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学位論文題名A Regional Land-surface Water Deficit lVIodel forArid and Semi-arid Areas:Impact of Land-cover Changes on the Loess Plateau,China

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Academic year: 2021

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博 士 ( 地球環 境科学 )王    勤学

     学位論文題名

A Regional Land‑surface Water Deficit lVIodel for Arid and Semi‑arid Areas : Impact of Land‑cover     Changes on the Loess Plateau , China

( 乾 燥 ・ 半 乾 燥 地 域 に お け る 地 表 乾 燥 モ デル 、     中 国 黄 土 高 原 へ の 土 地 改 変 の 影 響 )

学 位論文内容の要旨

  現在 、 地球 上の 陸域 の25%は 乾燥 ・半 乾燥 地で ある とさ れ、110に およ ぶ国 が存 在 し、 そ の中 で10億人 の人 々が 生活 をし てい ると 言わ れている。特に中国では国土 の |7% を占 め、8省に およ び居 住人 口は 約1億 人に 達し てい る. ニの 広大 な乾 燥・

半乾 燥地の地表環境はその地域の水環境に強く依存するとともに、土地利月・j形態とも 相 互に強く影響し合っている。この地表面の水 環境が乾燥に向かい植生の減退が生じ る こ と が 砂 漠 化 現 象 で あ り 、 世 界 各 地 で 犬 き な 問 題 と な っ て し 、 る ょ   この地表面の水環境を気候・植生・土壌・土 地利用などの要素を組み込んで適切に 数 量化し表現することは、乾燥・半乾燥地域の 地域特性の把握及び適切な土地利用や 気候 変動にともなう地域の将来予測上きわめて重要である。

  乾燥・半乾燥地の環境条件を気候学的に表現 するため、ケッペン(1926)以来多く 研 究者が様々な気候指数を提案してきた‐しか し、それらはすべて気候要素を因予と し て使用しているために、現実の地表の水環境 を適切に表現することは不可能であっ た 。一方、地表而の水環境を表現するために、 モランら(19剛)は耕地の水分環境の 指標 として実蒸発散量と可能蒸発散量の比を用いたWI)I (Water Def.icit liidex、地 表 乾燥 指 数) を提 唱し た。 定義 にれ ば、WDIの 値は0−1の問 にあ り、 () は地 表面 が 十分 な 湿潤 状態 、1は極 端に乾燥しているこ とを示している。モランらの推定手法 で は地 表 面温 度と 気温 の差 に基 づぃ てWDIを推 算し てい るが 、非 均質 地表 面の 特性 を表 現するパラメーターを考慮にいれていないため、その指数は広域非均質地表面´\

の応 用が不可能であった。

  広 域非均質地表面では地形の起伏があり、土壌び)種類、植生の被覆率及び土地利用 形態 か地域により興なっているため、地・表面の特性をパラメーター化する必要がある ニニ1()年間来、土壌一植生― 大気剛相互作用(VATSの)解明と広域地表面フラック ス の算定方法、及びそのための衛星の利用と手 法・モデルの開発が世界的研究テーマ

(2)

となっ ており、 多くの研 究結果 1.、1986等)が発表された。

  本 研究で は、モラ ンらの 地表1箟燥指数(WDl)の推 定手法に 根本的 な改良を丿Juえ る ことと し、土壌 ・植生・ 気象な どの環境 条件をべースに多くの微気象学的算定手法 を 導入し て、広域 非均質地 表面に おける実 蒸発散 量、可能 蒸発散 量とWDIの時間・地 域 変 化 を算 定 し た。研 究方法と しては 、まず、 対象地域 を緯度 ・経度と もに適 当な ス ケ ー ル( 緯 度 、経 度 と も に0. 25度 ) に区 分し、 グリッ ド内の楢 生状態 ・土壌条 件 (アル ベド、拡 散抵抗、 槃面積 など)を 既存のデータベース(植生図、土壌図、調 査 資料等 )をもと に数値化 すると ともに、 気象要 素につい ては地 域内107の気象観測 所 におけ る40年間の 月別平 均値をグ リッドご との値 に換算し た:な お換算にはDWL.S (Di.stant Weightecl Least. Squaro)内挿法を用いた:次に、工ネルギー収支の原理に 基 づき、 多くの気 象、水文 、植物 生理学的 な計算手法を組み込んで、新しい地域水収 支 モ デ ルを 開 発 し、 こ の モ デル を 用 いて 、 実蒸発 散量、 可能蒸発 散量及びWDIの 算 定 を行っ た‐更に 、実測デ ータお よびその 他のモデルの結果と比較し、モデルの有効 性 を実証 した:ま た、地表 面パラ メーター (葉面積、耕地、草地と砂漠面積など)に 対 する実 蒸発散量 とWDIの 感度解 析を行い 、土地 利用・被 覆変化 が地表面 水環境に及 ばす影響の評価を試みた:

