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函体推進工法

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Academic year: 2022

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(1)2.既往の交差構造物の構築工法 (1)構築工法の種類と変遷 日 本 の 鉄 道 に お い て は ,地 下 で 交 差 す る 構 造 物 の 構 築 工 法 は ,当 初 は 開 削 工 法 に よ る 仮 線 工 法 や 線 路 仮 受 工 法 ( 工 事 桁 工 法 ) が 主 流 で あ っ た . し か し , 高 度 成 長 期 ( 1960 年 頃 )の 列 車 本 数 の 増 加 に 伴 い ,線 路 内 作 業 の 多 い 開 削 工 法 の 採 用 が 難 し く な っ て き た . そ こ で , 列 車 の 運 行 を 確 保 し た 状 態 で ,線 路 下 に 交 差 構 造 物 を 構 築 で き る 工 法 と し て 非 開 削 工 法 が 数 多 く 開 発 さ れ た .現 在 は ,そ れ ぞ れ の 工 法 の 特 性 を 生 か し な が ら ,条 件 に 合 わ せ て 最 適 な 工 法 を 選 定 し て い る 。 図 ‑1.2 に 一 般 的 に 用 い ら れ る 交 差 構 造 物 の 構 築 工 法 例 を 示 す . ま た , 図 ‑1.3 に 各 工 法 の 変 遷 を 示 す 仮線工法. 開削工法. オープン工法 工事桁工法 一般トンネル工法. 非開削工法. JES工法 エレメント横締め工法 URT工法 PCR工法 パイプルーフ工法 パイプビーム工法. エレメント けん引工法 (HEP工法) エレメント推進工法. フロンテジャッキング工法 R&C工法(BR工法) 刃口推進工法 ESA工法 R&C工法(SC工法). 函体けん引工法. 函体推進工法. 図 ‑1.2. 一般的に用いられる交差構造物の構築工法例. 開削工法 1963. パイプルーフ工法 1977. URT工法 1977. PCR工法 1986. R&C工法 1997. HEP&JES工法 1960. 図 ‑1.3. 1970. 1980. 1990. 2000 年. 交差構造物の各構築工法の変遷. 3.

(2) (2)構築工法の概要 a)パイプルーフ工法 日 本 の 線 路 下 の 交 差 構 造 物 の 構 築 工 法 に お け る 非 開 削 工 法 は ,1 9 6 3 年 頃 ア メ リ カ か ら 導 入 さ れ た パ イ プ ル ー フ 工 法 が 初 め て で あ る .写 真 ‑ 1 . 1 ,写 真 ‑ 1 . 2 に 示 す よ う に ,こ の 工 法 は ,線 路 の 防 護 工 と し て あ ら か じ め 線 路 下 に 鋼 管 を 挿 入 す る 工 法 で あ る .支 保 工 に よ り 鋼 管 ご と に 線 路 を 仮 受 し た 後 に ,鋼 管 下 の 土 砂 を 掘 削 し て 構 造 物 を 場 所 打 ち で 構 築 す る 工 法 で あ る . 現 在 ま で の 施 工 件 数 は , 約 1300 件 で あ る .. 写 真 ‐ 1.1. パイルーフ工法(1). 写 真 − 1.2. パイルーフ工法(2). 4.

(3) b)フロンテジャッキング工法 フ ロ ン テ ジ ャ ッ キ ン グ 工 法 は , 1965 年 頃 に 開 発 さ れ , 現 在 ま で 約 700 件 の 施 工 実 績 が あ る . こ の 工 法 は ,図 ‑ 1 . 4 , 写 真 ‑ 1 .3 に 示 す よ う に , 立 坑 内 で 交 差 構 造 物 本 体 を 構 築 し た 後 に , 前 方 に 設 置 し た セ ン タ ー ホ ー ル ジ ャ ッ キ と PC 鋼 よ り 線 に よ っ て , こ の 構 造 物 本 体 を 所 定 の 位 置 に け ん 引 す る 工 法 で ,パ イ プ ル ー フ に よ り 線 路 を 間 接 防 護 す る こ と が一般的である.. 図 ‑1.4. 写 真 ‑1.3. フロンテジャッキング工法(1). フロンテジャッキング工法(2). 5.

