

轟編し無 鳩 の

授 業の工夫

1教 師の基本 姿勢2授 業展開の工 夫3題 材 、教材 ・教具 の工夫 4個 別指導計画の活用5支 援の工 夫

受容され る環境 ・安心感

'

・rrryf ryff

/瀞 獄 ダ ノ

ボ舷

気持も 思い 警え

%

(7)

本研究 の仮説

本 分 科 会 で は 、 授 業 の 中 で 次 の よ う な 仮 説 を た て 、 研 究 して い く こ と に した 。

・授 業 の 工 夫 を 行 う こ と に よ り、児 童 ・生 徒 の 自己表 現 が よ り活 発 に 行 われ るで あ ろ う。

具 体 的 な 工 夫 の5つ の 観 点 に っ い て は 、 次 の よ う な 内 容 を 指 す こ と と し、 研 究 授 業 の 中 で 検 討 して い く こ と に した 。

教師の基本姿 勢

授業展開の工夫

③ 題 材 、 教 材 ・教 具 の 工 夫

ア 教 師 と の 信 頼 関 係 を 深 め る 。

イ 児 童 ・生 徒 相 互 の 人 間 関 係 を 育 て る 。

ウ ー 人 一 人 が 自 分 の 感 じ方 や 考 え 方 を の び の び と 表 現 で き る 学 級 経 営 を す る 。

体 験 活 動 を 取 り入 れ る 。 他 教 科 との 関 連 を 考 え る。

協 力 体 制(グ ル ー プ 活 動 の 活 用 な ど)の 工 夫 を す る 。 児 童 ・生 徒 が 興 味 を もて る題 材 、 教 材 。

ワ ー ク シ ー トや 発 表 カ ー ド、 拡 大 図 な ど 、 教 材 ・教 具 の

工夫

個別指導計画の活用

支援の工夫

個 別 指 導 計 画 に 基 づ く授 業 と す る。

発 問 の 工 夫 を す る 。

個 別 の 言 葉 が け の 工 夫 を す る 。 そ の 他 の 支 援 の 工 夫 を す る 。

IV授 業 の実際

1指 導 事 例 養 護 学 校(病 弱)中 学 部 の 「技 術 ・家 庭 科 」 の 指 導 (1)単 元 名 「自 分 で ク ッ キ ー を 焼 こ う 」

(2)本 単 元 と 「自 己 表 現 」 と の 関 連 に つ い て

この 学 級 の 生 徒 は2名 で あ る。4年 間 同 じ教 室 で 生 活 を して き た た め 、 お 互 い の こ とを よ く知 っ て お り、 普 段 か ら仲 が よ い 。 授 業 の 展 開 の 中 で 「相 談 を し な が ら進 め て い く活 動 」 を 設 定 す る こ と に よ り、 活 発 に 自 分 の 思 い ・考 え を 伝 え て い くで あ ろ う と考 え た 。 (3)具 体 的 な 「自 己 表 現 」 に 関 す る 手 だ て

ア 適 切 な 言 葉 か け(→ 観 点 ⑤)

イ 主 体 的 に 活 動 す る 授 業 の 進 め 方(→ 観 点 ②) ウ ワ ー ク シ ー トの 工 夫(→ 観 点 ③)

(4)単 元 の 目 標

● 会 食 に 関 心 を も ち 、 計 画 を た て て 実 践 で き る 。 (5>本 時 の 目 標

・ 友 だ ち と 協 力 しな が ら ク ッキ ー の 生 地 を 作 る。

● 作 業 カ ー ドを 活 用 して 主 体 的 に 作 業 が で き る よ う に な る 。

一5一

(8)

(6)本 時 の 展 開

教 師 の 支 援 自己表現 を大切 にするため

学 習 内 容 生 徒 の 活 動

(活 動) の指導上の配慮

あ い さ っ ・日直 の 号 令 で あ い さっ す

・あ い さ っ の 後 、 本 時 の 学

る 。

習 の 説 明 を す る。

●二 人 で相 談 す る様 子 を 見 ●活 動 全 般 を 通 して 、適切 生 地 づ く り の 順 番 ・生 地 づ く りの順 番 を答 え

守 る 。

な言 葉 か け(励 ま し)や

る。 分 か らなか った ら黒 生 徒 の 活 動 を 近 い場 所

板 の カ ー ドを見 なが ら二 で 見 守 り、 安 心 感 を与 え

人 で 相 談 す る。 ●生 徒Aは 手 先 が 器 用 で は る。(◆ 支 援 の工 夫) な い の で エ プ ロ ンや 三 角

身 じ た く す る

●エ プ ロ ン ・三 角 巾 を し

巾 に つ い て は様 子 を 見 な

て 、 手 を 洗 う。

が ら支援 す る。

.生 徒同士の相談 で準備 を 準 備 につ いて 話 し合 い ●黒 板 を 見 て 、 友 だ ち 同

進 め る よ う に す る 。 → 自

士で相談 しなが らすすめ 分 が 相 手 に思 い を伝 え 、

る 。

主体的 に活動す る授業 の

調理器具 と材料の準備 ●集 め た調 理 器具 を洗 い 、 進 め 方 にす る。(◆ 授 業

ふ く 。

展 開 の 工 夫)

材 料 を 計 量 ●黒 板 を 見 なが ら正 確 に計 ●材料 の 計 量 に必 要 な 内 容

る 。

を 板 書 して お く ●不 足 して い る もの な ど は

自分 か ら気 づ くよ うに見

守 る 。

→(◆ 支 援 の 仕 方 の工 夫) 生 地 を つ く る ・順 番 は カ ー ドを 見 な が ●生徒Aに つ いて は立 ち っ

ら 、 ま ぜ る コ ツ は 今 ま で

ぱ な しに な らず いす に座 の 学 習 を思 い 出 しな が ら って 作 業 した り、 休 憩 を 取 り組 む。

と る よ う 声 を か け る 。

・生 徒Bに つ い て は意 欲 や 集 中 力 が な くな らな い よ うに 今 まで の 活 動 を 評 価

し て 励 ま す 。

・生 地 全 体 の 量 を 見 な が ら、相 談 して等 分 し ラ ッ

プ に包 む。 包 み終 わ った ●発 表 の 時 に は 「 楽 しか っ

ら日付 を書 いて冷凍庫 に た」 だ けに 終 わ らせ ず、

後 か た づ け

し ま う 。 ●用 意 した ワ ー ク シ ー トを 「ど こ が 」 ど う楽 し か っ

配 布 す る。 たの か 」発 表 で る よ うに

●二 人 で 分 担 し な が ら洗 ・A:声 が 小 さ く聞 き取 り はた らきか け る。(◆ 支

う。洗 い 終 わ っ た ら 、 拭

に くいの で 発 表 の 時 はB 援 の 工 夫)

い て元 の場 所 に戻 す。 と と もに 特 に注 目す る。

B:最 後 ま で 発 表 で き る

感 想 ●友 だ ち や教 師 の前 で 取 り (や り と げ る)よ う励 ま ・自分 の 思 いや 気 持 ち 、考 組 み の感 想 を発 表 す る。

す 。

え を 周 りの 人 に伝 え る た

発 表 す る ●み ん な の 前 で 具 体 的 に発

め の ワ ー ク シ ー トを 用 意

表 で き た こ と を ほ め 、 そ

す る。(◆ 教 材 の開 発)

