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乳児と幼児の「遊び歌」に関する考察 : 新曲作成の試み

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(1)

平成

25年

乳 児 と幼児 の 「遊 び歌 」 に関す る考 察

一 新 曲作成 の試 み一

兵庫教育大学大学院

学校教育研究科

教育内容・方法開発専攻

文化表現系教育 コース

(音

)

M12198F

藤本

千佳

(2)

凡 例

文献を示す場合に用いる。

・「

特定の語句 に対す る強調 を示すために用いる。

( )本

文 中にお ける言語表記・訳語 を含む補足事項 を示す場合 に

用い る。

・【

】 図・譜例を示す場合に用いる。番号は章ごとに新たにする。

p

引用部分 において、引用文献 を明記す る場合 に用い る。番号

は節 ごとに新たにす る。

・ 引用文献及び資料 は、頁下の脚注に明記す る。 さらに、巻末 に引用・参

考文献 を巻末 に一括 して記載す る。

0人名の敬称 は全て省略する。

(3)

目 次

は じめに。

I章

海 外 と 日本 にお け る 「子 どもの音 楽 」.… … … … …. 第

1節

海 外 にお け る今 日ま で の変 遷.… … … … …・ 第一項 欧米諸国における、保育園 と幼稚園の変遷 第二項 海外の 「子 どもの音楽」 第二項 今 日の海外の 「子 どもの音楽」 第

2節

日本 にお け る今 日まで の変遷 。… … … 。 第一項 戦前の 「子 どもの音楽」 第二項 戦後の 「子 どもの音楽」 第

3節

海 外 と 日本 の変遷 を通 した 比 較 考 察.… … … … …・

第 Ⅱ章

子 どもの発達 と音楽の関係

.…

………。

32

1節

子 どもの身体発達

.…

………。

32

2節

音楽的感性 と身体表現の関係

.…

………・

41

3節

身体表現 としての 「遊び歌」の可能性

.…

………・

54 第 Ⅲ 章 実 践 モ デ ル と して の 「遊 び 歌 」 の応 用・ 発 展.… … … … …・

1節

既 成 曲 をア レンジ した 「遊 び 歌 」.… … … … …・ 第一項 リトミック 第二項 器楽合奏 第

2節

新 た な る 「遊 び 歌 」.… … … … …・ 第一項 ふれあい遊び 第二項 ビー ト感 を伴 う「遊び歌」 お わ りに.… … … … …・ 引用・ 参 考 文 献 及 び 資 料 2   2 14 28 73 2   2 6   6 81

(4)

は じ め に 文部科 学省 の幼稚 園教 育要領 と、厚 生労働省 の保 育所保 育指針 で は、小学 校 就 学 前 に育つ こ とが期待 され る

5つ

の領域 が述べ られ てい る。 その領域 の

1つ

で あ る 「表 現 」 では、豊 かな感性や表現す る力 を養 い、膚J造性 を豊 か に す る こ とを 目的 と してい る。 この領 域 にお け る 「内容 」 の

1つ

に 「音 楽 に親 しみ 、歌 を歌 つた り、簡単 な リズム楽器 を使 つた りな どす る楽 しさを味わ う」 と書 かれ てい る。つ ま り、「遊 び歌」や簡 単な合奏 を含 め、子 どもが音楽 に触 れ る機 会 を持 つ こ とは、心身 のす こや かな成長 に影 響 を与 えるので ある。 筆者 が保 育 士 と して働 いてい た際 、子 ども達 の前 で ピア ノを弾 く機 会 を多 く持 った。子 どもの身体表現 を促 す ピア ノの即興演奏 や 、歌 の伴奏 をは じめ、 ピア ノを伴 わない簡 単 な手遊 び歌等 もお こなって きた。保 育雑誌 に書 かれ て い る年齢 の 目安等 か ら音楽 を選 ぶ こ とが多 く、子 どもの成長・発 達状況 に応 じて掲示 され て い る音楽 はほ とん どみ られ ない。様 々な音や音楽 が子 ども達 を取 り巻 く中で、「子 どもの年齢や 心身 の発 達状 況 に応 じた音楽 とは どの よ う な ものか」、また「その よ うな音 楽 には特徴 が あ るか」と筆者 は疑 間 を持 つた。 そ こで本論 文 では、「子 どもの音 楽」につ い て海 外 と 日本 それ ぞれ の変遷 を 調 べ 、今 日まで継 承 され て きた 「子 どもの音楽 」 につ い て分析・ 考察 をお こ ない 、海 外 と 日本 それ ぞれ の 「子 どもの音 楽」 を比較・ 考察 し、共通 点や 特 徴等 を明確 にす る。 また、子 どもの成長・発 達 と音 楽 の 関係 につ いて、「子 ど もの年齢 に伴 う身 体発 達 、身 体表 現 と音 楽 の関係 、心 と音楽 の 関係 」等 、多 角 的 な視 点 か ら考察 をお こな う。 総合 的 な考察 を基 に、既成 曲のア レンジ と 新 曲作成 を試 み る こ ととす る。 本論 文 にお い て、「子 ども」 とは、「保 育 園児 、幼稚 園児 、家庭保 育 を受 け る子 ども、

0∼

6歳

児 」と定義す る。「子 どもの音 楽」とは、「遊 び歌 も含 め、 歌 うこ とや 、音 楽 に合 わせ て身体 を動 かす こ と自体 が楽 しさにあふれ る もの」 と定義す る。「遊 び歌」 とは、「子 ども達 が遊 ぶ ときに歌 う歌 、また、遊 び の 要素 を持 たせ た歌」 と定義す る。

(5)

I章

海外 と日本 における「子 どもの音楽」

1節

海外 における今 日までの変遷

日本 の幼稚 園 に唱歌 を導入 す るに あた り、海 外 の保 育園や幼稚 園 の影 響 を 受 けた こ とは言 うまで もない。 第 一項 で は、幼 稚 園の基礎 を築 い た フ レーベ ル が活躍 した ドイ ツをは じめ として、 ヨー ロ ッパ 、南北 アメ リカ等 、「欧米諸 国」 にお け る保 育 園や幼 稚 園 の変遷 につ いて大 まか に述 べ たい。 また 、第 二 項 で は 「欧米 諸 国、ア ジア諸 国、上記 以外 の地域 の 国 々 (アフ リカ大 陸等)」 の

3つ

の地域 に分類 し、特徴 のあ る 「子 どもの音楽」 につい て述べ てい きた い。必ず しも学 問的 な根拠 に基づ く分類 ではないが、「子 どもの音楽」を容 易 に比較す るた めの方 法 と して 、

3つ

の地域 に分類 した。 第 二項 で は、今 日の 海外 の遊 び歌 と して、英語 圏 で歌 われ てい る遊 び歌 につ いて述べ たい。 第 一 項 欧 米 諸 国 にお け る、保 育 園 と幼 稚 園 の変 遷 幼児教 育 の基礎 は、 ドイ ツの フ リー ドリッヒ・ ヴィルヘル ム・ ア ウグス ト・ フ レーベ ル (Friedrich Wilhelm August Frё bel、 1782‐

1852)に

よ り築 かれ た。それ 以前 にイ ギ リスで、ロバー ト・オ ウエ ン (Robert Owen、 1771‐1858) に よ り就 学前 の子 どものた めの学校 が形成 され たが、現在 の幼稚 園の実態 は、 ほ とん どが フ レーベ ル の構想 の 中にあつたた め、 フ レーベル が幼 児教 育 の生 み の親 と して知 られ てい る。 フ レーベル は、教育思想 の実践 の最初 の場 は家庭 で ある と し、人 間教育 の 出発 点 は母 で あ り、母 の愛 で あ り、母 と子 どもの内面 的一致 で あ る1)と 考 え、

1844年

『Mutter und Koselieder(母 の歌と愛撫の歌

)』

を出版 した

(図 1)。

58曲

中、

7曲

が「母の歌」、

50曲

が「遊戯歌」、1曲 が「結び歌」である。

日本では

1897年

A・ L・

ハウにより

『母の遊戯及育児歌』として訳 され、

1)西垣光代『人間教育の探求 創刊号 想の今 日的意義∼』 日本ペスタロッチー・ 「母の歌 と愛撫 の歌」にお けるフ レーベル教育思 フレーベル学会、1986、 p.51

(6)