(4) c)URT工法,PCR工法 U R T 工 法 は ,1 9 7 7 年 頃 に 開 発 さ れ , こ 道 橋 を 下 路 桁 形 式 で 施 工 し た の が 最 初 で あ る . 現 在 ま で 約 1 1 0 件 の 施 工 実 績 が あ る .ま た , P C R 工 法 ( 図 ‑ 1.6 ) も 同 時 期 に 開 発 さ れ , 現 在 ま で 約 50 件 の 施 工 実 績 が あ る . URT 工 法 を 図 ‑1.5, PCR 工 法 を 図 ‑1.6 に 示 す . こ れ ら の 工 法 は ,構 造 物 を エ レ メ ン ト と 呼 ば れ る 小 さ な 単 位 に 分 割 施 工 す る こ と か ら 線 路 に 与 え る 影 響 を 小 さ く す る こ と が で き る .し か し ,下 路 桁 形 式 の 場 合 に は ,そ れ ぞ れ の エ レ メ ン ト が 線 路 直 角 方 向 に 桁 構 造 に な る た め に ,構 造 物 の 線 路 を 横 断 す る 延 長 は 複線程度までしか適用できず,比較的に小規模な構造物に適している.. 中央部. 端部. 図 ‑1.5. URT 工 法 ( 下 路 桁 方 式 ). 図 ‑1.6. PCR 工 法 ( 下 路 桁 方 式 ). 6.

(5) d)R&C(SC)工法 R & C( S C )工 法 は ,1 9 8 6 年 頃 に 開 発 さ れ , 地 下 道 に お い て 初 め て 採 用 さ れ て い る . R & C ( S C ) 工 法 を 図 ‑ 1 . 7 , 図 ‑ 1 .8 に 示 す . R & C 工 法 は ,フ ロ ン テ ジ ャ ッ キ ン グ 工 法で用いられるパイルーフの代わりに箱型ルーフと呼ばれる角型鋼管によって線路を 防 護 し ,こ の 箱 型 ル ー フ を 押 し 出 し な が ら 構 造 物 本 体 を 線 路 下 に 設 置 す る 工 法 で あ る . こ の 工 法 は ,フ ロ ン テ ジ ャ ッ キ ン グ 工 法 に 比 べ て パ イ プ ル ー フ 分 の 土 被 り を 小 さ く す る こ と が で き る .構 造 物 を 押 し 込 む S C 工 法 と 引 き 込 む B R 工 法 と が あ り , 現 在 ま で 約 2 30 件の施工実績がある.. 図 ‑1.7. 図 ‑1.8. R&C( SC) 工 法 ( 1 ). R&C( SC) 工 法 ( 2 ). 7.

