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線形代数学1 ( 及び演習 )

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(1)

線形代数学1 ( 及び演習 )

水曜

2

(10:4012:10) K602

担当教員

:

加塩 朋和 研究室

: 4

号館

3

E-mail : kashio tomokazu@ma.noda.tus.ac.jp

教科書・参考書

線形代数の教科書は数多くある. いくつか手に取ってみて, 自分に合うものを見つける ことを推奨する

.

なお

,

本講義は以下に沿って進む

.

吉野雄二著「基礎課程 線形代数」サイエンス社

目次

(

予習の際の参考にしてください

)

1

導入

5

1.1

代数学と演算

. . . . 5

1.2

線形代数学で扱う問題

. . . . 6

1.3

集合の復習

. . . . 7

1.4

写像

. . . . 7

2

数ベクトル空間

(1) 9 2.1 R

上の数ベクトル空間

. . . . 9

2.2

一次独立性

. . . . 10

3

数ベクトル空間

(2) 13 3.1

実ベクトルの内積

. . . . 13

3.2

空間ベクトルの外積

. . . . 15

3.3

一般の体上の数ベクトル空間

. . . . 16

4

行列

(1) 17 4.1

行列の定義

. . . . 17

4.2

零行列

,

単位行列

,

行列単位

. . . . 20

5

行列

(2) 21 5.1

転置行列

,

トレース

. . . . 21

5.2

線形写像としての行列

. . . . 22

(2)

6

行列

(3) 25

6.1

逆行列

,

正則行列

. . . . 25

6.2

問題の略解

. . . . 26

6.3

補足: 体

. . . . 26

6.4

補足

:

一対一対応

,

全単射と逆写像の存在

. . . . 27

7

前期中間試験

29 7.1

略解

. . . . 31

7.2

多い間違い

. . . . 32

8

平面・空間の線形変換

(1) 33 8.1 2

次行列の逆行列

. . . . 33

8.2

平面の回転

. . . . 33

8.3

平面の鏡映

. . . . 34

8.4 “形を変えない”

線形変換

. . . . 36

9

平面・空間の線形変換

(2) 37 9.1

直交行列

. . . . 37

9.2

複素平面

. . . . 38

9.3 3

次行列の逆行列

. . . . 39

10

行列式の定義

41 10.1

置換

. . . . 41

10.2 n

次行列の行列式の定義

. . . . 42

10.3

置換の符号の計算方法

. . . . 43

11

行列式の性質

(1) 45 11.1

準備

. . . . 45

11.2

行列式の

特徴付け

. . . . 45

12

行列式の性質

(2) 49 12.1

行列式の一般的性質

. . . . 49

12.2

積と行列式

. . . . 51

13

行列式の性質

(3) 53 13.1

余因子展開

. . . . 53

13.2

逆行列

. . . . 55

14

前期内容の補足

57 14.1

色々な行列式の計算

. . . . 57

14.2

問題の略解

. . . . 57

(3)

15

前期期末試験

61 15.1

略解

. . . . . 63

16

掃き出し法

(1) 65

16.1

連立方程式の

同値変形

. . . . 65 16.2

基本行列と行列の行基本変形

. . . . 66

17

掃き出し法

(2) 69

17.1 “連立方程式の同値変形”

“行基本変形”

の関係

. . . . 69 17.2

掃き出し法を使った連立方程式の解法

. . . . 71

18

掃き出し法

(3) 73

18.1

掃き出し法を使った逆行列の求め方

. . . . 75

19

掃き出し法

(4) 77

19.1

行列のランク

. . . . 77

20

ベクトル空間

(1) 81

20.1 (

抽象

)

ベクトル空間の定義と例

. . . . 81 20.2

一次結合, 一次従属, 一次独立

. . . . 83

21

ベクトル空間

(2) 85

21.1

部分空間

. . . . 85 21.2

生成系

. . . . 87

22

ベクトル空間

(3) 89

22.1

基底と次元

. . . . 89 22.2

基底の延長定理

. . . . 91

23

後期中間試験

93

23.1

略解

. . . . 95

24

線形写像

(1) 97

24.1

基底変換

. . . . 97 24.2

数ベクトル空間の基底

. . . . 98 24.3

線形写像の定義

. . . . 99

25

線形写像

(2) 101

25.1

ベクトル空間の同型

. . . . 101 25.2

可換図式

. . . . 103 25.3

線形写像の行列表現

. . . . 104

(4)