● ワ ー ク シ ー トを 自 分 の フ の 内 容 を ワ ー ク シ ー トに ア イ ル に と じ る。

記 入 で き る よ う に支 援 す

る 。

(9)

(7)評 価

友 だ ち と協 力 しな が ら ク ッキ ー の 生 地 を 作 る こ とが で き た 。 必 要 に 応 じて 相 談 し な が ら活 動 す る 場 面 が み られ た 。 作 業 カ ー ドを 活 用 して 、 主 体 的 に 調 理 を 行 う こ とが で き た 。 黒 板 の 作 業 カ ー ドは 手 順 を 確 認 す る と き に 活 用 さ れ て い た 。 (8)ま と め

研 究 授 業 の の ち 、 授 業 観 察 と授 業 記 録 を も と に研 究 協 議 した 結 果 、 っ ぎ の よ う な 課 題 と 具 体 的 な 改 善 点 が 挙 げ られ た 。

ア 生 徒 が 困 っ た と き の 教 師 の 適 切 な 対 応 ・支 援 に つ い て 、 具 体 的 に 準 備 して い く必 要 が あ る。(→ 観 点 ⑤)

・ 「自 分 の 考 え で や っ て ご らん 」 や 「材 料 を 増 や して ご らん 」 な ど 、 生 徒 が 安 心 で き る よ う な 声 か け が 自 己 表 現 を 促 す に は 有 効 で あ る 。

・ 生 徒 が 支 援 を 求 め られ ず に い る時 、 教 師 は 黙 って 見 て い る の で は な く次 の 手 だ て を 示 す こ と も必 要 な 場 合 が あ る 。

イ 生 徒 が 自 己 表 現 を 行 う場 を 意 図 的 に 授 業 の 展 開 の 中 に 位 置 づ け て い く必 要 が あ る。

(→ 観 点 ②)

・ 作 業 の 分 担 な ど は 、 相 談 活 動 の 場 と して 時 間 を 設 定 す る 必 要 が あ る 。 ウ 生 徒 が 自 己 表 現 を しや す くす る た め に ワ ー ク シ ー トを 工 夫 す る必 要 が あ る。

(→ 観 点 ③)

● 質 問 事 項 に 口(チ ェ ッ ク)を っ け る方 法 を 取 り入 れ る な ど生 徒 た ち の 考 え を 表 現 し や す い 書 式 に す る 。

一7一

(10)

2指 導 事 例 養 護 学 校 高 等 部(知 的 障 害)の 「社 会 科 」 の 指 導 (1)単 元 名 「私 達 の 生 活 と 税 」

(2)本 単 元 と 「自 己 表 現 」 と の 関 連 に つ い て

生 徒 た ち は 自 由 な 発 想 で 物 事 を 考 え る と と も に 、 自分 の 中 に あ る 語 彙 を 用 い て 考 え た こ と を 自 分 の 意 見 と して 表 現 す る こ とが で き る 。 小 グ ル ー プ に よ る討 議 を ふ だ ん あ ま り経 験 した こ との な い 生 徒 達 だ が 、 この 討 議 を 用 い れ ば 、9名 の 生 徒 で 進 め る学 習 活 動 で は 発 言 す る機 会 を 得 に くい 生 徒 で も発 言 す る 機 会 を 与 え られ る の で 、 さ ら に 活 発 な 意 見 、 表 現 が で て くる と 思 わ れ る 。 本 授 業 で は 、 自分 の 考 え を 発 表 す る 機 会 を 増 や す こ と に 主 眼 を お く。

③ 具 体 的 な 『自 己 表 現 』 に 関 す る 手 だ て

アTT(サ ブ テ ィ ー チ ャ ー)の 役 割 の 明 確 化(→ 観 点 ⑤)

イ 小 グ ル ー プ に よ る 話 し合 い(→ 観 点 ②)

ウ 課 題 記 録 シ ー トの 活 用(→ 観 点 ③)

(4)生 徒 の 実 態

様 子 本 時 の 目 標 手 だ て

生徒 (目 標 を 達 成 で き るよ うに す るた め の

(自 己表 現 の特 徴) (個 別 の 目標) 手 だ て)

自分 の 興 味 の あ る こと にっ いて は

●小 グ ル ー プ の 討 議 の 中 で 、

・TTは 、 意 見 を 出 しや す い よ うにす 自発 的 に 関 わ って くるが 、 それ 以 自分 か ら意 見 を 出 す。

る た め に 、 ヒ ン トを 与 え 、 最 初 の う

外 で はな か な か 周 囲 の生 徒 と も、 ●人 の 出 した 意 見 を 、 課 題 記 ち は意 図 的 に発 言 す る よ う促 す 。

A

積 極 的 に 話 す こ とは 少 な い。 授 業

録 シ ー トに 記 録 し 、 そ れ を

●課 題 記 録 シ ー トへ の 記 入 に つ い て

中 は教師側か ら出 された質問であ 見 な が らで も1回 は発 表 す は 、 要点 を ま とめ た形 で 、TTが 助

って も、 さ され る以 外 は 自分 か ら

る 。 言 す る。

手 を挙 げ て 発 言 す る こ とは な い 。

自閉 傾 向 あ り。 気 が 散 って 授 業 に ●小 グル ー プの 中で の 討 論 の ●TTは 本 人 の様 子 を 見 なが ら、 必 要 集 中 で きな い こ とが あ る。 周 囲 に 際 、 自分 か ら発 言 す る。 な ヒ ン トを与 え 、 本 人 が意 見 を 出 し

B

影 響 され る こ とが あ り、 発 言 す る ○人 の意 見 を聞 く。 や す いよ う導 く。

際 も、 自信 が な い よ うな 様 子 を 見 ●他 の 人 が 発言 した 際 、 今 の意 見 は ど

せ る こ と が あ る 。

ん な 意 見 だ った の か を 本 人 にTTが

確 認 す る。

⑤ 単 元 の 目標

ア 税 金 に つ い て 知 る。

イ 自分 の 考 え や 思 い を 意 見 と して 出 す こ とが で き る よ う に な る。

⑥ 単 元 の 留 意 事 項

ア 「税 金 」 は か な り広 い 範 囲 の 事 柄 で あ るの で 、 今 単 元 は 生 徒 の 「税 金 」 に 対 す る基 本 的 な 事 項 を 押 さ え る た め 、 「消 費 税 」 「所 得 税 」 に 絞 り 、 学 習 を 展 開 す る 。

イ 教 材 と して は 、 生 徒 の 理 解 を 容 易 に す る た め 、 模 擬 的 な 給 与 明 細 書 、 発 表 の た め の 用 紙 、 シ ー トな ど を 工 夫 、 活 用 す る 。

(7)本 時 の 展 開

9,10ペ ー ジ表 参 照 。

(11)

(8)評 価

ア ー 人 一 人 の 生 徒 が 小 グル ー プ の 中 で 、 自分 の 意 見 や 考 え 、 思 い を 周 りの 人 た ち に 伝 え る こ とが で き た か 。

