オーストリア
ポケットガイド
www.austria.info ヨーロッパの中心に位置し、歴史上に一大帝国を築き上げたオーストリアは、 現代においても豊かで多彩な文化が、大都市や小さな地方都市にも、 そしてアルプスの村々にも息づいています。人々のライフスタイルや文化探訪、 美味しい郷土料理、雄大な山々や澄みきった湖での体験を通して、 オーストリアで至福の休日をお過ごしください。FO TO © Öst err eich W erbung/Kristina K ulak ova (Cover) w w w .bigshot.at/Christian Jungwir th, Öst err eich W erbung/E va Mayrhuber , W ienT ourismus/P et er Rigaud, T ourismus Salzbur g GmbH, Gr az T ourismus/Harr y Schiffer/T oni Muhr , TVB Innsbruck/Christ of Lackner 私たちの時代は、技術開発と社会の変化に駆り立てられて います。成果を出すためのさらなる重圧、厳しい時間の制約 や他の様々なストレスは、自分の存在を無視されたような 無力感さえもたらすこともあります。 オーストリアの多様な自然と文化が上手に共存している地域 では、自然な時の流れに身をまかせ、元々の自分自身のテンポ を取り戻すことができます。 オーストリアの滞在では、本当の自分との出会いのために ゆったりとした時間を取ってください。 ペトラ・シュトルバ オーストリア政府観光局本局長
日本の皆様へ
発行:オーストリア政府観光局 Austrian National Tourist Office
編集&デザイン:株式会社東美 印刷:株式会社広真印刷社 発行日:2018年3月 記載内容は変更されることがあります。
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目
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P. 41 P. 02 オーストリアについて オーストリアについての読み物と 歴史、芸術やグルメ、地理などを ご紹介 グラーツ グラーツの見どころ グラーツ市街地図 P. 28 ウィーン ウィーンの見どころ ウィーン市街地図 ウィーンの郊外へ P. 44 インスブルック/チロル インスブルックの見どころ チロルの美しい渓谷 P. 36 ザルツブルク ザルツブルクの見どころ ザルツブルク市街地図 ザルツブルクの郊外へ 旅に役立つ基本情報 行事・祝祭日、その他基本情報、 ウェブで得られるオーストリア情報、 ドイツ語会話集 P. 46魅惑的な自然景観、卓越した文化体験、そし て新しいものにチャレンジしている人々との 出会いなど、オーストリアにはクリエイティブ な思考に刺激を受ける場所や、自分自身に共 感できるものがたくさん見つけられます。情 熱に邁進しているオーストリア人たちは、訪れ る人々に熱く語りかけ、他人の人生にも影響を 与えています。彼らが薦めるものは、「オース トリア人の本質」に根付いたもので、どこにで も合うようなトレンドに倣ったものでありませ ん。どちらかといえば、それは創造性と発明 性に富んでいます。現代アートのプロジェクト や、最先端技術に興味がある人であれば、自 身と自身を取り巻く環境に共鳴するものをき っと見つけることができます。 アートがテクノロジーと出会う場所 ユネスコ・メディアアート都市リンツでは、革 新的なメディアアートとクリエイティブな精神 が、独特な文化を形成しています。 例えば、アルスエレクトロニカセンターでは、 テクノロジーがアートと出会います。この美 術館では未来的な革新的コンセプトを発見 し、実験することができます。明日の世界は、 さまざまな視点や、展覧会で発表された理知 的な提案でいっぱいです。例えば、新しくオー プンしたVRラボでは、ビジターはデータ・グ ラス(メガネ)を着用して、バーチャルな世界 に没頭し、このテクノロジーで可能なアプリケ ーションを体験することができます。 リンツでは、アートに触れられる場所は美術 館だけとは限りません。徒歩や船で、ムラー ル港屋外美術館を訪れてみてください。この 港湾地域で特大のグラフィティ(落書き)作品 に感嘆することでしょう。2018年5月にオープ ンするヘーエンラウシュ展では、ビジターを タワーや屋根の上へ招待し、アートを鑑賞さ せてくれます。この街の新しいクリエイティブ シーンのホットスポットは以前の煙草工場で す。ここは新興企業やアーティストたちが、イ ノベイティブなコンセプトの仕事に取り組ん でいます。このように、リンツでは訪れる人々 に、未来的な視点やアイディアを生みだすた めのヒントを提供しているのです。 www.linztourismus.at
オーストリア
発見の旅
オーストリアを旅して
見たことのない絶景や、思いもよらない自由な発想や
非日常的な出会いを体験すると、印象に深く残ります。
未知との出会いを求めて FO TO © Öst err eich W erbung/E va Mayrhuber湖の隠れ家 ケルンテン州ミルシュタット 湖にあるヴィラ・フェルディン は、全く革新的なコンセプト のホテルです。 2人のホストであるトーマス・ ヘルムルとジョバンニ・マン ギーニの温かく、のんきな性 格が親しみのある雰囲気を 醸し出し、この湖の静養所を とても魅力的なものにしてい ます。ヴィラ・フェルディンは 最近よくあるタイプのホテル ではありません。モダンなデザイナー家具で はなく、むしろレトロな家具や小物、調度品が 独特の雰囲気を創り出しています。「ヴィラ・ フェルディンは、ゲストが自分らしさを取り戻 せる場所でなくてはなりません。」とヘルムル 氏は言います。「最初はお客様としてお迎えし、 帰るときは友人として見送ります。」 ヴィラのシェフは、ホテルの自家菜園で栽培 した野菜やハーブとともに、地場産の食材を 使うことを重視しています。出窓や小塔のあ るヴィラの建築様式は世紀末前後の社会を 思い起こさせるものです。上流階級が長い夏 季休暇のための好適地としてミルシュタット 湖を見つけ、湖の周りに素晴らしいヴィラを建 てました。別館の開放的な一枚ガラスの大き な窓からは、透明度が高く透き通った湖が一 望できます。希望によってはゲストはホテル の手漕ぎボートで、湖と美しい入り江を探検し に出かけることもできます。 ヴィラ・フェルディンは、4月から11月まで営 業しています。 www.villaverdin.at 時代とともに移り行く文化 世界の文化首都の一つウィーンは、皆様をモ ダンアートと新しい社会へとご案内します。 ウィーンは現代の特徴を備えた、広範囲にお よぶ芸術と文化を提供する活気ある都市です。 この街最大の文化施設の一つがベルヴェデー レ美術館です。ウィーン3区のアルセナール シュトラーセ通りにある、「ベルヴェデーレ21」 (旧21世紀館)と呼ばれるモダンな美術館で は、現代アートのコレクションが公開されてい ます。 ベルヴェデーレ21は、地元のアートシーンの 舞台であると同時に、一般の人と対話する場 でもあります。光溢れる、広々とした空間の この会場では、国際的に認められたアーティ ストたちの特別展シリーズを公開しています。 展示プログラムの第一の焦点は現代アートと、 それと関連した社会的問題に関する調査と考 察です。 パフォーマンスやフィルム上映、レクチャー、 朗読、コンサート、アーティストとの会話など を通して、ビジターは独自の現代アートへの アプローチの出発点を見出すことができます。 ベルヴェデーレ21(旧21世紀館)の開館は、水 曜日から日曜日と祭日の午前11時から午後6 時まで。金曜日は午後9時まで。 