26

線形写像

(3) 105 26.1

基底変換と行列表現

. . . . 107

27

線形写像

(4) 109

27.1

線形写像の像と核

. . . . 109 27.2

線形写像と行列のランク

. . . . 110 27.3

小行列式とランク

. . . . 112

28

連立一次方程式の解集合

113

28.1

同次連立一次方程式の場合

. . . . 113 28.2

非同次の場合

. . . . 114 28.3

クラメールの公式

. . . . 116

29

補足

117

29.1

問題の略解

. . . . 117

30

後期期末試験

121

(5)

1 導入

1.1

代数学と演算

代数学 を大まかに説明すると

演算が定義されている集合

の性質を学ぶ学問である

.

ここで集合

S

上で定義される 演算

とは

S

の任意の二元

a, b

に対し

abS

を定めるルール

のことである

(

他の種類の演算と区別するために

内部二項演算

とも呼ばれる

).

例えば

,

以下のような

数のなす集合

上には

,

良く知られた演算が定義されている

.

自然数全体のなす集合

N:={1,2,3, . . .}

には二種類の演算

+,×

が定まる

.

整数全体のなす集合

Z:={0,±1,±2,±3, . . .}

には三種類の演算

+,,×

が定まる.

有理数全体のなす集合

Q :={mn | m, nZ, n̸= 0}

には三種類の演算

+, , ×

が 定まる

.

実数全体のなす集合

R

,

複素数全体のなす集合

C

も同様

.

数のなす集合

以外にも演算は定義できる

.

例えば

,

実数係数多項式全体のなす集合

R[X] :={a0+a1X+a2X2+· · ·+anXn |a0, a1, a2. . . , anR, n= 0,1,2, . . .}

には三種類の演算

+,, ×

が定義される

.

注意

1. N

には演算

+

は定義されているが, 演算

は定義されていない.

∵ 二つ自然数

m, nN

を取ってきたとき

(

明らかに

) m+n N

が定まっている

.

よっ て

+

N

上の演算だと言える

.

一方

mn N

とは限らない

.

例えば

23/ N.

同様にして,

Z

には演算

×

は定義されているが, 演算

÷

は定義されていない, 等も分かる.

注意

2.

厳密な意味での演算として

割り算

÷

を考える場合には注意が必要である

.

た とえば

実数の割り算

を考えるとき『

R

の任意の二元

a, b

に対し

a÷b R

』が定まっ ているわけではない

(例えば a = 1,b = 0).

これは

“割り算”’

“掛け算の逆操作”

とし て定義されている一方で『

0

倍は非可逆操作』だからである

.

外部からの演算

外部二項演算

を考える場合もある

.

これは二つの集合

S, G

に関して 任意の元

g G, aS

に対して

ga S

を定めるルール

のことである

.

例えば

S :=R, G:=

二次関数全体のなす集合

={f(X) = aX2+bX+c| a, b, c R, a̸= 0}

とおけば, 任意の

x R, f(X) G

に対して

“代入”

という外部二項

演算

f x:=f(x)R

が定まる

.

(6)

1.2

線形代数学で扱う問題

まず

R

の演算は

,

大変に

都合が良い

計算法則をもつことを確認しよう

.

足し算や掛け算は計算の順番によらない

.

例えば

(3 + 4) + 5 = 3 + (4 + 5).

掛け算は足し算に

“分配”

される. 例えば

5×(2 + 3) = (5×2) + (5×3).

注意

3. R

の計算法則の証明は

,

実は大変難しい

.

例えば

a, b, c, dR

に対して

a+b=b+a, (cd)a=c(da), c(a+b) = (ca) + (cb), (c+d)a = (ca) + (da).

などが成り立つ

.

これらを

証明

できるか考えてみよ

.