49曲

が紹介 された

(図 2)。

母が幸福な思いで子 どもに歌を聴かせ、共に

遊ぶ うちに自然に子 どもの身体や心を育て鍛 え、子 どもの教育について基本

的原理や方法を理解できるように配慮 されている

'。

フレーベルの思想を、

日本の風俗習慣に適合 させ るため、挿絵や七五調の歌詞表記等、形態の変化

を行い取 り入れた。下巻には、育児歌の遊び方の説明が書かれている

(図 3)。

にわとりさんおいで

督 がかわ1ヽい とい つて, ホ 饉むキ で 事の を摯 よ 、 熱零螢 な子 ど も今義 けは ど、 か わいい もの凛 姦 サません。 みん/rい,こ =韓滋 んで1ヽtt藩、 みん な土 を鬱 おして き =す。 摯な りぼ ぅ ち じゞ驚気が な,き

あのにねと〕を時んでごちん

お い で お い で な時 ん で ご らん

1

『母の歌と愛撫の歌』】

な 轟 磋

:瞥

2

『母の遊戯及育児歌』翻訳版】

一ゞ 麟 っ い , , こ ヽ , , つ ヽ 、 も と ヽ ま ・ て か く れ た る 彎 釈 敬 麟 静 一 の前掲書1)、 p.52

(7)

宗教 と哲学 と芸術が美 しく調和 されたユニークな教育書は、「母の聖書」と

呼ばれ、日本でも保育者教育には欠 くべか らざるもの として重視 されていた。

日本で発行 された『母の歌 と愛撫の歌

9』

では、一部の曲に対 して楽譜が掲

載 されていた

(図 4)。

作詞はフレーベルであるが、翻訳 と作曲は 日本人によ

るものである。

│=:慕ミ││101ヽ■ヽ│ド 【図

3

遊 び方 の説 明 】

【図

4

楽譜 】 ドイ ツの保 育 園や幼稚 園 で は、 フ レーベル の影響 を受 けた園 もあれ ば、 シ ュタイナー教 育 を行 う園や 、 どち らの影響 を受 けてい ない園 も存在 す る。 シ ュタイナー教育 につ いて は第 Ⅱ章第

2節

で述 べ たい。 ドイ ツに あ る全 部 の 園 が ピア ノを置 い て い るの で は ない た め、先 生 の歌 唱 を真 似 て歌 う環 境 にお か れ てい る子 ども もい る。 先 生 の音 楽 的感 性 に よ り、子 どもの音 楽 的感性 も左 右 され かね ない状態 なの で あ る。 Dフ リー ドリッヒ 。フレーベル『 フレーベル全集 5巻 母の歌 と愛撫の歌』玉川大学出 版部、2008

4

楽譜】

(8)

また、保育園や幼稚園教育に影響 を与えた人 として、モンテ ッソー リとオ

ル フについても述べたい。マ リア・モンテ ッソー リ

(Maria Montessori、 1870…

1952)は

、貧困層の健常児 を対象 とした保育施設 「子 どもの家」を設立 した

イタ リアの医者である。彼女は、幼児教育における感覚教育の重要性 を唱え

た。彼女は、教育にはそれぞれの学習に適 した年齢があ り、その時期を逃す

と能力の獲得が難 しくなると考えた

(敏

感期

)。

彼女 らが開発 した教具のなか

で音楽に関 しては、聴覚を刺激す る教具 として 「音感ベル

(写

1)」

等が存

在す る。 自黒のベル と、天然木 のベルの

2セ

ッ トがあ り、 自黒のベルは ピア

ノの鍵盤 と同 じように半音階がある。天然木のベル も、 自黒 と同 じ半音階の

ベルの色違いになつている。 これは、自黒のベル と天然木のベルを、同 じ音

色のものをペア リングするとい う遊び方 と、自のベルだけを抜 き出 して音の

高低で並べ替える遊び方が存在す る。単に歌つた り合奏 をした りす るのでは

な く、子 どもの聴覚に働 きかけつつ 1つ の遊び として、子 どもと音楽の関わ

りを場が存在 していることは非常に面 白い。

写真

1

音感ベル】

5

(9)

カール・オル フ (Car1 0r■

1895‐

1982)は

ドイツの作曲家でもあ り教

育家である。オルフは、音楽学習における初歩の段階を重視 し、生活の中の

言葉

(母

国語

)を

最 も原初的な リズム と考 えている。鳥の鳴き声や動物の鳴

き声等の身の回 りの音の世界にもメロデ ィがあるとし、それを原点 とした教

育方法 もとられている。また、子 どもの生活の中にあるものをそのまま引き

出 し、話 し言葉の持つ リズム、抑揚等を原点に している。

オル フはメソッ ドを残 してお らず、オル フの作品群 と彼の理念のみ残 され

ている。子 どものための新たな楽器の開発 として、音板の取 り外 しができる

木琴や鉄琴、簡単に叩くことができる打楽器等があ り、いずれ も音色豊かで

優れている

(写

2)。

写真

2

オルフ楽器】

6

(10)

第二項

海外 の 「子 どもの音楽」

① 欧米諸 国の 「子 ども音楽」

アルファベ ッ トや英語を用いる欧米諸国では、「マザーグース」とい うイギ

リスの伝承童謡、いわゆる 「伝承的なわ らべ うた」が広 く知 られている。 日

本では 「London Bridge(ロ ン ドン橋

)」

や 「Mary had ahttle lamb(メ リー

さんの羊

)」

等が知 られている。

欧米諸国は狩猟民族型に当たるため、跳躍的な動きの音楽が多 くみ られ る。

「ロン ドン橋」の音楽の、最後

4小

節を例にあげたい

(譜

1)。

1小

節 日で

は、付点の リズムがみ られる。 さらに

3、

4小

節 日では、

4度

3度

等のよ

うに幅広 く音が移動 している。 このような跳躍的な動 きの音楽が 「マザーグ

ース」をは じめ、欧米諸国の民謡等に見 られる。

譜例

1

「ロン ドン橋」最後

4小

節】

●ン

ドン は

じ しま しょう また、 ア ウフ・ タク ト (弱起

)始

ま りの音 楽 が多 く存在 してい る。 これ も 跳 躍 的 な動 きの音 楽 と感 じさせ る リズ ムで あ ろ う。 ア ウフ・ タ ク トの音 楽 が 生 まれ る理 由 と して、言語発 声 の影 響 を受 けて い る と考 え られ る。 例 えば、 英語や ドイ ツ語 の場合 、冠詞・ 接 続詞・ 前置詞 等 はす べ て弱 く発 音 し、反 対 に名詞・ 動詞 等 は強 い ア クセ ン トをつ けて発 音 をす る 。。 これ らを考慮す る こ とでア ウフ・ タ ク トの音楽 が多 く作 られ 、「歌 い に く く廃 れ て しま う」 とい うこ ともな く、現在 まで継承 され て きた と考 え られ る。 さ らに、西洋 音 楽等 の影響 か らか、

8分

6拍

子 や

4分

3拍

子 等 の音 楽 も多 く存在 す る。ア ウフ・タク トと

8分

6拍

子 の例 と して 、「

The Farmerin

the Dell(ひ

げ のお じさん)」 をあげたい (譜例2)。 。浜野政雄、西園芳信、山本文茂編『子どもと音楽 ③子 どもの生活と音楽』同朋舎、1987、 pp.162-163 ど う

(11)

譜例

2

「ひげのおじさん」】

ヽ鑢 漁tr― rぷド:蒔 1濾

'時

撫 懇 ‐ 蒙

"轟

撫 無 ‐ 暉 轟 撫 醸 、

他 に、欧米 諸 国 はダ ンスパ ーテ ィや フォー クダ ンス等 、積極 的 な男女 の交 流 が あ り、それ らには音 楽 が有 効 な役割 を果 た してい る。子 どもの音 楽 で も 「

Skip to my Lou(さ

ぁ、 さぁ、ス キ ップ しま しょ う)」 とい つた、典型 的 な パー トナー選び の遊び歌 も存在す る。 ② ア ジ ア諸 国 の 「子 ども音 楽 」 日本 も含 めア ジア諸 国で は、農 耕 民族型 で あ り、天然 現象 、 自然 の風物 、 四季 の移 り変 わ り、 これ に関連 した労働 生活 等 をテ ーマ に した音 楽 が多 くみ られ る。 儒 教 の教 えに基 づ き、古 くか ら男女接触 を タブー視 す る習慣 が、 わ らべ うたの 内容 に大 きな影 響 を与 えてい る D。 宗教 の影 響 を受 けた た め、 国 が異 なった と して も、「わ らべ うた」には共通性 が もた らされ た。身 体 の動 き は、平面 的 で跳 躍 的 な動 きが乏 しい特徴 が あ る。 具体 的 には、