・小 グ ル ー プ の 中 で は 、TTの 支 援 を 得 て 発 言 で き た 場 面 が あ っ た 。

イ 記 入 シ ー トを 使 って 、 周 り の 人 の 意 見 を よ く聞 き 自分 の 意 見 を 発 言 す る こ とが で き た か 。

●記 入 シ ー トを 使 って 自 分 の 意 見 を 発 言 す る場 面 が あ った 。 ウ 他 の 人 の 意 見 を 大 切 に す る こ と が で き た か 。

・他 の 人 の っ ぶ や き が 発 言 の ヒ ン トと な る 場 面 は あ った 。 工 税 金 の 基 本 的 な 意 味 を 知 る こ とが で きた か 。

●所 得 税 に つ い て は 知 る こ と が で き た 。 (9)ま と め

ア 発 言 に 視 点 を 当 て たA、Bの 様 子

(ア)A(助 言 、 友 達 の 発 言 、 呼 名 な ど の 「き っか け 」 が あ る と 、 発 言 が で き る。)

・ 自分 か ら の 発 言 は 難 か しか っ た が 、TTの 教 師 か らの 助 言 に 答 え る 形 で 表 現 した 。

・ 自分 か ら シ ー トに 書 く こ と は 難 か しか っ た が 、TTの 教 師 か らの 助 言 や 友 達 の 発 言 を 聞 い て 書 く形 で 表 現 した 。

・ メ イ ン テ ィ チ ャ ー に 指 名 さ れ る と答 え られ た 。 (イ)B(個 別 指 導 に よ っ て 、 発 言 が で き る 。)

・Bへ の ア ドバ イ ス の 仕 方 に 工 夫 が 必 要 だ っ た 。

● 友 達 の 発 言 を 聞 い て も、 影 響 され な か っ た 。

● シ ー トの 記 入 で は 、 漢 字 に こ だ わ っ て い た 。 イ 具 体 的 な 「発 言 」 に 関 す る 手 だ て の 検 証

(ア)TTの 役 割 の 明 確 化(→ 観 点 ⑤)

・TTで 行 っ た こ とで 、 グ ル ー プ の 中 で 発 言 で き た 生 徒 が い た 。

・ 授 業 展 開 や 支 援 の 仕 方 に つ い て メ イ ン テ ィ チ ャ ー と打 ち 合 わ せ が も っ と必 要 で あ り、 生 徒 の 発 言 を 、 教 師 が ど の よ う に 取 り上 げ 、 ま た 返 して い くか が 課 題 で あ る 。 (イ)小 グ ル ー プ に よ る 話 し合 い(→ 観 点 ②)

・ 自 己 表 現 の む ず か しい 生 徒 に と っ て は 、 小 グル ー プ に した ことが 有 効 で あ った 。

・ 小 グ ル ー プ に した こ とで 友 達 の つ ぶ や き が ヒ ン トと な っ て 発 言 で き た 生 徒 も い た

・ 小 グ ル ー プ に した こ とが 、 話 し合 い 全 体 を 活 発 に した か ど うか は疑 問 が 残 る 。 (ウ)課 題 記 録 シ ー トの 活 用(→ 観 点 ③)

● 自 分 の 考 え を 確 認 す る と い う 意 味 で 、 シ ー トは 有 効 で あ った 。

・ 授 業 の ね ら い に よ って 、 シ ー トの 扱 い や 、工 夫 も変 わ って くる。

・ シ ー ト記 入 に 要 す る時 間 が 長 く な り、 十 分 な 話 し合 い が で き な か っ た 。 ウ ま と め

今 回 の 授 業 で は 、 「自 己 表 現 」 を 、 「小 グ ル ー プ の 中 で の 活 発 な 発 言 」 と 捉 え 、 考 察 した 。 ま ずTTに っ い て は 、 生 徒 の 実 態 を よ く把 握 し、 メ イ ンテ ィ チ ャ ー と の 綿 密 な 打 ち 合 わ せ が 必 要 で あ る 。 そ の う え で 教 師 が 的 確 な 助 言 を して い く こ とで 生 徒 は 発 言 が し や す く な る 。 ま た 、 友 達 の 発 言 も 、 生 徒 の 発 言 を 引 き 出 す 有 効 な き っか け と な る 。 グ ル ー プ の 構 成 や 人 数 な ど も意 見 を 発 表 す る と き に は 影 響 す る こ とが 分 か っ た 。

一g一

(12)

本 時の展開

時間

10

30

10

分 区分

導 入

生 徒 の 学 習 活 動

。小 グ ル ー プ に 分 か れ て 着 席

。あ い さつ

・模 擬 給 与 明 細 を 見 て 、 解 ら な い と こ ろを 質 問 す る。

・話 し合 っ た 結 果 を 模 造 紙 に 記 入 し、 発 表 の 準 備 を す る 。

。課 題 シ ー トに 記 入 す る 。

・各 グ ル ー プ 発 表 す る 。

鑓ル ー プ

。話 し合 っ た結 果 を 模 造 紙 に 記 入 し 、 発 表 の 準 備 を す

る。

。課 題 シ ー トに 記 入 す る。

。生 徒 一 人 一 人 が 発 表 す る 。

Q『 税 金 』 に 関 す る意 見 や 感 想 を 発 表 す る。

。討 論 、 発 表 を 通 して 、 税 」 の 大 切 さ を 知 る 。

。あ い さ っ

教 師 の 支 援

。挨 拶

・前 時 の 復 習

。本 時 の 説 明

。模擬 給与明 細の配布

。模 擬 紙 幣 の 中 か ら 、 所 得 税 に あ た る金 額 を抜 き、 この お 金 は ど の 様 に な るの か 質 問 す る。(所 得 税 の 分 を抜 い た と伝 え な い)

。各 グ ル ー プ に教 師1名 が 助 言 者(T2,T3)と して 付 く。

グル ー プ の 中 で 発 表 者 を 決 あ る こ とを 伝 え る。

業10

。グ ル ー プ の 中 で 、 『 今 まで に税 金 と い う もの を払 っ た こ と が あ るか 、 払 った と し た ら ど ん な と き に 払 った か 』 ま と め る 。

・発 表 の 内 容

い つ 、 ど こで 、 ど ん な 税 金 か 。 一 番 意 見 が 多 か っ た も の4〜5を 模 造 紙 に書 い て 発 表 す る 。

業10分

・ 『税 金 は どん な と こ ろ に使 わ れ る お 金 な の か 』 話 し合 う。

・発 表 の 内 容

どん な こ と に 使 わ れ る の か 。 一 番 意 見 が 多 か った も の4〜5を 模 造 紙 に書 い て 発 表 す る。

・r税 金 』 に つ い て 、 意 見 や 感 想 を 聞 く 。

。次 回 の 予 定

。 あ い さ っ

T.Tの

oAグ ル ー プ:T2 Bグ ル ー プ:T3

・特 にA、Bの 支 援 に あ た る 。

・話 し合 いの 中 心 と な り 、話 し合 い を 進 め る。

生 徒 自身 が 話 し合 い を進 め られ る と 判 断 し た 場 合 は 、生 徒 の 自主 的 な 進 行 に 任 せ 、T2,T3は 必 要 な 助 言 を す る 。