www.belvedere.at アッターゼーの感動的な静けさの中で グスタフ・クリムト・センターを訪問し、「クリ ムト・芸術家の道」を歩き、アッターゼー湖を 船で巡るなどし、有名な画家クリムトと同様 な視点でこの地を見てください。 1900年から1916年の間、グスタフ・クリムト はアッターゼー湖で幾夏も過ごしました。こ の湖の多彩で変化に富んだ表情と色彩は、ま さにクリムトの作品に刺激的な効果を与えま した。クリムトは50以上もの有名な風景画の ほとんどをここで完成させています。芸術的 なインスピレーションを得るため、また、慌 ただしいウィーンでの生活のペースから逃れ、 一休みするための静かな場所を探していたク リムトは、まずアッターゼー湖の北岸、リンツ ルベルク・バイ・ゼーヴァルヒェンに最初の場 所を見つけました。それから、1908年には カンマーに、1917年の初めには湖の南岸に静 かな場所を見つけました。この地域を訪れる 人々は、インスピレーションを与えてくれる穏 やかな山と湖の景観が発するエネルギーを、 今日でも感じ取ることができます。シェルフリ ングにあるクリムト・センターでは、映画と展 示物を通じてクリムトの人生と作品に関する 知識を伝えてくれます。また、芸術家の道で は、クリムトの仕事と、人生の最も重要な出来 事の概説を知ることができます。 グスタフ・クリムト・センター 2018年の開館日時: 5月2日∼7月1日、 および 9月5日∼30日、 水曜日∼日曜日と祝祭日、午前10時∼午後4時 7月2日∼9月2日、毎日、午前10時∼午後4時 www.klimt-am-attersee.at ビジョンを持った農場経営者 フォアアールベルク州のブレゲンツの森地方 で行われているインゴ・メッツラー氏の革新 的な農場経営は、将来を考慮した資源利用と、 非常に熱心な地域重視の姿勢を具現化した ものです。 チーズから化粧品に至るまで、家族全員の支 援を得て、インゴ・メッツラー氏はヤギと乳 牛から搾ったミルクを使い、自ら設定した最 高水準の基準によりプレミアムな製品を作っ ています。その高い水準は品質だけに限らず、 環境を壊さず持続可能な生産方法にも及ん でいます。現代的なエネルギー効率の良い家 畜小屋は、環境と調和して操業するこの起業 家の先駆的なコンセプトのシンボルです。メ ッツラー氏は、農場を訪れるビジターたちに 自身が培った膨大な農事知識を熱心に伝えて くれます。 プロジェクト「自然肌に近く」の一環で、メッ ツラー氏は農場のビジターがすべての感覚を 使って農作業を体験できるプログラムを作っ ています。乳牛の小屋とヤギ舎にある展示や、 化粧品生産のガイドツアーで、大人も子供も 生態的関係について学び、責任ある畜産とは どのようなものなのかを理解します。チーズ・ バター製造を学ぶ講習会では、ビジターは自 由に乳牛のミルク搾りを試したり、自分でチ ーズを作ったりすることができます。 www.molkeprodukte.com FO TO © Öst err eich W erbung/E va Mayrhuber , Kärnt en W erbung/F ranz Ger dl
モノファリータール種の梨シードルは、 全ヨーロッパでここだけのもの 長さ200kmにおよぶシードル街道の地域で 作られるシードルは、複数種の梨を混ぜ合わ せない、ということは国際的に知られていま す。しかもシードルといっても、リンゴでは なく、梨のシードルで、これはオーストリアな らではのものです!ディステルベルガー家で は、この地域の名にちなんだ名前の飲み物を 約20種類も生産しているばかりではなく、他 のたくさんの美味しい食べ物も作っています。 この食品は、築900年のガッチリした造りの 農家の中庭の、涼しい木陰で味見をすること ができます。梨から作ったフルーティーなジュ ースやマーマレード、風味の強いバルサミコ酢、 繊細な味わいのチャットニー(果物の漬物) の他、最近のオーストリアで真のイノベーシ 「ここでは、木にも伝統への深い思いを感じま す。」と言いながら、シードルの達人、アント ン トニー ・ディステルベルガーは微笑みま した。なぜかというと、彼の地所に生えてい る梨の木は、最も古いもので300歳という古 木です。トニーは誇らし気に説明してくれま した。「この梨は、とりわけ強い風味の果実な ので、最高品質のシードル(発砲果実酒)がで きるのです。」 ョンといえるシードル・アイスが生産されてい ます。これを作るには、新鮮な梨を絞って作 ったジュースに水を加え、野外で寝かせます。 凍えるような冬の寒さが、この工程ではとて も重要な役割を果たすのです。モストフィア テル地域の伝統に対する深い愛情があっても、 地元の人々は現代にも歩調を合わせています。 その証拠が、新しいアプローチであるイン ターネットの活用です。スマートフォンで birnhirn.at (梨のブレーンという意味)にアク セスすると、今自分が立っている梨の木がど の種類なのか判定できるというものです。 本物の梨と、石の梨 居酒屋兼宿屋の「シュタイネルン・ビルネ(石 の梨)」もまた、家族で経営するビジネスです。 店名は、心地の良い客室に入るときにくぐり 抜ける巨大な梨のレプリカに由来しています。 ここでは、四代にわたるファミリーが毎日一緒 に働き、最大15種類もの梨のシードルを生産 していて、その多くが賞を受賞した優れた製 品です。また、自家製の穀類で作った堅焼き パンや柔らかい菓子パンを焼いたり、鶏を育 てたり、ソーセージなど、お客様に出す食べ物 も作っています。家族が仕事に注ぐ献身的な 愛情は、彼等の作る高品質な製品からだけで はなく、細部にわたる優しい心配りを見ても 明らかです。石を削って作った梨のオブジェ は、ドアストッパーとして使われていたり、木 に生った梨を枝から揺すり落とすための古い 木製の竿を、階段の手すりに利用したりと、そ のこだわりと愛情は各所のディテールに見ら れます。 燃えるような真っ赤な「ディアンドル」と、 全身全霊の仕事 モストフィアテル地域にとって梨が重要な名 産品であるように、ピーラッハ川渓谷にとって の「ディアンドル」も重要な産物です。これは、 同名である民族衣装のことではなく、実はコ ルネリアン・チェリーの名前です。フックスシ ュタイナー家は、私有地の山の果樹園で、この 真っ赤なワイルド・チェリーを専門に栽培して います。毎年、約20トンのチェリーが、賞を受 賞したブランデーやマーマレードなどに加工 されます。メラニー・フックスシュタイナーが、 誇らしげに樹齢数百年の茂みの一つを指差し ました。フックスシュタイナー家にとって、化 学肥料や殺虫スプレーを使わないことと、サ クランボを一つ一つ手で摘むことは名誉に関 わる問題なのです。ところで、メラニーの夫ヨ ーゼフは、当時オーストリアで一番若い養蜂 の名人でした。そんな訳で、この家族が最高 品質のディアンドルのハチミツを作っていて も全く驚きません。しかし、メラニーによれば、 成功を測る基準は訪問者がいかに多くのこと を体験してくれるか、だそうです。ディアンド ルの「学びの道」では、ゲストはこのワイルド・ チェリーに関することすべてを吸収します。そ して、彼女がコルネリアン・チェリーは健康に 良いと言えば、人は彼女の言うことを信じます。 メラニーはとても若々しくハツラツとしていま すから、成人した息子が二人もいるとは信じ 難いことです。それだけではありません。彼 女の祖父は104歳に達し、祖母ももうすぐ100 歳の誕生日を迎えるというのです。
シードル地域という意味のモストフィアテルには
100,000
本以上の梨の木が育っています。
名産の果実からは、シードルを始め様々な製品が作られ
訪れる人々の味覚を大いに満足させてくれます。
梨の木が育つ
大地