1拍

日と

3拍

目に手拍 子 を打 つ よ うな、畑 を耕 す よ うな、のんび りと した音 楽 が多 い。 付 点 の リズ ムの音 楽 はほぼ見 られ ず 、淡 々 と

8分

音符 が並ぶ よ うな音 楽 が多 く み られ る。 また、中国、韓 国の わ らべ うた は五音音 階 (ペンタ トニ ック)、 ヨ ナ抜 き音 階の ものが多 くみ られ る (図 5)6)。 例 と して、中国の子 どもの音 楽 として、「新 聞売 りの歌」 をあげたい (譜例3)。 この よ うに、「五音音 階 、

4

分 の

4拍

子 、 ア ウフ・ タ ク トで は ない 、付 点 の リズ ムが ほぼみ られ ない」 と い つた特徴 を持 つ 曲が多 くみ られ る。 5)塙南素薪彗4)、 p.155 6)│■夕肇蓬事4)、 p.162 8

(12)

アジアの梅 べ うた 欧米の わ らべ うた 二警構途 重奮機燿 醸 警 構 態 五警緩達

5

わらべ うたの構造の比較】

譜例

3

「新聞売 りの歌」】

フ ィ リピンは タガ ログ語 といい、 アル フ ァベ ッ トを使 用す る国で あ る。 ま た

400年

近 くスペ イ ンの植 民地 で あつた こ ともあ り、音 楽 もスペ イ ンの影 響 を受 けてい る。 そ のた めか、弱起始 ま り、

4分

3拍

子 、

8分

6拍

子 の音 楽 も存在 す る。 フ ィ リピンのバ ンブー ダ ンスで 、 よ く使 用 され てい る音 楽 で もあ る 「

Tinikling(テ

ィニ ク リン)」 を例 にあげたい (譜例4)。 終止形 で終 わ つてい ない点 が 、わ らべ うた独 特 の雰 囲気 を感 じさせ る。

譜例

4

「ティニクリン」】

なか、なか モと源よムハイ,ティニケ 'メ ス 卜 節 卜鬱 だ 静 勢 ン 絶 け の 機 ′マガ 賞ダン ス め 憑 た こ 枠 難 しの く る く る な わ&、 と 摯脅よ う 義

(13)

イン ドネシア、マ レーシア等の子 どもの音楽は、中国のよ うに淡々と

8分

音符が使 われ、平面的に感 じる。音程がな くリズムがメインの音楽遊び も存

在す る。イン ドネシアの 「

Duamatasaya(譜

5)」

を取 り上げたい。

譜例

5

「Duamatasaya」 】

机 │^禽 輔 ― 織 鑢 ― 鱗 施 ― こヾ 鐵 慰憮―油 ③ 上記 以 外 の 国 々 の 「子 ど もの音 楽 」 上記 以外 の 国 々、例 えばア フ リカ等 はわず か な資料 しか存在 してい ない が、 概 略 を と りま とめ る と、 日本 及 び ア ジア諸 国 と似 てい る ところがみ られ る。 男女 の交流 につ い て も、欧米諸 国の よ うな華や か さはほ とん どみ られ ない7)。 日本 で有名 な もの と して、ガーナ 民謡 で あ る「

CheChekule(チ

ェ ッチ ェ ッ コ リ)」 等 が あげ られ る (譜例5)。 日本 の

CMで

紹 介 され た腰 を振 る振付 け で はな く、 ガー ナ では身 体 の一部 をたた きなが ら、 こだ まの よ うに歌 うエ コ ー ソング と して遊 ばれ てい る 8)。 譜 例

6の

よ うに、

1人

が大 きい音符 の部分 を歌 つたの ち、他 の人 々が小 さい音符 の部分 を歌 うので あ る。 ガーナ は約 半数 が キ リス ト教 、次 いでイ ス ラム教 徒 が多い。 ア フ リカ もキ リス ト教徒 が ほ とん どで あ る。 欧米諸 国 と宗教 は 同 じで はあ るが 、 ア フ リカ の生活環境 が影響 を してい るた めか、独特 の リズムや音程 が感 じられ る。 チ ェッ チ ェッ コ リ リ サン サ マン ガン サ ン サ マン ガン ,レ サ マン ガン ホンマンチエッチエツ 7)前掲 書 4)、 p.135 0メデーーリト炉も言善 http://www.worldfolksong.com/songbook/others/kyekye.htm

譜例

6

「チェッチェッコリ」

)】 リサ ンサ マンガン 10

(14)

第二項

今 日の海外の 「子 どもの音楽」

日本の

NHKの

教育番組では、子 どもを対象 とした番組 として 「おかあさ

ん といっしょ」等があげ られ る。 同様に今 日、海外で放送 されている番組 と

して、伝承音楽が中心の 「マザー グースクラブ」 と、時代に応 じたオ リジナ

ルの音楽を子 ども達に提供す る 「ザ・ ウィグルス」について述べたい。

① マ ザ ー グー ス ク ラブ マザー グー ス クラブは、古典 的童謡 を現代 の世界 中の子 どもや親 達 に広 め るた め、母親 と元教 師 に よ り作 られ た、 ア メ リカで放 送 を開始 した番組 で あ る。 最近 の研 究や 現在 のカ リキ ュ ラム に よ り設 計 され てい る。

6人

の登場人 物 の特徴 を活 か し、生 き生 き と した歌や ビデ オ映像 に よ り、楽 しみ なが ら読 み書 きの能力 を促進 させ よ うとしてい る。

2009年

のテ レビ放 送以来 、愉快 な ビデオ映像 で教材 を伝 え、

YouTubeで

4億

回 の再 生 回数 を誇 るマル チ メデ ィア資源 とな った。 マザー グー ス クラブの

H P9に

は、歌や ビデ オ の他 、遊 び方や楽譜 まで掲載 され てい る。 身 体遊 び の他 、動物 、数 、食 べ物 に関す る歌 、 と分類 され てい る。

YouTubeで

145曲

掲載 され てい る。そ の 中で も最 も人気 が あ り再生 回 数 の多い もの と して、「Ring a Jig」

ig(57,000,000回

以上 、譜例7)、

Wheels

on the Bus‐

Back to School!(27,000,000回

以上)」 等 が あげ られ る。「Ring a

Jig Jig」 は、「ロン ドン橋 お ちた」の音楽 に似 てい るが、遊 び方 は異 な ってい る。遊 び方 は とて もシンプル で あ る。 広 い場所 にお い て歌 い なが ら リズ ム に 合 わせ て部屋 中を歩 き回 り、「フ レン ド」 とい う歌詞 の部分 で、近 くの友達 の 前 で止 ま って握 手 をす る。そ の後 、「ハイ ホー」 とい う歌詞 の部分 ご とに、お 互 い の左 手 、右 手 と手 を合 わせ る。

2番

を歌 うときは、そ の友 達 と一緒 に歩 き回 る。 この よ うに、一緒 に歩 き回 る友達 が増 えてい く遊 び で あ る。

Ring a Jig Jig」 をは じめ、マ ザー グー ス クラブで放送 され てい る楽譜 の

(15)

特徴 は、

8分

6拍

子や 、弱起 、裏拍 を感 じる曲が多 い ところで あ る。また、 隣 り合 った音 の飛 躍 が大変激 しい音程

(5度

の飛 躍

)や

、 シ ャー プや フ ラ ッ

トに よ り大変近 い音程 (短

2度

)等

が多 い。英 語 圏 の言葉 が持 つ ビー トの感

覚 が感 じられ る。

譜例

7

Ring a Jig Jig」

鸞 ‐ry g●●●無轟 ^ : 卜通,‐peF掟難よ0 籍ceち 職 ` hoィ 卜1 椰, hi hol

② ザ・ ウィグル ス

次に 「ザ・ ウィグルス」 とい うグループ と、彼 らの作る「子 どもの音楽」

について述べたい。「ザ・ ウィグルス

10」

は、

1991年

にオース トラ リアで結

成 された、保育園児や幼稚園児を対象 とした音楽バ ン ドグループである。ア

メ リカ、カナダ、ニュージーラン ド等の英語圏でも親 しまれ、

2008年

までに

多 くの賞 も受賞 している。初期の主なメンバーは黄、赤、青、紫をイメージ

カラー とした個性 あふれ る

4人

の男性 と、着 ぐるみのキャラクターが

3匹

男性船長が

1人

の計

8人

のグループであつた。主なメンバー

4人

の うち

3人

が、幼児教育の免許を持つプロフェッショナルであつた。現在は主なメンバ

ーが年配になったため、女性が 1名 と男性 3名 のメンバーに入れ替わ り、舞

台や

TVに

おいて活躍を続けている。

10))ザ・ ウィグルスhttp://―.thewiggles.com/ 12

(16)