(6) (3)既往の構築工法の課題. 既往の構築工法の課題は,一番には公共交通の直下もしくは近傍で施工したと きの影響である.また,各構築工法は,その施工方法等の特徴によって,工期, 経済性の面でも,それぞれの課題を有している. 既 往 工 法 の 1 つ で あ る R&C 工 法 な ど の 函 体 推 進 ( も し く は , け ん 引 ) 工 法 は ,パ イ プ ル ー フ の 代 わ り に 箱 型 ル ー フ と 呼 ば れ る 角 型 鋼 管 に よ る 防 護 工 を 行 い ,こ の 箱 型 ル ー フ を 押 し 出 し な が ら 構 造 物 本 体 を 路 面 下( 道 路 下 や 線 路 下 )に 設 置 す る 工 法 で ,パ イ プ ル ー フ を 設 置 す る 分 の 土 被 り を 小 さ く す る こ と が で き る .し か し ,こ の 工 法 は ,箱 形 ル ー フ の 路 面 下 で の 施 工 が ,防 護 工( 防 護 ル ー フ )の 施 工 時 と 本 体 構 造 物 施 工 時 の 2 回 に わ た り ,本 体 構 造 物 の 推 進 時 に は ,大 き な 構 造 物 が 路 面 下 を 移 動 す る た め に 路 面 の 移 動 が 発 生 し た り ,防 護 ル ー フ と 本 体 構 造 物 の 設 置 位 置 の 差 か ら 生 じ る 隙 間 等 に よ り 路 盤 陥 没 が 発 生 す る 事 例 が 生 じ て い る .別 の 既 往 工 法 で あ る フ ロ ン テ ジ ャ ッ キ ン グ 工 法 な ど の 防 護 ル ー フ 押 出 し 函 体 け ん 引 工 法 は , パ イ プ ル ー フ に よ り 路 面 下 を 防 護 し た 中 で ,別 途 構 築 し た 構 造 物 本 体 を 前 方 に 設 置 し た セ ン タ ー ホ ー ル ジ ャ ッ キ と PC 鋼 よ り 線 に よ り 所 定 の 位 置 に け ん 引 す る 工 法 で あ る ,こ の 工 法 は ,大 断 面 の け ん 引 に な る た め 周 辺 地 盤 へ の 影 響 が 大 き く ,そ の た め に 防 護 工( 防 護 ル ー フ )が 不 可 欠 で ,こ の 防 護 ル ー フ を 施 工 す る た め の 土 被 り を 大 き く す る 必 要 が あ る . ま た , PCR 工 法 な ど の 函 体 エ レ メ ン ト 押 し 出 し 工 法 の 場 合 は ,エ レ メ ン ト を 橋 り ょ う 等 の 横 桁 と し て 設 計 す る た め ,部 材 と し て の 必 要 耐 力 か ら 一 般 的 な 寸 法 の エ レ メ ン ト( 高 さ 1 m 程 度 )で は 横 断 す る 延 長 が 複 線 程 度 に 制限される.. 既往の構築工法別の課題を以下に示す.. a ) 防 護 ル ー フ 押 出 し 函 体 推 進 ( も し く は け ん 引 ) 工 法 ( R&C 工 法 等 ) ・構造物本体を推進(もしくは,けん引)するため,大断面の推進(もしくは,けん 引)となり道路や線路への影響が大きい. ・防護工(防護ルーフ)の施工と函体の推進(もしくはけん引)が必要で,既設の道 路下や線路下で2回の掘進施工が伴うため,道路や線路への影響が大きい. ・防護工(防護ルーフ)の施工位置に函体を推進(もしくはけん引)するため,ルー フ の 施 工 精 度 を 有 す る .そ の た め ,施 工 精 度 に よ っ て は ,防 護 ル ー フ の 推 進 軌 跡 と 函 体 の 軌 跡 が 異 な る こ と に な り ,そ の 差 に よ っ て 隆 起 ・ 陥 没 を 発 生 さ せ る 場 合 が あ る. ・函 体 の 推 進( も し く は け ん 引 )時 に は ,陥 没 対 策 用 に 上 床 部 の 防 護 ル ー フ を 延 長 す る方向に更にパイプルーフ(捨てルーフ)が必要になり,立坑寸法が大きくなる.. 8.

