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住環境整備地区における地区施設の再構築と住民組織の再編に関する研究 [ PDF

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Academic year: 2021

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(1)住環境整備地区における地区施設の再構築と住民組織の再編に関する研究. 井ノ口 洪太. 2-1.研究対象地区の概要. を住民が主体的かつ持続的に管理・運営する仕組みを. 研究の対象地とする平松・鋳物師地区は密集住宅市. いかに構築するかはきわめて重要な課題である。住環. 街地整備促進事業(現:住宅市街地総合整備事業)に. 境整備事業では一般に、新たな施設整備により共用空. より住環境整備事業が施行され、H 4 年から約 15 年の. 間の種類や規模が従前より増加し、必然的に住民によ. 歳月をかけ、8 棟のコミュニティ賃貸住宅(以下コミ. る集団管理を要する領域が広がる。また、整備に伴う. 住)と分譲住宅地が建設された。集会所やコミュニティ. 住民移動(移転・再入居)の過程で従前の社会集団が. 広場(以下コミ広場)など新設された地区施設に加え、. 損なわれれば、事業後の住宅地空間に対応した住民組. 従前から立地する堂・祠が、再建や存置、復旧という. 織の再編が不可欠となる。. かたちで残されている。また、当事業は地元住民、行政、. ところで、事業後における住宅地管理の対象は空間. プランナー(九州大学竹下・志賀研究室)が連携して. 的広がりの視点から、個々の住戸及び住戸周り、住棟. 推進し、特にプランナーは計画段階にとどまらず入居. など集住単位に備わる共用空間、地区住民に広く利用. 後の住民集団の形成への支援に及ぶ一貫した取り組み. される地区施設の3つに大別される(図1) 。このうち、. を行ってきた。.   . [   ] 良好な共同生活 のための活動. 住民個人 住民組織 管理組織 ( 委託 ). 地区施設の再構築プロセスによって捉える. も住民の集団形成に対する継続的な支援が求められる。. [   ] 生活管理. ・地区施設       ( 堂祠、集会所等 ). 地区施設が住民組織形成に与える影響. 営の仕組みづくりを連動して行わねばならず、整備後. 運営管理. 共用施設や管理 組織の運営. ・住戸及び住戸まわり空間  ( 住戸、バルコニー等 )          ・住棟の共用空間  ( 共用廊下、階段室等 ). ︿管理の主体﹀. きい場合、新たな住民組織の形成と地区施設の管理運. 維持管理 建物・施設等の 維持・保全. [   ]. 良質な地域 コミュニティの形成 ︻非物的環境︼. る。しかしながら、事業過程での住民集団の変動が大. [   ] ︿管理行為﹀. 民による管理運営の仕組みを検討することが重要であ. 開発管理 適切な計画・建設 のコントロール. ︿管理の対象﹀. 滑な利用や管理を図るために、施設の計画段階から住. 良質なストックの 維持 ︻物的環境︼. 地区施設は最も共用性の高い空間であり、整備後の円. ︹自主管理ルールと使われ方︺. 我が国の住環境整備事業において、事業後の住宅地. ︹自主管理の枠組み︺. 2.研究の方法. ︹自主管理の目的︺. 1.背景と目的. 行政・開発者. 図1 研究の領域 表1 用語の定義. 特に、神仏を祀る堂や祠等の歴史的な地区施設では、 権利関係の整理や祭祀の継承等の課題の克服が再建の. 用語. 前提となり、住民組織の再編方向にも強く影響を及ぼ. 定義. 再建. すこととなる。 再構築. 以上の問題意識から本研究では、クリアランス型住 環境整備事業が施行された北九州市平松・鋳物師地区 を研究対象とし、事業過程において、住宅地の更新と. 現地. 従前から存在していた地区施設を住環境整備事業の施行後に現地で再建すること。. 移転. 