著者:ミヒャエラ・シュヴァルツ モストフィアテル地域の名産 FO TO © weinfr anz.atおそらく世界で一番小さな都市ザルツブルク は、世界中の旅行者に人気の街です。さまざ まな街角をのんびりと散策すると、静かに街 の歴史が語りかけてきます。でも、なぜ散策 ですか?私は自転車に飛び乗り、お気に入り の周遊コースをのんびりと流すほうが好きで す。走りながら景色を見ても感動できるし、自 分の好きなスピードで移動できる自転車は快 適です。通常は、歩くよりも速く、車よりはか なり遅く走ります。 ザルツブルクに一目惚れ! 生まれも育ちもザルツブルクという、生粋のザ ルツブルクっ子として、私はこの歳になっても 未だに自分の故郷のことを申し分のない街だ と自負しています。ですから、初めてザルツブ ルクを訪れた人がこの絵本のように美しい街 を一目見た時にどのように感じるのか、いつ も知りたいと思っています。この微妙なパス テルのような色合いの街並みや、歴史的なバ ロック様式の装飾、モダンアートや活き活き とした都会的な空間、広々とした広場、優れた レストランやひなびた居酒屋、風通しの良い 歩道のカフェを初めて見た人は、どのように感 じるのでしょうか?これらすべてのことを、自 分のすべての感覚で感じることができるので す。私の場合、特にそれを自転車に乗って体 験するのが一番楽しいひと時です。 ペースをスローダウンできる、二輪の楽しみ ザルツブルクは、サイクリストに優しい都市で す。街にそびえる二つの山、メンヒスベルクと カプツィーナーベルクの間を、緩やかなカー ブを描いて流れる翡翠色のザルツァッハ川に 沿って、何キロにもわたる標識付サイクリング ロードがあります。サイクリングロードは市 の中心をぐるりと回り、郊外へと続いています。 でも、私個人の楽しい自転車ルートは、街のど の地図にも載ってはいません。それは、ザルツ ァッハ川から始まる約20キロの道のりで、暖 かい季節には、花が咲いた栗の木に縁取られ た並木道と、街の中心に立つ色とりどりの作 物が並ぶ活気ある市場、都会の観光や、サイ クリングの合間にのんびりと休憩をとるカフ ェやレストランなど、魅力が一杯詰まったコー スです。
ザルツブルク
サイクリストのための都市
著者:ウリ・セセーレ-ウイッツ景色もすばらしく
たくさんの見どころもまとまっているメトロポリスは
自転車で見て回るには最適な街です。
楽しい自転車ツアー FO TO © T ourismus Salzbur g GmbH旧市街に向かって走る 「1時間後に、ザルツァッハ川の歩道橋の右岸 側で会いましょう!」。友人と私は、左岸に あるアイゲン地区にいました。右側にはきれ いに軒を並べた家々があり、家の前の庭には 花々が陽光の中で輝いていました。旧市街に 向かってペダルを漕いでいくと、やがて、ザル ツブルク大聖堂の緑色の銅製のドームの屋根 と、森に覆われたホーエンザルツブルク城に 迎えられました。まるでミニチュアの建造物 が近づくにつれて徐々に大きくなるように、世 界的に有名な建物のシルエットが、どんどん 近づいてきました。 都会の夏を縦横に走りまわる カイフィアテル地区の方に自転車のハンドル を切ると、街の中心に到着し、活気ある夏の ザルツブルクの鼓動に包まれます。特に良く 晴れた日はにぎやかです。一方、夏と違って冬 のザルツブルクは、冷たいみぞれが降り、霧が 立ち込め、取って代わって静かな街に変わりま す。このことをよく知っている人は、アートと 文化、食べ物と飲み物、そしてサイクリングと、 とりわけ活気あふれる夏の季節のエキサイテ ィングな街を謳歌するのです。 中心街からレオポルツクロンへ アルター・マルクトにある、老舗のカフェ・ト マセリのテラスのパラソルが開き、夏が訪れた ことを知らせています。歩行者ゾーンでのサ イクリングは許されていますが、お互いのマナ ーとルールは守りましょう!広場の小さな丸 石を敷き詰めた石畳、狭い通りや曲がりくね った路地が、自転車をカタカタと優しくリズミ カルに揺らします。私たちは ザルツブルク大聖堂広場の 入口でちょっと自転車を停め、 毎年ザルツブルク音楽祭で 上演される伝説的な戯曲「イ ェーダーマン」の会場に敬意 を表します。 次は有名なスナックを食べる 時間です。グリューンマルク トにあるソーセージ・スタン ドに自転車を停めて、世界一 美味しいフランクフルト・ソー セージを頬ばります!再び サドルにまたがり、有名な「馬 の洗い場」を通り過ぎて、レオポルツクロン宮 殿へと街の外に向かいます。この池とその周 辺は、水辺の近くに行かなければ味わえない、 静寂で魅惑的な場所です。 街から至近距離にある、田舎へと出かける 私たちのステキな自転車ツアーの、最終ステ ージのハイライトはアルムカナール運河です。 青緑色の水が流れ、古い柳の並木が岸辺沿い に並ぶ、この美しい運河の景色はどの人の心 にも響きます。サイクリング・コースを辿り、田 畑や牧草地を抜けて、ヘルブルン並木に向か って走ると、次の目的地、美しい公園のあるグ ヴァントハウスが見えてきます。デッキチェア にのんびり横たわってピクニックを楽しむか、 それとも、アップルケーキとコーヒーで一休み するか、迷うところでした。さて、一休みした 後は帰る時間です。今度は、この旅をスタート した歩道橋まで、ザルツァッハ川の左岸沿い を辿り…、そして、日常生活に戻ることにしま しょう。 FO TO © T ourismus Salzbur g GmbH
ウィーンの旧市街を馬車で行く 王宮のミヒャエル門に立つ歩哨が、スペイン 式宮廷馬術学校への道を開門します。華麗 なこの施設は450有余年の歴史を持ち、ルネ サンス期の騎馬術高等学校の伝統が息づく 馬術学校です。 十分な資格を持つリピッツァー種の騎手にな るには、およそ12年もの訓練が必要です。バ ロック様式の建築家ヨハン・ベルンハルト・フ ィッシャー・フォン・エルラッハによって建てら れた冬の馬術学校で行われる、白馬による華 麗で高貴な馬術の演技は、あたかも地球の重 力を無視したかのように軽やかに舞う「白い バレエ」ようで、見るすべての者を感動させて くれます。動く優雅な詩のように音楽と馬が 溶け合い、人馬一体の華麗なるワルツが始ま ります。 女帝の膝の上にモーツァルト その時、シェーンブルン宮殿の鏡の間では、 どちらのハートもドキドキしていました。おま せな6歳児も、女帝マリア・テレジアも。神童 のはちきれんばかりの情熱には際限がありま せん。ハプスブルクの宮廷で御前演奏をする ことによって、モーツァルトは相当な額の報酬 を得ました。受け取った謝礼には、音楽の都 ウィーンで送る華麗なる生活に必要な高価な 衣服代も含まれていました。 モーツァルトは、当時のスーパースターでした。 「アマデウス、ここに来てロックを演奏してく れ」、と今は亡きオーストリアのポップ歌手フ ァルコが歌っていたように…。 野外で感じる帝国の歴史 ウィーンの中心部から南に25kmほど郊外に 出ると、静かで独特な趣を持つラクセンブル ク宮廷公園があります。この地で、1858年オ ーストリアの皇太子ルドルフ大公は生まれ洗 礼を受けました。ハプスブルク王朝の先祖た ちは、皇帝の重責を離れ、ここで一時の休息 をとりました。 壮麗な雰囲気を味わいながら広大な公園を 散策した後は、フェリーに乗ってロマンチック なフランツェンブルク城を訪ねましょう。帝 国と君主制の華麗なる威光を、野外で体感し てください。帝国の歴史に浸り、貴族のように 優美なひと時を過ごすことができます。ウィ ーン郊外でハプスブルク家の文化と伝統に触 れる、最適なコースの一つです。 皇帝が滞在したところ ドナウ河に沿って約115km上流へ行くと、ワ ッハウ渓谷の高台に、メルク修道院がそびえ 立っています。修道院のガイドツアーに参加 すると、皇帝が滞在したインペリアルルームに まず案内されます。 聖なる力の中心として、このバロック建築の至 宝はハプスブルク帝国の皇帝たちに、その地 位にふさわしい滞在場所を提供しました。大 理石の大広間のパウル・トロガーによる天井 フレスコ画、知恵、芸術、慎重な戦いの女神 パラス・アテナは1731年に描かれました。こ の女神は知恵と力によって統治者を守ります。 