・話 し合 っ た 内 容 を 課 題 記 入 シー トに 各 生 徒 が 記 入 で き る よ う支 援 す る 。

・間 違 っ た 意 見 が 出 た場 合 、 間 違 え を 指 摘 す る ので はな く、 ど う して そ の よ うに な る の か を 追 求 し、 正 し い意 見 と な るよ う に 導 く。

oA、Bが 発 表 で き る よ う 支 援 す る 。

(13)

Aの 活 動 ・支援 Aの 行 動 記 録 Bの 活 動 ・支 援 Bの 行 動 記 録

Q.知 ってい る人 が い ます ・授 業 見学 者 の 中 に知 って

か? い る先 生が いた ので 反応

Q.先 生 の給 料 は い く らで す る。 給料 明細 を 見 て質

す か?。 問 に答 え る。

Q.(給 料 明 細 を見 て)支 給 額 は ど こに書 い てあ

り ます か?。

・模 擬 給 与明 細 を見 る。 。模 擬 給与 明細 を見 る。

o「 支 給 額 」 「控 除 額 」 。 「支 給 額 」 「控 除 額 」

「 差 引 支給 額 」 の意 味を 「 差 引 支給 額 」の 意味 を

知 る 。 知 る 。

・明 細 を 見 て 、 「 支 給 額 。明 細 を 見 て 、 「 支 給 額 計 」 「 控 除額 計 」 「 差引 計 」 「 控 除額 計 」 「 差 引

支給 額 」 が あ る ことを知 支給 額 」が あ る ことを知

り 、 そ の 関 係 に 気 づ く。 り 、 そ の 関 係 に気 づ く。

oグ ル ープ 討 議 中、本 人が

。T2の 助 言 に よ り ワ ー ク

Qグ ル ープ 討議 中 、本 人 が

o課 題 の 中 の 「い っ 」 と い

発 言 で き る よ うな 状 況

シ ー トを 記 入 す る 。

発 言 で き る よ う な 状 況 う項 目に対 して年 月 日で

(指 名 し た り、 ヒ ン トを (指 名 した り、 ヒ ン トを

の答 え方 に こだ わ っで い

与 え る)を 意 図 的 に 作 与 え る)を 意 図 的 に 作

た 。

る 。

・友達 の 発言 や記 入 した も

る 。

。発表 の た めの 短冊 書 きや

の を見 て本 人 が書 いた も 発 表 につ いて はT3の 働

・課 題 記 録 シー トに 、 記 入

の を 自 ら修 正 す る。

。課 題 記 録 シ ー トに 、 記 入

きか けに積 極 的 の答 え 、

がで き るよ う出 た意 見の が で きる よ う出た 意見 の 自 ら取 り組 ん で いた。

要点 を助 言 す る。 要 点 を助 言 す る。

o発 表 に挑 戦 す る。 ゆ っ く り 、 は っ き り と 発 表 で き る よ う、 支 援 す る 。

Qrど ん な と ころに税 金 が 使 わ れ てい ます か?」 と

い う質 問 に対 し 「自然 の 。課 題2に つ いて は本 人 中

た め に 」 と 答 え 、 ワ ー ク

心 に グル ー プ作 業 を進 め

シ ー トに も書 く。 又 、 他 た 。

の生 徒 の発 言 が ヒ ン トに

な って 、 「大 地 震 」 と ワ

o「 税 金 は どん な と ころに

一 ク シー トに記 入 した 。

使 われ て い るか?」 とい

う問 い に対 して 「 月謝 」

と 答 え る 。T3よ り 「そ

れ は自分 で払 う もので し

よ」 と い う 修 正 が 入 る 。

・ シ ー トを 見 て 、 気 付 い た 。 自分 で 言己入 し た シ ー トを ・ シー トを 見 て 、 気 付 い た

。自分 で 記入 した シー トを こ と、考 え た ことを発 表

見 な が ら、 発 表 で き た 。

こと、考 え た こ とを発 表

見 な が ら 、 発 表 で き た 。

す る 。 す る。

一11一

(14)

3指 導 事 例 小 学 校 通 級 指 導 学 級(情 緒 障 害)の 「自 立 活 動 」 の 指 導 (1)活 動 名 「イ ン タ ビ ュ ー ご っ こ 」

(2)本 活 動 と 「自 己 表 現 」 との 関 連 に つ い て

本 学 級 は 、 情 緒 障 害 の 通 級 指 導 学 級 で あ り、 在 籍 学 級 で の 不 適 応 を 改 善 す る た め の 指 導 を 行 っ て い る。 児 童 一 人 一 人 の 課 題 は 様 々 だ が 、 特 に ま わ りの 人 々 との 関 わ り の 中 で 、 う ま く 自分 を 表 現 で き な い こ と か ら、 ま わ り と心 地 よ い 関 係 が 取 り に く い 状 態 で あ る こ と は、

共 通 して い る 。

そ こ で 今 回 は 、 人 との や り と りの 〈 基 本 的 な ス キ ル 〉 に 意 識 を 向 け 、 実 際 に 経 験 さ せ る こ と に した 。 例 え ば 、 相 手 の 顔 を 見 て 話 す 、 表 情 、 声 の 大 き さ 、 速 さ な ど 、 相 手 に わ か り や す く伝 わ り、 互 い に 心 地 よ い や り と り と な る方 法 を 身 に 付 け る 機 会 に で き れ ば と考 え る。

ス キ ル に 、 よ り意 識 が 向 け られ る よ う、 や り と りの 中 身 そ の もの は簡 単 な もの で 、 ま た 、 や り と り を 繰 り返 し体 験 で き る活 動 と して 、 「イ ン タ ビ ュ ー ご っ こ 」 を 設 定 した 。

③ 具 体 的 な 「自 己 表 現 」 に 関 す る 手 だ て

①TT役 割 の 明 確 化(→ 観 点 ⑤)

② 視 覚 教 材 ・カ ー ド ・楽 しみ な が らで き る よ う な 教 具 の 活 用(→ 観 点 ⑥)

③ 実 際 に イ ン タ ビ ュ ー す る 活 動 を 行 う(→ 観 点 ②) (4)児 童 の 実 態

生活の様子 自己表現の様子 本時の 目標

安 定 して い る時 は

話好きで丁寧な言 相手が答えやすい

●答 え に く い質 問 を 表 情 が 柔 らか く、 苦 葉 遣 い が で き る。 願 質 問 を 考 え る。 出 した と き に は、

手 な こ とに も意 欲 を

望を事実のよ うに話 教 師 が 再 説 明 す

出 せ る。 人 の 話 を 素 す こ と が あ る 。

る 。

直 に聞 き入 れ られ 相手を非難す る表

表 情 、 速 さ に 気 を

●留意点は絵で表示

る。 物 事 を 前 向 き に

現や早口にな りやす

つ けて 話 す 。 し、 視 覚 に 訴 え 意 A 考 え られ る よ う に な い 表 現 に つ い て 指 導 識 付 け る 。 そ の 場

っ て き て い る 。 を 行 っ て い る 。 で 助 言 を した り、

真 似 を し て 、 気

付かせ るようにす

る 。

自分 を ふ り返 って ●感 想 の テ ー マ を 絞

感 想 を 言 う。

る 。

(15)

生活の様子 自己表現の様子 本時の目標

人 な っ こ く、 無 邪 思 っ た こ とを す ぐ 発 言 して よ い と き ・あ らか じめ 目標 力 気 。 自分 の 苦 手 な こ 口 に して し ま う 。 か ど うか 考 え る。 一 ドに 表 示 し 、 確

