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軽量構造物を対象とした免震構造用高減衰積層ゴム支承の開発(その2)

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Academic year: 2021

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軽量構造物を対象とした免震構造用

高減衰積層ゴム支承の開発(その2)

鈴木 敏志

豊嶋 学

三輪 晋也

竹田 史朗

**

竹中 宏明

***

要 約: 本開発は,木造戸建住宅に代表される重量の軽い構造物(以下,軽量構造物という)を高減衰積層ゴム支承のみで免震化でき るシステムの構築を目指している。本報では,前報1)に引き続き,軽量構造物に適用可能な免震構造用高減衰積層ゴム支承の開 発を目的に行った実験研究について述べる。ここでは,免震告示による構造計算方法で,第 2 種地盤において簡略法による地盤 増幅係数の評価にも対応可能となる性能を目標としている。前報で実験を行った積層ゴム支承は,水平変形性能と荷重支持能力 については,目標を満足する結果が得られた。しかし,水平剛性が高く,加速度の低減率が小さいという課題が残された。本報 では,前報の実験結果を踏まえて,目標性能を満足できる積層ゴム支承の形状について検討し,静的載荷実験および振動台実験 による性能確認を実施した。実験の結果,検討した積層ゴム支承は目標をほぼ満足する性能を有することが確認できた。 キーワード: 軽量構造物,高減衰積層ゴム,免震告示,第 2 種地盤,ハリンクスモデル,中空断面,振動台実験 目 次: 1.はじめに 5.静的載荷実験 2.高減衰積層ゴム支承の目標性能 6.振動台実験 3.既往の研究と課題 7.まとめ 4.形状検討 1. はじめに 本開発は,軽量構造物を高減衰積層ゴム支承のみで 免震化できるシステムの構築を目指している。一般に 軽量構造物に適用する積層ゴム支承は,細長い形状と なることが予想されるが,形状が細長くなると座屈安 定性が損なわれると考えられており,従来,積層ゴム 支承のみで軽量構造物を免震化することは不可能と考 えられてきた。しかし,西村による近年の研究成果に よって,細長い形状でも一定の条件を満足すれば,大 変形領域における座屈安定性の高い積層ゴム支承を実 現可能であることが理論的に示されている2)3)。また, 実験研究により理論の妥当性が検証されている4)5) 著者らは,この基礎研究の成果を基に,東京都市大学 (旧武蔵工業大学)西村研究室および東洋ゴム工業株 式会社と共同で,軽量構造物を対象とした免震工法の 研究開発を継続的に行っている。また,これまでの研 究成果として,軽量構造物に適用可能な高減衰積層ゴ ム支承を開発し,免震架台は RC 造,免震装置は高減 衰積層ゴム支承のみという軽量構造物用のシンプルな 免震システムを実現している6) 開発した免震システムは,建物の立地条件(地盤条 件)に対して適用に一定の制限があるが,現在,適用 範囲拡大を目指し,高減衰積層ゴム支承の性能向上に 関する検討を行っている。本報は,前報1)に引き続き 行った高減衰積層ゴム支承の性能向上に関する実験研 究について述べたものである。 2. 高減衰積層ゴム支承の目標性能 前報1)では,免震告示による構造計算方法で,地盤 条件を第 2 種地盤,地盤増幅係数 Gs の算定に簡略法Gs=2.025)を用いた場合を想定して設計的な検討を 行い,高減衰積層ゴム支承の目標性能を設定した。具 体的な目標数値は以下の通りである。 1) 積層ゴム支承 1 個あたりの支持荷重 68.6kN 2) 等価粘性減衰定数 0.23 以上 3) 水平変位 400mm における等価固有周期 2.4 秒 4) 設計使用範囲 400mm 以上 上記の性能について,免震告示に示される地震力 Q と免震層の水平特性(ここでは,積層ゴム支承 1 個あ たりの水平特性)の関係を示すと図1 の通りとなる。 図 1 免震層の応答値と目標性能 *基盤技術開発部 材料・構造グループ **国際事業部 プロジェクト統括部 ***設計本部 構造設計部 U.D.C 624.07

軽量構造物を対象とした免震構造用

高減衰積層ゴム支承の開発(その2)

鈴木 敏志

* 

 豊嶋  学

*  

 三輪 晋也

竹田 史朗

**

 竹中 宏明

***

      

(2)

