• 検索結果がありません。

学 校 教 育 専 攻

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "学 校 教 育 専 攻"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

親のメタ養育認知による子育て支援 ーメタ養育認知の効果を中心としてー

学 校 教 育 専 攻 指 導 教 員 浜 崎 隆 司 幼年発達支援 コース

本ト信永

1.問題の所在と研究の目的: 親への心理的 支援の必要性

l

こついて認識も広まりつつある現在、

子育て支援の質的側面を検討するべきところにき ている。適切な育児行為のためには何を知ってお く必要があるのか、どのような育児方法が最も適 切なのかだけではなく子育てそのものについての 親自身の理解や知識・認知は、育児の質的な相違 を生む最も中心的な問題でありながら従来ほとん ど目を向けられていなかった。すなわち、メタ養 育認知である。もし、親が子どもをしつける時や 叱る時の自分の認知過程に関する知識を持ち、自 己の認知状態やその過程の評価ができたら、子育 て不安の解消につながることであろう。そして親 の自分のことを見つめ、自分の内面に耳を傾ける 姿勢は、子どもにも良い影響を与えることはし1う までもない。

本研究は、このような立場から養育行動を生起 させるための知識と活動の両面において、メタ養 育認知の適用および活用の可能性を、主にその方 法論に関する考察を試みたものである。すなわち、

本研究の目的は、親が日常生活の中で子どもの世 話をしている時、メタ養育認知知識とメタ養育認 知活動の活用がし、かに養育態度・行動、育児スト

レス・不安、自己制御・調整力に影響を与えてい るかを調べることである。普段の生活で親の養育 態度明子動のコントローノレやモニタリングとし1う 微妙で機重だと思われる内的変化を客観的に測定 するために、養育態度・行動と育児ストレス・不

安、自己制御・調整力を得点化してその変化を比 較調査する。また、養育態度・行動と育児ストレ ス・不安、自己制御・調整力の相互関係を総合的 に考察する。これによって、メタ養育認知の影響 およひ効果を多面的に捉えることができ、さらに メタ養育認知をはかり得るものと考える。子ども が示すオ子動を親自身がどのように認知しているか を親自身が気づくというメタ養育認知は、育児に 望ましい変化をもたらすと思われる。さらにその 結果から子育て場面で使用できるメタ養育認知の 活用法や向上法について検討する。本研究により、

子どもを持つ親が育児場面でメタ養育認知を活用 し、今後自分の養育態度・行動をコントロールし ていくことで、従来の育児ストレスや不安を改善 できると思われる。

2.メタ養育認知の定義: メタ認知は自分自 身の行動や感情の変化に気づく心的活動のことを いう。すなわち、自己を対象化してとらえる働き、

自己との対話、自己の問題意識を明確化したもの である。自己がイ可をどのように認知し、どのよう な感情を抱いているのか

l

こついての認識、また自 らがそのような心的活動を営んでいるという感覚 などを含む高次の認知制御機能をもっている。本 研究では、親が自分の子育てに関してどう認知し ているか、自己の養育態度、子育て方、しつけ方、

叱り方などを瞥見し得るかどうかに関した、メタ 養育認知を想定することにした。メタ養育認知は、

子育ての仕方の認知に対した認知で、あって、育児

‑210 ‑

(2)

過程・状態を理拍手し、育児中の問題解、尚昆程を自 ら計画、遂行、評価、修正する機能をもっている と思われる。親が子どもに適当に対応しているの か、または自分の環境や雰囲気の中の子どもとの 関係を理解ないし調節しているのかを確かめるの は、メタ養育認知の問題である。