と、 弱 点 な ど を 自 覚

発言の途 中で口を

認 す る 。 守 れ な い

して い る 。 何 で も興 出 しや す い。 と き に は 、 教 師 が

味 を 示 す 。

発言の機会を うま

合 図 を 送 る。

学 習 中 、 注 意 を 受 く捉 え 、 人 の 気 持 ち

B け る こ とは 多 いが 、

を思 いや る表現がで

速 さ、 言 葉 遣 い に ・絵 で 表 示 し、 視 覚 自分 で よ く考 え て い

き る 。

気 を っ け て 話 す 。

に訴え意識す るよ

る 。

う配 慮 す る。 そ の

場で助言を与えた

り、 真 似 を して 気

付かせるようにす

る 。

プラス面の感想を

・感 想 の テ ー マ を 絞

一==」,

bつ る 。

☆ この 他 に3名 の 通 級 児 童 が 一 緒 に 活 動 す る 。

(5)本 時 の 目標

① 活 動 の 目標()は 関 連 す る 自 立 活 動 の 項 目 ・区 分

● 友 達 と声 を 合 わ せ て 、 楽 し く歌 い 、 リズ ム を と る こ とが で き る。

(2心 理 的 な 安 定 の(2))

・ 友 達 や 大 人 に 質 問 した り、 答 え た りで き る。(5コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ンの(5))

・ イ ン タ ビ ュ ー 結 果 や 感 想 を 発 表 で き る 。(5コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ンの(5))

② 自 己 表 現 の 目標

・ ま わ りの 友 達 と 声 の 大 き さ や リズ ム を 合 わ せ て 歌 う。

・ 相 手 の 顔 を 見 る 、 に こ や か な 表 情 、 適 度 な 声 の 大 き さ な ど の や り と り の ス キ ル を 取 り入 れ て 、 イ ン タ ビ ュ ー し た り答 え た りす る。

● 自分 を ふ り返 っ た 感 想 を 発 表 す る。

一13一

(16)

本時の展開

教 師 の 支 援 ・ 手 立 て Aの 課題 と手立て Bの 課題 と手 立て

・あ い さっ ・姿 勢 、 顔 を 教 師 の 方 に 向 け る よ うに 促 す

●本時の学 習内容の確認 ●本時 の学習内容 を説明す る

●本 時 の 個 々 の 目標 の 確 認 :・

・:個 々 の 目標 を 提 示;し て 、 意 識 さ せ る

Aに と って 集 中 を 妨 げ

1 る刺 激の少 ない場所に

・セ ブ ン ス テ ップ ス(手 あ そ び 歌) ・友 達 の 声 や テ ー プ に 合 わ せ な が ら歌 う こ あ らか じめ席 を決めて

テ ー プ と 友 達 の 声 も聞 きな が ら とを確認す る お く リズムを打 ちなが ら最後

歌 と リズ ム 打 ち を す る まで 歌 う

●う ま くい った 点 を 評 価 す る 気 に な る子 が い て も歌 と

・ イ ン タ ビ ュ ー ご っ こ リ ズ ム に 集 中 す る

や り方 の説明を聞 く ・手順 を説明す る まず は 黙 って 聞 き、 その

何 を イ ンタ ビ ュ ー す る か 決 め る ●そ れ ぞ れ イ ンタ ビ ュ ー した い こ と を 決 め 後質問 す る

さ せ る 相 手が 答 え や す い質 問

相手 が答えや すいか どうか も考え させ る か 、 考 え て 決 め る

決 め られな い児童に は、選択肢を 出す決 お し ゃべ りが 止 ま ら な ま った ら仮 書 して お く 決 め込んで 変え られ な い と きは シ ー ッの 合 図 や り と りの 際 の ポ イ ン トを カ ー い と きは 、 目 標 に 立 ち を 出 した り 、 日 標 に 立

返 らせ る ち返 らせ た り す る

ドを見て考え る

・相 手 の 顔 を 見 て ●TVの イ ンタ ビ ュー 場 面 を 思 い起 こ

●に こ や か な 表 情 で させ る(見 せ る)ど こ を 見 た ら?ど

・声 の 大 き さ ん な 顔 で?な ど考 え る ヒ ン トを 与 え ヒ ン トを よ く聞 いて 考 え

・話 す 速 さ 指 名 され てか ら発言す る

●ポ イ ン トを カ ー ドや こ とば で 表 示 す

・て い ね い な 言 糞 で

イ ンタ ビ ュ ー を し、 用 紙 に記 入 合 図 を 出 し た り、 目標

す る ・下 手 な 例 をTが や っ て み せ る に立 ち返 らせ た りす る

① 一質 問 ② 一答 え る

① ・② 役割を交替す る

・特 に どの ポ イ ン トに 気 を つ け る か 決 め る ど の ポ イ ン トに 気 を っ け (1っ は教 師 が 。 互つ は 自分 で) る か 、 カ ー ドの 中 か ら選 ん

・① 、 ② の グル ー プ を 知 ら せ る で決め る ど の ポ イ ン トに 気 を っ け

●バ イ ン ダ ー 、 記 入用 紙 、 マ イ クつ き鉛 筆 イ ン タ ビ ュー す る る か 、 カ ー ドの 中 か ら選 ん で決 め る

を 配 る

・児 童 同 士 で も、 や り と りの ポ イ ン トに っ い て 相 手 に 注 文 が あ れ ば して い い こ と を

うまくいかな い点 はそ の場 で援 助(助 言 や本

イ ン タ ビュ ー す る

伝 え る。 しか し 、 で きな い こ と も予 想 さ 児の 真似)す る う ま く い か な い 点 は そ の 場 で援 助(助 言 、 本 れ るの で 、 教 師 も(研 究 員 も)助 言 す る

●書 く こ と の 苦 手 なFに は 、 援 助 を つ け 児 の 真 似)す

・Q‑A,E,C,

発 表す る ・O‑D.B,F,

● う ま くで きた と こ ろ を 評 価 す る

・発表 の仕 方を確認 す る

お じぎ→ 記 入 用紙 を 見 て発 表→ 一 言 感 ゆ っ く り落 ち 着 い て 発 表

想 → お じ ぎ す る

机 と マ イ クで ニ ュー ス キ ャ ス タ ー風 ポ イ ン トを 意 識 さ せ る フ ラ フ ラ しな い で 発 表 を

にす る よう声かけす る 進め る

一 言 感 想 は、 本時 で う ま くい った と 自分の ことば で感想を言 座 っ て 、 しか も 気 を 引

思 う こ と につ い て とす る き締 め られ る よ うい す

・終 わ りの あ い さつ と マ イ クの セ ッ トで や

プラス面の感想 を言 う

(7)評 価

・声 の 大 き さ や リズ ム を 合 わ せ て 、 楽 し く歌 う こ とが で き た か 。

・声 の 大 き さ や リズ ム を 児 童 み ん な で 合 わ せ て 歌 う こ とが で き た 。

・や り と り の ズ キ ル を 取 り入 れ て イ ン タ ビ ュ ー が で き た か 。

・や り と りの ス キ ル を 覚 え 、 全 員 に イ ン タ ビ ュ ー で き た 。

・ 自分 を ふ り返 った 感 想 を 発 表 が で き た か 。

・目 標 カ ー ドと 絵 カ ー ドに よ り、 目標 を 踏 ま え て 反 省 す る こ とが で き た 。

(17)