3 8 7 m m 鋼 板 厚 9.0mm ゴ ム 厚 9.0mm φ350mm φ260mm ゴム外径 350mm ゴム内径 260mm ゴム厚 9mm ゴム層数 22層 ゴム総高さ 198mm 鋼板外径 360mm 積層鋼板厚 9mm 鋼板層数 21層 鋼板総高さ 189mm フランジ 25mm×2枚 0 1 2 3 0 50 100 150 200 250 せ ん 断 弾 性 係 数 G ( N / m m 2) せん断ひずみγ (%) ●:動的載荷 ▲:静的載荷 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 地 震 力 Q ( kN ) 水平変位 (mm) heq=0.23 応答スペクトル 第2種地盤(Gs=2.025) 目標性能 第1種地盤 (Gs=1.35) 応答値 形状L3(実験結果) 形状L5(予想) 数値 A (mm2) 4.31×104 I (mm4) 5.12×108 Ge (N/mm2) 0.51 Ee (N/mm2) 17.1 KS (kN) 22.1 KB (kNmm2) 8.77×106 NH (kN) 102.5 形状L5の諸元 断面2次モーメント 断面積 座屈荷重(線形理論解) 曲げ剛性 =EeI せん断剛性 =GeA 有効曲げヤング率 有効せん断弾性係数 水平変位 せん断ひずみ 水平剛性 せん断弾性係数 δH (mm) γ (%) KH (N/mm) G (N/mm2) 44.7 22.6 257.81 1.52 92.8 46.9 155.92 0.95 173.5 87.6 92.80 0.61 246.3 124.4 67.81 0.48 329.3 166.3 48.96 0.38 200.0 101.0 48.89 0.38 400.0 202.0 24.66 0.27 動的載荷 (振動台実験) 静的載荷 4. 形状検討 4.1 ゴム材料のせん断弾性係数G 前述した通り,前報で実験を行った形状L3 の水平剛 性は,想定した値よりも高い結果となった(図 5)。こ れは,高減衰ゴム材料の持つひずみ依存性や速度依存 性による剛性の変動が大きな要因の一つと考えられる。 そこで,これらの影響を把握するために,動的載荷時 におけるゴム材料のせん断弾性係数 G について,形状 L3 の実験結果を基に考察した。 積層ゴム支承の軸力下の水平剛性 KHは,ゴム材料の せん断弾性係数 G の値を基に Haringx 理論より解析的 に求める事ができる8)。従って,軸力下における水平 剛性KHの値を形状L3 の実験結果(軸力 68.6kN)で与 えると,そこからせん断弾性係数 G の値を算定するこ とができる(算定方法の詳細は文献 8)を参照)。高減 衰ゴム材料を用いた積層ゴム支承の復元力特性は, bilinear 型で表現することができるが,ここでは,図 5 に示す慣性力‐変位関係の各ループにおける 2 次剛性 (接線剛性)K2を水平剛性KHとして評価を行った。算 定結果を表 1 および図 6 に示す。また,静的載荷実験 の結果(図4)を基に同様の方法で算定したせん断弾性 係数 G の値も併せて示す。ゴム材料のせん断弾性係数 G の値は,水平変位の増大に対して低下し,一定の値 に収束することがわかる。また,動的載荷の方が静的 載荷に比べてせん断弾性係数G の値が 4 割程度大きく なっており,速度依存性による剛性の増大が確認でき る。今回のゴム材料(G0.39)の場合,速度依存性を考 慮して大変形領域におけるゴム材料のせん断弾性係数 G を評価すると 0.38N/mm2となる。 表 1 ゴム材料のせん断弾性係数G 図 6 せん断弾性係数G‐せん断ひずみ γ 関係 4.2 積層ゴム支承の形状 図 1 の目標性能に対して,実験結果より得られた形L3 の水平特性を bilinear 型で表すと図 7 に示す通り となる。目標性能に対して水平剛性が高く,免震告示 で設計した場合には,応答変位は抑えられるが,上部 構造へ入力される地震力が大きいという結果が得られ る。目標を満足するためには,図中●の応答値を通る ような水平特性となる必要がある。 ここで,積層ゴム支承の水平特性について,前節で 考察したゴム材料のせん断弾性係数 G を基に大変形時 の水平剛性KH(=2 次剛性 K2)をHaringx 理論より解 析的に求め,1 次剛性および降伏荷重を東洋ゴム工業 の技術資料を参照して,形状L3 の実験結果を基に断面A およびゴムの総高さ hr より推定し,目標を満足す る形状について検討した。検討した形状を図 8 に示す (形状名L5)。上記の方法により算定した形状 L5 の水 平特性は図7 に示す通りとなる。