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窯芸 作陶及び練り込み技法と色素地の研究

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(1)

窯芸 作陶及び練り込み技法と色素地の研究

著者 下山 圭子

雑誌名 東京家政大学生活科学研究所研究報告

巻 6

ページ 17‑32

発行年 1983‑03

出版者 東京家政大学

URL http://id.nii.ac.jp/1653/00009746/

(2)

益ll北郷谷土における顔料含有率別の色調及び焼成条件による変化

曝卿騨煕響眉翻■溺協■

1」二L翼   1   (酸イヒ火尭b又)

v−,,7

ft−

L−一一_一 奇.コレ}

オしンシ ト.;

ゲルF

ヒワ 1

7

ノ:t L2 (還ノ己lksZ b〜〜)

騨■■願開1購澗■匿−騒辱剛■■

写真一3 (酸化焼成) t jl真   4   (還ノ己士尭b文)

信楽ノk簸土における顔料含育率別の色調及び焼成条件による変化

与:S (一一5  (酸イヒ k尭hS〜) 写真一6 (還元焼成)

(3)

1,藻水簸ヒにおける顔料含有率別の色調及び焼成条件による変化

v

虞願7

(酸化焼成)

ク。齢 素pe土

勘轟 羅,

写真 8 (還元焼成)

藩卿

耀担L駆釦働8溺

嚇L騰昼鷹 魍四

;聯1. 癒艦艦

       写真一9

 信楽水簸量二における酸化金属及び諸金属含有率別の色調及び焼成条件による変化 金属ドよる色続言飴織

紀・・i・ダ/.・3・s・・eI7〆… 痴恥.      2・

画鷲

聖 園■口馴●

規齢停 2・んwセ隷戸μ鋭

   酸化規成    娚三査σ晦瀬由

    写真 10

漏=% ・ユ丁つ5

蘇酸鉄

一蔽化鉄 ヒ。o.

酸化鉄

ヒe.ρほ

黒浜

@一一−ゥ上

匙遮1し 幽塑爆盤懸・ 幽纒璽憂鶴 ド幽璽四阪に 7些匙し些し

※写真1〜8までのテストピース

 畔分一一施粕  下半分.焼締

※写真9〜11までのテストピース  左半分一施紬

 右半分.焼締  酸化焼成のみ

(4)

窯芸 作陶及び練り込み技法と色素地の研究

下 山 圭 子*

Ceramic Art−Studies of Ceramics and marble ware crafts         and studies of coloured body

Keiko SHIMoYAMA

1 緒  言

 焼物と一言でいうものの,日本各所でまた世 界各国各地で,日用雑器から美術品に至るまで 紀元前5000年の昔から長い歴史をもっている。

 焼物には大まかに分けても,土器,陶器,妬 器,磁器と4つの分類に記される。

 その中でも陶器の分野を選び,練り込みとい う技法に興味を持った。

 この2年間は,練り込みの作品を中心に作陶 を行った。

 練り込みというのは,有色素地の陶土を組み 合わせたものである。練り込みの色素地は,顔 料や金属類を陶土に混入する。その場合,収縮 率の近い種々の色素地を作ることが要求される。

 練り込みの色素地調合実験として今回は陶器 の下絵具として使用される顔料と,粕薬の中で も色紬にするために添加される金属類を中心に 陶土に混入し,焼成方法及び陶土別による色調 変化と陶土の状態を調べた。

 次にこれらの実験で得た色素地を数種類使い 練り込みの様々な技法や形を考案した。

 又,練り込みの作品を制作する際には,様々 な障害が起こるため,障害の緩和と防止法の研

究を行った。

*東京家政大学生活科学研究所研修生

2 色素地調合実験のテストピース  の制作工程

 陶土は,2種選択し今まで作陶で一番使い慣 れた益子北郷谷土と信楽水簸土とした。

 ①陶土(益子北郷谷土,信楽水簸土)を乾燥 させ,粉砕し粉体とする。

 ②粉体にした陶土100gに対して,顔料は 1.0〜20.O%まで,金属類は0.2〜10.0%までを 量り,それぞれ乳鉢に入れ陶土を加え,陶土と

ともに良く擦る。

 ③顔料及び金属類を混入した陶土の粉体に水 を20〜30%程加え,成形しやすい粘土の状態に 良くこねる。

 ④粘土の状態になった色素地を四角形の凹形 の石膏型に嵌め込み,テストピースをとる。

 ⑤④を完全乾燥させる。

 ⑥乾燥した色素地を750℃で素焼きする。

 ⑦素焼きした色素地の表面半分に透明石灰粕

(顔料添加のもの),4号透明紬(金属類添加 のもの)を施粕する。

 ⑧顔料添加の色素地は,1150℃で,焼成方法 は,化学変化を起こすため,変化に応じて酸化 還元焼成を行った。(SK 3a〜4a)

 金属類添加の色素地は,還元焼成を行うと,

(5)

本来の発色を失うため酸化焼成のみとし,1250

℃で焼成した。(SK 8〜9)

 ⑨テストピース完成

※テストピースの施紬した部分は艶があり,半 分は焼締の状態となっている。なお顔料添加の

ものは,顔料の発色の良い1150℃とした。

3 色素地調合実験

 A.益子北郷谷土における顔料含有率別の色 調及び焼成条件による変化(写真1〜4参照)