皇帝はインペリアルルームに滞在し、最高権 力者としてハプスブルク家の皇帝が主催する 祝賀会を、大理石の大広間で開催しました。 視点を変えて 歴史あるザルツブルク音楽祭で毎回上演され る「イェーダーマン」への歓声が、レジデンツ 宮殿の壁にこもっています。ザルツブルクは 1816年、ハプスブルク帝国の重要な所領とな りました。皇帝フランツ1世は、ザルツブルク 大聖堂の大司教と共に、慈悲ある政治を行う ことを約束しました。 現在行われているドームクオーターの大聖堂 と博物館の複合施設のツアーは、最高の歴史 絵巻をひも解いてくれます。例えば、サンクト・ ペーター修道院は、ドイツ語圏では最古の修 道院です。教会のオルガンがある最上階のフ ロントテラスで、レジデンツプラッツを眺めな がら香り高いコーヒーとともに一休みしてみ ましょう。 インスブルックで感じる帝国のエレガンス チロルの州都インスブルックは、アルプスに 囲まれた風光明媚な都市です。黄金の小屋 根の前は、往来する地元の人々や好奇心いっ ぱいの旅行者でいつも賑わっています。どの 人も小屋根の2,657枚もの金箔を張った銅板 タイルの眺めに驚き入っています。 皇帝マキシミリアン1世のために造られた素 晴らしい出窓は、彼の有名な言葉「他の国は 戦いをせよ。汝、幸福なオーストリアは結婚 せよ」を思い起こさせます。郊外のアンブラス 城でも、たくさんの人々の感動する姿が見ら れます。
オーストリア帝国の足跡を辿り
ウィーンからインスブルックまで伝統と優美さを味わう旅
ハプスブルク王朝に
タイムスリップ
インペリアルな体験 FO TO © Spanische Hofr eitschule/Michael Rz epa, Hennef Esch, Öst err eich W erbung/Homber ger , Innsbruck T ourismusバーバラ・ケルンは、文化を愛し文化に生きて います。彼女が住む小さな町バード・ゴイゼル ンは、ハルシュタット湖のすぐ近くにあります。 その町にある手工芸館(ハンド・ヴェルク・ハ ウス)で、歴史家でもあるバーバラは、職人と して、また同時に、自分が情熱を注いでいる手 工芸と伝統を紹介する仕事に従事しています。 彼女は毎朝自転車で曲がりくねった通りを抜 けて、職場の手工芸館が入っているノイヴィル デンシュタイン城館に通っています。ここは 18世紀に領主が地方を治める建物として建 造したものです。現在この大邸宅では、地域 の職人マイスターたちの作品が紹介されてい ます。バーバラ・ケルンは、展示会が開かれる ときはガイドツアーも行っています。 手工芸を身近に体験 手工芸館の突き当りには、上階の工房に通じ る短い木製の階段があります。そこを上がる と、展示された工具や製品に古い壁に設えた 窓から光が注いでいます。靴職人、木材旋盤 工、大工、室内装飾職人、帽子職人、置き時 計職人らが展示スペースを共同で使用してい ます。ここでは、眼鏡作りの名工も紹介されて います。彼は本物のシカの角から、眼鏡フレ ームを作っています。この材料は特別なもの で、今日ではなかなか高品質の素材はみつか りません。 また、昔の労働の様子や今日の製品なども展 示され、例えば、トラッハトTrachtと呼ばれ るいろいろな職業の服装も展示されています。
手工芸に捧げた
人生
ザルツカンマーグートを訪れると
誰しも一目で息を飲む美しい風景に魅了されてしまいます。
青々とした牧草地、深い森、水晶のように透明な湖が
力強く雄大な山々を背景に交互に並んでいます。
そして、そこには伝統的な手工芸品を作る町や村が点在しています。
伝統への情熱 FO TO © Hand.W erk.Haus Salzkammergut Bad Goisern/W
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生活衣料品としての「トラッハト」 「昔、ザルツカンマーグートでは、仕事着とい えば簡単に裁断されたトラッハトでした。」と バーバラ・ケルンが説明してくれます。「 トラッ ハト という言葉は、トラーゲン(着る)という 言葉に由来しています。この服は何よりもま ず、実用的で丈夫な日常の仕事用衣料でした。 女性の衣装であるディアンドルに使用する布 地は、通常は安価なウールや麻でした。特権 階級だけが絹や綿、その他の上質な生地を買 うことができたのです。男性は木の伐採や狩 猟をする時に、レーダーホーゼン(革ズボン) を履きました。一般的にこのズボンはヤギの 革で作られていて、ニッカーボッカーとして履 かれていました。これらの衣服は、普段着で した。」 「19世紀に、人々は自分の家柄や起源を示す ものとして、伝統衣装を着用し始めました。や がて、これがますます重要視されてきたので す。」とバーバラ・ケルンは続けます。「今日で は、すべての地域の トラッハト には、それぞ れ独自の独特な色と模様があります。例えば、 アウスゼー地方のディアンドルや、最近加わっ たハルシュタット地方のディアンドルは、その 地域で独自にデザインされ、特注で仕立てら れた独特のディアンドルです。」 「避暑」の時代 都会の人々が田舎で夏を過 ごす「避暑」という19世紀の 伝統が、ザルツカンマーグー トの地位を決定的に変えま した。貴族階級と都会の中 産階級の人々は、リラクゼー ションを求め、夏の別荘をこ こに建てるために、この人気 の地域に集まり、地元の工匠 たちの素晴らしい知識と技 を大いに利用しました。そし て、観光産業は成長していき ました。建築ブームはこの地 に雇用をもたらしただけでは なく、地元の手工芸の重要性 への認識も高めたのです。 そんな中で、新しいスタイリ ッシュな要素が生まれました。 それは木製のベランダで、未 だにこの地域の各所で見ら れる特徴です。これが「避暑」 のための別荘の典型的な特 徴で、ベランダにはかつて、そ して今でも、たとえ雨でも目 の前の景色の眺めを楽しめ るという長所があります。 ベランダの上部にある木製の切妻には、優れ た技で伝統的な文様が飾りつけられ、家全体 の主要な装飾要素を構成していました。 もちろん、別荘の内装も同様にすばらしく、応 接室の絵画や化粧漆喰などの装飾要素を含 め、最高級の調度類だけが選ばれました。塗 装や左官の匠、大工の名人やその他の職人た ちは引っ張りだこで、まさに手工芸の全盛期 でした。 夏にマイスターと出会う この伝統とスタイリッシュな環境の価値を認 める人は、必ずザルツカンマーグートに繰り返 し戻ってきます。 夏季は「マイスターの夏」が開かれ、職人技に 触れるには一番いい時期です。毎年6月中旬 から9月初めまで、バード・ゴイゼルンの手工芸 館では地域の名工たちを紹介するイベントや 展示会が開催されます。この施設は2019年 に10周年を祝います。バーバラ・ケルンは、こ のイベントに今から大変期待を寄せています。 「ほぼ10年近く、私たちは伝統や手工芸に関 する知識を若い世代に伝えてきました」。この ことにより、この施設は2016年に、無形文化 遺産を保護するための優秀な手法として、ユ ネスコに登録されました。 FO TO © Öst err eich W erbung, Öst err eich W erbung/W olfgang W einhäupl, Hand.W erk.Haus Salzkammer