実数と平面ベクトルの間にも

演算

が定まり

,

いくつかの計算法則が成り立っている

. R2 := “

平面ベクトル全体のなす集合

” =

{ x=

[ x1 x2 ]

|x1, x2 R }

とおくと

R2

には和

+

が定まる:

x,yR2

に対し

x+yR2.

R

R2

にはスカラー倍

·

が定まる

: αR, xR2

に対し

α·xR2.

αR, x,yR2

に対し

x+y=y+x, α·(x+y) = (α·x) + (α·y)

などの法則が 成り立つ

.

練習問題

4.

さらに行列との演算も絡んでくる

. M2×2(R) :=

{ A=

[ a b c d ]

|a, b, c, dR }

とおく

. α R,x,yR2,A, B M2×2(R)

に対し

,

以下に答えよ

.

1.

α·A, A·x, A·B,

内積

x·y,

和と差

A+B, AB

の定義を復習せよ

.

2. “割り算” A÷B

はどのように定義するべきか考えよ. また, それが常に定義できる

か考えよ

.

3.

法則

A+B =B+A, A·B =B·A, A·(x+y) = (A·x) + (A·y), (A+B)·x= (A·x) + (B ·x)

のうち, 成り立っているものはどれか答えよ. また, 成り立たない ものは反例を挙げよ

.

この授業では

平面ベクトル全体の集合

R2

を一般化した

数ベクトル空間

”, “

抽象ベクトル空間

(7)

二次正方行列

[

a b c d ]

を一般化した

一般サイズの行列

”, “

線形写像

などを扱い, そこでの演算に関する法則など代数的な性質を学ぶ予定である. たとえば以 下のような問題の

一般化

を考えていく

.

AM2×2(R), xR2

に対し

,

A·x,

逆行列

A1

意味

性質

”.

A M2×2(R),y R2

が与えられたとき

, A·x=y

を満たす

x R2

はいつ存在す るか. また存在するとき, そのような

x

の求め方.

1.3

集合の復習

以下の記号の定義を確認し

,

分からなければ復習しておくこと

. xA, x /A, AB, AB, AB, AB.

なおこの授業では

,

記号

AB

A B

の意味で使う

.

練習問題

5.

以下がそれぞれ同値な命題

(

または定義そのもの

)

であることを確認せよ

.

た だし

A, B

は集合とする.

1.

xA

{x} ⊂A

2.

AB

xA

なら

xB

x /B

なら

x /A

3.

『x

AB』

『x

A

かつ

xB』

4.

xAB

xA

または

xB

1.4

写像

この授業で扱う写像の性質をまとめておく. これらは『基礎数学』で詳しく学ぶ予定.

定義

6. A, B

を集合とする

.

このとき

f

A

から

B

への 写像 であるとは

,

任意の

xA

に対してただ一つ

yB

を対応させるルールのことである. 記号では

f:A B, y =f(x), x7→y

などと書く

.

また

A, B

,

それぞれ写像

f

の 定義域

,

値域 と呼ぶ

.

練習問題

7.

関数は写像の一種である

.

実際に以下を確かめよ

.

1. f(x) := x3

g(x) :=|x|

R

から

R

への写像である

. 2. h(x) :=

x

(0,)

から

(0,)

への写像である. ((0,

) := {xR|x >0}.)

(8)

3. h(x) :=

x

(0,)

から

R

への写像にもなる

. 4. h(x) :=

x

R

から

R

への写像にはならない

.

略解

. 2.

x >0h(x) =

x >0

がただ一つ定まる』より

(0,)

から

(0,)

への写像

. 3.『x >0 h(x) =

xR

がただ一つ定まる』より

(0,)

から

R

への写像.

4.

x R h(x) =

x R

がただ一つ定まる』の反例を言えばよい

.

たとえば

x =

1R

に対し

1/ R

である

.

練習問題

8.

以下を確かめよ

.

1.

任意の実数

aR

に対し

“a

倍写像

”: RR, x7→ax

が定まる

.

2.

任意の行列

AM2×2(R)

に対し

“A

倍写像

”: R2 R2,x7→A·x

が定まる

.

定義

9. A, B, C

を集合とする

.

1.

写像

f: AB

“x, y A, x̸=y

なら

f(x)̸=f(y)”

を満たすとき

, f

は 単射 で ある

,

という

.