益子北郷谷土の化学分析表

Sio2・ A1203 Fe203 CaO MgO K20 Na20 灼熱 ク量

68.00 17.15 2.42 0.01 0.91 2.71 0.53 7.79

①ピーコック顔料

焼成方法 酸 化 焼 成 還 元 焼 成

施  紬 焼  締 施  粕 焼  締

1.0 ほとんど発色せず ほとんど発色せず わずかにページュ ほとんど発色せず 2.0 ベー ジ ュ うすいページュ 赤味を帯びたべ一ジュ うすいページュ

4.0 縁を帯びたべ一ジュ 緑を帯びたべ一ジュ

6.0 濃いベージユ ベー ジ ュ

緑を帯びた

@ 濃い茶 緑を帯びた茶

8.0 10.0

緑がかった

@ベージュ

うすい緑がか

チた焦茶 深    緑 深    緑 12.0 青味を帯びた深緑

14.0

16.0 青味の強い

@  深緑 深    緑

より緑の濃い [    緑

緑の濃い

D 緑 色

18.0 20.0

 発色可能な範囲は,酸化焼成において施紬焼 締ともに8〜14%,還元焼成においても施紬焼 締ともに10〜14%である。施紬したものの方が やや濃いが,焼締たものも味わいのある色調で

ある。

 ②クロムグリーソの顔料の,発色可能範囲は,

酸化焼成で8〜14%で,施紬したものの方が色 調が濃い。還元焼成は4〜14%まで可能である が色調が酸化焼成に比べて黒く焼きあがってい

る。

 ③チョコレート顔料の,発色可能範囲は,8

〜16%が良好である。ただし,還元焼成におい

ては4〜10%の範囲で充分使用できる。施紬し たものの方が,幾分明るい色調となっている。

②クロムグリーソ顔料

焼成方法 酸 化 焼 成 還 元 焼 成

施  粕 焼  締 施  柚 焼  締

1.0 ほとんど発色せず ほとんど発色せず わずかに焦茶 わずかに焦茶

2.0 チョコレート べ 一 ジ ュ

4.0 緑がかったべ一ジュ

6.0

緑がかった

̀ョコレート グ  レ  ー 焦    茶

8.0 灰 緑 色

緑がかった 10.0 @焦茶

茶がかった

@濃い緑

12.0 14.0

16.0 モスグリーン 焦茶がかった D  緑  色

黒味がかった

ナ   茶

18.0

濃い緑がかつ ス焦茶

20.0

③チョコレート顔料

焼成方法 酸 化 焼 成 還 元 焼 成

施  粕 焼  締 施  粕 焼  締

LO うすいべ一ジュ かすかにベージュ ほとんど発色せず ほとんど発色せず

2.0 べ一 ジ ュ うすいべ一ジュ 黄がかったべ一ジユ わ梱二勧かっ尽→ユ

4.0 明るい茶 やや明るい茶 う す い

̀ョコレート

黄がかった ラ一 ジ ュ

6.0

8.0 わ棚こう・婦ヨコレート グレーがかった茶 うすいチョコレート

10.0

12.0 チョコレート ややうすい

̀ョコレート 14.0

赤味がかった

̀ョコレート チョコレート 16.0

18.0 チョコレート

20.0

濃    い

̀ョコレート

④オレンジ顔料

焼成方法 酸 化 焼 成 還 元 焼 成

施  柚 焼  締 施  粕 焼  締

1.0 2.0 4.0 6.0

素地の色と大 マよく似てい 驍スめ区別が ツきにくい 8.0

素地の色と大 マよく似てい 驍スめ区別が ツきにくい

素地の色と大 マよく似てい 驍スめ区別が ツきにくい

素地の色と大 マよく似てい 驍スめ区別が ツきにくい 10.0

12.0 14.0

16.0 黄味を帯びた I レ ン ジ 18.0

クリーム味を ムびたオレン

W

わずかに素地 謔濶ゥ

わずかに素地 20.0 謔濶ゥ

 オレソジ,トルコブルー,陶試紅の3種類の 顔料は,色彩表の結果がほとんど変らず,顔料 を20%添加したにもかかわらず,酸化還元焼成,

施粕焼締ともに発色を示さなかった。

(6)

