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自立矢板式係船岸の鋼管矢板に生じる二次応力の設計法について

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Academic year: 2022

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(1)土木学会第70回年次学術講演会(平成27年9月). Ⅵ‑202. 自立矢板式係船岸の鋼管矢板に生じる二次応力の設計法について. (一社)鋼管杭・鋼矢板技術協会 ○塩崎禎郎 田中隆太 相和明男 大槻 貢. 1.はじめに 自立矢板式係船岸などに大口径の鋼管矢板を用いると,鋼. 土圧分布. M0. p. 管断面が扁平化することによって鋼管円周方向に二次応力が. H. 発生する.現行の港湾基準 1)では(1)式で二次応力を求め,軸. β. 方向応力とともに(2)式に示すミーゼス応力で設計することが. θ θ. 提案されている. R. 2. D σ t = αp  × 10−3  t . pRsinβ β. (1). σ Mises = σ l2 + σ t2 − σ lσ t. (2). ここに,σ t :二次応力(N/mm2) ,α:係数(鋼管矢板に. 図-1 鋼管矢板に作用する分布荷重と断面力. ,D:杭径(mm) ,t:板厚(mm) , 作用する土圧分布形状によって決まる) ,p:矢板壁に働く土圧および残留水圧(kN/m2) σ Mises :軸方向応力(N/mm2),σ l :軸方向応力(N/mm2). 本報告では,係数の算定根拠と,鋼管矢板壁に作用する土圧分布について検討した結果を紹介する.. 2.係数の算定式 図-1に示すように,鋼管矢板の継手部がスライド(自由に動くことができる)の条件で,土圧が角度βの範囲に面直角 に作用する場合,区間ごとの曲げモーメントは(3)~(5)式で表現できる.ここで,以降に示す式展開により頂部に作用する 曲げモーメント M0 を求める. (3). [θ = 0~β ] M 1 = M 0 − pR 2 (1 − cosθ ) + HR(1 − cosθ ). π. (4). [θ = β~ ] M 2 = M 0 − pR 2 {cos(θ − β ) − cosθ } + HR(1 − cosθ ) 2 [θ =. π. 2. ~π ] M 3 = M 0 − pR 2 {cos(θ − β ) − cosθ + (1 − sin θ ) sin β } + HR(1 − cosθ ) (5). U を鋼管 1/2 部分のひずみエネルギーとすると,最小仕事の原理から R ∂U ∂M Mi dθ = 0 = ∫ ∂M 0 EI ∂M 0. ∫. π. 0. M i dθ = M 0π + HRπ − pR 2 ( β +. 一方,. ∫. π. 0. ここに,. π 2. ∂U R ∂M = Mi dθ = 0 ∫ ∂H EI ∂H π. π. 0. 0. ∂M i =1 ∂M 0. sin β ) = 0. ここに,. π. ∴ ∫ M i dθ = 0 0. (6). ∂M = R (1 − cos θ ) ∂H. M i (1 − cos θ ) dθ = ∫ M i dθ − ∫ M i cosθdθ = 0. π. ∴ ∫ M i cos θdθ = 0 0. π. 1 1 M i cos θdθ = − HRπ + pR 2 {π + ( β − π ) cos β } = 0 2 2 2 pR  π  (6)(7)式から M 0 =  sin β + ( β − π )(1 − cos β )  π 2 . ∫. であるから. 0. (7) (8). (8)式から二次応力を求め,(2)式で係数αを算定した結果を図-2 に示す.また,梁要素を用いた FEM 解析で求めても同じ 値となることを確認した.同様に,継手部を固定条件(継手部にコンクリート等を詰めた状態を想定)とした場合の係数α を図-2 に示す. キーワード 鋼管矢板,二次応力,土圧 連絡先 〒100-0025 東京都中央区日本橋茅場町 3-2-10 一般社団法人鋼管杭・鋼矢板技術協会 TEL 03-3669-2437. ‑403‑.