これは条件

“x, y A,f(x) =f(y)

なら

x=y”

と同値

(

∵ 対偶

).

2.

写像

f: AB

任意の

yB

に対して

y =f(x)

となる

xA

が存在する

を 満たすとき,

f

は 全射 である, という.

3.

写像

f

が全射かつ単射であるとき,

f

は 全単射 である, という.

4.

写像

f: A B, g: B C

に対して, その 合成写像

gf: A C

g f(x) :=

g(f(x))

で定める

.

注意

10.

写像

f: AB

が全単射であることと

,

条件

任意の

yB

に対して

y=f(x)

となる

xA

がただ一つ存在する

は同値である

.

∵『

f

が全射

“任意の y B

に対して

y = f(x)

となる

x A

が存在する”』. さら に『

f

が単射

“y = f(x)

となる

x A

(

高々

)

ただ一つだけである

.

とくに全 単射な写像

f: A B

に対して

,

その 逆写像

f1: B A

が『任意の

y B

に対して

y=f(x)

となるただ一つの

xA

をとり,

f1(y) :=x

とおく』により定まる.

練習問題

11. 1.

問題

7-1

f

は全単射であることを確かめよ.

2.

問題

7-1

g

は単射でも全射でもないことを確かめよ

.

3.

問題

7-2

h: (0,)(0,)

は全単射であることを確かめ

,

その逆写像を求めよ

. 4.

問題

7-3

h: (0,)R

は単射ではあるが全射でないことを確かめよ

.

略解

. 2. (

単射でない

)g(x) = 1

となる

x

が二つ

1,1

ある

. (

全射でない

) g(x) =1

と なる

x

がない. 3. 逆写像は

h1(x) =x2.

練習問題

12.

同値『問題

8-1

“a

倍写像” が全単射

a ̸= 0』を確かめよ.

参考問題

13.

問題

8-2

“A

倍写像” が全単射になるための必要十分条件を答えよ.

(9)

2 数ベクトル空間 (1)

2.1 R

上の数ベクトル空間

実数全体のなす集合

R

には

“足し算+,

引き算

,

掛け算

×, (零以外での)

割り算

÷

が定義されている”.

このことを強調するために

, R

のことを 実数体 と呼ぶことがある

. “

同様の性質

を持つ

C

は 複素数体,

Q

は 有理数体 と呼ばれる.

定義

14. n N

に対し 実数体

R

上の

n

次元数ベクトル

,

または

n

次元実ベクトル とは

,

実数を

n

個縦に並べた列

a=

a1 a2 ... an

(a1, a2, . . . , an R)

のことである. 例えば

1

3

2 3.14

4

次元実ベクトルである.

n

次元実ベクトル全体のなす集合を

Rn

で表し 実数体

R

上の

n

次元数ベクトル空間

,

または

n

次元実ベクトル空間 などと呼ぶ

.

すなわち

Rn:=

a1 a2 ... an

|a1, a2, . . . , an R

である. なおベクトルと区別するために,

R

の元は スカラー などと呼ばれる. この授業で はベクトルは太字

(a,b,c,x,y

など

)

で表し

,

スカラーと区別する

.

定義

15. (同じ次元の)

二つの実ベクトル

a,b Rn

の和と, 実ベクトル

a Rn

のスカ ラー

cR

倍を以下で定める

.

a =

a1 a2 ... an

, b=

b1 b2 ... bn

に対して

a+b:=

a1 +b1 a2 +b2

... an+bn

,

cR, a=

a1

a2 ... an

に対して

ca:=

ca1

ca2 ... can

.

練習問題

16. a,b Rn, c, dR

に対して, 以下の計算法則が成り立つことを示せ.

a+b=b+a, (cd)a =c(da), c(a+b) = (ca) + (cb), (c+d)a = (ca) + (da).

ただし実数体

R

で同様の法則

(

注意

3)

が成り立っていることは使ってよい

.

(10)

定義

17.

数ベクトル空間

Rn

の元

0 :=

0 0 ... 0

及び

e1 :=

1 0 ... 0

, e2 :=

0 1 ... 0

, . . ., en :=

0 0 ... 1

には

,

それぞれ 零ベクトル

,

及び 基本ベクトル という名前が付いている

.