「ザ・ ウィグルス」が作詞作曲をして奏でる音楽の特徴 として、「わか りや

すい、思わず 口ず さんで しま う、可愛い歌詞、 とにか く明るい」等があげ ら

れ る。主なメンバーの

1人

であるジェフは音楽に関 して 「彼 らが理解できる

ことをシンプルに、 リズ ミカルに、楽 しく伝 えるよ う心掛けている。子 ども

は純粋で、単純な物事にエキサイ トして くれ る。音楽は健全な成長に必要で

あ り、子 どもの成育や親子の繋が りにも良い」 と述べている

11)。

彼 らの音楽

として「Hot Potato(ホ ッ トポテ ト

)、 Fruit Salad(フ

ルーツサラダ

)、

I dimb

ten stairs(階 段をのぼろ う

)」

等がある。食べ物や数字等、子 どもが興味関

心 をもつ物 をテーマ とした音楽 が多 く作 られ てい る。その中か ら、「

Hot

Potato」

の楽譜を取 り上げたい

(譜

8)。

譜例

8

Hot Potato」

識湾な丞編鍮稀成角ン 燎―綸 識 が 等 鮨 螂 詠 え鶴 ―t絆毎 織 軸 撫 ‐眸

燃 "縛 お ■ 総 ■ゎ お ―篠 ―鰺 Po"餞―tol Po■ 議 ‐t●

楽譜 か ら うかが えるよ うに、ス ウィングの リズ ム、裏拍 で あ り、日本 の「子 どもの音楽 」 とは異 な る、英 語 圏 特有 の リズ ム感 が あ る。 テ ンポ も速 く、

1

音ずつ話す 「ジ ャパ ニー ズ・ イ ング リッシ ュ」で は歌 えない。要す るに、

Hot

を 「ホ ッ ト」 と歌 うので はな く、「ホ ッ

t(子

音 のみ発 音)」 と歌 う必要 が あ る。 この よ うな歌詞 の特徴 につ い て は、第

I章

3節

で詳 しく述べ たい。 歌 詞 は非 常 に シ ンプル で、「HotPotato」 とい う言葉 のみ を繰 り返 し用いてい る。 音域 は、広 い もので は

7小

節 日の完全

5度

、狭 い もので は

8小

節 目の短

2度

で あ る。 音域 の広狭 が 目立つ ところが英語 圏 の 「子 どもの音 楽 」 ら しさを作 り出 してい る と感 じた。 11)ジェフのイ ンタ ビューhttp://―.cheers.com.au/entertainment/interview/643/ 13

(17)

2節

日本 にお け る今 日ま で の変 遷

ここでは、 日本における保育園 と幼稚園の変遷 と、子 どもの音楽の変遷 に

ついて述べたい。第一項では、戦前の 「子 どもの音楽」を、第二項では、戦

後の 「子 どもの音楽」 として述べてい く。

第 一 項 戦 前 の 「子 どもの音 楽 」 江 戸末期 の文 献 に も見 られ る よ うに、わ らべ うた は昔 か ら子 どもの世 界 に あつた もので あ る。 しか し、 明治期 の小 学校 や 幼稚 園 で は、 わ らべ うた を教 材 と して取 り上 げなか った。 わ らべ うたが保 育教材 と して 出版 され るの は、 戦後 の

1950年

頃か らで あ る。

1872(明

5)年

の学制 において、幼児 を保 育す るた めの機 関 と して、幼 稚 園が初 めて導入 され た。学制 にお い て、「唱歌」は正式科 日とされつつ も「当 分 コ レヲ欠 ク」 とされ 、実施 され なか った。

1874(明

7)年

、 当時、愛知 師範学校長 の伊 沢修 二 が、 同校付 属幼稚 園 で遊戯 唱歌 の実践 を試 み た。

1876(明

9)年

には、日本初 の幼稚 園、東京 女子 師範学校付 属幼稚 園 (現 在 、お茶 の水 女子 大学付 属幼稚 園

)が

設 立す る。 東 京 女子 師範 学校 付 属幼稚 園 にお い て 、初 めて遊戯 の授 業 を行 うにあた り音 楽 が必 要 にな り、音楽 の作 成 を宮 内省 式部 寮雅楽部 に依頼 した。 そ の結果 、「保 育並 二遊戯 唱歌 」、通 称 「保 育唱歌 (写真3、 4)」 が作成 され た。本格 的 な唱歌遊戯 の始 ま りで あ る。 「保 育唱歌」 の原本 は、雅楽 の墨譜 であ る。雅楽 の記 法 で記録 され てい る た め、邦楽 に堪 能 で な けれ ば理解 をす るの は難 しい。 幸 い、 これ らを五線 譜 に直 した ノー トが残 して あつたた め、譜例9、

10の

よ うに、現代 で も容 易 に 理解 す る こ とがで きる。 曲数 は、異 な る歌詞 に同 じ曲を用 い た場合 が あ るので

92曲

2番

以 下で異 な る譜 の もの

11譜

を加 え る と合計

103譜

にのぼ る。 歌詞 の数 は

19番

55

番 が 同 じなので

99歌

詞 、

2番

以 下 を異 な る もの とみ なす と更 に

21歌

詞 が加 14

(18)

わ る。 全 て 卜音記 号 、単音 で あ り、調 号 は シ ャー プ 、 フラ ッ トが多 くて

3つ

表記 され てい る。 雅楽 の音律 で あ り、五音音 階が使 用 され て い る。 歌詞 の1 音節 に対 し、数 個 以上 の音 を もつて歌 われ てお り、 グ レゴ リオ聖歌等 の メ リ スマ唱法 の よ うである。

写真

3、

4

『保育唱歌』】

_¨…… … ¨ サ' レ if

譜例

9、

10

「学道」】

(歌詞

)磨

かず ば 玉 も鏡 も 何 かせ む 学 (ま なび

)の

道 も 斯 くこそ在 りけれ 15

(19)

当時 、 まだ ピア ノや オル ガ ンは十 分普及 してい なか つたた め、笏拍 子 で拍 子 を と り、未港 の伴奏 で演奏 され た。 また、「保 育 唱歌」は子 どもの 日常生活 に無縁 の雅 楽 で あ る うえに、歌詞 が幼児 向 きで なか ったた め、歴 史 的 な役 割 を終 え る事 とな った。数 曲は歌詞 を変 更 して『 幼稚 園唱歌集』等 に採 用 され たが、現在 も歌 い継 がれ てい るのは 「君 が代 」 くらい で あ る (譜例 11、 12)。 ′ ・

'

テ : A/r メ

譜例

11、 12 象

「君が代」】

(歌詞

)君

が代 は 巌 とな りて 千代 に 八 千代 に さざれ 石 の 苔 のむす まで

1879(明

12)年

には、学校教材用の唱歌の作成、編纂 と教師の養成機関

として 「音楽取調掛」が文部省内に設置 された。 日本が文化的に遅れている

との判断に立ち、

「情操教育 としての音楽を国家 レベルで国民に教えなくては

な らない」 とい う理念を持つていた伊沢修二は、アメ リカヘ留学 した際、 自

分の音楽教育の先生であった

LOWOメ

イ ソン

(Luther Whiting Mason)を

アメ リカか ら招 き、新 しい 日本のための歌集の編纂に取 りかかつた。

(20)

