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身体表現 としての 「遊び歌」の可能性 .…

第 Ⅱ章   子 どもの発達 と音楽の関係 .…

第 3節   身体表現 としての 「遊び歌」の可能性 .…

ここか らは筆者の保育経験を中心 として、述べていきたい。毎 日保育をお こな う中で設定保育時間が約 1時 間半あ り、年間計画や月案、週案のね らい にそって保育がお こなわれている。絵画、散歩、体育や生活発表会等の行事 前の練習、等がその時間におこなわれる。音楽に関す る大きな行事 としては、

12月

頃のク リスマス会

(音

楽発表会 )や 、 2月 頃の生活発表会

(劇

遊び、お 遊戯会、オペ レッタ )が あげ られ る。その大きな行事に関 して、年齢 ごとや 園全体でね らいをもち、その行事に向けて 日々の設定保育を進めている。

5歳 の年長児の ときに、音楽的能力 と身体表現を最大に生かせ るようにす るためには、第 Ⅱ章第 1節 に述べた 「年齢に応 じた発達段階」に沿つた内容 で保育を進 めてい く必要がある。例 えば、第 Ⅱ章第 1節 において述べた表の 中の、 0歳 後期 (6〜 Hヶ 月 )欄 を総合的に見てみる。す ると、「音に反応が できる、 リズムの分別がつ く、真似ができる、手足をばたつかせ る」等が可 能になって くる年齢であることが分かる。 これによ り、例えば 「お もちゃの チャチャチャ」を聞かせ、チャチャチャの ところで手を叩くリズム遊びを取 り入れ ると、次第に子 どもも同様の反応 をみせ るよ うになる。 このように、

身体表現をお こな う前の段階 として、年齢に合わせた「リズム遊びや音遊び、

イメージ遊び、創作遊び」を取 り入れるべきである。

身体表現を促す音楽 としては、 「①市販の本や保育雑誌に掲載 されている既 成 曲の ピアノ演奏、②歌詞 を伴わない音楽、③ メデ ィアで人気があ り市販 さ れている CD、 ④研修で学んだ遊び歌、⑤他の保育士が使用 していた遊び歌、

⑥わ らべ うた」 を使用 していた。 ここか らは、それ ら 6つ の分類について、

設定保育で扱 った譜例 と事例を共に述べていきたい。

①既成 曲の ピア ノ演奏

まず 「ピアノ演奏」に関す ることを述べておきたい。 ピアノを使 つた身体 表現遊びに関 しては、   メ リッ トとデメリッ トが存在する。   メ リッ トとしては、

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「子 どものテ ンポや 呼吸 にあわせ て弾 ける」「子 どもにあわせ て音楽 が提供 で きる (長短 、選 曲、 リズ ム、速度 、高低 等)」 「生演奏 、 ピア ノに興味 を持 た せ られ る」等 が あげ られ る。 一方 、デ メ リッ トと して は 「ほ とん どの保 育 士 が ピア ノに強い わ けではな く、弾 けない保 育 士 に とつて は苦痛 で あ る」「先 生 の技 量や 、音楽 を得意 とす るか否 かに よ り、子 どもに とつて音楽や表現 の伸 び が変 わ る」「ピア ノを弾 きなが ら、子 どもを見 る余裕 がない」等 が あげ られ る。で きるだ けデ メ リッ トを無 くす方 法 と して 、異年齢 合 同保 育 を行 う際 は、

ピア ノを得意 とす る先生 が弾 く等 の方法 が とられ てい る。

さて、身 体表 現 を促 す た めに ピア ノで演奏 していた既成 曲 として、「お うま はみ んな、ぞ うさん、ポ ンポ コたぬ き、 ゴ リラの うた (譜例9)」 等 の動物 に 関す る歌 を よ く使 用 していた。動物 以外 では、「カナ ヅチ トン トン (譜例 10)、

手 をたた きま しょ う、鬼 のパ ンツ、大 きな太鼓 (譜例7)」 等 の音楽 を使 用 し ていた。 動物 に関す る歌 は、動物 の特徴 や擬 声語 を抑 えた シ ンプル な歌詞 で あ る。動物 園や テ レビで見 た経験 を通 し、 また真 似 を楽 しむ 時期 とい うこ と もあ り、身 体表 現 に適 してい る。例 えば「ゴ リラの うた (譜9)」 で あれ ば、

歌詞 に 「胸 を叩い てエ ッホ ッホ」 と書 かれ てい るた め、 よ り身体表 現 が しや す いで あ ろ う。 ゆつ く りと したテ ンポの 中で