  研 究対 象 地 域で あ る 黄 土高 原 は58万 平 方kiiiの 面 積 をも ち 、 南東 部 は年降 水量 500iiuiiで比較的湿潤であるが、北西部は100iiuii前後で乾燥地帯となっている。本研究 で は 、 この 黄 土 高原全 域を対象 とし、 土地利用 データはTM衛星デ ータから 解析し た 結果((;ILSP、1991)を利用した:

  得 られ た 結 果に よ れ ば 、地 表 面 乾湿 状 況 を表現す るWDIの分布は 黄土高 原の植被 の 状態と かなり良 い一致を 見た: また、既 存の気候指数と比べると、本モデルにおい て 地表面 の影響を 小さくす るほど 相関が高 くなった。すなわち、このモデルは気候因 子 だけを 入カする と、既存 の気候 指数とか なり一致した結果を算定でき、モデルの妥 当 性 が 示 唆 さ れ た 。WDlの 分 布 図 に よ る と 、 黄土 高 原 に おけ るWDIは 東 南部 の 半 湿 潤地域 から西北 部の乾燥 地域ま で次第に 大きくなり、また、地域によって季節変化 も それぞ れ異なっ ている: 感度解 析により 、砂漠 の面積を 各グリ ッドで2倍とした場 合 に偸林 一銀川問 の鄂尓多 斯地域 において 水分欠乏が促進されることが明らかになっ た ま た 、気 象 の 口別 値 が 得 られ た 臨 河、 鄂 托克、 呼和浩 特の3地点につ いて、2010 年 ま で に1℃ の 気温 上昇があ ると仮定 すると ともに、 土地利 用の形態 を変化 させてW DIの 経年変 化をシミ ュレー ションし た結果、 地I表面水環 境^の 影響は温 度上昇より も土地利用変化のが大きいことがあきらかとなった;

  こ のよ う に 本研 究 で 新 しく 開 発 した 地 表 乾燥 指 数(WDI)は 乾 燥 ・半 乾燥 地域の 水 分環境 を比較的 よく表現 してお り、土地 利用の変化、気候変化による影響把握に利 用か可能でめると言える:

‑ 1115 ‑

(3)

学位論文審査の要旨 主査

副査 副査 副査

教授 教授 助教授 助教授

小 野 有 五 平 川 一 臣 高 橋 英 紀 石 川 信 敬

     学位論文題,名

A .Regional Land‑surEaCeWaterDe 丘 CitMOdelfor AridandSemi ‐ aridAreaS : ImpaCtofLand − COVer     ChangeSOntheLOeSSPlateau , China

( 乾 燥 ・ 半 乾 燥 地 域 に お け る 地 表 乾 燥 モ デ ル 、     中 国 黄 土 高 原 へ の 土 地 改 変 の 影 響 )

  現在 、地 球上 の陸 域の25% は乾 燥・ 半乾 燥地 であ る とさ れ、110の国 にお よぴ その 中 で10億 人 の 人 々 が 生 活 をし てい ると 言わ れて い る。 特に 中国 では 国土 の47%を 占 め 、8省 に お よ び 居 住 人 口 は1億人 に達 して いる 。 この 広大 な乾 燥・ 半乾 燥地 の地 表 環 境は その 地域 の水 環境 に強 く依 存す ると とも に、 土 地利用形態にも影響されるとこ ろ が 大 き い 。 こ の 地 表 面 の水 環境 が乾 燥に 向か い 植生 の減 退が 生じ るこ とが 砂漠 化 現 象で あり 、世 界各 地で 大き な問 題と なっ てる 。