1887(明

20)年

になると、児童雑誌の編集者であった真鍋楚避の『 幼稚

唱歌集

(全)』

と、文部省音楽取調掛による官製の『 幼稚園唱歌集

(全)』

刊行 された。後者は、伊沢修二 とメー ソンが指導にあたつている。 これ らの

記載 されている楽譜はほぼ同様であるが、後者は一部、曲の削除や、歌詞の

変更 と削除がお こなわれている。

曲数は、前者が

35曲

、後者が

29曲

である

:

卜音記号、単音であ り、調号

はシャープ、フラッ トが多 くて

3つ

表記 されている。ほとん ど、

ドイツやス

ウェーデ ン等の海外の音楽に、 日本語の歌詞をつけたものである。

4分

2

拍子や弱起の曲が多 く、 1曲 の平均は

12小

節である。最高音は「り

│1瀬

の千鳥

(譜

13)」

に見 られる、ファの音である。

キ 1= 2・ く サ す 二 に セ ば ハ t に

在奪蓄夜在在 義

譜例

13

「り

│1瀬

の千鳥」】

在■お象在在

曲の題材や内容は、

「生物

(友

達や兄弟、動物、植物

)」

や「志

(学

ぶ心等

)」

に関す るものに分類することができる。現代でも歌われているメロディも記

載 されているが、歌詞や 曲名が現代 とは異なつている。例えば、「うづまく水

(譜

14)」

の楽譜は、「きらきら星」のメロディと同 じである。

書 棋

17

(21)

ぞ タ マ 去 マ ゾ プ ゾ モ も モ ド む ド , ヽ ョ ョ よ ョ ミ み ミ ョ よ ョ ミ み ミ ■ か ト 二 み ツ ン ろ 澪 グ く カ メ こ フ

譜例

14

「うづまく水」】

1888(明

21)年

には、大和田建樹 らにより『 明治唱歌

幼稚の曲』第一

集、第二集が刊行 された。第一集 に関 してはデータが発見できなかった。第

二集の曲数は

27曲

である。 卜音記号、単音であ り、調号はシャープが多 くて

4つ

表記 されている。

4分

4拍

子や、弱起の曲が多 くみ られ、1曲 の

12小

節前後の短い曲である。最高音は「昔の儀式

(図 6)」

等にみ られるファの音

である。

13小

節か ら

14小

節にかけて、

1オ

クターブの下降音が見 られる。

や 十 多 サ 摯 ′ η ■ 案 ′ ら , ‘ ● ニ 夫 ′

彙 ぜ 電 ︺ こ ヨ つ 秘 ソ 、 摯 ☆t 、慶

_'二

、、. ブ ヨ

r 隼

  ‘   玲 , ζ ■ ∵ ︵L

む ∴ 菅 妥 鵞 ひ 毎 禰 寺 ζ 手 ︱

4籍 タ ナ

だ ま ,マ ッ

■・″

6

「昔の儀式」】

18

(22)

1890(明

23)年

には、赤沢鐘笑・ナカ夫妻により、日本最初の保育事業

がおこなわれた。

1892(明

25)年

には『 幼稚園唱歌

正編』が、

1896(明

29)年

には

『 幼稚園唱歌

続編』が、頌栄幼稚園の開設者であるA・

L・

ハ ウによ り刊

行 された。 曲数は、前者が

94曲

、後者が

56曲

である。従来のように歌のみ

の楽譜が記載 されているのではな く、両手による伴奏譜

(大

譜表

)も

記載 さ

れた。また、

Sostenuto等

の強弱記号 も表記 され るようになった。

4分

4

拍子や弱起の曲が多 く、

1曲

の平均は

8小

節である。調号はシャープ、フラ

ッ トが多 くて

3つ

表記 されている。 目次には「祈 りの歌」「指遊の歌」等に分

類 されて、項 目ごとに題名 が書かれ、音楽が紹介 されている。前者のみ、歌

詞にあわせた手の絵が

34曲

描かれている。図

7の

「愛する母」の楽譜では、

8小

節 目と

10小

節 目の終わ りにはア ウフ・ タク トが見 られ る。

ゞ う ■ ′ す   る   0 ス 十 八 愛 す :る .織 f

:Ⅲ

農■

, ・ る '1‐ 1鬱

見 :` 機

ぁ轟

こは

7

「愛する母」】

19

(23)

輝鍵

1893(明

26)年

には『絵入幼年唱歌』が刊行 された

(図 8)。

曲数は 150

由に及ぶ。楽譜は掲載 されず、歌詞 と絵のみが掲載 されている。絵の数は少

なく、約

5ペ

ージに 1回 、

1ペ

ージの半分の大きさの絵が 1つ 描かれている。

歌詞は全て七五調である。

8

『絵入幼年唱歌』】

また同年、 白井規矩郎により『保育

遊戯唱歌集』が刊行 された。 曲数は

9曲

である。全 曲、遊戯法

(あ

そびかた

)の

説明 と絵が書かれている。

卜音

記号、単音であ り、調号は多 くてフラッ トが

3つ

表記 されている。ほとん ど

五音音階で、

4分

4拍

子の曲が多 くみ られ る。1曲 の平均は

12小

節である。

最高音は「狼遊び

(図 9)」

に見 られ る、ファの音である。楽譜を解説すると、

16小節か ら 17小 節にかけて、オクターブの飛躍が見 られ る。16小節 日と

24

小節 目には、女性終止が使用 されている。

澪 の 委 導 か く 漱 つ ヽ 中 懸 か 準 磐 ζ 麟 薇 べ じ

︵懸

譜 毬 の 鷺 鑽 た ゆ み な く , 警 へ あ ● 滲 じ 奪 義 ”錦 摯 澪 を し , い ち じ ら く 誉 ヽ わ ら 務 れ ん 難 n 念 畿 滋 意 麒 ら も 海 な 響 ヽ ・ 貯 資 か ヽ や か ん 麟 n き 職 い 0 し 参 わ が せ 挙 ユ タ n チ 確 , 灘 ヽ も だ ヽ べ し 奉 す 準 書 か 蔵 ら ン ふ ん ´ 摯 そ し み 鱗 べ や よ 曇 諄 鷲 R 苺 婚 い た ち 百 鷲 し な ナ 露 僣 か が お お ら ん , そ し 募 襲 べ や よ 摯 欝 群 , 澪 わ け な る ︱ 蓬 鶴 ヽ 鍵 に o 渡 る ふ b 鍵 難 耐 t ・ 麟 ユ サ 多 童 こ t , な ど ム ふ わ け て 20

(24)

がギザヤ アツパイ ンイド7簿:ガ ダ ア・

,1ギ

讐茸

きな ん

´

,′ s `オ ホ カ ミ ノア ツず

'一

ヘ ツ タ ■ へ'' イ ザハジ メ ナ.ン シリ ヽダ 登 ′ノ オ 轟 'こ シ テ トレ ギ ヨ オ奉 力 ヽデチ0チ メ タ ル 3 じ},′ 'ノ ヘン テ ベ t ツ ゆ ︶ わ ア ヽ ア 一

料.

´ モ , 一F ′ ヨ 毛

レ 

υ

И

輔哺

… … ○

饉準

.

`

9

「狼遊び」】

十 三 子 ニ

,'t `

りふ

蠅嘲

:覇

孟壺

諄慎

´

.群

震霧麟 欺 鮮

::

´

毅彎鵜轟

[襲

艤ゝ

十 露 '裁 :::│ll::il:::ll::││:ii:::│::│li:│:i:il::三 :i:::il:::li;lliiilil::::::::i:li::::││::::::│´ 21

(25)