下山:窯芸 作陶及び練り込み技法と色素地の研究  オレソジ顔料においては,顔料自体の色調と

素地本来の色調が良く似ているためと思われる。

 またトルコブルー,陶試紅の2種においては,

顔料自体の色調がもともと非常に淡い色調であ るため,素地の色に抑えられてしまったものと 思われる。

⑤トルコブルー顔料

焼成方法 酸 化 焼 成 還 元 焼 成

施  柚 焼  締 施  柚 焼  締

1.0 2.0 4.0

素地の色の方 ェ強くほとん ヌ発色しない

素地の色の方 ェ強くほとん ヌ発色しない

6.0 8.0

素地の色の方 ェ強くほとん ヌ発色しない

素地の色の方 ェ強くほとん ヌ発色しない 10.0

12.0

14.0 わずかに黄が

ゥったグレー 16.0

わずかに黄が ゥったグレー 18.0 わずかに白味

帯びる

わずかに白味 20.0 帯びる

⑥陶試紅顔料

焼成方法 酸 化 焼 成 還 元 焼 成

施  紬 焼  締 施  粕 焼  締

1.0 2.0 4.0

6.0 ほとんど発色 ケず

ほとんど発色

8.0 ケず

ほとんど発色 ケず

ほとんど発色 10.0 ケず

12.0 14.0 16.0 18.0

わずかに素地 ェ白味を帯び

わずかに素地

ェ白味を帯び わずかに素地が 猪。を帯びる

わずかに素地が 猪。を帯びる 20.0

⑦グレー顔料

焼成方法 酸 化 焼 成 還 元 焼 成

施  粕 焼  締 施  紬 焼  締

1.0 ほとんど発色せず ほとんど発色

ケず

2.0 ほとんど発色 ケず

ほとんど発色

ケず わずか1こべ一ジュ

4.0

6.0 ペー ジ ュ べ一 ジ ュ べ一 ジ コ. わずかに

yー ジ ュ

8.0 オレンジ働・つたべ一ジュ

10.0 濃いベージュ グレーがかっ スべ一ジュ 12.0

14.0 べ一 ジ ュ ややうすいグ

戟[がかった ラ一 ジ ュ

16.0 うすい焦茶

18.0 焦    茶

20.0 うすい焦茶

⑧ビワ顔料

焼成方法 酸 化 焼 成 還 元 焼 成

雄 粕 焼  締 施  紬 焼  締

1.0 2.0

ほとんど発色 ケず

ほとんど発色 ケず

ほとんど発色 ケず

ほとんど発色 ケず

4.0 ごく淡いべ一ジュ

6.0 ご く 淡い

ラ一 ジ ュ

かすかなグレー ごくかすかな O  レ  ー 8.0 淡いべ一ジュ

10.0 淡いべ一ジュ

グレーがかっ

スページュ ペー ジ ュ 12.0 べ一 ジ ュ

14.0

16.0 べ一 ジ ュ 黄緑がかった yー ジ ュ

ややピンクが ゥったべ一ジ 18.0 ややうすい焦茶

20.0

 グレー,ビワ顔料ともに発色が悪、い。これも 素地の色が反応し,発色を抑えてしまったもの と思われる。両者ともに還元焼成の方がやや発 色が良いが,14%以上の顔料添加が必要となり,

施粕した方が発色が良好である。

⑨赤茶顔料

焼成方法 酸 化 焼 成 還・元 焼 成

施  粕 焼  締 施  粕 焼  締

1.0 2.0 4.0

ほとんど発色 ケず

ほとんど発色

ケず ほとんど発色 ケず

ほとんど発色

6.0 ケず

8.0 白味がかった才レンジ

10.0 白味がかったオレンジ うすい肌色

12.0 14.0

16.0 赤味がかった

明るい茶

黄がかった ナ茶を帯びる

うすく焦茶を ムびる

18.0 20.0

 赤茶顔料も素地の色と似ているため添加率が 低いと発色が悪いので10〜14%が発色可能な範 囲となる。還元焼成では,緋色が出たためか不 明瞭な色調となり,酸化焼成の方が色調が良く,

焼締も良好である。

 ⑩海碧顔料は,顔料自体の美しい青の発色は 示さなかった。しかし酸化還元焼成ともに施紬

したものは,14%でブルーグレーの渋い色調と なっている。

 ⑪クPt顔料の発色可能範囲は,酸化焼成にお いては8〜12%,還元焼成では,10〜12%が良 好で,どちらも施粕したものの方が明瞭な色調 となっている。焼締でも充分可能な顔料である。

(7)

⑩海碧顔料

焼成方法 醸 化 焼 成 還 元焼 成

施  粕 焼  締 施  粕 焼  締

LO

2.0 ほとんど発色 ケず

ほとんど発色 ケず

ほとんど発色 ケず

ほとんど発色 ケず

4.0

6.0 ややグレーを

ムびる

かすかにグレ [を帯びる

8.0 10.0

グレーがかっ

スべ一ジュ べ一 ジ ュ 12.0

わずかにプル [グレー

うすいプルー Oレー

14.0 16.0

18.0 プルーグレー うすいブルー Oレー

青味を帯びた

D緑色 プルーグレー

20.0

さまった。

 〔焼成条件〕

  窯一7kW電気炉

  焼成時間一12時間

  焼成温度一1150℃(SK 3a〜4a)

  焼成方法一酸化及び還元焼成   顔料一下絵具11種

  紬薬一透明石灰粕

 B.信楽水簸土における顔料含有率別による 色調及び焼成条件による変化(写真5〜8参照)