4分

音符 が多 く使 われ 、両手 で オ クター ブ の音 を弾 くこ とで重厚感 が 出て 、 ま るで ゴ リラが ゆつ く り堂 々 と 歩 いてい る雰 囲気 を醸 し出 してい る。「エ ッホ ッホ」の部分 は同 じ音 程 で

3度

繰 り返 され てい る。

【 譜例 9  「ゴリラのうた」】

ッ ネッ ホヽ, む ね を た た い て ,ホッ ホッ

 フ リ カ  ジャン グ リレ で む ね を  た たthて

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動物以外 の 曲 も、リズ ミカル な心躍 るテ ンポで、シ ンプル なル ール や踊 り、

歌詞 が繰 り返 され てい る。 例 えば 「カナ ヅチ トン トン (譜例 10)」 で あれ ば、

1番

目の歌詞 で は右腕 のみ カナ ヅチ に見立 て振 り、

2番

の歌詞 で は左腕 を振 る動作 が増 え る。 その後

3〜 5番

目の歌詞 にな るに あた り、右 足 、左 足 、頭 と動 きが増 えてい く。歌詞 は、「い つぽん」の部分 の数 が 「にほん、 さんぼん

…」 と、

 1本

ず つ増 えてい く。 この よ うに歌詞 を繰 り返す こ とで 、全 身 を音 楽 に合 わせ て動 か して楽 しむ遊 び歌 も存在 す る。 音 高 の幅 も広 くない た め、

子 どもも慣 れ て くる と口ず さみ なが らす るこ とがで き る よ うにな る。

【 譜例 10  「カナヅチ トン トン」】

② 歌 詞 を伴 わ な い音 楽

保 育 園や幼稚 園で使 用す る音楽 は、歌詞 が あ る音 楽 だ けで は ない。 音 楽 の 速 さ、高低 、 リズ ム等 を活 か し、特徴 の あ る音 楽や 和 音 を用 い て 、子 どもの 動 きや 身 体表現 に働 きか け る こ とが あ る。言語 的 コ ミュニ ケー シ ョンの発 達 してい ない子 どもに とつて、音楽 が行動 の信 号 と して の役害Jを果 た してい る。

短 い音 や音 楽 で あれ ば 「立つ 、座 る、お じぎ、集 合 」等 の合 図や 、「オバ ケ、

狼」等 を始 め劇 遊 び の効果 音 の役割 を果 た してい る (譜例 11、 12)。 譜例 13 は、絵 本 「泣 い た赤 鬼」 を元 に し、劇 遊 び のた めに筆者 が作 曲 した音楽 で あ る。 人 間 に恐れ られ た、強 そ うな赤 鬼 が舞 台へ登場 す るシー ンで使 用 した。

日本 音話 を淡 々 と話 して い るイ メー ジを左 手 で演奏 し、右 手 はそれ に合 わせ て物語 が展 開 してい くイ メー ジで作 曲を した。

4分

音 符 と

8分

音符 を淡 々 と

繰 り返す 安 定感 の あ る リズ ム は、鬼 が ドシ ン、

 

ドシ ン と

1歩

ず つ 大股 で歩 く イ メー ジに よる。 和音 を弾 くこ とで 、鬼の怖 さ と力強 さを低音 で表 現 した。

【 譜例 12  「狼」】

」喜1,,

か 悉 づ ち トン トン 年ヽつ まれ で トン トン

 

ン な づ ち トン トン 春霧 彗 饉 奪 み

【 譜例 H  「おじぎ」】

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【 譜例

13

='會

「赤鬼の登場」】

長 い音楽 で あれ ば、「天 国 と地獄 、アマ リリス、 さん ぽ」等 が あげ られ 、走 る、 ス キ ップ をす る、揺 れ る、 ジ ャ ンプ をす る等 のいずれ かの動 きを促 す こ とが期待 され る。「アマ リリス」 は整 列す る際 の音 楽 と して、「さん ぽ」 は歌 詞 を歌 わず に「

Go stop遊

び」の動 き を促す音 楽 と して使 用 を してい た。Go stop 遊 び とは、音 楽 が流れ てい る間 は リズ ムに合 わせ て歩 き、音 楽 が止 ま る と動