児 童 に 配 布 し た イ ン タ ビ ュ ー 用 紙

イ ン タ ビ ュ ー の 返 事

くん

で す 。」

くん

で す。」

くん

で す。」

先生 で す 。」

先生 で す 。」

児 童 に 提 示 し た 絵 カ ー ド

( ∩ ) (◎

目 を 見 る 笑 顔 声 の 大 き さ ス ピ ー ド ロ を 開 け る

(8)ま と め

ア 具 体 的 な 自 己表 現 に 関 す る 手 だ て に つ い て (ア)教 材 、 教 具 に つ い て(→ 観 点 ③)

授 業 で はVTRや カ ー ドを 取 り入 れ る こ と に よ って 、 児 童 の 視 覚 に は た ら き か け 子 ど もに 興 味 を もた せ る こ と で 、 理 解 しや す くな り活 発 な 意 見 を 引 き 出 す こ と が で き た。

VTRの 活 用 で は 、 は じめ に 音 を 消 して 放 映 す る こ と に よ り 表 情 や 目 の 動 き な ど の ス キ ル に 、 次 に 音 を 出 す こ と に よ り声 の 大 き さ 、 ス ピ ー ドな ど の ス キ ル に 着 目す る こ と が で き た 。

カ ー ドの 活 用 で は 、 目標 カ ー ドと絵 カ ー ドを 用 意 した 。 目標 カ ー ドは 、 児 童 一 人 一 人 の 本 時 の 目標 が 分 か り、 絵 カ ー ドは 、 イ ン タ ビ ュ ー 時 の 目標 が 理 解 で き た 。 ま た こ れ らの カ ー ドは 授 業 中 ず っ と 黒 板 に 貼 って あ っ た の で 、 児 童 は 自 己 の 目標 の 確 認 が 随 時 で き て い た と い う こ とか ら、 有 効 で あ っ た 。 ま た 、 カ ー ドの 一 っ は 自分 で 選 ぶ と い

う こ と だ っ た の で 、 目標 を 意 識 しや す か っ た 。

(イ)TTに よ る 授 業 で 、 メ イ ンテ ィ チ ャ ー 以 外 の 教 師 が 、 自 己 表 現 を 促 す た め に 行 っ た 支 援 ・指 導 に っ い て(→ 観 点 ⑤)

授 業 で はTTの 役 割 と して 、 サ プ テ ィ チ ャ ー が 多 動 傾 向 に あ る児 童 に つ い て い た 。 サ ブ テ ィ チ ャ ー が 支 援 しな が ら この 児 童 が モ デ ル に な っ て 発 表 を す る こ と に よ り、 他 の 児 童 ヘ モ デ ル を 示 す こ とが で き た 。 こ の こ とで 児 童 が 発 表 に ス ム ー ズ に 取 り組 め た 。 イ ま と め

VTRや カ ー ドの 工 夫 と活 用 が 、 や り と り の ス キ ル の 獲 得 に効 果 的 で あ っ た 。 ま た 、 目標 が 常 に 見 え る 場 所 に あ った と い う こ と は 、 手 だ て と して は良 か った 。 場 に 応 じた 指 導 を 教 師 が 行 っ た こ と で 、 さ ら に 児 童 が 理 解 しや す くな る と い う こ と が 分 か っ た 。

一15一

(18)

V研 究 の ま と め

本 分 科 会 で は 、 研 究 を 進 め て い く上 で 、5つ の 観 点 に 沿 っ て 授 業 研 究 を 行 っ た 。 そ の 結 果 、 次 の よ う な 成 果 が 得 られ た 。

1教 師 の 基 本 姿 勢

● 授 業 の 中 で 児 童 ・生 徒 の 状 態 に 応 じて 、 教 師 が 適 切 な 言 葉 か け を す る こ と に よ り、 児 童

・生 徒 が 安 心 して 発 言 す る こ と が で き た 。

● 時 に は 、 児 童 ・生 徒 が 正 しい 方 法 に気 付 く ま で 教 師 が 見 守 る こ とで 、 主 体 的 に 表 現 す る 機 会 が 生 ま れ る場 合 も あ っ た 。 状 況 に 応 じ、 教 師 が 適 切 な タ イ ミ ン グで 支 援 す る こ と が 、 児 童 の 表 現 す る 意 欲 や 表 現 力 を 培 って い く上 で 重 要 で あ る。

2授 業 展 開 の 工 夫

・ 小 グ ル ー プ で 話 し合 い を す る こ と に よ り 、 発 言 しや す い 環 境 を 設 定 した 。 こ の こ と に よ り 、 話 し合 い の 中 で は 表 現 が 不 適 切 な 場 合 で あ っ て も修 正 が 容 易 に で き 、 発 言 が 活 発 に な っ た 。

● 話 し合 い で の 発 言 を 、 生 徒 自 身 が 記 録 す る こ と で 、 他 の 生 徒 の 発 言 を よ り的 確 に 理 解 す る こ とが で き た 。

・ 児 童 ・生 徒 同 士 が か か わ る活 動 を 設 定 す る こ と で 、 よ り活 発 に 発 言 が で き る よ うに な っ た 。

3教 材 、 題 材 の 工 夫

・ ク ッキ ー 作 りや イ ン タ ビ ュ ー ゲ ー ム な ど の 体 験 学 習 活 動 を と り入 れ る こ と に よ り、 児 童

・生 徒 自 らが 言 葉 で 相 手 に 伝 え る こ とや や り と りの ス キ ル を 学 ぶ こ とが で き た 。

・ 身 近 な 題 材 を 話 し合 い 活 動 に と り入 れ る こ と で 、 ど の 生 徒 も表 現 で き る 機 会 を 作 っ た 。

・ ま と め の ワ ー ク シ ー トに 具 体 的 に 自 由 に 感 想 を 書 か せ る こ と で 、 表 現 へ の 意 欲 が 高 ま っ た 。

・ 言 葉 や 絵 に よ る め あ て カ ー ドを 使 う こ と で 、 児 童 一 人 一 人 の 目 標 が 意 識 付 け られ た 。

● 視 覚 教 材 を 有 効 に 利 用 す る こ と で 、 児 童 ・生 徒 が や り方 ・目標 に 気 付 く こ と が で き た 。 4個 別 指 導 計 画 の 活 用

● 個 別 指 導 計 画 の 中 に 個 々 の 自 己 表 現 の 状 態 や ね らい 、 配 慮 事 項 を 記 入 す る こ と で 、 一 人 一 人 の 目標 が 明 らか に な り 、具 体 的 な 支援 をす る こ とが で きた。

・ 授 業 の 記 録 を 個 別 に と る こ とで 、 教 師 が 自 己 表 現 の 状 態 を よ り的 確 に 把 握 す る こ と が で き た 。

5支 援 の 工 夫

● 話 し合 い 活 動 はTTで 行 い 、 わ か り に くい 表 現 を 補 助 、 修 正 して い く こ と で 、 話 し合 い の ポ イ ン トが 分 か りや す く な り、 活 発 に 発 言 で き る よ うに な った 。