1897(明

30)年

には、

『 母の遊戯及育児歌』が刊行 された。 この本につ

いては、第

1節

第一項①保育園 と幼稚園の変遷で述べた とお りである。

1899(明

32)年

には、「幼稚園保育及設置規定」の制定がお こなわれた。

1900(明

33)年

には、音楽教育家であ り作曲家である田村虎蔵が唱歌を

「少なくとも児童には、彼 らの 日常使用 している談話語を基調 として作 られ

ねばならぬ」と考えた。「韻文歌詞であること、歌詞があま りにも教訓的であ

る、児童の生活に密着 していない歌詞、 リズムの変化に乏 しい」等の唱歌集

の欠点を反省 し、文語体か ら国語体の歌詞に改め、言文一致唱歌『教科適用

幼年唱歌』全

10冊

の刊行をおこなった。曲数は

1冊

8∼ 10曲

であ り、

音記号、単音で掲載 されている。ほとん どの題材は 「金太郎

(譜

15)」

「花

咲爺」のようなお とぎ話や、「たこ」「はね」等である。歌詞は文学的な色彩

とい うことを考えず、平俗な 口語で作詞 している。作詞は石原和三郎 と田辺

友二郎、作曲は田村虎蔵 と納所弁次郎が大部分を担当した。 これ らの曲の多

くは、軍歌のスキップの リズムと、 ヨナ抜き音階で作曲され、拍子は大多数

4分

2拍

子である。調子はハ

e卜

。へ・二調がほとんどである。五線譜

の他、数字の略譜が記載 されている。弱起の曲が多 く、1曲 の平均は

12小

で あ る。最 高音 は 「川瀬 の千鳥」 に見 られ る、 フ ァの音 であ る。 1瞬 │. ● サ 急 ア タ 0 ■ れ     ,   ォ 奪 常   ,   F 摯 中   ″   壼 ■ 晨 一    y     ゃ 會 鸞   与   や 二 ”   ‘   , お 犠   ン   サ れ ” 争   十 ● 滲   ≡   警 〓 一   ,   壼 ● ヤ ー ,   攀   ↓ 奉 を   4   ● 摯 ,   夕   ヶ 奉 椰   ′   ′ 糞 篠     ゞ   “ ▼ 轟 毒   ,   ■ 各 一   ナ   ュ お 一   1   , 事 一   タ   メ ● 一   ″   , れ 凛 ャ   サ 導 一   海   ′ 0 ﹂

● 薇             22 一 ■ ″   ′   ″

二 ﹁ ″   ︲ 〓 7 7 り ・5 事 7   れ 轟 │ 「 痣 ヽ ヵ 夕 ‐ や ■ ″ 苺 毒 ti み 導r嚇ァ・・ , 'ぉ ■

譜例

(26)

この本 の刊行 は、子 どもの歌 う唱歌 を一変 させ 、唱歌 に興 味 を もち、親 し む子 どもを作 り大 きな功績 を残 した。 一方 で、高 尚な文 学的 な歌詞 や 、美 し い旋律 か ら子 どもを遠 ざけた こ とは失敗 で、子 どもに とって親 しいわ らべ う た を無視 し、ひ い て は 日本 中の伝 統 的 な邦楽 は教 育 的 で はない よ うな印象 を 与 えて しま うこ とにな つた。 これ に よ り簡 単 な ヨナ抜 き音 階 を子 ども達 の頭 の 中に植 え付 け るこ とに して しまった点 は、後 々まで続 いた。 この言 文 一 致 唱歌 に対 して は 「児 童 に教授 す る こ とは以 て の外 で あ る」等 の多 くの反 対意 見 もだ され たが、 当時の教 訓的で難解 な唱歌 に背 を向 けてい た子 ども達 の心 を と らえ、現場 の教 師 の多 くは賛 同 してい つた。 この よ うに して、言文 一致 唱歌 は実践 を通 して確 固 と した唱歌 の地位 を築 いてい った。

1901(明

34)年

には、言文一致運動 の影響 を受 けた滝廉 太郎 と東 クメ ら に よ り『 幼稚 園唱歌』 が刊行 され た。 曲数 は

30曲

で あ る。 曲調 は 卜音記 号 、 単音 で あ り、調 号 は シャー プ、 フ ラ ッ トが多 くて

3つ

表記 され てい る。 ほ と ん ど、 ドイ ツや ス ウェー デ ン等 の海 外 の音 楽 に、 日本語 の歌詞 をつ けた もの で あ る。

4分

2拍

子や 弱起 の 曲が多 く、

1曲

の平均 は

12小

節 で あ る。有名 な 曲 と して 「お正 月」「水遊 び (譜例 16)」 等 が あげ られ る。 作 曲をお こな っ た滝廉 太 郎 の作 品 は、伴 奏付 で あ る こ と、歌詞 に応 じて旋律 を変化 させ てい る こ と等 、 これ まで の唱 歌 に ない新 しい ス タイル で あ った。彼 は 日本 の芸術

歌曲、器楽曲の草分けとな り、音楽教育にも大きな影響を与えた。

譜例

16

「水遊び」】

(27)

1902(明

35)年

には、吉田恒三により『 幼稚唱歌』が刊行 された。

1903(明

36)年

には、

『 音楽遊戯界』が創刊 された。

1903(明

36)年

には、

『 言文一致唱歌』が創刊 された。「子 どもが歌いな

が ら、意味が分かるものでない といけない」 と、は しがきに書かれている。

1903(明

36)年

には、

『 育児唱歌』全

3巻

(春

の巻、夏の巻、秋の巻

)

が刊行 された。 曲数は各

8曲

、言文一致

(国

)で

書かれ、歌詞は短い。

1905(明

38)年

には、

『 学校及家庭用

言文一致叙事唱歌』が全

12巻

行 された。

1911(明

44)年

には、

『 教科幼稚唱歌集』が発行 された。この年頃か ら、

東京音楽学校で固定 ド唱法の研究が始まつた とされている。

1912(明

45)年

には、

『 幼年

(新

)唱

歌』が全

10巻

発行 された。1915

(大

4)年

の第二集 より『新作唱歌』に改題 された。曲数は

1集

ごとに

7

曲である。レコー ド化 され広まる一方、児童雑誌が発行 され、後の「赤い鳥」

の発刊へ繋がつていった。詩が良 く、歌いやす くなった。 日本人が作曲した

曲と、イギ リス等の海外の曲に 日本語の歌詞をつけた曲が、掲載 されている。

1915(大

4)年

か ら

1918(大

7)年

までに、

『 大正幼年唱歌』が全

12

冊発刊 された。葛原 しげるが歌詞 を作 り、小松耕輔 と梁 田貞が作曲し、会合

において編集をおこない発刊に至った。新 しい学校唱歌をめざして作 られた。

のちに出た童謡 に比べ、芸術的に高い訳ではないが、子 どもが興味や関心を

持 ちそ うな 「電車、汽車、飛行機、ピアノ等」を題材 としている。 曲数は、

1冊

につき

10曲

ずつ記載 されている。譜例

17は

、第

9集

の「時計」である。

や す ま す う こ く つ か れ も せ ψ 紅 チ ク タ ク チ ク タ ク と け い は う ご く あ れ あ れ と けしヽ

譜例

17「

時計」】

チ ク タ ク チ ク タ ク と け 書ヽな う _ く お ん な し み ち を しヽつしょうけんめ籟 う こ く 24

(28)

1918(大

7)年

には、童謡・童話雑誌『 赤い鳥』が刊行 された。我が国

に古 くか らあった七五調の リズムによりなが らも、構成の うえで我が国の伝

統的な詩歌 よりも立体的な、新 しい 日本語の韻文が生まれた。外来語や ロー

マ字 さえ大胆に取 り込みつつ新 しい リズムを駆使 したのが、創刊に携わった

北原 白秋である。「からたちの花」はまさに、明治維新以来続いた舶来文化の

結晶である。北原 白秋 らによる舶来風の 日本語韻文により、 日語 自由詩の作

品が増 えていった。また、西欧風のメロディ、ハーモニー と日本語を結びつ

けることに抜群の才を示 したのが山田耕律である。彼 も作曲で携わっている。

1919(大

8)年

には、

『「赤い鳥」童謡』が全

8集

発行 された。

1921(大

10)年

には、童謡・童話雑誌『樫の実』が創刊 され る。また同

年に『 かわいい唱歌』が発行 された。

1922(大

11)年

には、幼年絵雑誌『 コ ドモノクニ』が刊行 された。

1924(大

13)年

には、

『 律動的表情遊戯』第

1・

2冒

が刊行 された。

1925(大

14)年

にはラジオ放送が開始 され、翌年の

1926(大

25)年

には 日本放送協会

(NHK)が

設立 された。

1926(大

25)年

には、幼稚園施行規則に、幼稚園の保育項 目の 1つ に唱

歌があげ られ る。幼稚園令を公布 し、同施行規則を制定する。

『 日本童謡集』

が発行 された。

1929年

には、

『 赤い鳥』が休刊する。童謡の作風が変化 し、

「レコー ド童謡」

が誕生 した。

1931(昭

6)年

か ら翌年にかけて、

『 エホンシ ョウカ』春・夏・秋・冬の

4冊

が刊行 された。幼稚園児向きの唱歌集である。曲数は、

1冊

につき

10

曲程度である。歌詞は大変わか りやす く、有名な曲として「鯉のば り」「チュ

ー リップ」「まめまき

(譜

18)」

等が掲載 されている。

譜例

18

「まめまき」】

′毎 ゴ つ ッ 25

(29)

