現代数学への流れ
浪川 幸彦 May 2, 2007
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数の近似
1.2 小数計算と誤差の評価
1.2.1 例題(訂正)
前回のlog107の計算で誤差評価の一部に間違いがありました(ご指摘に感謝します)。
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2log1048 = 0.8408−5×10−4;(誤)−→ 12log1048 = 0.8408−2×10−4;(正)
1.3 反復法[前回の「方程式の近似解法」を改訂]
方程式f(x) = 0の解を求める問題を考える。どんな場合にも適用できる,一般的な方法
として「一次補間法」と「ニュートン法」がある。
いずれにせよ,これは関数y= f(x)を近似して,得られるものなので,本質的には後半 の話題である。したがってここでは最も簡単な場合の記述にとどめる。
1.3.1 一般論
方程式f(x) = 0を変形して,x=F(x)とし,xn+1 =F(xn) (n = 0,1,2, . . .)という反復 計算で解を求める方法を,反復法とよぶ。
Proposition 1.3.1. F(x)が連続的に微分可能であるとする(F0(x)が存在して連続)。αを一 つの解とするとき,ある正数r <1に対し,x0とαとの間で|F0(ξ)| ≤rが常に成り立つな らば,数列xnはαに収束する。
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IM07s-4 2 α = F(α)に注意して,平均値の定理を用いれば,x0 と αとの間のある ξ に対して|(x1 − α)/(x0−α)|=|F0(ξ)| ≤r < 1. これを繰り返すと|(xn−α)/(x0 −α)| ≤rnが得られ,こ れは0に収束する。
1.3.2 挟み打ち法(一次補間法)
関数f(x)が連続で,f(a) >0, F(b)<0 (a < b)であるとすれば,中間値の定理から,方程 式f(x) = 0の実解がaとbとの間に少なくとも一つある。a0 =a, b0 =b と置き,
c1 = b0f(a0)−a0f(b0) f(a0)−f(b0)
と置く。もしf(c1)>0ならばa1 =c1, b1 =b0,f(c1)<0ならばa1 =a0, b1 =c1 として以 下同様に続ける。明らかにa0 ≤a1 ≤a2 ≤. . .≤b2 ≤b1 ≤b0.
Proposition 1.3.2. 上のc1 は(a, f(a))と(b, f(b))とを結ぶ直線がx−軸と交わる点のx座標 である。
定義(および上限公理)から,anはあるαに,またbnはあるβに収束する。
Theorem 1.3.3. 上の仮定と記号法の下に
f(α) = 0,またはf(β) = 0.
証明は難しくないが,やや面倒なのでここでは行わない。どちらが解に近づくか分からない ので,試行錯誤法(regula falsi)ともよばれる。
ここではより単純で,それ故良い評価が得られる場合を考えよう。
すなわちさらに考えている区間で f0(x) < 0, f00(x) > 0 であるとする。するとこのグラフ y=f(x)は下に凸である。したがってan =a0は一定で,bnが変わっていくことが分かる。
そこでβ = limn→∞bnが求める解となる(条件から,この区間にある解はただ一つである)。
これは,
F(x) = xf(a)−af(x) f(a)−f(x) としたときの反復法にあたる。計算により
F00(β) = 1 2
(a−β)2f00 f(a) .
f(a)∼(a−β)f0(β)だから,aをあらかじめ十分βに近く取っておけば,F0(β)<1と取れ る。
これは数表の間の値を補間するときなど,関数がもう1次関数に十分近い場合によく使わ れる。
この方法は,関数の値のみを用いるので,簡単である。
IM07s-4 3 誤差が大きいときは3個の値を用いる2次補間を使う場合もあるが,計算が複雑になる割 には収束が早くならない。むしろ一次補間を繰り返す方がよい場合が多い。
Remark. 一般にn+ 1個の点を定めて,そこで値が一致するようなn次多項式を求めること
ができる(Lagrangeの補間法)(後述)。
1.3.3 ニュートン法
f(x)とともにf0(x)6= 0が計算できる場合に用いられる,より収束の早い方法としてニュー トン法が知られている。これは,f(x)を,(a, f(a))での接線
y=f(x) =f(a) +f0(a)(x−a) で置き換えるものである。すると新たな近似値として
a1 =a− f(a) f0(a) が得られる。
これはF(x) = x−f(x)/f0(x)とした反復法である。するとF0(x) = f(x)f00(x)/(f0(x))2, F0(α) = 0であることから,f0(α)6= 0, f 00(α)6= 0ならば,αの近くで,F0(x)<1となるよ うな近似値が求められるとき,それから出発すると,2位の速さで収束する近似列が取れる。
1.3.4 割線法
最も新しい近似値と,その前の近似値とから次の近似値を作る方法。すなわち 1.a0, a1 を,方程式f(x) = 0の解αの二つの良い近似値とする。
2.n= 1,2,3, . . .に対し,次の反復を行う:
an+1 =an−f(an) an−an−1
f(an)−f(xn−1). 3.見積もった誤差に達したら終了する。
これの極限がニュートン法であると考えられるが,この方が(f0(x)を使わないので)計算 が簡単で,しかも場合によっては収束が速い。
ゴールデンウィークの宿題(再記)
次々回講義(5月9日)までの間に,何でも結構ですから(ただし教科書,演習書,雑誌 記事の類はダメ),数学に関する本を1冊読み,それについてレポートを書いて下さい(選 んだ理由,内容の紹介,内容に対する意見,そこから自分の得た新たな知見・考え方等)。
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・長さはA4レポート用紙2〜3枚(ワープロ印刷),3〜5枚(手書き)程度(もっと長くて もいい)。提出は5月9日授業時。電子メールによる提出も可(ただしファイル様式はpdf,
MSWordのいずれか)。
・電子メールで送る際,すぐ分かるようにsubject欄には学生番号を記入してください。
・電子メールで受け取ったときは必ず受領した旨の返信メールを出します。したがって送っ てから3日経っても受領の返事が来ない場合には未着の可能性があるので,確認のメールを 出すか,再送信してください。
・レポートには学生番号・氏名および読んだ本の著者名・書名・出版社名を最初に必ず明記 してください。
・このレポートは返却しません。
#ワープロと手書きとでの枚数の差について質問がありました。これは手書きの方が必然的 に文字が大きくなるため,レポートの字数を揃えるための措置です。手書きでワープロ並み の大きさで書かれると,とても読みにくいので,その場合には文字を大きくして,枚数を増 やしてください。
連絡先
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