・ 教 師 だ け で な く、 友 だ ち 同 士 で 認 め 合 う場 を 作 る こ と で 、 成 就 感 が 得 られ た 。

● 不 適 切 な 発 言 の 場 合 は 、 具 体 的 な 支 援 の 言 葉 か け が 必 要 で あ る 。

● 不 適 切 な 表 現 を 改 善 す る に は 、 日常 の 授 業 の 中 で の 配 慮 だ け で は な く、 自立 活 動 の 時 間

な ど に 具 体 的 な ス キ ル を 指 導 して い く こ とが 有 効 で あ る。

(19)

VI成 果 と今後 の課 題

1本 研 究 を 通 して 、 私 た ち は 、 児 童 ・生 徒 が 安 心 して 自 己 表 現 す る た め に は 、教 師の 基 本 姿 勢 と して 、 教 師 との 信 頼 関 係 と 児 童 ・生 徒 の 相 互 の 円 滑 な 人 間 関 係 を 育 て る こ とが 大 切 で あ る こ と を 再 確 認 し た 。 今 後 も、 自 らの 思 い や 考 え が 人 に 伝 わ る こ と の 喜 び を 児 童 ・生 徒 が 味 わ う こ と が で き る 指 導 ・援 助 を 心 掛 け る こ と が 大 切 で あ る 。

2授 業 を 計 画 す る 段 階 で は 、 教 師 が 、 児 童 ・生 徒 の 自 己 表 現 欲 求 が 無 理 な く喚 起 さ れ 、 活発 な 表 現 活 動 を 期 待 で き る 場 面 を 想 定 ・工 夫 す る こ と が 重 要 で あ る 。 そ の た め に は 、 個別 指 導 計 画 を 活 用 し、 一 人 一 人 の 実 態 に 合 っ た 工 夫 を 行 っ て い く こ と が 大 切 で あ る 。

3教 師 が 児 童 ・生 徒 の 自 己 表 現 の 観 察 記 録 を と る こ と に よ り、 個 々の 課 題 と 評 価 を 明 確 に す る こ とが で き る 。

4本 分 科 会 で は 、 言 語 表 現 す る こ と が で き る児 童 ・生 徒 に 焦 点 を あ て 研 究 を 進 め て き た が 、 今 後 は 言 葉 で の 自 己 表 現 が で き な い 児 童 ・生 徒 に 対 す る 指 導 ・援 助 の 在 り 方 に っ い て も検 討 す る 必 要 が あ る。

5教 師 は 、 授 業 の 中 だ け で な く、 日常 生 活 に お け る 何 気 な い 児 童 ・生 徒 の 自 己 表 現 に も 注 目 し、 適 切 な 評 価 、 ま た は 指 導 ・援 助 を して い く こ と も大 切 で あ る 。 そ の こ と に よ り、 児 童 ・ 生 徒 は 望 ま しい 表 現 力 を 身 に 付 け る こ と が で き る 。 そ して 、 そ れ が 一 人 一 人 の 生 き る 力 へ と つ な が る と 考 え る 。 今 後 の 課 題 と して 、 自 己 表 現 を 大 切 に す る 授 業 の 工 夫 を 研 究 員 の メ ン バ ー 一 人 一 人 が 心 掛 け 、 日 々の指 導 の 充 実 を 図 って い きた い。

一17一

(20)

一 人 一 人 が 生 き、力 を伸 ばす教科指 導 の工 夫

一 数 の基礎概 念 に視 点 を当てて 一

研究の概要

教 科 分 科 会 で は 、 算 数 ・数 学 の 指 導 の 重 要 性 と 難 し さ を 、 構 成 メ ンバ ー 共 通 の 課 題 と し て 認 識 し、 目 指 した い 授 業 を 次 の3点 に 整 理 し た 。

(1)一 人 一 人 が 主 体 性 を も っ て 、 楽 し く、 生 き 生 き と して 、 考 え 学 ぶ こ と の で き る 授 業

② 集 団 の 中 で 学 び 合 い 、 助 け 合 っ て 、 自 らの 課 題 を 解 決 して い け る 授 業 (3)実 生 活 に 結 び 付 き、 定 着 して い く よ う な 「生 き る 力 」 に っ な が る 授 業

そ して 、 特 に 、 知 的 障 害 の あ る児 童 ・生 徒 の 算 数 ・数 学 の 指 導 に 絞 り 、 「指 導 者 側 が 、 系 統 的 な 数 概 念 形 成 の 道 筋 を し っ か り押 さ え 、 障 害 の あ る児 童 ・生 徒 の 個 々 の 課 題 、 と り わ け 生 活 経 験 や 遊 び の 不 足 に よ っ て 数 の 基 礎 概 念 が 十 分 に 育 って い な い 点 に 、 よ り 配 慮 し た 指 導 の 工 夫 を 重 ね て い け ば 、 力 が 伸 び て い くの で は な い か 。」 と 考 え 、 「数 の 基 礎 概 念 の 把 握 に 視 点 を 当 て た 指 導 段 階 表 を 作 成 し、 こ れ を 活 用 した ス モ ー ル ス テ ッ プ の 指 導 を 展 開 す れ ば 、 実 生 活 に つ な が る算 数 ・数 学 の 指 導 が 充 実 す る 。」 と い う仮 説 を 立 て た 。

こ の 仮 説 か ら、 ま ず 「数 の 基 礎 概 念 か ら5が 分 か る」 ま で の 指 導 段 階 表 を 作 成 し、 こ の 指 導 段 階 表 に 基 づ い て 、A小 学 校 心 身 障 害 学 級 で 研 究 授 業 を 実 施 して 、 仮 説 を 検 証 した 。 そ の 結 果 、 数 の 基 礎 概 念 の 指 導 段 階 を 教 師 が 十 分 に 理 解 して 、 児 童 ・生 徒 の 実 態 に 応 じ た ス モ ー ル ス テ ップ の 指 導 を 展 開 す る と と も に 、 家 庭 と も連 携 を 図 り な が ら 、 障 害 の 特 性 を 踏 ま え た 柔 軟 な 指 導 を 構 築 す る こ と が 重 要 で あ る こ とが 分 か っ た 。

1主 題 設定 の理 由

教 科 分 科 会 で は 、 ま ず 、 各 学 校 に お け る 教 科 指 導 の 課 題 を 協 議 し、 そ の 結 果 、 多 様 な 学 校 種 別 を 越 え て 、 算 数 ・数 学 指 導 の 重 要 性 と 難 し さが 共 通 の 課 題 と して 認 識 さ れ た 。

さ ら に 、 主 題 を 検 討 す る 中 で 、 各 自が 算 数 ・数 学 の 授 業 の 中 で 意 識 して い る こ と を 出 し合 い 、 目 指 した い 授 業 に つ い て 次 の3点 に 整 理 した 。

(1)児 童 ・生 徒 一 人 一 人 が 主 体 性 を も っ て 、 楽 し く、 生 き 生 き と して 、 考 え 学 ぶ こ と の で き る授 業 を 工 夫 し た い 。

(2)児 童 ・生 徒 一 人 一 人 が 、 集 団 の 中 で 学 び 合 い 、 助 け 合 っ て 、 自 らの 課 題 を 解 決 して い け る授 業 を 追 求 した い 。