従前から存在していた地区施設を住環境整備事業の施行にあたり、法規、地権、 要望などの理由から移築にて再建すること。. 復旧. 従前から存在していた地区施設を住環境整備事業の施行にあたり、従前のままに 復旧すること。. 存置. 従前から存在する地区施設を住環境整備事業の施行後も同一の敷地に配置すること。. 新設. 事業を行う中で新規に地区施設を計画し、配置すること。 旧来の地区には無かった性質を持つものや萌芽的な活動に目を向け地区施設を 整備すること。. 表2. 調査内容. 住民組織の再編成が相互に影響を与えながら行われ、. 調査名称 調査対象. 現在に至る重層的な経緯に着目し、地区施設の持続的. ヒアリング調査 町内会役員. 調査内容. 地区施設の再編プロ セス及び法人格取得 前後の変化について. 地区施設が住民組織 の形成や運営に与え る影響について. 地区施設再構築の事 業実施期の扱いにつ いて. 調査項目. ⑴従前の歴史 ⑵配置計画の変遷 ⑶管理規約. ⑴管理・運営の実態 ⑵住民組織の変遷. (1)配置の変遷 (2)現在位置決定要因. 調査期間. 管理運営と住民による組織的管理手法ついて知見を得 ることを目的とする。 表3 平松地区の地区施設の概要. 実測調査. 各管理主体. 行政・プランナー. 各地区施設. H.21.11 12 地区施設の再構築 による規模の変化 について ⑴実測調査. 地区施設の名称. 御大師堂. 共有地. 神輿格納庫. 蛭子神社. 集会所. コミュニティ広場. 行者堂. 水神社. 再構築の手法. 移転再建. 現地再建. 移転再建. 移転再建. 新設. 新設. 復旧. 存置. 再構築の主体. 行政→住民組織. 個人→住民組織. 行政. 住民組織. 行政. 行政. 行政. 管理主体 (従前/現在). 複数住民. 所有権 (従前/現在). 複数住民. 住民組織. 住民個人. 住民組織. 住民組織. 住民組織. 複数住民. 複数住民. 住民個人. 住民組織. 住民組織. 住民組織. 住民組織. 住民組織. 複数住民. 行政. 地区外. 地区外. ー 住民個人. 住民組織 地区外. 行政. 行政. 不明. 規約の有無. ○. ○. ○. ×. ○. ×. ×. ○. 管理主体. 御大師堂運営会. 共有地管理組合. 御神輿祭実行委員会. 北九州漁協平松支部. 集会所運営委員会. 近隣住民による自発的管理. 従前町内の関係者. 宗教法人水神社. 地区外. 完成年. H.20. H.19. H.17. H.16. H.15. H.15. H.15. S.60. 物的区分. 堂祠. 駐車場. 倉庫. 堂祠. 集会所. 広場. 堂祠. 堂祠. 定期行事. 盆踊り. −. 平松御神輿祭. 蛭子祭. 各種会議、懇親会. 花壇づくり. ー. 水神祭. 26-.

(2) 2-2.地区施設. の離散した地権の整理活動が活発化した。. 地区施設は、都市計画法においては「地区計画の地区. また、地区施設の配置が事業計画に影響を与える例も. 整備計画によって整備する、主として街区内の居住者等. 少なくない。地権者不明による行者堂の現地復旧の選択. の利用に供される道路、公園、緑地その他政令で定めら. は団地住棟の配置を制約し、コミ広場の確保の必要もあ. れる施設」と定義されるが、本研究では地区施設を「地. いまって雁行した住棟形態を条件付けたが、結果として. 区の行事や住民間の日々の交流の場となり、共同的に管. 住棟の大きな特徴である豊かな共用廊下を生み出した。. 理・運営される施設」とする。事業地区内で地区施設に. また、地権者による現地再建となった蛭子神社の配置計. 位置づけられるものは現在、表3に示す 8 施設であり、. 画は敷地の接道条件確保のために市道の配置を決定づ. このうち 2 施設 (集会所、 コミュニティ広場) は事業によっ. け、地区内道路の構成に大きな影響を与えた。. て新設されたものである。他の 6 施設は旧来から立地し. 4.住民組織の再編過程. た堂や祠等であり、当事業によって再建、復旧、存置が. 次に、地区住民組織の再編過程を事業進捗との関係に. 図られたものである。