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く学ぶだけではなく、ワイン造りに溢れんば かりの情熱を注いでいます。美しいブドウ畑 の風景に囲まれた、ケーグル家の庭先に一休 みさせてもらうのもとても快適です。それも、 ソーヴィニオン・ブランのグラスを片手に、そ の美しい景観を楽しむのが最高です。 最高と言えば、地元の人々が美味しいワイン と共に楽しむのが「ヤウゼ」と呼ばれる、午 後のスナックタイムです。ライ麦パンとチーズ、 生ハムのオープンサンドとピクルスのスナック は、ワインとの相性が抜群です。地域の居酒 屋でぜひ試してみてください。伝統的な居酒 屋としては例えば、職人技が見事な窓枠など、 愛情を込めてレストアされた300年の歴史を 持つ居酒屋「モアイェーグル」など、地域の美 味しいワインと共に、郷土のスナックや料理 が堪能できます。 「モリヨン(シャルドネ)はもうかなり熟してき ましたね」。と話しながら、タマラ・ケーグル と一緒にブドウ畑を散策するのはとてもすば らしいひと時です。南シュタイヤマルクのワイ ン地域では、人はただブドウ栽培のことを多 ワインを通して地域を味わう タマラはブドウ畑でブドウの糖度を測りなが ら、果実がゆっくりと熟していることを示す兆 候を教えてくれました。熟すと明るい陽光の 中で、ブドウの中の種がもう既に透けて見え るのです。ワインを造る人にとって、一つ特に 重要なことは、ワインを味わって地域のワイン の独自性が分かることです。 「ブドウ畑のそれぞれの傾斜地で、味が異な ります」と彼女は言います。ここシュテルメッ ツベルクのブドウの木は、理想的な条件を謳 歌しています、と彼女はさらに説明を続けまし た。ここの畑は風通しがとても良く、東方向 が開けていることで、午前中の日射量が非常 に多く、雨が降ってもブドウの木が速く乾きま す。同時に、ここ南シュタイヤマルクでは、一 日のうち極端な温度差があり、寒い夜には日 中との気温差が最大20℃にもなります。これ がワインに新鮮味と芳香性を与えます。この 辺りの地形はかなり特徴的で、本当に魅力的 な土地です。土地は広大で、全体が十分に見 渡せないのですが、そこには急峻なブドウ畑 が広がり、小さな家々が丘陵の頂上に建ち並 び、その間をカーブの多い、幅の狭い道が縫う ように走っています。 幼少期からずっと、ワイン造りに携わって カタリーナ・ティンナッハーもまた、幼少の 時からワインに全力を傾けてきました。カタ リーナはワイン造りの稼業の中で育ちました。 彼女の父は、そのまた父と同じようにワイナ リーを経営し、カタリーナが子供の時に5本 のブドウの木を与えました。これらのブドウ の木は自分の物で、世話もすべて自分でしな ければなりません。それが何を意味するかを、 子どもに理解させるのが目的です。ブドウの 木の世話のご褒美として、自分が育てて熟さ せたブドウと引き換えにチューインガムをく れました。今のカタリーナにとって、ブドウは すべてです。わずか27歳で家族の土地とワイ ナリー、ラックナー・ティンナッハーを引き継 ぎました。 それ以来、彼女は大変順調にワイナリーを運 営・維持しています。成功の一面は、仲間の タマラと同様、余分な手間が増えるにも関わ らず、2016年に有機栽培に切り替えたことに も表れています。さらに、隣の農家とも緊密な 協力体制を作りました。自分の牧草地の干し 草を、農家の乳牛の肥やしと交換して、ブドウ 畑の肥料として使っているのです。また、広大 な森を保有するティンナッハー家は、森から 得た薪を使って施設を暖房しています。 カタリーナがワインのことを熱く語り出すと、 面白くて何時間も聞き入ってしまいます。その 話題は、葉と茂みの陰の管理から始まり、傷 んだブドウを手で取り除くやり方や、ワイン 貯蔵庫での仕事に至るまで多岐にわたりま す。貯蔵庫での仕事は、彼女曰く、「ここで は、進化するワインに私はただ付添っている だけ。品質はすでにブドウ畑で作られるので …」。これは、タマラ・ケーグルや他の人たち とも共有している見解です。概して、この地 域のワイン醸造者の同僚意識は、非常に強く、 地元の人々はよく情報交換をしています。つ まらない張り合いをして、生活環境を難しくす るよりも、皆が互いに助け合うことが大事だ という信念からです。その過程で、それぞれ が多くの貴重なアドバイスを得ているのです。 「そうすれば、一人で毎回間違いをしなくても 済みますから。」と言って、カタリーナは微笑 みました。
オーストリアのワイン街道の最南端を旅する人は
優れたワインだけではなく
タマラ・ケーグルやカタリーナ・ティンナッハーのような
情熱的で優れた人たちに出会えます。
シュタイヤマルクのワインは
純粋な情熱から生まれます
誇り高きワインの作り手 FO TO © W eingut K oegl/Marija Kanizaj, W eingut Lackner T innacher/Ger y W olf/Marion Lutt enber ger屋「ホイリゲ」と切っても切れない関係にあり ます。 また、毎年各地で開催される数多くの音楽祭 には、世界中から音楽ファンが集います。最 も有名なザルツブルク音楽祭、ウィーン芸術 週間、ボーデンゼー湖のブレゲンツ音楽祭、 メルビッシュの湖上音楽祭、グラーツのシュテ ィリアルテ音楽祭、フィラッハ/オシアッハの カリンシア夏の音楽祭、シューベルティアーデ、 リンツの国際ブルックナー音楽祭やクラング ヴォルケ、そしてアイゼンシュタットのハイド ン音楽祭、グラーフェネッグ・クラシック音楽 祭など、多彩なプログラムが繰りひろげられ ます。 ウィーンフィルのニューイヤーコンサートとシ ェーンブルンでの夏のコンサートは毎年、世 界中に中継・放映され、音楽ファンを楽しませ てくれます。 ヨーロッパの中心に位置するオーストリアは、 古来より様々な文化が交錯し、豊かな文化の 歴史を育んできました。中でも「音楽」は、オ ーストリアを紹介する上で最も重要な代名詞 といえるでしょう。世界的に名高いウィーン国 立歌劇場、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽 団、ウィーン少年合唱団、フォルクスオーパー などは、オーストリアの文化使節としても活躍 しています。 また、オーストリアの音楽史上「ウィーン古典 派」は、偉大な文化遺産の一つに数えられま す。そのウィーン古典派は、ハイドンに始まり、 モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト が含まれます。ロマン派を代表するのは、ブ ラームス、ヴォルフ、ブルックナー、マーラー です。オペレッタの王と呼ばれるヨハン・シュ トラウスとフランツ・レハール、また、シュラ ンメル兄弟の音楽は、ウィーンのワイン居酒 オーストリアのデザイン 百数十年も前から受け継がれている職人たち の手仕事を現代に再現した「ウィーンプロダ クツ」加盟企業の製品をはじめ、オーストリア 発のアクセサリーやファッションが世界的に 注目されています。特に、豊かな文化遺産と 若く活力あるクリエイティブシーンの両面を 持つウィーンは、まさにクリエイティブ業界の 中心地です。また、全国に渡りカフェやレスト ラン、ホテルなどでも、オーストリアならでは のデザインを感じることができます。 オーストリアならではの逸品 アクセサリーをお求めなら日本でも人気の高 い「スワロフスキー」は本場オーストリアのシ ョップを訪れてみてください。ワッテンスの本 社に隣接するクリスタルワールドの他、インス ブルック、ウィーンにショップがあります。可 愛い小物やアクセサリーの数々がショーウィ ンドウを飾り、その豪華さはメルヘンの世界 そのものです。 伝統的な品物をお求めなら、高級磁器セット の代名詞「アウガルテン」、美しいガラス製品 とテーブルウェアでゴージャスな食卓を演出 できる「ロブマイヤー」、独自のアトリエを構え るテーブルウェアやリネンのお店「シュヴェー ビッシェ・ユングフラウ」、ユーゲントシュテ ィールの美術工芸品や各種ウィーンプロダク ツ商品を展示・販売する「オーストリア工房」、 歴史的なデザインによる家具やハイセンスな インテリアを生産する「フリードリッヒ=オッ トー・シュミット」などがお勧めです。 ウィーンのファッションでは、バラエティー豊 かなデザインを取り揃える帽子店「ミュール バウアー」、伝統的な民族衣装とロマンチック な1950年代ファッションに現代的なエレメン トを加えた「レナ・ホシェック」、カラフルで独 創的スタイルのモードをアピールする「アート アップ」、軽やかで時代を超越した独自ブラン ドを展開する「ピア・ミア」、ウィーンで指折り のシックな靴のファッションブティック「シュ ー!」、選抜きの眼鏡やサングラスの数々をコ レクションするアイウェアのお店「シャウシャ ウ・ブリレ」などが人気です。 ウィーンでちょっとした小物をお探しなら、最 高級のナチュラルコスメティックスが揃う「セ ントチャールズ・コスモテカリー」、アルプス地 方の伝統にアイロニーを加えたハンドメイド 磁器が揃う「マノ・デザイン」、選び抜かれた 愛らしい商品の並ぶ雑貨店「アンナ・シュタイ ン」などはいかがでしょうか。