き も止 め る遊 び で あ る。 リ トミック と して、基本 的 な即 時反応 を養 うこ とが で き る。 最初 は

2歳

児 ク ラス で 「天 国 と地獄 」 の音 楽 を使 用 し、歩 かず 走 り なが ら

Go stop遊

び をお こな った のだが、走 る こ とに夢 中にな る子 どもが多

くみ られ た。 第 Ⅱ章第

1節

の表 か ら うかが える よ うに、

3歳

にな る と 「簡 単 な動 作 を伴 い なが ら歌 え る」 とい うよ うに、

2つ

の動 作 をす る こ とがで き る よ うにな る。

3歳

の誕 生 日を迎 え る子 どもの増 え、 また音 に集 中 して聴 くこ とがで き る よ うに広 く知 られ てい る 「さんぽ」 の音 楽 を使 用 した こ とで、Go

stop遊

び のル ール を守 りなが ら楽 しむ子 どもが増加 した。

Go stop遊

び の応 用 と して は、止 ま る合 図 の他 に 「ジ ャンプ、片 足 、後 ろに歩 く」等 の合 図 を 決 めて増 や してい く と、 よ り集 中 して聴 く力 と即 時反応 を養 え るで あろ う。

また、 この

Go stop遊

び を活 か した行事活 動 につ いてふれ たい。 第 Ⅱ章第

1節

の表 よ り、

2歳

は 「象徴機 能 の発 達 に よ り、大人 と一緒 に簡 単 な ごっ こ がで き る よ うにな る」時期 で あ る。「さんぽ」の音楽 を 「メ リー さんの羊」の 音楽 に変 更 し、羊 にな りきつて歩 くよ うに伝 える。 止 ま る音 の代 わ りに譜 例

12の

「狼」 の音 を使用 し、狼役 の保 育士が羊役 の子 どもを追いか け、子 ども は家 に見 立 てた近 くの フ ラフー プ に入 つて逃 げ る 「鬼 ごっ こ」 の よ うな遊 び もお こな った。 これ を発 展 させ 、年 末 の生活発 表会 にお いて 「狼 と

7匹

の子

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ヤ ギ」 の身体表 現 へ と繋 げてい った。 この よ うに、歌詞 を伴 わ ない音 楽 も、

子 どもの身体表 現 を促す た めに使 われ てい る。

③ メデ ィア で人 気 が あ り市 販 され て い る

CD

園 の方針 に もよるが、子 どもが好 きな

TV番

組 や アニ メの音楽 は、運動 会 や身 体表 現遊 び で使 用 され てい る こ とが よ くあ る。「お か あ さん とい っ しょ」

等 の

NHKの

教 育番組や ドラマ 、

 

ドラえ もんや ジブ リの音楽等 、子 ども心 を くす ぐる音楽 は沢 山存在 す る。保 育 園で勤務 してい た際 は、

NHKの

教 育番 組 「い ないい ない ば ぁ」 で放 送 され た 「ぐる ぐる

 

どつか― ん」 の音 楽 と振 付 を同 じよ うにお こなった り、「マル マル モ リモ リ」を歌 つて踊 つた りしてい た。他 の音楽 と して は 「み ん な とあそ ば、崖 の上 の ポニ ョ、勇気 100%」 等 が あげ られ る。 これ らは運 動会 の入 退場や 競技 中の音 楽 、親子遠 足等 で も使 用 され た。 日常 で よ く見 聞 き してい るた め、親 も子 どもも 口ず さみ 、親 しみ を もち楽 しむ姿がみ られ る。

④ 研 修 で 学 ん だ遊 び歌

保 育士 には、保 育 の質 の 向上 のた め研 修 制度 が設 け られ てい る。発 達 障害 や食 物 ア レル ギー に関す る研 修 もあれ ば、遊 び歌作家 に よる手遊 びや身 体表 現遊 び に関す る舞 台 を見 て、童 心 に戻 り楽 しみ なが ら学ぶ研 修 もあ る。 遊 び 歌作家 とは、保 育経験等 に基 づ き、子 ども と楽 しく遊 ぶ ための歌 を作 つて広 め る活 動 を してい る方 々 を指す。 著名 な人物 と して 、 中川 ひ ろたか氏や ケ ロ ポ ンズ等 は全 国公 演 をお こない、また、「おか あ さん とい っ しょ」に楽 曲提 供 をお こな つてい る。 他 に も、 アマ チ ュア と して休 日に児童館 で演奏活動 を し てい る遊 び歌作家 も全 国 に

100組

近 く存在 してい る。

 1年

1度

、東京 にお いて 「

A‑1あ

そび うた グランプ リ」 が開かれ 、全 国各地 の遊 び歌作家 が楽譜 を応 募 し、著名 な人物 が審査 をす る大会 がお こなわれ てい る。

研修 で学 んだ遊 び歌 と して、ケ ロポ ンズの 「エ ビカニ クス (譜例 14)」 をあ

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