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凍結防止剤が散布されるコンクリート橋の洗浄効果検証

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Academic year: 2022

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(1)

凍結防止剤が散布されるコンクリート橋の洗浄効果検証

(株)高速道路総合技術研究所 正会員 ○竃本 武弘

(株)高速道路総合技術研究所 正会員 野島 昭二

(財)日本塗料検査協会 正会員 藤田 庫雄 1.はじめに

積雪寒冷地の道路橋では,冬季に散布される凍結防止剤(

NaCl

CaCl

2)を含む塩水が車両の走行による巻上げ で飛散したり,伸縮装置から漏水したりして,コンクリート構造物に塩害による劣化が生じていることが多い.1)

これまで塗装された鋼橋では,桁を水で洗浄すると付着塩分がほぼ完全に除去されることが確認されている.2)コ ンクリート橋においても同様に,付着塩分除去による塩害の抑制を期待し,凍結防止剤散布が終了する時期に水洗 いによる洗浄を行った橋梁の洗浄効果を調査,検証した.

2.対象橋梁

調査対象構造物は,名神高速道路 彦根

IC~八日市 IC

間に位置するコンクリート橋で,昭和

39

4

月の供用後,

45

年経過している.本地域は,冬季に冬型の気圧配置になると雪雲の通り道となり,降雪日が多く,全国の高速 道路中でも凍結防止剤の散布量が多い地域の一つである.

3.洗浄方法

調査対象とした橋梁で行われた洗浄方法は,以下のと おりである.

・洗浄時期・・・平成

16

年~

20

年,毎年

4

月に

1

・洗浄水,水圧・・・水道水(常温),約

10MPa

・洗浄時間・・・

1

部位あたり

10

20

秒程度

・洗浄範囲・・・伸縮装置の前後約

5m

洗浄の範囲,状況を写真 1に示す.

4.調査方法

(1)付着塩分量

桁の洗浄を行う前後に,桁の付着塩分量を測定した.

測定方法は,測定箇所を純水で湿らせたガーゼで拭取り,純水を入れたビーカーに付着塩分を拭取ったガーゼを浸 して塩分を抽出し,水溶液の塩化物イオン量を測定した.測定箇所は,図 1に示す

A~F

6

箇所とした.

(2)コンクリート中の塩化物イオン濃度

桁の洗浄時に,桁の一部をマスキングした未洗浄部を設け,洗浄部との比較が行えるようにした.コンクリート 表面から小径コアを採取し,深さ

0

20mm

20

40mm

の部分の可溶性塩化物イオン濃度を測定した.測定箇所は 図 1の

D

E

2

箇所とした.

図 1 調査箇所の概要 キーワード 洗浄,コンクリート橋,付着塩分量,塩化物イオン濃度,

連絡先 〒194-8508 東京都町田市忠生 1-4-1 (株)高速道路総合技術研究所 橋梁研究室 TEL042-791-1625 写真 1 洗浄の範囲,状況

伸縮装置 約

5m

5m

橋梁全幅

A B C F E D

上り線 断面図 下り線

土木学会第64回年次学術講演会(平成21年9月)

‑323‑

Ⅴ‑163

(2)

0 100 200 300 400 500

洗 浄 前

洗 浄 後

洗 浄 前

洗 浄 後

洗 浄 前

洗 浄 後

洗 浄 前

洗 浄 後

洗 浄 前

洗 浄 後

洗 浄 前

洗 浄 後

A B C D E F

付着塩分量(mg/㎡)

H16:1年目 H17:2年目 H18:3年目 H19:4年目 H20:5年目

5.調査結果

(1)付着塩分量

付着塩分量の測定結果を図 2 に示す.

調査年度により測定値が大きくばらつき,

洗浄の前後において付着塩分量が明確に 低減するとは言い難い.この理由として は,付着塩分の採取方法にばらつきがあ ることや洗浄水によりコンクリート表面 近傍付近の塩化物イオンが表面へ析出さ れたことなどが考えられる.

(2)コンクリート中の塩化物イオン濃度 コンクリート中の可溶性塩化物イオン 濃度の測定結果を図 3,図 4に示す.

未洗浄部と洗浄部を比較すると,可溶性 塩化物イオン濃度はコンクリート表面か ら深さ

0~20mm

の部分では,いずれも洗 浄部が小さいが,深さ

20~40mm

の部分 では,明確でない.また,測定箇所別の結 果を比較すると,塩化物イオン濃度が高 い方が塩化物イオンの低減が明確である.

6.まとめ

今回の洗浄方法による塩化物イオンの低減効果は,コンクリート表面から深さ

20mm

の範囲ではいくらか見られ るが,鉄筋位置に相当する深さ

20

40mm

の範囲では,明確に見られない.今後,洗浄効果を上げるためには,洗 浄を行う頻度や時期の見直し,表面被覆材や表面含浸材との併用など,洗浄方法の改善が必要である.

謝辞

本検証を行うにあたり,中日本高速道路(株)彦根保全・サービスセンターの関係各位には,各種データの提供 等,多大なご協力を頂いた.ここに改めて感謝の意を表します.

参考文献

1)熊谷他:北陸地方の橋梁けた端部のコンクリート部材の損傷特性と劣化推移,土木学会論文集,No.798,Ⅵ-68,pp31-39,2005.9 2)畑山他:橋梁洗浄の有効性に関する研究,土木学会年次講演会講演概要集,Vol.57th,pp511-512,2002.9

図 3 可溶性塩化物イオン量の測定結果(深さ 0~20mm)

図 2 付着塩分量の測定結果

図 4 可溶性塩化物イオン量の測定結果(深さ 20~40mm)

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0

未洗浄部 洗浄部 未洗浄部 洗浄部

D D E E

可溶性塩化物イオン濃度(/m

H16:1年目 H17:2年目 H18:3年目 H19:4年目 H20:5年目

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0

未洗浄部 洗浄部 未洗浄部 洗浄部

D D E E

溶性塩化物イオン濃度(k

H16:1年目 H17:2年目 H18:3年目 H19:4年目 H20:5年目 土木学会第64回年次学術講演会(平成21年9月)

‑324‑

Ⅴ‑163

参照

関連したドキュメント

どの程度可能となるのか検証を行った。 試算条件 は、 機器の償却年数を10年と仮定、 試験運用フィー

その結果、最小値および最大値はそれぞれ、2.0 秒と 3.1 秒、平均値は 2.3 秒であった(図-10) 。 このタイムラグの一因としては、

の増加は認められたが,極めて低い値であることが報告されている.また,凍結防止剤

(1ど;旨〕 同一組織内にあって,職分上具 t.(

[r]

前節で述べた通り, 1970 年代における床版の疲労損傷問題を契機に, RC 床版 の疲労損傷問題に関する検討が開始され,その後の

実験 1

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