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画像解析を用いた水理模型実験における越波量計測

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Academic year: 2022

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(1)II‑094. 土木学会西部支部研究発表会 (2012.3). 画像解析を用いた水理模型実験における越波量計測 九州大学. 学生会員. ○村上 邦宏. 正 会 員. 山城 賢. 吉田 明徳. 1.はじめに 防波堤や護岸で生じる激しい飛沫の打上げは一波毎に大きく異なり,近年では,沿岸防災を考えるうえで, 越波流量などの時間平均量だけでなく,一波毎の越波量や打上げ高を把握することの重要性が指摘されてい る.そのような検討には水理模型実験が適していると思われ,一波毎の越波量については模型実験で計測さ れた例がいくつかある.しかし,一般的に一波毎の越波量を計測することは困難であり,確立された計測手 法は存在しない.著者らは,これまでに可視化実験と画像解析によって一波毎の越波量と打上げ高を計測す ることを試みてきた1).しかし,瞬間的に水面形状が大きく変化し,かつ水塊や飛沫が発生する極めて複雑 な現象を精度よく計測する事は容易ではなかった.本研究では,一波毎の越波や打上げをこれまで以上に精 度良く計測することを目的に,可視化に用いるトレーサーについて検討し可視化手法の改良を試みた. 2. 内容 2.1. 実験内容. 本研究で検討している越波量の計測手法は,護. 18.7cm. 13.6cm 8.3cm 1:1.5 12.6cm. 岸模型の前面での流体運動(波の打上げや越波). 半円ダクト. を可視化し,高速度カメラで撮影して,その記録. 方形ダクト. 吸込みダクト. から PIV(Particle Image Velocimetry)により流速 ベクトルを算出し,流速ベクトルをもとに越波量. 0.8m. 4.0m. 観測部 造波装置. を算出するというものである.. 0.3m. 0.5m. 送風機. 1:50 防波堤 28.0m. 20.0m. 越波枡. 実験には図-1 に示す断面二次元造波風洞水路 図-1. (長さ 28m,高さ 0.5m,幅 0.3m)を使用した. この水路は,越波や飛沫の発生状況をよく観察できるよ. 実験装置. 波高計. 背景. うに,一部に広いガラス面(観察部)を有している.こ. ロングパスフィルター. の水路内に,海底斜面および直立堤の模型を作成した.. 高速度カメラ. 入射波は周期 T=1.0s の規則波で,波高 H を 4cm から 8cm まで変化させた. ビデオ撮影には VGA 解像度で 400fps の撮影が可能な. レーザー 2.5cm. 高速度カメラを使用した.撮影範囲は堤体前面の天端付 近であり,図-2 に示すように,背景となる黒い板を設置 し,ミラーを利用してグリーンレーザーシートをマウン ドの下から照射して護岸前面に混入したトレーサーを発. ミラー. 5.0cm 15cm 30cm. 図-2 堤体前面部の撮影. 光させた.高速度カメラによる撮影は,反射波の影響を含まないよう,造波開始後に定常となった最初の 5 波について撮影を行った.これらの可視化とビデオ撮影に加え,堤体背後に大きな越波升を設置した.また, 堤体前面に 1 箇所,越波升内の 2 箇所に波高計を設置し,水位変動を計測した. 2.2. マイクロバブルのトレーサーとしての利用. PIV によりできるだけ正確な流速ベクトルを得るためには,解析に適した画像を得ることが最も重要であ る.画質はレーザーシートの出力やカメラの感度に強く依存するが,ハイスペックの機器は非常に高価であ るため,本研究ではトレーサーの改良を試みた.トレーサーとしては,これまで数種類の市販の蛍光トレー サーを使用したが,高密度に混入しても輝度が不足していた.そこで,本研究では新たにマイクロバブルの ‑337‑.

(2) II‑094. 土木学会西部支部研究発表会 (2012.3). 利用を試みた.マイクロバブルは直径が数 10µm 以下の気泡で,非 常に小さいためほぼ球形であり,浮上速度が遅いなど通常の気泡と は異なる性質を持つ.発生方法はいくつかあるが,本研究では,図 -3 に示すように,ポリバケツ内の水を金属アスピレーターを取り付. マイクロバブル. けたポンプで循環させて簡易的に発生させた.ただし,この発生法 の場合,水道水ではマイクロバブルの発生量が少ないため,人工海. 吸水. 水を利用し十分な量のマイクロバブルを発生させた.したがって, 図-3. 水路内の淡水中に海水のマイクロバブ ルを混入することになるが,混入する. 蛍光トレーサー. のは護岸前面の限られた部分であり,. 検査面. マイクバブル発生の様子. マイクロバブル. 海水の混入量そのものは少ないため, 激しい越波や打上げに対しては,海水 の影響は小さいと判断した. 2.3. PIV の解析結果 図-4. 図-4 に PIV 解析結果を示す.市販の. PIV 解析結果の比較 H6. 蛍光トレーサーに比べ,マイクロバブルの方が,明らかに高. 100. い輝度を確保できている事が分かる.これは意図的に極めて 50. めであり,これにより,越波のような複雑な現象であっても. V(cm/s). 高い密度のマイクロバブルを混入することが容易にできるた. 0. 比較的鮮明に撮影する事が可能となった.図-5 は護岸天端付 近の流速を一波について示したものである.蛍光トレーサー. 欠測. -50. 流速(マイクロバブル) 流速(蛍光トレーサー). の場合は,輝度不足による欠測が多くみられるのに対し,マ イクロバブルを利用した場合には欠測が少なく,より精度良. -100 0.05. 0.1. 0.15. 0.2. 0.25. 0.3. 0.35. t(s). く流速を計測できていることが分かる. 2.4. 0. PIV による解析結果(鉛直流速). 図-5. 越波量の算定. -3. PIV による流速の計測結果をもとに,図-4 に示す検査面を通過す. 10. 越波量(PIV) 越波量(越波升). 射波高と越波量の関係を示す.図中には越波升に流入した水量から 算出した越波量を比較のため示している.入射波が規則波であるた め越波升での計測は比較的精度が高いと思われる.画像解析による 越波量と越波升での越波量とを比較すると,波高が大きくなり越波. 越波量 (m 3/(m・波)). る水量を一波の期間について積分し,越波量を算出した.図-6 に入. -4. 10. 量が増加すると多少の差が生じているが,概ね妥当な結果が得られ ている. 3. 結論. -5. 10. 一波毎の越波や打上げを計測するための可視化実験において,計 測精度の向上を目的に,トレーサーとしてマイクロバブルを用いた 可視化を試みた.その結果,市販の蛍光トレーサーを用いていたこ. 0.03. 0.04. 0.05. 0.06. 0.07. 0.08. 0.09. 波高(m). 図-6. 越波量の比較. れまでの可視化実験に比べ,より PIV 解析に適した画像を得ることが可能となり,越波量の計測精度が向上 した.今後は,本計測手法の精度を更に向上させるとともに,不規則波による越波の計測を行うことを予定 している. <参考文献> 1) 東和弥(2010) : 越波・打上げの可視化実験と画像解析,九州大学卒業論文. ‑338‑.

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参照

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