(7) b)防護工+函体けん引工法(フロンテジャッキング工法等) ・構造物本体を推進(もしくは,けん引)するため,大断面のけん引となり道路や線 路 へ の 影 響 が 大 き い .そ の た め ,パ イ プ ル ー フ な ど の 間 接 防 護 が 不 可 欠 で あ り ,必 要な土被りが大きくなる. ・立 坑 内 で 函 体 を 構 築 す る た め ,発 進 坑・到 達 坑 の 大 き さ で 制 限 を 受 け る 場 合 が あ る . また,分割施工の場合は,函体間の止水対策が必要となる.. c)防護工+函体構築工法(パイプルーフ工法等) ・上 床 版 の 施 工 時 に パ イ プ ル ー フ 下 に 鉄 筋 の 組 み 立 て ,コ ン ク リ ー ト 打 設 ,型 枠 清 掃 等のための作業スペースが必要になる. ・函 体 と パ イ プ ル ー フ の 間 の 上 記 の 作 業 ス ペ ー ス を 函 体 の 構 築 後 に 無 収 縮 性 で 充 填 性 のよい材料で充填する必要がある. ・パイプルーフを支持する支保工がある場合は,支保工が構造物本体を貫通したり, 構 造 物 を 分 割 し て 施 工 し な け れ ば な ら な い た め ,支 保 箇 所 が 止 水 面 の 弱 点 と な り 対 策が必要となる. ・パ イ プ ル ー フ を 仮 受 け 桁 と し て 用 い る 工 法( パ イ プ ビ ー ム 工 法 等 )の 場 合 は ,パ イ プルーフ施工後に支持杭や受け桁の設置が必要になる. ・ パ イ プ ル ー フ を 仮 受 け 桁 と し て 用 い る 工 法 の 場 合 は ,横 断 す る 延 長 が 長 く な る と パ イプ径が大きくなり,必要な土被りが大きくなる. ・ パ イ プ ル ー フ を 仮 受 け 桁 と し て 用 い る 工 法 の 場 合 は ,横 断 す る 延 長 が 長 く な る と パ イ プ を 現 場 溶 接 で 継 ぐ た め ,こ の 溶 接 作 業 に よ り パ イ プ ル ー フ の 掘 進 施 工 時 間 が 長 くなる.. d ) 函 体 エ レ メ ン ト 押 し 出 し 工 法 ( PCR 工 法 等 ) ・ エ レ メ ン ト を 横 桁 と し て 用 い る 下 路 桁 形 式 の 場 合 は ,横 断 す る 延 長 が 長 く な る と 桁 高 が 高 く な る .な お ,エ レ メ ン ト 間 の 継 手 剛 性 を 考 慮 で き る 構 造 で な い た め ,エ レ メントは,梁部材として設計される. ・ 下 路 桁 形 式 の 場 合 は ,エ レ メ ン ト 推 進 後 に エ レ メ ン ト を 支 持 す る 主 桁 が 必 要 と な る ため,一般的に工期が長くなる. ・横 断 す る 延 長 が 長 く な る と エ レ メ ン ト を 現 場 溶 接 で 継 ぐ た め ,こ の 溶 接 作 業 に よ り , エレメントの掘進施工時間が長くなる. ・ プ レ ス ト レ ス コ ン ク リ ー ト 製 の エ レ メ ン ト の 場 合 は ,エ レ メ ン ト 部 材 厚 が 厚 く 内 空 が 狭 い た め ,掘 削 断 面 積 が 制 約 さ れ る .そ の た め ,エ レ メ ン ト 推 進 時 に 支 障 物 が 発 生すると取り込みが困難となり掘削できなくなる場合がある.. 9.

(8) (4)新しい構築工法の開発 既 往 工 法 の 課 題 を 踏 ま え て ,新 し い 交 差 構 造 物 の 構 築 工 法 を 開 発 し た .従 来 の パ イ プ ル ー フ を 用 い て 防 護 し な が ら 施 工 す る 工 法( 防 護 工 + 函 体 け ん 引 工 法 ,防 護 工 + 函 体 構 築 工 法 等 )や 防 護 ル ー フ と 構 造 物 本 体 と を 置 換 す る 工 法( 防 護 ル ー フ 押 出 し 函 体 推 進( も しくは,けん引)工法等)に比べて,道路や線路に与える影響が小さく安全な工法であ ること,施工性に優れ,施工速度および精度の向上が図れること,そして,コスト削減 を 図 れ る こ と を 開 発 目 標 と 定 め た .そ の 結 果 ,構 造 物 は 小 さ な 単 位( 以 下 、エ レ メ ン ト ) を 連 結 し て 構 築 す る こ と を 考 え て ,エ レ メ ン ト 間 は 耐 力 を 有 す る 特 殊 な 継 手 で 連 結 し 中 空のエレメントにコンクリート充填することで構造部材を構築することとした.また, エレメントの設置方法は,けん引方式を用いることとした.. 10.

(9)

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