本研究ではこうした新旧併せた地. 着目して分析する。事業でなされるのは施設整備や再建. 区施設の物的整備を総称して「再構築」とよび、その諸. 等といった物的環境の整備にとどまることが多い。しか. 形態について表1に整理する。. し、利用・管理のルール形成や住民による管理主体の組織. 2-3.調査の方法. 化等、非物的環境の整備が進むことで初めて施設の適切. 本研究では平松地区の地区施設を研究対象とし、表. な利用と維持・管理がなされることとなる。このため、事. 2に示す調査を行った。調査では関連文献の収集後、町. 業の施行範囲に複数の町内会、及び地区施設や催事の核. 内会及び各住民組織の関係者及び行政担当者、プラン. となる住民集団が含まれる場合、事業の進捗に合わせて. ナーにヒアリング調査を行い、地区施設の再構築プロセ. それら住民組織の再編成を促す働きかけが重要となる。. スと住民組織の再編過程、及び地区内催事の変遷につ. 当地区は従前、平松西・中・東、水神、鋳物師の5町. いて把握した。. 内会で構成され、 2つの小学校区に分かれていた。また、. 3.地区施設の再構築プロセス . 平松は旧漁村集落であり、生産者団体である平松漁業. まず、事業による地区施設の再構築プロセスについ. 協同組合(現:北九州漁業組合平松支部)は地域活動. て分析する。地区施設の配置計画の変遷(図4)を見る. でも重要な役割を果たしていた。事業では、これら諸団. と、地区施設の整備のほとんどは事業の終盤以降に果た. 体の代表者で構成されるまちづくり推進協議会が H4 年. された。これら地区施設の再構築にあたっては、住民の. に設置され、H16 年 4 月の解散まで、事業運営や計画内. 意見の取りまとめや満たすべき条件の洗い出しを事業の. 容等に関する協議を行い、住民集団間の意見調整の場、. 進捗状況と足並みを揃えながら進める必要がある。よっ. 及び市やプランナーとのパイプ役として事業推進に貢献. て早い時期から準備を始め、段階的に話し合いの場を持. した。推進協議会では、コミ住への戻り入居の際の管理. つことが必要となる。. 人の選定、及び住民による自主管理組織の形成等へ積. 地区施設の計画段階における意志決定の流れを表4. 極的な働きかけが盛んに議論され、結果として明文化さ. に示す。集会所、コミ広場をはじめとする新設された地. れた規約を持つ管理会が、各住棟の供用開始直後に形. 区施設は比較的早期の建設が実現した。これは集会所. 成されるいう成果を生んだ。また、 各棟管理会のリーダー. が戻り入居後の住民活動の拠点として行政と住民の双. である管理人は実質的に町内会運営における中心的役. 方から強く求められた結果である。コミ広場の場合は住. 割を兼ねており、そこでの住棟管理会の体制やルールづ. 棟間隔の関係上及び、地区のシンボルとして早い段階か. くりの経験が他の住民組織形成の基礎となっている。事. ら変更の余地が無かったためであると考えられる。. 業における空間の変容と集団管理を必要とする領域の増. 一方、堂・祠等の既存地区施設の再建に際しては、主. 大に対して計画段階から組織的に対応した事は、現在. に地権や管理に関する様々な問題が表面化した。離散し. の平松地区のあり方を大きく特徴づけている。. た地権の統合・譲渡、及び固定資産税の負担回避に対し. 事業プロセスの中で住民組織の再編過程を追うと、住民. ては町内会の法人格取得による解決策が、住民の離散に. 組織形成が地区施設整備に対応するように進められたこと. よる社会集団の解体に対しては代替住民組織の立ち上げ. がわかる。地区施設の管理集団形成に際しては、推進協議. などの対策が取られた。特に御大師堂の移転再建は町内. 会が H13 年に設置した建設部会とコミュニティ部会が整備. 会が法人格を取得するに至った決定的な契機であり、こ. ・再建にあたった。更に、 これら2つの部会は H15 年にコミュ. れを嚆矢として次章で述べる共有地の運営活動、及び他. ニティ・施設部会に再編され、H16 年の推進協議会の解散. 26-.