(3)実 生 活 に 結 び 付 き、 定 着 して い く よ う な 「生 き る 力 」 に っ な が る 授 業 を 考 え た い 。 そ して 、 この よ う な 授 業 を 展 開 す る た め に は 、 ど の よ う な 工 夫 を す れ ば よ い の か を 検 討 し、

算 数 ・数 学 を 「分 か る」 喜 び と 、 分 か っ て 「使 え る 」 喜 び が 、 児 童 ・生 徒 一 人 一 人 の 主 体 性 を 引 き 出 し、 さ らに 、 自 らの 能 力 を 生 か した 充 実 感 が 「生 き る 力 」 を は ぐ くむ の で は な い か と 考 え 、 本 主 題 を 設 定 し、 研 究 を 深 め る こ と に した 。 な お 、 主 題 の 「一 人 一 人 が 生 き」 と は 、 児 童 ・生 徒 が 学 び 合 い 、 助 け 合 う こ とで 、 よ り積 極 的 ・能 動 的 に 学 習 す る よ う に な り、 そ の 活 動 を 通 じて 、 充 実 した 生 き 方 を 見 い だ し て ほ しい と い う私 た ち の 願 い に 基 づ い て い る 。

「生 き 」 の 中 に は 、 「活 動 」、 「活 発 」 「活 躍 」 と い う意 味 が 強 く含 ま れ て い る。

(21)

II研 究 の方法

1基 礎 研 究

(1)研 究 の 方 向 性 の 検 討

研 究 主 題 を 話 し合 う 中 で の キ ー ワ ー ドと な っ た 算 数 ・数 学 を 「分 か る 」 こ と と 「使 え る」 こ と と は 、 具 体 的 に ど う い う こ と か を 協 議 し理 解 を 深 め た 。 さ ら に 、 題 材 を 「(D数 概 念 の 形 成 」 に 絞 り 、 各 自の 実 践 を 出 し合 い な が ら算 数 ・数 学 指 導 で 難 し さ を 感 じ る理 由

を 探 っ た 。 (2)仮 説 の 設 定

知 的 障 害 の あ る児 童 ・生 徒 に 対 す る 算 数 ・数 学 指 導 の 改 善 を 図 る た め に 、 数 概 念 の 形 成 を 図 る 以 前 の 指 導 で あ る 「(2〕 数 の 基 礎 概 念 の 把 握 」 に 着 目 し、 次 の 研 究 仮 説 を 設 定 した 。

「数 の 基 礎 概 念 の 把 握 に 視 点 を 当 て た 指 導 段 階 表 を 作 成 し、 これ を 活 用 した ス モ ー ル ス テ ップ の 指 導 を 展 開 す れ ば 、 実 生 活 に つ な が る 算 数 ・数 学 の 指 導 が 充 実 す る。」

(3)指 導 段 階 表 の 作 成

研 究 仮 説 に 基 づ き 、 数 の 基 礎 概 念 の 把 握 に 関 す る 系 統 的 な 指 導 方 法 に っ い て 、 先 行 研 究 を 集 め 、 整 理 して 指 導 段 階 表 を 作 成 し た 。

*(1)「数概念 」 とは、 数詞 、数字 及 び数対象(数 え る対 象 とな る もの)の 、数の3つ の基礎要素相互の 関係 的操作 を行 う心 の働 き。

(2)「数 の 基礎 概 念 」 とは 、抽 象 数 に至 らな い段 階 の 「個別 化 」 「 類 別 」r同 等性(1対1対 応)」

「 数 の保存性 」の4っ の意識 活動を包 括す る準数概念 。

2授 業 研 究

(1)指 導 案 検 討 と研 究 授 業

「数 の 基 礎 概 念 の 把 握 」 を 題 材 と した 学 習 指 導 案 を 各 自 が 持 ち 寄 り、 検 討 し合 った 。 さ らに 、 研 究 仮 説 と、 指 導 段 階 表 に 基 づ い てA小 学 校 心 身 障 害 学 級(知 的 障 害)の 学 習 指 導 案 を 検 討 し、 工 夫 点 や 改 善 点 を 話 し合 い 、 研 究 授 業 を 行 っ た 。

(2)仮 説 の 検 証

A小 学 校 心 身 障 害 学 級(知 的 障 害)の 研 究 授 業 の 成 果 や 課 題 を 分 析 し、 仮 説 を 検 証 した。

研 究の 内容

1基 礎 研 究

(1)研 究 の 方 向 性 の 検 討 一 算 数 ・数 学 が 「分 か る 」 こ と と 「使 え る 」 こ と に つ い て 一

「分 か る 」 「使 え る 」 と い うの は 、 目指 し た い 授 業 を 話 し合 う 中 で 出 て き た 言 葉 で あ る

。 前 述 した よ う に 、 私 た ち は まず 、 算 数 ・数 学 を 「分 か る 」 喜 び と 、 実 生 活 に 「使 え る 」 喜 び とが 、 児 童 ・生 徒 一 人 一 人 の 主 体 性 を 引 き 出 し、 これ が 自 らの 能 力 を 生 か した 充 実 感 に つ な が り、 「生 き る 力 」 を は ぐ くむ の で は な い だ ろ うか と 考 え 、 「数 概 念 の 知 識 ・理 解 」

と 「数 的 実 体 験 」 と い う2っ の 観 点 か ら協 議 を 進 め た 。

しか し、 「使 え る 」 と い う言 葉 か ら は 、 「生 活 に 役 に 立 っ 」、rHowTo」 と い っ た 意 味 が 連 想 さ れ が ち で あ り 、 算 数 ・数 学 の 論 理 的 な 思 考 を 身 に 付 け た り 、 思 考 す る 楽 し さ を 知 る と い っ た 教 科 と して の 大 切 な ね ら い か ら外 れ る よ うな 誤 解 を 受 け や す い の で は な い か と い う意 見 も 出 た 。

‐is‐

参照

関連したドキュメント

活用のエキスパート教員による学力向上を意 図した授業設計・学習環境設計,日本教育工

特に、その応用として、 Donaldson不変量とSeiberg-Witten不変量が等しいというWittenの予想を代数

Analysis of the results suggested the following: (1) In boys, there was no clear trend with regard to their like and dislike of science, whereas in girls, it was significantly

「地方債に関する調査研究委員会」報告書の概要(昭和54年度~平成20年度) NO.1 調査研究項目委員長名要

各サ ブファ ミリ ー内の努 力によ り、 幼小中の 教職員 の交 流・連携 は進んで おり、い わゆ る「顔 の見える 関係 」がで きている 。情 報交換 が密にな り、個

海洋技術環境学専攻 教 授 委 員 林  昌奎 生産技術研究所 機械・生体系部門 教 授 委 員 歌田 久司 地震研究所 海半球観測研究センター

LUNA 上に図、表、数式などを含んだ問題と回答を LUNA の画面上に同一で表示する機能の必要性 などについての意見があった。そのため、 LUNA

山階鳥類研究所 研究員 山崎 剛史 立教大学 教授 上田 恵介 東京大学総合研究博物館 助教 松原 始 動物研究部脊椎動物研究グループ 研究主幹 篠原