⑪クロ顔料

焼成方法 酸 化 焼 成 還 元 焼 成

施  紬 焼  締 施  粕 焼  締

1.0 ほとんど発色せず ほとんど発色せず うすい茶 ほとんど発色せず

2.0 べ一 ジ ュ ややうすいべ一ジュ 焦    茶 黄がかった焦茶 4.0 濃いベージュ べ 一 ジ ュ

6.0 わずかに緑を

ムびた焦茶 焦    茶

8.0 紫がかった茶 グレーがかっ スべ一ジュ

10.0 濃い焦茶 わずかに緑締び礁茶

12.0 14.0

16.0 紫がかった黒 グ  レ  ー

黒に近い焦茶 やや黒に近い

ナ   茶

18.0 20.0

〔結 果〕

 化学分析表によると益子北郷谷土には,Fe203

(酸化第二鉄)が,2,42%も含まれている。

 そのために陶土自体の色調がかなり肌色に近 い。そのうえ,陶土の焼締りはあまり強くない。

 陶土自体の色調が,顔料にかなり影響を与え,

10%以上顔料を添加しないと発色が悪い。

 オレソジ,トルコブルー,陶試紅の3種は,

全くといってよいほど,発色を示さなかった。

 またグレー顔料においては,発色が悪、く,ヒ ワ顔料においては,顔料本来の発色を見ない。

 ピーコック,クロムグリーソ,チョコレート,

赤茶,クロ顔料は,顔料自体の色調がかなり濃 いために発色は良好である。

 焼成方法は,全体的に酸化焼成の方が還元焼 成に比べ,自然な色調に落ち着いた。

 益子北郷谷土は,全体的には,渋い色調にお

信楽水簸土の化学分析表

Sio2 Al203 Fe203 CaO MgO K20 Na20 灼熱ク量

64.36 20.52 1.12 1.02 0.06 2.28 1.52 8.33

①ピーコック顔料

焼成方法 酸 化 焼 成 還 元 焼 成

施  粕 焼  締 施  粕 焼  締

1.0 ほとんど発色せず ほとんど発色せず うすいグレー かすかなグレー

2.0 緑がかったべ一ジュ わずかに淡い緑 わずかに灰緑色 うすいグレー

4.0 ややうすい緑 淡  い 緑 うすい灰緑色 グ  レ  ー

6.0 灰 緑  色 うすい灰緑色

8.0 うすい緑

10.0 濃い灰緑色 灰 緑 色

12.0 14.0

16.0 青味がかった

Z    緑 灰 緑 色 青味を増した

D 緑 色 濃い灰緑色

18.0 20.0

②クロムグリーソ顔料

焼成方法 酸 化 焼 成 還 元 焼 成

施  粕 焼  締 施  粕 焼  締

1.0 こくわず由{コ轍ったクll一ム ほとんど発色せず ごくかすかな緑 グレーがかった列一ム

2.0 灰 緑 色 うすい灰緑色 かすかな緑 ル→かったごく愉緑

4.0 やや濃い灰緑色 灰  緑  色 6.0

グレーがかっ

スうすい緑 グレーがかっ スうすい緑

8.0

10.0 灰 緑 色

12.0

14.0 濃い灰緑色 F

16.0 濃    緑 グレーがかっ

18.0 濃    緑 ス濃緑

20.0

(8)

下山:窯芸 作陶及び練り込み技法と色素地の研究  ①ピーコック顔料の発色可能範囲は,6〜12

%で酸化焼成で施紬したものの方が還元焼成し たものに比べて明るく冴えた色調となっている。

しかし,施粕焼締ともに還元焼成した場合でも,

にぶい色調ではあるが,充分発色している。

 ②チョコレート顔料の発色可能範囲は,6〜

12%で酸化焼成で施紬したものの発色が良好で ある。酸化還元焼成で焼締たものも,にぶい色 調ではあるが充分発色している。

③チョコレート顔料

焼成方法 酸 化 焼 成 還 元 焼 成

施  紬 焼  締 施  粕 焼  締

1.0 かすかにべ一ジュ ほんのかすかにべ一ジュ ほとんど発色せず ほとんど発色せず 2.0 うすいべ一ジュ ごくうすいべ一ジュ わずかにべ一ジュ ごくかすかなべ一ジュ 4.0 べ 一 ジ ュ うすいべ一ジュ