(2) 土木学会第70回年次学術講演会(平成27年9月). Ⅵ‑202. 3.鋼管矢板壁に作用する土圧分布 上記検討のように鋼管矢板に生じる二次応力は,土圧が作用する区間によって大きく異なるが,鋼管矢板に作用する土圧 分布はこれまで十分に明らかにされていない.そこで,二次元平面の地盤の弾塑性解析を実施した.図-3 に解析モデルに示 す.解析プログラムは FLIP2)を用いた.自立矢板式係船岸に作用する土圧によって鋼管矢板の軸方向の曲げモーメントが最 大となる深さを検討対象とし,本事例では 16kPa となるような初期応力状態を再現した.この状態から鋼管矢板列を主働 側から載荷して,受働側の土圧の応力状態を観察した.なお, 0.25. (8)式 (スライド) FEM (スライド) FEM (固定). 鋼管矢板と土要素の間にジョイント要素を配置し,接線方向の 0.20. 摩擦が全く効かない状態(Ks=0 と表記)と,鋼管矢板と土要素. 0.15 α. が完全に固定された状態(完全付着と表記)を対象とした.実 際の挙動は両者の中間にあるものと考えられる.継手部をスラ. 0.10. イドと固定の両者を対象とした. 0.05. 鋼管矢板に作用する土圧分布は,鋼管矢板に接する土要素の. 0.00. 応力を鋼管矢板面直角方向に変換して求めることにした.鋼管. 0. 矢板 1 本当たり 40kN と 200kN 載荷した際の土圧分布を図-4. 30. 60 90 120 分布幅 2θ (deg). 150. 180. 2β(deg.). に示す.これらの結果から,継手部がスライドする状態では, 図-2 分布荷重の作用幅と係数αの関係. 鋼管頂部から±55°(110°の範囲)くらいの範囲で,ほぼ等分 3.54m. 布で土圧が作用し,継手部周辺で土圧が増えている.本検討で 【地盤:マルチスプリング要素】 N値:10,σma’=98(kPa) Gma=8.45E+04 (kPa),φ=39.76 (deg) 間隙水要素は配置しない 【鋼管矢板:線形はり要素】 直径:1000mm,板厚:14mm G=7.69e+07(kPa),ポアソン比=0.3,ρ:7.85(t/m3). は,二次応力が最も厳しくなるような土圧分布にはなっていな いことがわかった.一方,継手部を固定とした状態でも鋼管頂 部付近では同様の傾向を示すが,継手部での土圧の増加は見ら 地盤. 継手部は地盤の すりぬけ禁止. れない.. 継手固定時は継手が動 かない拘束をかける. 4.二次応力設計法のまとめ 鋼管矢板. 軸方向応力と二次応力を(2)式のミーゼス応力で評価する 場合,両者の符合が異なる場合に軸方向応力を超える.軸方 向応力が最大となるのは海底面下で,鋼管矢板の受動側の軸. 荷重. 方向応力は圧縮となる.一方,鋼管矢板受動側頂部に生じる 二次応力は外側で圧縮,内側で引張となる.したがって,二. 図-3 二次元平面の弾塑性解析モデル. 次応力は内側の引張を選択することで,安全側の評価を行う ことが可能となる. 160. 120 80. 土圧分布 (kPa). 土圧分布 (kPa). 160 Ks=0 スライド. 120. 完全付着 スライド. 40. 80. 完全付着 固定. 40 0. 0 90.0. Ks=0 固定. 60.0. 30.0. 0.0. -30.0. -60.0. 90.0. -90.0. 60.0. 30.0. 600. -60.0. -90.0. -30.0. -60.0. -90.0. 900. Ks=0 スライド 完全付着 スライド. 600. 300. Ks=0 固定 完全付着 固定. 300. 0 90.0. -30.0. [載荷荷重 40kN] 土圧分布 (kPa). 土圧分布 (kPa). 900. 0.0 θ (deg.). θ (deg.). 60.0. 30.0. 0.0 θ (deg.). -30.0. -60.0. -90.0. 0 90.0. 60.0. [載荷荷重 200kN]. 30.0. 0.0. θ (deg.). 図-4 鋼管矢板に作用する土圧分布 参考文献 1)日本港湾協会,港湾の施設の技術上の基準,2007.2) Iai,S., Matsunaga,Y. and Kameoka, T. : Strain Space Plasticity Model for Cyclic Mobility, SOILS AND FOUNDATIONS, Vol.32, No.2, pp.1-15, 1992.. ‑404‑.

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