3.方法: 本研究では、親の心理面からの深 層的な子育て支援を目指して、親が日常生活でメ タ認知の発揮ができる「メタ養育認知フ。ログラ ムJを作成した。そして子持ちの親にプログラム の実施前後同じ質問紙に答えてもらし1比騎周査研 究を行った。プログラムでは、親自身の子どもへ の適切な関わり方について意識の変化を目的とし 次の内容を扱った。(1)子どものことばかりで はなく、親自身の思いや行為、気持ちの変化に注 目する。 (2)親自身の体験から得られたメタ養 育認知知識・活動を促す。 (3)自分自身の内面 を見つめることにより自己修正の可能性を試みる。

こうした内容を特に叱り方に焦点を当て、一日ど れだけ実践できたかを実践記録表にOム×の3段 階で2週間自己評価してもらった。このようなプ ログラムによって、子持ちの親が育児場面でメタ 養育認知を活用し、今後自分の養育行為をコント ロールしていくことが、従来の育児問題の改善に つながることが期待される。プログラムの実施は 2004年7月の夏休みが始まる日に徳島市内のA幼 稚園とB小学校に450部を配布し、 8月末と9月初 旬の登校日に回収した(回収率5

1 .

1%)。

4.結果と考察 2週間のプログラムの実施 結果、親の育児態度・行動と自己制御・調整力が 改善され、育児ストレス・不安が大いに減少、した ことが認められた。子どもが親に示すす子動を親自 身がどのように認知しているかを親自身が気づく というメタ養育認知は、育児に望ましい変化をも たらしたと考えられる。また プログラムの実施

前の質問紙を診断尺度のように用いた結果、高低 群同様にプログラムの前後に有意差が認められた。

すなわち、養育態度・行動の高低群においてプロ グラムの裁長後、育児ストレス・不安が減少し自 己制御・調整力が改善されたのである。これは他 のカテゴリーにおいても同じで、あった。特に、育 児ストレス・不安高低群と自己制御・調整力のプ ログラム前後における2要因分散分析では、スト レス・不安を普段たくさん感じている人々にもっ ともプログラムの効果がみられた。これは認知療 法としてメタ認知が多く活用された先行研究の結 果を裏づけるものである。

さらに、プログラムについて親の意見や感想を 書いてもらった自由記述の分析では、質問紙の統 計分析結果を裏づける貴重な言及が多く見つかっ た。プログラムを通して子育てへの見方、考え方 について自分がどう受けとめているのか、自分が どれくらい認識しているのかというメタ養育認知 的思考を読みとることができたのである。また、

親自身のことを見つめ自分の内面に耳を傾ける姿 勢が、親に内側からの満足感を与えるだけではな く、子どもとの関係改善をはかることも可能であ ることが示された。

本研究は、認知心理学の中でも比較的新しいメ タ認知の領域からの子育て支援を提案したことに 意義がある。メタ認知を育児場面のメタ養育認知 として捉えることは、子育てにおいて何をどのよ うに支援するのかとし1う問題を改めて投げかける ことになるだろう。すなわち、これまでともすれ ば親たちが受け身的になりがちだ、った子育て支援 策を見直し、親自らの自己認識を書見した子育て 支援のあり方を考えることも必要である。親が自 らの態度、感情、行為や言葉かけを大切にしなが ら、主体的に自分をコントロールしていくことが 極めて重要だと考えられる。

‑211 ‑

参照

関連したドキュメント

 母子保健・子育て支援の領域では現在、親子が生涯

3 ⻑は、内部統 制の目的を達成 するにあたり、適 切な人事管理及 び教育研修を行 っているか。. 3−1

 英語の関学の伝統を継承するのが「子どもと英 語」です。初等教育における英語教育に対応でき

小学校学習指導要領総則第1の3において、「学校における体育・健康に関する指導は、児

 学部生の頃、教育実習で当時東京で唯一手話を幼児期から用いていたろう学校に配

 学部生の頃、教育実習で当時東京で唯一手話を幼児期から用いていたろう学校に配

を育成することを使命としており、その実現に向けて、すべての学生が卒業時に学部の区別なく共通に

を育成することを使命としており、その実現に向けて、すべての学生が卒業時に学部の区別なく共通に