6.0 濃いベージュ べ一 ジ ュ べ一 ジ ュ うすいベージュ

8.0 やや濃いページユ

10.0

ややうすい

̀ョコレート 濃いベージユ べ 一 ジ ュ 12.0

14.0

16.0 チョコレート

灰がかった

̀ョコレート 黄がかった ナ    茶

灰がかった ナ   茶

18.0 20.0

 発色可能範囲は,8〜12%で酸化焼成で施紬 したものの方が発色が良好である。還元焼成で も色素地として可能ではあるが,不明瞭な色調

となる。

④オレソジ顔料

焼成方法 酸 化 焼 成 還 元 焼 成

施  紬 焼  締 施  粕 焼  締

1.0

2.0 ほとんど発色

ケず

ほとんど発色

4.0 ケず

ほとんど発色 ケず

ほとんど発色 ケず

6.0 かすかなクリーム ごくかすかな列一ム

8.0 うすいクリーム わずかにクリーム

10.0 うすいクり一ム うすいクリーム かすかな

N リ ーム 12.0 ク リ ーム ク リ ー ム うすいクリーム 14.0

16.0 うすい黄色

18.0 黄を増した N リ ーム

オレンジがか

チたクリーム 明るいクリーム 20.0

 益子北郷谷土では発色しなかったオレソジ顔 料も信楽水簸土においては,化学分析表にも記

したとおり,Fe203(酸化第二鉄)の含有量が 半分以下であるため,淡い色調ながら12〜16%

で発色している。ただし,酸化焼成で施紬した

ものの方が還元焼成に比べて,色調が冴えてい る。焼締たものは,かなり淡い色調である。

⑤トルコブルー顔料

焼成方法 酸 化 焼 成 還 元 焼 成

施  粕 焼  締 施  粕 焼  締

1.0 2.0

ほとんど発色 ケず

ほとんど発色

ケず ほとんど発色 ケず

ほとんど発色

4.0 ごくか†かに水色力朔力・ったクリーム ケず

6.0

8.0 かすかな水色 水色がかった N リ ーム

かすかな水色 クリームがかっ スうすい水色 10.0

12.0 淡い水色 うすい水色

クリームがか チた水色

14.0

16.0 淡い水色

18.0 うすめの水色 水    色 うすい水色

20.0

 この顔料も信楽水簸土においては,淡い色調 ながら10〜14%の範囲で発色している。

 酸化還元焼成においても,ほとんど変化は認 められないが,還元焼成で施紬したものの方が やや発色が良い。

⑥陶試紅顔料

焼成方法 酸 化 焼 成 還 元 焼 成

施  粕 焼  締 施  成 焼  締

1.0

2.0 ほとんど発色 ケず

ほとんど発色 ケず

ほとんど発色 ケず

ほとんど発色 ケず

4.0 6.0 8.0

ややピンクがか

チたクリーム ク リ ーム ごくかすかな s  ン  ク

クリームがか チたごくうす 10.0 ピンクがかっ 「ピンク

スクリーム

12.0 淡いピンク うすいピンク 14.0

ごくうすい s  ン  ク 16.0

18.0 ピ  ン  ク 淡いピンク

ピ  ン  ク うすいピンク 20.0

 陶試紅顔料も10〜16%oで良好な発色が見ら れる。酸化還元焼成においても変化は認めら れないが,施紬したものの方が発色が冴えてい

る。

 ⑦グレー顔料も5〜10%で良好な発色を示し ている。酸化焼成においては,施粕したものの 方が焼締たものより幾分明るい色調である。

 還元焼成では,酸化焼成に比べて施粕したも のが青味がかった色調となり,味わいがある。

 焼締たものも充分発色している。

(9)

⑦グレー顔料

焼成方法 酸 化 焼 成 還 元 焼 成

施  紬 焼  締 施  粕 焼  締

1.0 ほとんど発色

ケず

ほとんど発色 ケず

2.0

ほとんど発色

ケず ケずほとんど発色

4.0 ごくかすかなグレー ごくかすかなグレー ごくかすかなグレー

6.0 ごくうすいグレー

8.0 うすいグレー かすかなグレー

うすいグレー

ごくうすい O  レ  ー 10.0

12.0 うすいグレー うすいグレー

14.0 グ  レ  ー

16.0 グ  レ  ー

グ  レ  ー 18.0

やや濃いグレー グ  レ ー 20.0

⑧ヒワ顔料

焼成方法 酸 化 焼 成 還 元 焼 成

施  粕 焼  締 施  粕 焼  締

1.0 ほとんど発色せず ほとんど発色せず

2.0

ほとんど発色

ケず ほとんど発色

ケず オ レ ン ジ わずかにオレンジ

4.0 わ棚こオレンジ拗っ燦 くすんだオレンジ オ レ ン ジ

6.0 茶がかったオレンジ くすんだオレンジ

8.0 オレンジがか チた茶

オレンジがか チたべ一ジュ

10.0 うすい茶

12.0 焦    茶

14.0

ややうすい ナ    茶

16.0 ややうすい ナ    茶

濃いべ一ジユ

18.0

緑がかった

ナ    茶 赤味がかった ナ   茶

20」0

 発色可能範囲は,10〜16%で酸化焼成より 還元焼成の方がやや明るい色調となっている が,どちらにせよ,ビワ本来の発色が認められ

ない。

⑨赤茶顔料

焼成方法 酸 化 焼 成 還 元 焼 成

施  粕 焼  締 施  粕 焼  締

1.0 ほとんど発色

ケず

ほとんど発色 ケず

2.0

ほとんど発色 ケず

ほとんど発色 ケず

4.0 わずかにベージュ ごくわずかにべ一ジュ

6.0 うすい肌色 ごくうすい肌色

8.0 淡いオレンジ オレンジがか

チたクリーム うすい肌色

10.0 肌    色

12.0

14.0 黄がかった

Zい肌色 肌    色

16.0

オレンジがか チた濃いめの ラ 一 ジ ュ

オレンジがか チたべ一ジュ 18.0

20.0

赤茶がかった ァ    色

うすい赤茶が ゥった肌色

赤茶顔料は,6〜12%で発色を示している。

 還元焼成の方が赤茶顔料本来の色調に近いが,

これは還元作用で緋色が出ている可能性がある。

酸化焼成で施粕したものの方が,安定した色

調を求めることができる。

⑩海碧顔料

焼成方法 酸 化 焼 成 還 元 焼 成

施  粕 焼  締 施  粕 焼  締

1.0 ほとんど発色

ケず

ほとんど発色 ケず

ほとんど発色 ケず

2.0

ほとんど発色 ケず

4.0 かすかに水色 水色がかった N リ ーム

6.0 かすかな水色 ごくかすかな

?@   色

8.0

10.0 淡い水色 ごく淡い水色

12.0 うすい水色 ややうすい水色

14.0 淡い水色

16.0 水   色

18.0 水    色 濃い水色 水   色

20.0

 発色可能範囲は,酸化焼成で8〜12%で美し い色調が求められる。還元焼成では10〜16%で 発色を示している。両焼成ともに,施紬したも のの方が明瞭な色調となっているが,焼締たも のも渋い色調を求めることができる。

⑪クロ顔料

焼成方法 酸化 焼 成 還 元 焼 成

施  粕 焼  締 施  柚 焼  締

1.0 ごくかすかなグレー ほとんど発色せず ほとんど発色せず ほとんど発色せず 2.0 淡いグレー ごくかすかなグレー かすかなページュ ごくか†かなべ一ジェ

4.0 グ  レ  ー 淡いグレー

6.0

ごくかすかに

ホがかった

O  レ  ー

べ一ジュがか チたグレー

8.0 濃いグレー

グ  レ ー 10.0

12.0 茶がかった黒 14.0

緑がかった O  レ  ー

うすい緑がか チたグレー 16.0 濃いグレー

18.0 焦茶に近い黒

20.0 黒に近いグレー 緑がかった焦茶 黒に近い焦茶

 発色可能範囲は,酸化焼成で10〜14%で黒に 近い発色を示している。還元焼成では10〜18%

でがかった黒に近い発色を求めることができる。

両焼成ともに,焼締たものの方が落ち着い色調 となっている。

〔結 果〕

 信楽水簸土は,化学分析表によるとFe203

(酸化第二鉄)の含有率が1.12%と非常に低い ために,陶土自体の色調がかなり白い。

 そのうえ,土のきめがかなり細かく,焼き上

(10)