オーストリアは長い歴史を通じて音楽と美術の保護を
旗印に掲げ、他国ではほとんど例がないほどの
資金と労力を注いできました。
芸術の国
オーストリア
オ ー ス ト リ ア に つ い て 帝国の時代、ハプスブルク家の人々は芸術作品収集に情熱を 傾け、幾世紀にわたり世界中から数多くの絵画や美術品の名 作が集められました。現在、オーストリア全国にはルーベンス やブリューゲル、ベラスケスなど古典の大家から新進の現代 芸術家までの作品を擁する約1000の美術館・博物館がありま す。特に人気の高い「ユーゲントシュティール」様式を代表す るグスタフ・クリムト、エゴン・シーレ、オスカー・ココシュカ の絵画は、世界的な名声を博しています。 FO TO © T ourismus Salzbur g GmbH, Augar ten, TVB Innsbruck/Edi Gr oeger , Öst err eich W erbung/P et er Bur gstaller ヒント山小屋「アルムヒュッテ」 アルプスの牧草地に建つ山小屋は、元々、夏の 間山の中腹の牧場で働く牛飼いや酪農従事 者が住むための住居でした。その後、山小屋 はアルプス文化と人生の喜びを象徴するもの となりました。 よくある板葺きの小屋では、訪れる旅行者や ハイカーを親切なオーナーが暖かく迎えてく れます。山小屋では、心尽くしの料理とサワ ー種の黒パンが供され、楽しい会話とアルプ ス独特の魅力を味わうことができます。 どこに?山小屋はアルプスのハイキングコー スに沿ってあります。フォアアールベルク州、 チロル州、ザルツブルク州などオーストリア西 部に多く点在します。 ワイン居酒屋「ホイリゲ」 オーストリアは人生の楽しみ方をよく知って いる国です。そして、ホイリゲはまさにオース トリアの暖かさと居心地の良さを実感できる 場所として、この国の人々にはとても馴染み深 いところです。地元の人々はホイリゲに集い、 ワイン醸造者が造った自慢の新酒と、美味し い家庭料理、自家製のベーコンやチーズなど に舌鼓を打ちます。テーブルには楽しい会話 と笑い声があふれ、時が経つにつれて歌声が 店内に響き渡ります。ホイリゲで楽しむ伝統 は、少なくとも18世紀まで遡ることができま す。それは、時の皇帝ヨーゼフ2世が、いつで も誰でも自家製のワインを販売したり、供した りすることを許可する条例を施行した時代で した。 どこに?ウィーン郊外のホイリゲ地区、ニー ダーエステライヒ州、ブルゲンランド州とシュ タイヤマルク州のワイン産地にあります。 地元の人が集まる居酒屋「バイスル」 オーストリアの暖かさと居心地の良さを語る とき、3つの場所が挙げられます。それは、カ フェとワイン居酒屋、そして昔ながらの居酒屋 「バイスル」です。典型的なバイスルの設えは、 木製バーカウンターと木製の壁の羽目板、メ ニューを手書きした黒板を特徴としています。 ウィーナー・シュニッツェルやエッグノッケル、 古典的な家庭料理がどこのバイスルでも味わ えます。 どこに?オーストリア中、どこにでもあります。 ソーセージスタンド「ヴュルステルシュタント」 ここは単なる伝統的なスナック・バーではあ りません。仕事の合間にちょっと立ち寄って 一息入れる大切な場所なのです。ここで、ケ ーゼクライナー(チーズ入りソーセージ)にマ スタードを添え、パンと食べ、ウィットに富ん だ、魅力ある店員と会話を楽しみます。当初、 ヴュルステルシュタントは帝国時代に、退役 した傷痍軍人たちの生計を立てる仕事を与え るために出現しました。伝説的なケーゼクラ イナーは、オーストリア人が創作したものです。 ソーセージのレシピはスロヴェニアが起源で すが、それをオーストリアの食通が、ソーセー ジを焼いた時に溶けるチーズを加えて完成さ せた、手軽で美味しいご馳走なのです。 どこに?ウィーンのソーセージスタンドはよ く知られていますが、オーストリアのどの主要 都市でも見られます。 ケラーガッセ・ワイン祭り ワインの生産地域の夏のハイライトが、このワ イン祭りです。この時期、人々はワインケラー (ワイン貯蔵所)が立ち並ぶ小路をそぞろ歩 き、貯蔵所から貯蔵所へと渡り歩いて、それ ぞれのワイン醸造者が造った素晴らしい新酒 と美味しい料理を味わって回ります。それに 加えて、何世紀もの歴史を誇る、見渡す限り続 くブドウ畑の風景は、見る者に活力を与えてく れます。 どこに?オーストリアのワイン産地、特にニ ーダーエステライヒ州が有名です。 ビアガーデン 夏の暑い夜、人々に愛されている場所の一つ が、国中どこにでもあるシャニーガルテン(シ ャニーとは、オーストリアのニックネームでヨ ハンの愛称)とも呼ばれるビアガーデンです。 仕事の後、オーストリア人はこれら愉快なビア ガーデンに立ち寄り、ニワトコの花から作った ホルンダージュースや、ビールで喉の渇きを癒 します。店によっては、オリジナルのビールを 醸造して提供しています。このような所では、 普通の夕べがささやかな祝杯の席へと変わり、 ありふれた日常をしばし忘れさせてくれます。 どこに?ザルツブルクが有名ですが、オース トリア中どこにでもあります。 カフェ ウィーンのカフェ文化は、オーストリア人が食 通である事を証明する最適の例でしょう。ウ ィーンではカフェが、ユネスコにより無形文化 遺産として認定されたほどです。その歴史は 17世紀末まで遡ることができ、トルコ軍によ るウィーンへの包囲攻撃と深い関わりがあり ます。代表的な古典的カフェのインテリアは、 小さな大理石のテーブルに、トーネット・デザ インの曲木製の椅子、ボックス席、新聞ラッ ク、歴史主義的意匠の飾り付けを施した内装 を特徴としています。そして、カフェで出され る水も、オーストリアのカフェ文化を特徴づけ ています。また、世界で初めてお客様に新聞 を提供したのはウィーンのカフェです。 どこに?オーストリア中どこにでもあります が、最も有名なのはやはりウィーンのカフェ です。
オーストリア人は、人生を謳歌することに長けています。
ここでは、人生を最高に楽しむために彼らが通う特別な場所を、
いくつかご紹介しましょう。
人生の“愉しみ”を
満喫する