(3) まで引き続き地区施設の管理集団の形成及び町内会組織. 織の対応関係に着目して分析する。平松町には事業が. の再編成にむけて方針作りを行った。これら一連の活動が. ほぼ完了した現在でも地区施設を拠点とした催事が多. その後 H16、19 年になされた町内会組織再編に結びついて. く残されており、これらを適切な地区施設整備と住民. いる。特に H19 年の町内会組織の再編では、町内会が認可. 組織形成の結果として捉えることができるだろう。. 地縁団体として法人格を取得し、河川改修事業により移築. 事業後、もっとも注目すべき催事の一つに平松御神輿祭. 再建された御大師堂の所有権の継承がなされ、その後も地. が挙げられる。事業が進められる中で従前の祭祀集団でも. 区施設の離散した地権の整理活動が進められている。また、. あった旧平松西・中・東町内会が解体され神輿の伝統は一度. H20 年に設立された共有地管理組合は祖先から受け継いだ. 途絶えた。その後団地 3 棟が竣工し、一定数の住民が戻り. 共有地を駐車場として運営しており、そこでの利益が税金. 入居した H14 年に住民有志が祭の運営主体となる平松御神. の支払いだけでなく、地域文化の維持発展のための基金と. 輿祭実行委員会を結成し、活動を開始した。現在、実行委. して運用されいている点で注目される。. 員会は平松神輿を地域文化の核として位置づけ、様々な活. 5.催事の変遷 . 動を行っている。口説きの継承、神輿祭の記録・広報、運. 続いて、地区で催される催事を、地区施設と住民組. 用資金の寄付募集など、活動の範囲は多岐にわたる。また、実行. 0 10. 25. 委員会メンバーで構成された平松神輿保存会が、伝承文化として北. 50m. 表4 地区施設の配置計画の理由と決定要因. N. (B2). 名称. (B1) (B0). (A0) (A4) (A1,C1). (B3). 配置計画. 御大師堂. 蛭子神社. (H2). 極楽橋. 行者堂. (F1). (E2). 水神社. (E1). (H0). (H1). 事業施行地区. 蛭子神社. 行者堂. 水神社. 集会所. コミ広場. 従前. 事業開始 H4年. H5. 共有地. 再建 存置 凡例. 行者堂 水神社. 除却範囲外だったため存置。. (D1). 町内会再編に際し、校区と管理主体の不一致が表面化。. 駐車場として整備運営されている。. (G1). 地権者の整理と管理組合設立による一元管理および地権者の祖先を銘記した記念碑を建立. 地区のほぼ中心に位置し、早期建設など行政側の要望から最終的な位置が決定。. H6. H8. H9. 神輿再建後、格納庫建設までの間、プレハブの仮倉庫が建設された。. (H1)→(H2). 当初、集会所との合築計画だったが住棟の下になることが懸念され、分離再建された。 (*0) は従前の配置. 第1回計画変更 H7. 従前の格納庫除却の後、漁協の倉庫を一時的に借りた。. 神輿格納庫 (H0)→(H1). H10. H11. 第2回 H12. H13. 第3回 H14. H15. 第4回 H16. 密集事業完了(河川事業は継続). 第5回 H17. H18. H19. H20. H21. H22. 町内会再編/法人格取得. 町内会再編. ・建設部会・コミュニティ部会発足. ・法人格取得交渉開始 ・コミュニティ施設部会に再編 ・町内会再編の意識調査 ・神輿再開 ・盆踊り会場移転 ・盆踊、夏祭と同時開催 ・大師堂の再建が河川工事の補填でなされることが決まる。. ・事業起工式. 平松水神町内会 部会活動 3棟. 1,4,5棟. (E2). 平松町内会. 各棟管理会. 7棟6棟. (竣) 集会所運営会. (F1). コミ広場. 復旧. 土地所有者が不明のため、2棟の竣工にあわせて基壇のみを更新し、復旧した。. (D0). (E1). 集会所. 共有地. 漁港へ向かう際に礼拝を行いたいという漁協の要望から地下通路に隣接させた。. (C1)→(C2). 旧五町会 まちづくり推進協議会. 新設. 再建. 河川公園との関係や地区内と蛭子神社の関係を考慮した計画。. (B2)→(B3). 地区のシンボルとして当初計画から変更なく整備された。. 2棟. 蛭子神社. 向きを変更して等積変換を行いやすい敷地に配置する計画。. (B1)→(B2). (G0). ・第二回辻裏勉強会 ・第四回辻裏勉強会 ・第五回辻裏勉強会. 