下山:窯芸 作陶及び練り込み技法と色素地の研究 がりが金属性に近い固さなので半磁器土ではな

いかと思われる。信楽水簸土自体の色調が白い ため,益子北郷谷土では発色を示さなかったオ レソジ,トルコブルー,陶試紅の顔料も淡いな がら美しい色調をなしている。ただしビワ顔料 においては,本来の色を見ることはできなかっ た。全体的に,やや低い顔料添加率で美しい色 調を呈しており,土の可塑性も失なわれておら ず,焼成後の土の変形も認められない。

〔焼成条件〕

窯一7kW電気炉

焼成時間一12時間

焼成温度一1150℃(SK 3a〜4a)

成焼方法一酸化及び還元焼成 顔料一下絵具11種

粕薬一透明石灰粕

 C.信楽水簸土における酸化金属と諸金属含 有率別の色調及び焼成条件による変化

      (写真9〜11参照)

 ※焼成方法は,酸化焼成のみとした。

①塩化コバルト(CoCI2)

施   柚 焼   締

0.2 かすかに水色を呈する ほとんど発色せず

0.5 淡い水色 かすかに水色

1.0 水色 水色

3.0 グレーがかった青

5.0 群青色

7.0 くすんだ紺

10.0 黒味がかった紺

 塩化コバルトは,0.5%から淡い水色を呈し 5%でかなり濃いブルーの発色を呈した。施紬 したものの方が濃い発色を示している。焼締た ものは,大分色調が落ち着いている。しかし5

%を過ぎると発色は一定化し,土が溶化しはじ め,焼締た土まで光沢を呈した。塩化コバルト においては,5%以上添加すると土が変形する 恐れがあるため,3%以下の添加が望ましい。

②酸化コパルト(CoO)

施   粕 焼   締

0.2 くすんだ水色 水色がかったグレー

0.5 明るい水色 水色

LO 空色 くすんだ水色

3.0 群青色 くすんだ群青色

5.0

7.0 黒味がかった群青色 群青色 10.0

 酸化コバルトは,0.2%から発色しているが 0.5〜3%が安定した色調となっている。酸化 コバルトの場合,塩化コパルト ほとんど同じ 色調を呈しているが,酸化コパルトの方が低い 添加率での発色がみられる。やはり施粕したも のの方が一段と明瞭な色調を呈している。5%

以上になると土に溶化状態がみられるので,3

%以下の添加が望ましい。

 ③炭酸銅(CuCo3)

施   紬 焼   締

0.2 うすい緑色

0.5 部分的に黄緑 ほとんど発色せず

1.0 部分的に黒と緑 べ一ジュ

3.0 灰がかった茶

5.0 7.0

10.0 青味を帯びた黒

 炭酸銅は,0.2〜0.5%で施粕したものだけに 黄緑色を呈し1%でわずかに緑がかっている程 度である。3%以上なると施紬焼締ともに,黒 い発色しか示さなくなる。そのうえ,5%以上 になると土が粕薬を吸収して施粕の効果がない。

また土自体に気泡を発し,変形するため,色素 地としては適さない。炭酸銅を色素地として添 加する際には,1%以下に止め,透明粕を施紬

してはじめて黄緑色を求めることができる。

 ④酸化銅(Cuo)

施   粕 焼   締

0.2 うすい黄緑

0.5 部分的に黄緑 ほとんど発色せず

LO 部分的に黒と茶 黄緑色を帯びたべ一ジユ

3.0 ややうすい黒

5.0 7.0

10.0

一25一

(11)

 酸化銅も炭酸銅と同じく,O. 2〜0.5%の添加 で施紬したものだけに黄緑色を呈した。3%以 上では,施粕焼締ともに黒色を呈した。5%で は,土に大きな気泡を発し,7%以上になると 施粕の痕跡もなくなり,大小様々な気泡を発し,

変形するため,色素地としては適さない。

⑤二酸化マソガソ(MnO2)

施   粕 焼   締

0.2

0.5 わずかに黒い斑点が出る わずかに黒い斑点が出る

1.O 3.0

黒い斑点が光る 黒い斑点が光る

5.0

7.0 斑点の数が多くなリ茶に光る 斑点の数が多くなり茶に光る

10.0 黒っぽい焦茶 黒っぽい焦茶

 二酸化マソガソは,0.2%からマソガソの粒 子が土に飛んでいる状態で,3%以上になると マソガソの粒子が多くなるため黒く光り出す。

 施紬の方がやや濃い色調である。3%からマ ソガソの粒子のため,土の表面が凸凹になり,

5%以上になるとわずかに変化しはじめた。色 素地としては適さない。

⑥酸化クロム(Cr203)

施   紬 焼   締

0.2 べ一ジュ かなりうすいべ一ジュ

0.5 やや濃いベージュ ベージュ

1.0 濃いべ一ジュ やや濃いべ一ジュ

3.0 焦茶 灰がかった焦茶

5.0 7.0

黒味がかった焦茶

焦茶 10.0 わずかに緑がかった焦茶

 酸化クロムは,0.5〜5%まで安定したベー ジュから灰がかった焦茶までの色調を求めるこ とができる。施粕した方が,焼締のものより濃 い色調が求められるが,焼締のものも灰がかっ た落ち着いた土味を求めることができる。5%

以上になると一定化した色調となり,10%でわ ずかに土に溶化状態がみられる。

⑦酸化ニッヶル(NiO)