1936(昭

11)年

には、『 エ ホ ンシ ョウカ』 第

2冒

の続編 が刊行 され る。 歌詞 は短 く簡 易 な もので あ る。

1943(昭

18)年

には、米英音楽の演奏が禁止 された。同年、

『 良いあそ

び強いからだ』 とい う本が刊行 され、遊び歌の項 目が存在 している。楽譜は

掲載 されお らず、遊び方が掲載 されている。

第 二 項 戦 後 の 「子 どもの音 楽 」 戦後 は

YMCAに

よる レク リエー シ ョン ソングが、ラジオや テ レビ放送 を通 して広 ま った。有名 な曲 と して 「大 きな栗 の本 の下 で」「ごんべ さん の赤 ちゃ ん」 が あげ られ る。戦後 は 「教 育」 か ら 「楽 しさ」 に着 目す る よ うに変化 し てい つた。 詳 しく述べ る と以 下 の とお りであ る。

1945(昭

20)年

には、文部省 がイ ロハ音名 に よる新音名 を制 定 した。

1946(昭

21)年

には、「新教 育方針 」 に よ り第

2次

世界 大戦 中の音楽 、 芸能 文化 が軍 国主義 と結 びつ い ていた こ とを反省 し、新 しい芸能 文化 の振 興 を謳 つた。 階名 唱法 につ い て は、 ドレ ミ階名 唱法 に則 る。 当用 漢字 表 、現 代 かなづ かいの訓令 、告示 が な され る。

1947(昭

22)年

には、児童福祉 法 が公布 され た。

1948(昭

23)年

には、天野蝶 と一宮道子 に よ り『 楽 しい歌 と遊戯』、先 ほ ど述 べ た

2名

と戸倉ハル に よる『 うた とゆ うぎ』秋 の巻等 、刊行 してい る。

1949年

(昭和

24)年

には、『 こ とばあそび』 が刊行 され る。遊 び 歌 とい う 項 目もあ るが、数 え歌 の よ うな詩 等 も掲載 され てい る。 楽譜 は掲載 され てい ない。また 同年 か ら

1964(昭

39)年

まで、

NHKラ

ジオ「うたのお ば さん」 の放送 が開始 され た。芥川也寸志や 回伊玖磨等 の作 曲家 が童謡 を手 が けた。

1950(昭

25)年

頃か ら、わ らべ うたが保 育教材 として 出版 され る よ うに な る。遊戯 か ら遊 びへ変化 して きた。「ひ らい たひ らいた」「花 一匁 」「こ と し のばた ん」等 が歌 われ 、また 日本初 のテープ レコー ダー の発売 を開始 した。

1951(昭

26)年

、民 間 ラジオ放 送 が開始 され る。 同年 、児童 憲 章 が制 定 26

(30)

され 、 また 日本初 の

LPレ

コー ドの発売 を開始 した。

1953(昭

28)年

には、民 間テ レビと

NHKテ

レビの本放送 が開始 され た。

1954(昭

29)年

には、則武昭彦により『保育遊戯』が刊行 され る。「歯

を磨きま しょう

(譜

19)」

「雪のぺんきや さん」等が掲載 されてお り、現在

も保育で使用 されていることも多い音楽である。譜例

19は

、ハ長調、

4分

4拍

子、そ して

6小

節 と短いため、覚 えやす く歌いやすい。「シュッ」「ォィ

ッチニ」等の擬音語が使用 されている。

譜例

19

「歯を磨きま しょう」】

ま しょう シ議ッ シュッ シュッ オイッ チ ニ オイッ チ エ じょ う ぷ な は

1955(昭

30)年

か ら

1966(昭

41)年

まで 、大 阪朝 日放送 「

ABCこ

どもの歌」 の放 送 が開始 され た。「さつちゃん」 の作詞 家 で あ る阪 田寛夫 は、 毎月

2曲

発 表す る新 作童謡 の プ ロデ ュー ス に携 わ った。佐藤 義美 作詞 、服 部 公一作 由の 「アイ ス ク リー ムの歌」等 の名 曲が誕 生 し、紹介 され た。

1956(昭

31)年

、幼 稚 園教 育要領 、幼稚 園設 置基 準 を制 定す る。

1959(昭

34)年

には、

NHKの

教 育番組 の本 放送 が開始 され 、「お か あ さん とい っ しょ」 の放送 も開始 され る。

1960(昭

35)年

には、カ ラー テ レビの本放送 が開始 され る。

1961(昭

36)年

には、「み ん なの うた」 の放送 が開始 され る。 豊 か な情 操 をは ぐ くむ歌 の数 々を、創 作 曲の なかか ら、 また 内外 を問 わず 多 くの人 々 に愛 唱 され てい る歌 の なかか ら広 く求 め、み ん なそ ろつて楽 しく歌 える こ と を 目的 と した歌番組 で あ る。詳 しくは第

I章

3節

で述べ たい。

1962(昭

37)年

には、 ラジオ番組 「幼児 の時 間」 が放送 され る。

1964(昭

39)年

か ら

1968(昭

43)年

まで、「歌 の メ リー ゴー ラン ド」 が放 送 され た。 粗 悪 な音 楽 の流行 がテ レビ普及 に よつて起 きてい る こ とを懸 饉 議 れ シュッ シュッ シ意ッ 27

(31)

念 し、「み んなの うた」の初期 ス タ ッフが 良質 な歌 で子 ども向け音楽番組 を発 展 させ よ うと開始 した番組 で あ る。

1974(昭

49)年

には、後藤 田純 生 が『 世界 のあそび歌』 を刊行 した。志 摩桂 とい うペ ンネー ムで作詞 を手 が け、「

10人

のイ ンデ ィア ン」「アブ ラハ ム の子」等 の音楽 が掲載 され てい る。 そ の後 は、「ワンツー どん」等 の子 どもを対象 と した番組 も増 え、現在 にい た る。「子 どもの音楽」 に関係 す る人 と して、湯 山昭 、阿部 直美 、 山本 直純 、 中川 ひ ろたか、新 沢 と しひ こ らの存在 は欠 かせ ない。現在 は書店 にお いて「子 どもの音 楽」 の楽譜や遊 び方 が販 売 され た り、

TV等

の メデ ィア にお い て紹 介 され た り、研 修 で学ぶ 等 がお こなわれ てい る。 第

3節

海 外 と 日本 の 変 遷 を 通 し た 比 較 考 察 第

1節

と第

2節

を通 して、海 外 と 日本 の保 育 園 と幼稚 園の変遷 と共 に、「子 どもの音 楽 」 の変遷 につ い てふれ て きた。 各 国 の伝 統 的 な 「子 どもの音 楽 」 を分析す る こ とで 、各 国 が持 つ 「子 どもの音 楽 」 の共通 点や 特徴 が あ らわ に なった。具体 的 に述べ る と、「歴 史 的 に長 い 間の暮 らし方 、 日常的 な体 の動 か し方や 、文化 の指 向性 や 教 育 の質 的違 い」等 の様 々 な原 因 に よ り、民族 に よ つて リズ ム感 が異 な るこ とを もた らした こ とが うかが えた。 生活環境等 が影 響 した こ とで生 まれ た各 国 の 「子 どもの音 楽 」 は、 それ ぞれ の地域 に根 付 い た。 各 国 の母 国語 には、言語 独 特 の音 と リズ ムが存在 し、それ に伴 い適 した リズ ムや メ ロデ ィが生 まれ た こ とが、第

1節

と第

2節

を通 して うかが えた。 音 や音楽 、歌詞 が生活 に寄 り添 い 、それ に よ り、 どこ とな く安 心 を覚 え る音 楽 だか らこそ、今 日まで生活 の

1つ

と して 「子 どもの音楽 」 力`自然 と継 承 さ れ て きたので あ ろ う。 海 外 と 日本 の変遷 を通 した比較 考 察 をす るにあた り、 日本 の 「子 どもの音 楽」 につ いて、 い くつ か述 べ てお きたい点 が あ る。 日本 に関 して言 えば、 日 本 人 は静 か な立 ち居振 る舞 い を洗 練 され た美 しい もの とす る美意識 を育 て 、 28