オ ー ス ト リ ア に つ い て FO TO © Öst err eich W erbung/P et er Rigaud, W ienT ourismus/P et er Rigaudルビッシュ、サンクト・マルガレーテンの野外オペ ラなど音楽イベントも豊富です。また、良質でお いしいワインの産地としても知られています。州 都アイゼンシュタットは、ハイドンとエスターハ ージー侯爵家ゆかりの街。 ニーダーエステライヒ州 ウィーンを囲むようにして広がる州。州東側 の丘陵地帯は良質のワイン産地になっており、 北部は森林におおわれています。バロック様 式の修道院が建つメルクとクレムス間のロマ ンチックなドナウ河の渓谷は「ワッハウ渓谷」 と呼ばれ、ユネスコ世界遺産にも登録されて おり、ニーダーエステライヒ州でいちばん人 気のある休暇地となっています。州都はサン クト・ペルテン。 ウィーン オーストリアの首都ウィーンは古い伝統を持 つハプスブルク帝国の都、音楽と芸術が輪舞 する街。その一方で、近代的で未来を志向す る建築物も多く、スタイリッシュなライフスタ イルと活気のあふれる文化の愉しみにあふれ ています。市の周囲には約1350km²にもおよ ぶ広大なウィーンの森が広がり、市民の憩い の場所となっていて、これは他のヨーロッパの 大都市にはみられない独特の魅力です。詳し くは28ページをご覧ください。 ブルゲンランド州 オーストリアの東端に位置する州。ここには世 界遺産のノイジィードラーゼー湖があり、野鳥の 宝庫であるゼーウィンケル国立公園も隣接して います。ルストなど、コウノトリがコロニーを作る 農村やハンガリー風のエキゾチックな町が魅力。 オペレッタ・フェスティバルで有名な湖畔の町メ オーバーエステライヒ州 風光明媚な湖水地方ザルツカンマーグートは、 オーバーエステライヒ州にも広がり、保養休 暇を過ごすのに理想的な環境を提供します。 皇帝フランツ・ヨーゼフ1世と皇妃「シシィ」 はバード・イッシュルで何度も夏を過ごしまし た。州の北側の森の深いミュールフィアテル の丘陵地帯は、チェコとの国境を形成してお り、訪れる人々を惹き付けます。州都のリンツ は、音楽家ブルックナーゆかりの街として知 られ、モダンなアルスエレクトロニカセンター やレントス美術館など、芸術探訪もおすすめ です。 ザルツブルク州 ザルツブルク州は、ハイカーや自然愛好家の 憧れの場所となっているホーエタウエルン国 立公園を含むアルプスの山岳地方。ザルツカ ンマーグートの大自然の美しさは映画『サウ ンド・オブ・ミュージック』でお馴染みです。ザ ルツブルクの名前の由来の「岩塩の城」を体 験できるハラインの岩塩坑や、「きよしこの夜」 誕生の地オーベルンドルフ、世界一の氷穴が あるヴェルフェンなども見どころです。州都は ザルツブルク(36ページ参照)。 シュタイヤマルク州 森が豊かなことから「緑の州」とも呼ばれてお り、アルプスの大自然はもちろん、牧歌的な村 の風景も美しく、スロヴェニア国境の南シュタ イヤマルク地域はワインの名産地として有名。 ブッシェンシャンクと呼ばれるワイン生産者の 直営店が点在しており、ワイン愛好家におすす めのルートです。数多くの文化財を見ることも できます。一方、バード・アウスゼー周辺のザ ルツカンマーグートのシュタイヤマルク州側の 部分は、美しい湖と山の景観によって、南部と は違った魅力を放っています。州都はグラーツ (41ページ参照)。 ケルンテン州 オーストリアの最南部にあるケルンテン州に は、ヴェルターゼー湖、オシアッハゼー湖、ミ ルシュテッターゼー湖など、湖水浴のできる 大きな湖があって、水泳や水上スポーツが楽 しめるパラダイスとなっています。州の最北 端にはオーストリア最高峰のグロースグロッ クナー山が秀麗な姿を見せています。州都の クラーゲンフルトは、バロックとユーゲントシ ュティールの建物が建ち並び、芸術や文化の 薫り高い見どころの多い古都です。 チロル州 牧歌的な山の景色で知られるチロル州の文化 の拠点は、インタール渓谷に数珠つながりに存 在します。インスブルック、ハル、ラッテンベル ク、クーフシュタインなどの魅力的な町が点在 します。また、ツィラータール、シュトゥーバイタ ール、エッツタールなどの渓谷、サンクト・アント ンやゼーフェルトはハイカーやスキーヤー、そ して休養を求める人々の理想郷として有名です。 また、東チロルはザルツブルク州をはさんで離 れたところに位置する自然の宝庫です。州都は インスブルック(44ページ参照)。 フォアアールベルク州 オーストリアの一番西に位置する州。面積は 小さいながらも、シルヴレッタの氷河の世界 からライン渓谷の平地にいたる、変化に富ん だ自然が特徴です。州都ブレゲンツを有名に しているのが、世界最大のオペラ・フェスティ バルの一つ、夏の「ブレゲンツ音楽祭」。個性 的な湖上ステージは映画007のロケでも使わ れました。スキーやハイキングが盛んなアー ルベルク地方の村レッヒは、世界のセレブが 休暇を過ごす高級リゾート地で「ヨーロッパ で最も美しい村」に選ばれました。
オーストリアは
個性あふれる9つの連邦州からなる共和国です。
各州にはそれぞれの魅力と特長があります。
個性あふれる
9つの州
オ ー ス ト リ ア に つ い て FO TO © Öst err eich W erbung/P et er Bur gstaller/V olk er P reusser , L ech Zürs T ourismus/Geor g Schnell1: 2,800,000
ドイツ
イタリア
スイス
スロヴェニア
ハンガリー
チェコ
ス
ロ
ヴ
ァ
キ
ア
リ ヒ テ ン シ ュ タ イ ンオーストリア地図
位置と距離
オ ー ス ト リ ア に つ い て MAP © Ed. Hölz el, W ienオーストリアは中央ヨーロッパの南部に位置し、
国土の総面積は
83,858
平方キロメートル、人口は約
850
万人。
公用語はドイツ語ですが、英語はよく通じます。
(km) ブレゲンツ アイゼンシュタット グラーツ インスブルック クラーゲンフルト リンツ ザルツブルク サンクト・ペルテン ウィーン ブレゲンツ 769 700 187 575 547 429 656 720 アイゼンシュタット 769 183 582 307 232 347 113 55 グラーツ 700 183 513 133 215 255 190 210 インスブルック 187 582 513 377 360 242 469 533 クラーゲンフルト 575 307 133 377 257 212 339 335 リンツ 547 232 215 360 257 118 121 185 ザルツブルク 429 347 255 242 212 118 230 294 サンクト・ペルテン 656 113 190 469 339 121 230 65 ウィーン 720 55 210 533 335 185 294 65 州都間の距離
9つの州と州都
ウィーン ニーダー エステライヒ州 オーバー エステライヒ州 ザルツブルク州 ブルゲンランド州 シュタイヤマルク州 ケルンテン州 チロル州 東チロル フォアアール ベルク州 リンツ サンクト・ ペルテン アイゼンシュタット グラーツ クラーゲンフルト インスブルック ザルツブルク ブレゲンツ アウトバーン 建設中のアウトバーン 高速道路 建設中の高速道路 幹線道路 主要道路 その他道路 鉄道 国際空港 国境 州境 ヨーロッパ主要都市 までの距離(km)宮殿の後方に広がる庭園は面積1.7km²。シェ ーンブルンの名前の由来となった泉、1752年 から始まった残存する最古の動物園、大温室 パルメンハウス、ネプチューンの噴水、迷路庭 園、日本庭園があります。ギリシア風の神殿グ ロリエッテの中にはカフェがあり、また、宮殿に 隣接する馬車博物館には歴代の皇帝たちが 使用した豪華な馬車が展示されています。 www.schoenbrunn.at ベルヴェデーレ宮殿 トルコ戦争の英雄・オ イゲン公が夏を過ごした離宮。現在は美術館 ベレヴェデーレとして使用されています。上宮 には、クリムト、シーレなどユーゲントシュティ ール、ビーダーマイヤー、歴史主義などの名画 が展示されています。2018年はクリムト、シ ーレの没100年を記念し特別展が下宮、オラ ンジェリーで開催されます。 MAP P.31 D-3,4 www.belvedere.at 古くよりヨーロッパの東西と南部を結ぶ十字 路として、ウィーンは二千年の歴史に育まれて きました。ハプスブルク家が育んだ音楽と芸 術の都として知られ、ハプスブルク帝国の重 要な歴史的建築が見どころですが、最近では モダンな現代建築、最新のデザインやファッ ションの発信地としても知られるようになり ました。 シェーンブルン宮殿 ユネスコ世界遺産に指 定されたハプスブルク家の夏の宮殿。マリア・ テレジア・イエローで彩られた外観が印象的。 