町内会の動き. 現地. 地権者の離散と固定資産税の節約を町内会の法人格取得と地権の移譲により解消。. (B0)→(B1). (F1). 神輿格納庫. 当初計画. ・神輿の中止. 御大師堂. 土地区画整理の際、河川公園の計画との関係から主に行政の要望による。. コミ広場. ・第一回辻裏勉強会 ・第三回辻裏勉強会 主な出来事. 再建. 河川整備事業による整備が決定する。. (E1)→(E2). (A H,0 4) は表4と対応する。. 図2 地区施設の配置計画の変遷. 移転. 道路整備の計画が変更されたため、接道条件から若干の位置の変更した。. (A3). 計画無し. (D0). 神輿格納庫. 接道条件とF棟(現6棟)ヴォリュームとを考慮した結果。. (A2)→(A3). 集会所. 共有地. (G0). 事業の進捗. (A1)→(A2). (A4). (C0,C2). (A2). 御大師堂. 御大師堂と行者様を一括で再構築する当初計画。. (A3)→(A4). (A3). 凡例. 計画変更の要因(網掛けは現在の位置が決定した要因). (A0)→(A1). (H0). (竣) (除). (H1). (H2). (竣). 平松・中・西・東町内会. 平松御神輿祭実行委員会. (A0). (A1). (A2). (A3). (B0). (B1). (B2). (B3/除). (A4/除)(竣) 御大師堂運営委員会. (竣). 北九州漁業組合平松支部. (G1/竣). (G0). 共有地管理組合. (C0). (C1). (C2). (D0). 現在の状態. (竣) (D1). 水神町内会・日明校区連合会 従前建物. 計画のみ. 仮設建物. 図4 地区施設計画の推移と住民組織の形成過程. 組織的管理. 管理主体の検討. 個人または複数. (A H 数字 ) 図2内での配置計画に対応. ※ (A H0)は従前の位置を、( 除 ) は除却 ( 竣 ) は竣工を示す。※除却の指示がない場合は着工と同時期に除却された。. 26-.

(4) 九州市無形文化財の指定を目指して活動をしている。. (関連組織). 平成 16 年町内会再編成案. 神輿の運営に関しては、平松神輿実行委員会が独自 維持費用として運用されている点、及び前章で述べた 共有地管理組合からの支援を受けている点も含めて非 常に特徴的である。. 水神地区 副会長. 平松南地区 副会長. 平松漁協. 会 長 1 名. 町内会役職 水神地区 平松東地区 婦人会 子供会 平松西地区 老人会 会計 平松中地区 体育委員 会計監査 平松南地区 中青会 顧問 平松北地区 各会より 1 名 各地区より 1 名. 副会長. の予算を持ち、小倉祇園山笠への参加費用及び用具の. 平 松 水 神 町 内 会. 各棟管理会. 財産管理委員会 祭委員会 集会所運営委員会(コミ広場含む). 平松東地区 副会長. 平松西地区 副会長. 平松中地区 副会長. 平松北地区 副会長. もう一つの平松町内に古くから伝わる催事として、 平 松 町 内 会. 地区内の住民が中心となって催されていた地蔵盆が挙 平成 22 年現在. げられる。開催場所である御大師堂の再建が事業終盤 になされた事、再建のタイミングについて入念な議論. (下部組織). 御大師堂運営会. 切れずに毎年開催された。また、平松町内会は住棟の. 北九州漁協平松支部. (関連組織). 平松御神輿実行委員会. 子供会 婦人会 老人会. 集会所運営委員会. と意見交換がなされた事により、事業が進む中でも途. (別組織). 会長:1名 副会長:2名 事務局長:1名 会計:1名 監査:1名. 平松子供山車 特別基金. 平松御神輿保存会 共有地管理組合. 代表者会議. 供用開始からまもなく、住民の交流を促すための夏祭 りを地蔵盆と同じ期日で開催しており、H20 年からは. 1棟代表者. 2棟代表者. 3棟代表者. 6棟代表者. 7棟代表者. 1棟 管理会. 2棟 管理会. 3棟 管理会. 6棟 管理会. 7棟 管理会. 水神地区. 鋳物師地区 戸建ブロック. 図5 町内会組織の変遷. この夏祭りを地蔵盆と統合した祭へと変化させている。. 管理 / 運営. 地区施設. 以上により地区施設整備と住民組織再編が催事運営 に影響を与えている事がわかる。