(32)

それ を基本 に能 や 日本舞 踊 の よ うな芸能や 静 か な

2拍

子 の音 楽 を作 つて きた。 この よ うな 日本 音 楽 の静 か な

2拍

子 は、 ク ラシ ックや ジャズ、 ポ ピュ ラー音 楽 の リズ ムか ら考 え る と重 い よ うに感 じられ るで あ ろ う。 そ の背 景 には、西 洋音 楽 を音 楽 の 「基本 」 と して考 えてい るか らで あ り、 日本 人 の リズム感 が そ の基本 に うま く対応 して いな いか らだ と考 え られ る。 面 白い こ とに、 日本 の伝 統 的 な子 ど もの歌 「わ らべ うた」 の ほ とん どは 、 ほぼ

1拍

日か ら歌 が始 ま つてい る。例外 と して、弱拍 始 ま り (例 :花一 匁 (譜例

20))や

、裏拍 か ら 始 ま る もの (例 :う まは と しと し (譜例21))、 変拍 子 の もの (例 :あん たが た どこ さ (譜例

22))等

の歌 もまれ に存在す る。

譜例

20

「花一匁」抜粋】

…歌詞 「負けて」の部分を弱起始まりにすることで、音楽に勢いがつく。

か つて う れ し い は な もヽち も ん

0ま

り て く や し い は な い う も ん め

譜例

21

「う

…裏拍のため、

まはとしとし」】

馬がパカラッと走るリズム感が感 じられる。

う まは こ しこ し な い て も つ よ い う ま は つ よ しヽか ら の つて さんも つ よ しヽ

譜例

22

「あんたがたどこさ」抜粋】

…口承による伝承のため、話す リズムが音楽になったと考えられる。

あんたが た こ こ さ

ひ ご さ

ひ ご ど こ さ <まも こ さ く ま も こ こ こ さ 歌詞 につ い て 日本 と海 外 を比 較す る場合 も、長 い歴 史的 生活 環境 の影 響 を 受 けて い る こ とが うかが え る。 ここか らは歌詞 につ い て、比較 をお こな つて 29

(33)

い きたい。 日本語 を話 した り聴 い た りす る際、「モー ラ (mOra)」 とい う時 間 の長 さの単位 が基本 となってい る °。「は と (鳩)」 は 「は」 と 「と」 か らな る

2モ

ー ラ、「ラ シコ」 は 「ラ」「ッ」「コ」か らな る

3モ

ー ラ、「チ ョコ レー ト」 は 「チ ョ」「コ」「レ」「二 」「 卜」 の

5モ

ー ラ と数 える。一方 、英語 圏で はモー ラが存在 しない。 日本人 がモー ラを英語 にまで あて は め る こ とは、「ジ ャパ ニー ズ・ィ ング リッシュ」にな る原 因の

1つ

で あ る。例 えば、「The airport」 を 日本 人 は 「ジ・ エ アポー ト」 と

7拍

分 に数 えて しま うが、実 際 の英語 会話 では 「ズ ィアポ」 の よ うに発音 され る。「

CMI」

を 日本 人 が 「シー・ エ ム・ アイ」 と読 む が 、実 際 は 「ス ィア ミ」 と発 音 され てい る等 が あげ られ る。英 語 には英語 特有 の規則性 が あ り、強弱 の繰 り返 しパ ター ンの リズ ム をつ かみ 話す こ とで も、英語 はす ん な り通 じやす くな る。英 語 圏 で は母親 が子 どもに 言葉 を教 え る際 、 ラ ップや ロ ックの よ うな調子 の 良い言葉 を リズ ムに乗せ て 読み 聞かせ てお り、「セ サ ミ・ ス トリー ト」等 はテ レビで 同様 の こ とを して く れ てい る便利 な番組 とい え る。 日本語 と英語 とで は、 リズ ムの あ りか たが異 な ってい るが、

4分

4拍

子 の音 楽 を聴 くと、そ の音 楽 か ら 「

1と 2と 3と

4と

」 と拍 を感 じた り、動機 (モチー フ

)と

い う音 の グルー プ化 に よ り音楽 を把握 し記 憶 しやす く した りしてい る。 どち らも時 間的規則性 を基盤 に して い る点 で は共通 してい る。また、リズムに規則性 が ある とい う共通 点 の他 に、 リズ ム には階層 秩序 が あ る とい う共通 点 も存在 す る。 分 か りや す く単純 で規 則 的 な メ ロデ ィや言葉 の繰 り返 しが あ る こ とは、リズム を知 覚 しや す くす る。 つ ま り、そ の よ うな特徴 が あ る音楽 は、音楽的能力 が発 達 中の子 どもに とっ て優 しい音 楽 とい え よ う。 音 楽 の歌詞 の 内容 につ い て の分類 は、海 外 と 日本 で共通す る部 分 がみ られ た。「動物 、食 べ物 、数 、身体 、 日常生活 、乗 り物 」等 に関す る音 楽 が多 く存 在 して い る。 これ らか ら、子 どもの歌 の対象 と して好 まれ る内容 は世 界共通 1)中島祥 好 「音 楽 心理学 へ の御 招待 ② 」

http://酬.design.kyushu―u.ac.jp/∼ ynhome/」PN/Auditory/Book/Onshin/onshin2/onshinti tle2.html

(34)

の部分があることが うかがえる。発達するにつれて歌詞の長文や比喩の表現、

感情や情景が使われる言葉が増加 してい く。つま り、子 どもにとつては 日常

生活で触れることが多い事柄を歌詞にす ると良いことが うかがえる。

1節

第 二項 、戦後 の 「子 どもの音 楽 」 で述 べ た 「み ん なの うた」 には 日 本 の 曲だ けで な く、海 外 の 曲が取 り入れ られ てい る。「み ん なの うた」は 1961 年 の放 送 開始

3年

後 に、楽譜 を出版 してい る。第

1集

は全

30曲

中、

10曲

が 日 本人 に よる作詞 作 曲で あ り、

20曲

が海外 の作 曲者 や 民謡 で あ る。弱起 の 曲は、 日本人 に よる

10曲

1曲

、海 外 に よる

20曲

8曲

で あ る。全 曲の拍 子 は、

4分

4拍

子 が

14曲

4分

2拍

子 が

12曲

(4分

3拍

子 が

4曲

で あ る。 今 まで 日本 で歌 われ た唱歌等 とは異 な り、弱起始 ま りの 曲が多 くみ られ た。

1967年

に出版 され た第

7集

にな る と、全

25曲

中、

13曲

が 日本 人 に よる音 楽 、

12曲

が海 外 の作 曲者 や 民謡 に よる音楽 にな った。 第

7集

あた りか らは 日 本人 に よる音楽 が半分 を 占め、徐 々 に海 外 の作 曲者 や 民謡 は減少 してい つた。 海 外 の音 楽 の影 響 を受 けた 日本 人 に よる、 日本 人 の為 の音 楽 が増 えた よ うに 感 じる。第

7集

にお け る弱起 の 曲は、 日本 人 に よる

13曲

7曲

、海 外 に よる

12曲

8曲

で あ る。 今 まで 日本 で歌 われ た唱歌等 とは異 な り、 日本 人 の作 曲 家 に よる弱起始 ま りの 曲が多 くみ られ た。全 曲の拍 子 は

4分

4拍

子 が15曲、

4分

2拍

子 が

5曲

4分

3拍

子 が

4曲

8分

6拍

子 が

1曲

で あ る。 ま た、弱起始 ま りや付 点 の リズ ムが多 く、音 楽 が前 に進 む躍動感 が感 じられ た。 現代社 会 に入 り、世 界 の伝 統 的 な音 楽 、 コン ピュー ター ミュー ジ ック、サ ウン ドス ケー プ等 、 あ らゆ る音 楽 が 日常 に盗 れ る よ うになった。 テ レビや イ ンターネ ッ トを通 して、簡 単 に様 々な音楽 に触れ るこ とが出来 るよ うになっ た。 子 どもを対 象 と した音楽 につ いて も、様 々な メ ロデ ィ、 リズ ム、ハ ーモ ニー が流 れ てい る。 それ らの音楽や 、今 まで伝承 され て きた音楽 は、子 ども の発 達年齢 に相応 しい音 楽 なので あ ろ うか。 第 Ⅱ章 で検証 してい きたい。 31

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