施   粕 焼   締

0.2 うすいベージュ

0.5 ページュ

べ一ジュ

LO 濃いべ一ジュ やや濃いベージュ

3.0 くすんだ茶

5.0

7.0 濃い茶 くすんだ焦茶

10.0

 酸化ニッケルは,1〜3%で明るいベージュ から茶色まで求めることができる。施粕したも のの方が,やや濃い色調を呈している。5%以 上になると濃いめの茶色となり,一定化した色 調となる。7%でわずかに細かい気泡を発し,

10%で焼締た土に光沢と溶化状態がみられる。

⑧五酸化・ミナジウム(V205)

施   粕 焼   締

0.2 ほとんど発色せず ほとんど発色せず

0.5 灰色 灰色

1.0 ところどころ黄味を帯びた茶 濃い灰色 3.0 黄緑色を帯びた灰色 黄緑色を帯びた灰色

5.0 黄と赤茶

7.0 黒味を帯びた黄 うすい赤茶

10.0 赤茶

 五酸化バナジウムは,1〜10%まで施紬した ものにわずかな黄緑色の部分を呈しているが粕 薬が土に吸収され粕薬本来の光沢が全く失なわ れている。焼締たものも安定した色調が求めら れない。3%oから施紬したものの表面に細かい 気泡があらわれ,5%からは,焼締たものにも 気泡があらわれ変形を起こしている。

⑨珪酸鉄

施   柚 焼   締

0.2

0.5 ほとんど発色せず ほとんど発色せず

1.0

3.0 うすいねずみ色 うすいねずみ色

5.0 ねずみ色 ねずみ色

7.0

茶がかったねずみ色 茶がかったねずみ色 10.0

珪酸鉄は,3〜10%で安定したねずみ色の色

一26一

(12)

下山:窯芸 作陶及び練り込み技法と色素地の研究 調が求められる。施紬したものの方が濃い色調

となっているが焼締も充分可能である。10%ま で添加しても,土の可塑性を失なうことなく,

焼成後の変形も認められない。

⑩酸化第一鉄(FeO)

施   粕 焼   締

0.2

0.5 ほとんど発色せず ほとんど発色せず

LO

3.0 うすいねずみ色 うすいねずみ色

5.0 ねずみ色 赤味がかったねずみ色

7.0

10.0 やや濃いめの茶

 酸化ag−一鉄は,3〜10%まで安定した茶がか ったねずみ色を求めることができる。3%まで は,珪酸鉄とほぼ同色である。施紬したものの 方が濃い色調となっているが,焼締たものも土 の味わいが良くでている。ただし7%以上にな ると土自体に光沢があらわれ,わずかではある が溶化状態がみられるため,5%以下の添加が 望ましい。

⑪酸化第二鉄(Fe203)

施   紬 焼   締

0.2 0.5

ほとんど発色せず ほとんど発色せず

1.0 うすいべ一ジュ ややべ一ジュ

3.0 赤茶 うすいえんじ色

5.0

7.0 焦茶 えんじ色

10.0 濃いえんじ色

 酸化第二鉄は,3%でうすい茶色を 5%で 施紬したものに焦茶を,焼締たものは,えんじ 色を求めることができる。施紬焼締ともに安定 した色調が求められる。10%添加しても,可塑 性を失うことなく土自体の変形もないが,5%

から色調が同じであるため,5%o以下の添加で 充分可能である。

⑫黒浜

施   紬 焼   締

0.2 ほとんど発色せず ほとんど発色せず

0.5 粒子がとび淡いねずみ色 粒子がとび淡いねずみ色

1.0 ややねずみ色がかってくる かすかなねずみ色

3.0 うすいねずみ色 うすいねずみ色

5.0

7.0 ねずみ色 ねずみ色

10.O

 黒浜は砂鉄であるため,粒子がかなり大きく 黒い斑点となって焼きあがる。3〜10%でねず み色を呈している。施紬したものの方がやや濃 い色調で,粒子が焼締に比べて出ている。

 10%添加しても,土の可塑性を失うことなく,

変形も認められない。

⑬黄土

施   粕 焼   締

02

0.5 ほとんど発色せず ほとんど発色せず

1.0

3.0 やや黄色を帯びたべ一ジュ やや黄色を帯びたべ一ジュ

5.0 赤味を帯びたべ一ジュ 赤味を帯びたべ一ジュ

7.0 うすい赤茶

10.0 金茶 べ一ジュ

 黄土は5%でやや黄色を帯びたベージュ色を 10%で施粕したものにうすい茶色を呈している。

焼締たものはかなり淡い色調のベージュ色が求 められるが,色素地として10%でも色調がうす

すぎる。

〔結 果〕

 顔料を添加した色素地に比べて,金属類はか なり低い添加率で明瞭な色調を求めることがで きる。鉄系以外の金属類は,5%以上添加する と土に気泡や凸凹の変化があらわれ焼成に耐え なくなる。また色素地に使用するに適さないも のとして,銅系,二酸化マソガソ,五酸化バナ ジウムがあげられる。コバルト系,酸化クロム,

酸化ニヅケルは,3%以内で安定した色調を求 めることができる。鉄系は,5%以内で安定し

一27一

(13)

た色調を呈するが,似かよった色調が多いので 代用が可能である。施粕したものの方が濃く発 色するが,焼締たものもかなり美しい色調を呈

している。

〔焼成条件〕

窯一20kW電気炉 焼成時間一12時間

焼成温度一1250℃(SK 8〜9)