  この 地表 面の 水環 境を 気候 ・植 生・ 土壌 ・土 地利 用 などの要素を組み込んで適切に 数 量化 し表 現す るこ とは 、乾 燥・ 半乾 燥地 域の 地域 特 性を把握し、適切な土地利用や 気 候 変 動 に と も な う 地 域 の 将 来 予 測 上 で き わ め て 重 要 で あ る 。   乾燥 ・半 乾燥 地の 環境 条件 を気 候学 的に 表現 する た めケ ッベ ン(1926)以 来多 く研 究 者が 様々 な気 候指 数を 提案 して きた 。し かし 、そ れ らはすべて気候要素を因数とし て 使用しているために、現実の地表の水環境を適切に表 現することは不可能であった。

ー 方、 地表 面の 水環 境を 表現 する ため にモ ラン ら(1994)は、 耕地 の水 分環 境の 指標 と して 実蒸 発散 量と 可能 蒸発 散量 の比 を用 いたWDI(Water Deficit Index、 地表 乾燥 指 数)を指標として提唱した。しかし、その指標を求め るための因数には実際に野外で 観 測し なけ れば なら ない もの が含 まれ てい た。

    ー1116←

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  本 研 究 で は 、 モ ラ ン の 地 表 乾燥 指数(WDI)の算 定手 法に 根本 的な 改良 を加 える こ と とし 、土 壌 ・植 生・ 気象 などの環境条件をべー スに多くの微気象学的算定手法を導 入 して 実蒸 発 散量 を求 め、 可能蒸発散量の算定に はベンマン・モンティース式を用い て行っ た。

  な お 、 研 究 対 象 地 域 で あ る 黄 土 高 原 は58万 平 方kmの 面 積を もち 、南 東部 は年 降 水 量500mmで 比 較 的 湿 潤 で あ る が 、 北 西 部 は100mm前 後 で 乾燥 地帯 とな って いる 。 本 研 究 で は 、 こ の 黄 土 高 原 全 域の 地表 面水 環境 をWDI値を 用い て表 現し 、解 析を 加 えるた めに緯度・経度ともに0.25度に区分し、グリッド内の植 被の状態、土壌条件を既 存 のデ ータ ベ ース から 読み とる とと もに 、気 象要 因に ついては地域内107の気象観測 所 に お け る40年 間 の 月I男 |J値 を 用 い て 、 グ リ ッ ト ご と の 値 に 算 定 し 直 し た 。   得 ら れ た 結 果 に よ れ ば 、 黄 土 高 原 内 のWDIの 分 布 は 気 候 学 的 な 気 候 区 分 、 植 被 の状態 ともにかなり良い一致を見た。また、乾燥地域を各グリットで2倍とした場合に楡 林 ー銀 川間 の にお いて 水分 欠乏が促進されること が明らかになった。また、気象の日 別値が 得られたりンヘ、オートク、フフホトの3地点にっいて、2010年までに1℃の気温 上 昇が ある と 仮定 する とと もに 、土 地利 用の 形態 を変 化させてWDI値の経年変化を算 定 した 結果 、 地表 面の 水環 境へ の影 響は 温度 上昇 より も土 地利 用の 変 化の 影響 の方 が大き いことがあきらかとなった。

  こ の よ う に 本 研 究 で 新 し く 開発 した 地表 乾燥 指数(WDI)は乾 燥・ 半乾 燥地 域の 水 分 環境 を比 較 的よ く表 現し ており、土地利用の変 化、気候変化による影響把握に利用 が可能 であると言える。

審査 員一 同は 、こ れら の成 果を 高く 評価 し、 また 大 学院 課程 にお ける 研鑽 や取得単 位な ども 併せ 、申 請者 が研究者として誠実かつ熱心であり、博士 (地球環境科学)の 学位 を受 ける に十 分な 資格 を有 する もの と判 定し た 。

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