現在、神輿復活の例は. 組織的活動 / 参加. 住戸. 住民. 住棟. 各棟管理会・分譲ブロック. 町内会総会 予算承認. 御大師堂運営会. 外向きの動き発展しつつあり、地蔵盆の例は地元住民の. 御大師堂. 間で守られてきた文化行事が新規に入居してきた住民. 格納庫. に開かれる内向きの発展がなされつつある。また、地蔵. 共有地. 共有地管理組合. 蛭子神社. 北九州漁協平松支所. 関連組織 神輿実行委員会.  . 旧水神町内会関係者. 水神社. 盆と夏祭りの統合は行事の器である御大師堂の所有が. 管理会総会. 平松町内会 集会所運営委員会. 集会所. 組織的活動. 住棟内懇親会. 近隣住民による自主管理. コミ広場. 町内の文化をより広域な文化として定着させようとする. 管理主体. 地区周辺 日明校区連合会. 地元住民の子孫から町内会という組織に移された事とも. 地区外住民. 行者様. 符合し、流動的な住民構成への対応であるとも言える。. 凡例. 催事. 地区施設. 住民組織. 協力. 運営. 参加. 管理. 図6 地区施設と管理主体の対応関係. 6.結論. 運営主体. 本研究では地区施設整備と住民組織形成に関して以下. 運営 / 協力 / 参加. 利用. 催事. 地区施設. 平松御神輿祭実行委員会. のことが明らかとなった。. 平松御神輿保存会. 集会所. 平松子ども山車. 共有地管理組合. 画そのものに影響を与えることがあり、早い段階からの. コミ広場. 平松御神輿祭. 北九州漁協平松支所. 1,地縁にまつわる地区施設の再建にあたっては事業計. 格納庫. 子ども会. 計画立案が必要である。 2, 一方で集会所や広場等の新設される地区施設はこれ. 御大師堂運営会. 平松地蔵盆. 御大師堂. 平松御神輿祭実行委員会. 平松町夏祭り. コミ広場. 旧水神町内会関係者. らの地区施設の計画を考える上での議論の場や町内会 組織を形成する上での拠点として機能することが期待で き、できるだけ早い段階での整備が望ましい。. 蛭子祭. 蛭子神社. 各棟管理会・分譲ブロック. 花植え. コミ広場. 懇親会. 各棟管理会・分譲ブロック 凡例. による旧町内会の統合などがなされる他、地区施設の地権. 集会所. 北九州漁協平松支所. 老人会. 4,町内会組織の再編は事業による総合的な住宅地の改変. 水神社. 水神祭. 日明校区連合会. 催事. 地区施設. 住民組織. 集会所 運営. 協力. 参加. 利用. 図7 催事の運営主体と利用する地区施設の対応関係. 問題解消を目的とした法人格取得がなされることがある。. 参考文献. 3,地区施設にはそれぞれ固有の管理主体と催事での利. 1) クリアランス型住環境整備事業における従前居住者の生活再建プロセスに関する研究 人間環境学研究修士論文梗概集 市丸俊一 1998 年 2) 住環境整備事業における従前居住世帯の住宅再建プロセスに関する研究 人間環境学研究修士論文梗概集 中熊英則 1999 年 3) 公営住宅における居住者の自主管理ルールの形成に関する研究 人間環境学研究修士論文梗概集 石 林大 2000 年 4) 既漁村集落平松地区の住環境の変容に関する研究 人間環境学研究修士論文梗概集 村上 明 2001 年 5) 住環境整備地区における住民主体による住宅津管理ルールの形成に関する研究 人間環境学研究修士論文梗概集 中村 聡 2002 年 6) 公営住宅における住民自主管理システムに関する研究 人間環境学研究修士論文梗概集 宮田 誠 2003 年 7) 公営住宅における自主管理ルールと居住者の管理意識の形成に関する研究 人間環境学研究修士論文梗概集 平野晋一 2007 年 その他の文献 平松・鋳物師地区住環境整備事業報告書 北九州市建築都市局平松開発室 H18 年. 用主体が存在し、計画段階から施設整備と連動した住 民組織形成への働きかけが求められる。 5,地区施設の存在は地域に残る伝統行事の拠り所であ る場合が多く、再構築が良好になされれば事業後におい ても行事の継続的に発展が期待できる。 謝辞 本研究にあたり、平松町内会ならびに北九州漁業組合平松支部の皆様に多大なご協力を 頂きました。記して感謝いたします。. 26-.

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