2.2

一次独立性

定義

18.

実ベクトル

a1,a2, . . . ,am Rn

とスカラー

c1, c2, . . . , cm R

を使って

m i=1

ciai =c1a1 +c2a2+· · ·+cmam

の形に書ける実ベクトルを

, a1,a2, . . . ,am

の 一次結合 と呼ぶ

.

たとえば

a1 :=

[ 1 1 ]

, a2 :=

[ 0 1 ]

に対して

c:=

[ 3 2 ]

= 3a1+ (1)a2

a1,a2

の一次結合である

.

基本問題

19. 1. a:=

[ 1 2 ]

, b:=

[ 2 1 ]

の一次結合として

c :=

[ 7 8 ]

を表せ.

2.

任意の実ベクトルは基本ベクトルの一次結合として表せることを示せ

.

3. a:=

1 1 0

, b:=

0 1 1

の一次結合として

c:=

1 1 1

は表せない

.

これを示せ

.

略解

. 1. xa+yb =c

となる

x, y R

を見つければよい

.

代入すると

[

x+ 2y 2x+y ]

= [

7 8 ]

,

すなわち連立方程式

{x+ 2y= 7 2x+y= 8

を解けば良いことが分かる

.

この解は

x = 3, y = 2

なので

c= 3a+ 2b.

2. a =

n i=1

xiei

となる

xi R

があればよい

. a=

a1 a2

... an

に対し

xi :=ai

が題意を満たす

.

3. xa+yb=c

となる

x, y R

が存在しないことを示す. 代入すると

x x+y

y

=

1 1 1

ある

.

上段と下段より

x=y = 1

だが

,

これは中段の式を満たさない

.

よって解無し

.

(11)

定義

20.

実ベクトル

a1,a2, . . . ,am Rn

が 一次従属 であるとは, 少なくとも一つは

0

ではないスカラー達

c1, c2, . . . , cm R

が存在して

m i=1

ciai =0

が成り立つことである

.

なお

,c1, c2, . . . , cm

のうち少なくとも一つは

0

ではない場合の式

m

i=1ciai = 0

のことを

a1,a2, . . . ,am

の 自明でない一次関係式

,

全ての

ci = 0

の場合の 式

m

i=10ai = 0

を 自明な一次関係式 と呼ぶ. 実ベクトル

a1,a2, . . . ,am Rn

が一次従 属でないとき

,

一次独立 である

,

という

.

すなわち

a1,a2, . . . ,am Rn

が一次従属

a1,a2, . . . ,am

は自明でない一次関係式を持つ

, a1,a2, . . . ,am Rn

が一次独立

a1,a2, . . . ,am

は自明でない一次関係式を持たない

命題『c

1, c2, . . . , cm R,

m i=1

ciai =0

なら

c1 =c2 =· · ·=cm = 0』が成り立つ.

基本問題

21. 1. a1 :=

[ 1 1 ]

,a2 :=

[ 0 1 ]

, a3 :=

[ 3 2 ]

は一次従属であることを示せ

.

2. a1 :=

1 0 0

,a2 :=

0 1 0

, a3 :=

1 1 1

は一次独立であることを示せ.

3. a1 :=

[ 2 1

]

,a2 :=

[

1 3

]

, a3 :=

[ 5 1

]

,

一次従属か一次独立か答えよ

.

またそれ を示せ

.

略解

. 1.

自明でない一次関係式

xa1 +ya2 + za3 = 0

を見つければよい

.

代入して

[

x+ 3z x+y+ 2z

]

= [

0 0 ]

.

非自明な解として

,

例えば

x = 3, z = 1, y = 1

があるので

3a1a2 a3 =0.

よって一次従属

.

2.

命題『x, y, z

R, xa1+ya2+za3 =0

なら

x=y =z = 0』を示せばよい.

条件に代 入して

x+z y+z

z

=

0 0 0

.

これを解いて

x=y=z = 0

を得る

.

練習問題

22. a,b Rn

に対し, 以下の同値を示せ.

1. a

が一次独立

a̸=0.

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