ロココ様式で統一された内部には、1400もの 部屋があり、そのうち40室が公開されていま す。ウィーン会議の際に舞踏会場として使用 された大広間、6歳のモーツァルトが御前演 奏した鏡の間は必見です。 シュテファン大聖堂 鮮やかな屋根が街並 に花を添えるウィーンのシンボル。南北2つの 塔からはウィーンの街が一望にでき、石造り の説教壇や祭壇を彩る絵画など幻想的な内 部装飾は必見です。カタコンベ(地下墓地)に は歴代皇帝の内蔵が安置されています。 MAP P.31 B-3 リング通り 19世紀の中頃、ウィーンの旧市 街を取り囲んでいた城壁を皇帝フランツ・ヨー ゼフの命により取り壊し、現在の幅広い環状 道路が作られました。この通りに沿って、公園、 国会議事堂、市庁舎、大学、ブルク劇場、国 立オペラ座、美術史/自然史博物館、王宮な どが建築図鑑のように立ち並んでいます。 MAP P.30,31 A,B,C-2,3,4 ホーフブルク王宮 ハプスブルク家の皇族た ちが住居として使用していた居城。帝国の発 展に伴い増改築が繰り返され、各時代の建築 様式が共存する建物となっています。旧王宮 ではシシィ博物館と皇帝の住居を公開してい ます。銀器コレクションも見事です。宮廷宝 物館ではオーストリア帝冠や様々な宝物が展 示されています。新王宮には2017年にオープ ンしたウィーン世界博物館があり、日本の展 示もあります。また、隣接する王宮庭園には 有名なモーツァルト像があります。 MAP P.30 C-2 www.hofburg-wien.at 市庁舎(ラートハウス) 1872年から1883年 にかけて作られたネオゴシック様式の建築。 手前の市庁舎前広場は各種イベント会場とな ります。夏には音楽フィルムフェスティバル、 11月中旬∼12月24日まではクリスマスマーケ ットを、11∼3月はスケートリンク開設。 MAP P.30 B-2 ケルントナー通り シュテファン大聖堂から 南に延び、国立歌劇場まで続く最も賑やかな 歩行者専用の大通り。高級店から人気ブラン ド店、カフェが並び、いつも街頭ミュージシャ ンが活躍しています。 MAP P.31 C-3
音楽と芸術の都ウィーン
宮廷文化が今も華麗に息づく古都
ウィーンの
見どころ
ウ ィ ー ン FO TO © W ienT ourismus/P et er Rigaud FO TO © W ienT ourismus/P et er Rigaud, Öst err eich W erbung/L ois Lammerhuber 300周年を迎える ウィーン磁器工房アウガルテン 1718年創業のウィーン磁器工房アウガルテンは、300年来、今日でも変わる事なく成型や絵付 け等、すべての工程を手作業で行っています。マリア・テレジアも愛したハプスブルク家ご用達 であった老舗ですが、白磁と絵柄の伝統を残しつつ、現代アーティストとのコラボレーションに よる斬新な作品も発表しています。旧市街にある直営店でのショッピングだけでなく、2区にあ る磁器工房の見学ツアーでは、工房の歴史を学び、専門家の絵付けを間近で見ることができま す。ミュージアムとカフェ・レストランも併設されています。 ヒントウィーンの森 ウィーンの東部を除く北・西・南をぐるりと取 り巻くウィーンの森は、市街地の3倍ほどの面 積、約1350km²の広さを持っています。アルプ ス山脈の一部をなしている豊かな丘陵地帯と ドナウ河畔の地区ではブドウ畑が広がり、ベ ートーヴェンやシューベルトゆかりの歴史あ る町々が点在しています。 グリンツィングは、ウィーン市内ながらホイリ ゲ(ワインの居酒屋)が何軒も並ぶワインの 産地。シュランメル音楽を聴きながら新酒の ワインを楽しむのは、ウィーンならではの夜 の過ごし方です。ハイリゲンシュタットはベー トーヴェンゆかりの地で、記念館や住居、記 念像が点在し、田園交響曲の構想を得たベー トーヴェンの小路も残っています。プファー ル広場の住居は、ホイリゲになっています。 アクセス:グリンツィングへはショッテントア から市電38で終点まで約30分。ハイリゲンシ ュタットのベートーヴェン記念館へは、ショッ テントアから市電37を終点で降り、徒歩5分。 クロースターノイブルク修道院 ウィーンからほど近いクロースターノイブルク 修道院は、後にオーストリアの守護聖人とな ったバーベンベルク辺境伯レオポルト3世に よって900年以上前に建てられました。 この修道院は、かつてバーベンベルク家やハ プスブルク家の邸宅としても使用され、また オーストリアの発祥の物語にも欠かせない場 所です。修道院のアーカイブや図書室、財宝 庫には貴重な資料や宝物が残されています。 年代記には、修道院がレオポルト3世から ブドウ園を授けられたことも記述されており、 900年に及ぶワイン作りの伝統も振り返るこ とができます。これにより、クロスターノイブ ルク修道院がオーストリアで最も古いワイン 醸造所とみなされるようになりました。 アクセス:ハイリゲンシュタットからSバーン で10分、バスで15分。
森を歩きワインを味わうウィーンの森、
ドナウ河クルーズのハイライト、ワッハウ渓谷
ウィーンの
郊外へ
ウ ィ ー ン クリムト、シーレ、ワーグナー、モーザーの4 人は、芸術と文化に大きな変革をもたらした、 画期的な時代を代表する重要な人物です。ク リムトとシーレの作品は革新的で、未だに世 界中でプレミアムな価格が付けられています。 ベルヴェデーレとレオポルド美術館は、クリム トの「接吻」と、シーレの「ヴァリー・ノイツィ ル」を含む、世界最大のコレクションを所蔵し ています。ワーグナーが設計した多くの建物 の中で、とりわけ有名な郵便貯金局(素晴らし いカウンター・ロビーを見学できるのは、2018 年6月30日まで)は、ただ見て美しいだけでは なく、この時代の流行を決めた最も重要な建 物です。ワーグナーの建築物は現在でも使用 され、地下鉄(路線U4とU6)の駅からも近く、 手軽に見に行くことができます。モーザーは、 最初のグラフィックデザイナーでした。誰もが まだ「ロゴ」という言葉を知らなかった時代に すでにロゴを開発し、「ウィーン工房」の共同創 立者であったコロマン・モーザーは、1903年 以降、デザイン界に革新をもたらしました。 前世紀の変わり目に活躍した、他の多くの非 常に優れた識者たちも、この時代に大変重要 な役割を果たしました。2018年には彼らの栄 誉が称えられます。ジークムント・フロイトの 精神分析学がなければ、ウィーンはどのよう になっていたのでしょうか?また、もしアーノ ルド・シェーンベルクの十二音技法の音楽が なかったら?建築家ヨーゼフ・ホフマンとア ドルフ・ロースの二人は、ウィーンの建築にそ の足跡を残しました。音楽学者でサロン主催 者のベルタ・ツッカーカンドルは、政治家や識 者たちを自分のサロンに招きました。また、グ スタフ・マーラーは、時代がかったウィーンの 宮廷歌劇場に改革をもたらしました。 2018年には多くのミュージアムが、1918年に 亡くなった4人の天才のみならず、他の個性的 な人々にスポットライトを当てます。特別展 の会場は、ベルヴェデーレ、オーストリア応用 美術館、ウィーン・ミュージアム・カールスプラ ッツ、レオポルド美術館、ウィーン美術史博物 館、文学博物館、宮廷家具・ウィーン家具博物 館などです。 詳細は: www.viennesemodernism2018.infoウィーン市観光局 Tourist Info Vienna Albertinaplatz/Maysedergasse, A-1010 Vienna
Tel.: +43 1 24 555 Fax: +43 1 24 555-666 [email protected] www.vienna.info FO TO © Öst err eich W erbung / Homber ger FO TO © W ienT ourismus/Christian S tempe ウィーンモダニズム 2018