焼成方法一酸化焼成 金属類13種

粕薬一4号透明粕

4 練り込み技法の制作工程  練り込み技法のテストピースと作品には,益 子北郷谷土と信楽水簸土の他に,陶土を3種使 用した。

 a.信楽荒目土一水簸土よりきめは荒いが,鉄 分は少なく,色調は水簸土とほとんど変らない。

 b.信楽江田山土一水簸土よりもややきめが 荒く,色調は水簸土よりやや黄色っぽい。

 c.信楽江田山赤土一信楽江田山土に鉄分が 多量に混入されており,色調は焦茶色である。

1)縞模様 (写真一12)

2)市松模様 (写真一13)

3) 市松模様応用 (写真一15)

4)四角模様 (写真一15)

5)菊模様 (写真一16)

※右一焼締,左一4号粕施紬

一28一

(14)

下山:窯芸 作陶及び練り込み技法と色素地の研究

6)菱形模様 (写真一17)

 1) 縞模様制作工程     (写真一12)

      

 ・素地一信楽水簸土・ドベー酸化クロム添加  ・顔料一酸化クロム0.2〜5%

 ①グラデーションに発色する様に5色の色素 地を作り,たたら板2枚の厚みで切る。

 ②ドベを塗りながら濃い順に重ねる。

2) 市松模様        (写真一13)

 ・素地一信楽荒目土。ドベークP顔料添加  ・顔料一グレー顔料8%

①グレー素地と白素地で縞模様を作る。

②縞模様の陶土をたたら板で切り,左右にず らしながらドベを塗り重ねる。

 3) 市松模様応用      (写真一14)

 ・素地,ドベ,顔料とも(2)と同様  ①グレー素地と白素地で縞の角柱を作る。

 ②角柱の側面にドベを塗り縞を縦横に張り合 わせる。

した2色の土にドベを塗り,一巻きし,板でた たき四角柱にする。

 ③四角柱の側面にドベを塗り色を交互に張り 合わせ,その囲りをチョコレートの淡い素地で

くるむ。

 5) 菊模様         (写真一16)

 ・素地一信楽荒目土 ・ドベー白化粧土  ・顔料一チョコレート顔料2〜8%

     酸化クロム5%

 ①チョコレートの淡い色素地にドベを塗り,

棒状に伸ぽした酸化クロム素地を芯に巻く。こ れを12本作り,板をのせて細い扇形にする。

 ②①の側面にドベを塗り,円になる様12本を 張り合わせ,中心をくり抜き,酸化クロム素地 を埋め込み花芯にする。

 ③②の囲りにドベを塗り,チョコレートの濃 い色土でくるむ。

 6)菱形模様        (写真一17)

 ・素地一信楽江田山土 ・ドベー江田山土  ・顔料一クロムグリーソ顔料 12%

     グレー顔料 6%

 ①クロムグリーソとグレーの素地を作り,そ れぞれ同じ太さの四角柱に切る。

 ②四角柱を斜めに二等分し三角柱に切る。

 ③三角柱が同色に向き合い菱形となる様にド ベを塗りながら張り合わせる。

 4) 四角模様        (写真一15)

 ・素地一信楽江田山土  ・ドベー江田山土  ・顔料一チョコレート顔料 4〜14%

     赤茶顔料12%

 ①チョコレート素地を濃淡2種と赤茶素地と 白素地を作り,チョコレートの濃い素地と赤茶 素地をたたら板1枚の厚みで切る。

 ②棒状に伸ばした白素地を芯に①でスライス

※ドベー陶土を水でといて糊の変りとする物

5 練り込み作品

7)縞模様角皿 (写真一18)

・素地一益子北郷谷土 ・ドベー古代呉須添 加 ・顔料一古代呉須1〜5%

一29一

(15)

8) 縞模様モーニッグカップ (写真一19)

 ・素地一信楽江田山土,信楽江田山走土  ・ドベー江田山土

 7)は,6色の呉須のグラデーションの縞で,

凸形の石膏形に被せて作ったもの。

 8)は,江田山土,江田山土と江田山赤土を半 量ずつ混ぜた土,江田山赤土の3色の縞で,円 柱の石膏型に巻きつけ底を張ったもの。

程にスライスし円筒に巻きつけ筒状にする。

 ②ろくろの上で底を水引きしておき,その上 に①をのせてそれぞれの形にろくろびきする。

 ③生乾きのうちに,カンナで表面を削る。

      (写真一21)

9) 右一うずら模様角皿   左一矢羽根模様角皿

(写真一20)

 ・素地一信楽江田山土,信楽江田山赤土  ・ドベー江田山土

・うずら模様角皿 (写真一右)

 ①8)の要領で3色の縞模様を作る。

 ②横縞に置き,2〜3mmの板で直角に押し 切り,強く圧縮する。

・矢羽根模様角皿 (写真一左)

 ①うずら模様を作る際に,切る幅を倍にして 2〜3mmの板で押し切り圧縮する。

 ②①を上下逆さまにして同じ板で押し切り,

強く圧縮する。

 ③うずら模様,矢羽根模様とも凸型の石膏型 に被せて角皿にする。

10)右一うずら模様花器 (写真一21)

  左一矢羽根模様小壺

・素地,ドベともに 9)と同様。

①9)のうずら模様,矢羽根模様の土を15mm

11) 縞模様小壷 (写真一23)

12) 縞模様壷 (写真一23)

 11),12)素地,ドベともに10)と同様  ①10)縞模様を江田山土,江田山土と江田山赤 土を半量ずつ混ぜた土,江田山赤土で作る。

 ②10)の②,③と同様

一30一

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