さらに,文献 8)を参 照して,G=0.38N/mm2とした場合の物理定数を算定す ると,表 2 に示す通りとなる。形状 L5 は,文献 2)3) に示される安定条件式をほぼ満足するものとなる。 図 7 目標性能と積層ゴム支承の水平特性 図 8 積層ゴム支承の形状(形状L5) 表 2 形状L5 の物理定数(G=0.38N/mm2) 3 8 7 m m 鋼板 厚9.0mm ゴム 厚9.0mm φ240mm φ350mm 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500 550 600 650 700 750 0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 軸 力 ( kN ) 水平変位 (mm) 実験結果 ●:異常無し ▲:破断 圧縮限界強度 (目標範囲) -35 -30 -25 -20 -15 -10 -5 0 5 10 15 20 25 30 35 -600 -500 -400 -300 -200 -100 0 100 200 300 400 500 600 水平 力 ( kN ) 水平変位 (mm) 等価剛性Keq=50.2N/mm (水平変位 400mm) -35 -30 -25 -20 -15 -10 -5 0 5 10 15 20 25 30 35 -600 -500 -400 -300 -200 -100 0 100 200 300 400 500 600 慣性 力 ( kN ) 水平変位 (mm) 目標性能 等価剛性Keq=72.15N/mm (水平変位=400mm) ゴム外径 350mm ゴム内径 240mm ゴム厚 9mm ゴム層数 22層 ゴム総高さ 198mm 鋼板外径 360mm 積層鋼板厚 9mm 鋼板層数 21層 鋼板総高さ 189mm フランジ 25mm×2枚 3. 既往の研究と課題 ここでは,前報1)で行った実験研究について,計画 した積層ゴム支承の形状と,実験結果の概略を示す。 実験を行った積層ゴム支承は,図 2 に示す中空断面 を有する高減衰積層ゴム支承(形状名 L3)である。こ の形状 L3 は,文献 2)3)に示される「大きな水平変 形領域でも座屈荷重の低下を抑制することのできる条 件」をほぼ満足しており,水平方向の荷重‐変形関係 も広い範囲で線形性を保持できると解析的に予想され るものである。ゴム材料には,東洋ゴム工業株式会社 製の高減衰ゴム(G0.39)を採用している。この形状に ついて試験体を製作し,静的載荷実験および振動台を 用いた動的実験により性能確認を行った。 静的載荷実験では,主に積層ゴム支承の圧縮限界強 度を確認する試験を行った。積層ゴム支承の設計使用 範囲は,圧縮限界強度領域図を基にして求められるが, 前章に示した目標数値を満足するためには,図 3 に示 す目標範囲以上の領域で安全性を確認する必要がある。 実験では,a)軸力下の水平載荷試験(鉛直荷重 68.6kN), b)鉛直方向の圧縮試験(水平変位 0mm),c)水平方向の 破断試験(鉛直荷重0kN),の 3 種類の載荷を行い,圧 縮限界強度について確認した。なお,試験方法と実験 結果の詳細は前報1)を参照のこと。実験結果を図 3 に プロットする。図に示す通り,圧縮限界強度について は,目標を満足する性能を有することが確認できた。 また,軸力下の水平載荷試験により支承の直径を超え る大変形時においても,安定した復元力特性となるこ とが確認できた(図4)。 振動台実験では,動的載荷時における積層ゴム支承 の水平特性を把握する試験を行った。積層ゴム支承の 水平特性には,速度依存性のあることが一般的に知ら れており7),特に高減衰ゴム材料を用いた積層ゴム支 承には比較的大きな依存性があると言われている。そ こで,一方向の正弦波加振により,積層ゴム支承の水 平特性を確認した。正弦波加振により得られた積層ゴ ム支承の水平特性は,静的載荷実験と同様に,支承の 直径と同程度の水平変形時においても安定した性状を 示した(図 5)。また,水平変位 400mm における等価 剛性 Keq は静的載荷実験の結果(図 4)と比較して 4 割程度大きな値となった。等価剛性 Keq(=72.15N/mm) から等価固有周期Teq を求めると約 1.95 秒となり,目 標数値の2.4 秒よりもやや短い周期となった。図 5 の慣 性力‐水平変位関係から等価粘性減衰定数 heq を算定 すると0.22~0.24 程度の値となった。ここで Keq,Teq, heq の算定は免震告示に示される方法7)に拠った。 以上のように,形状L3 の積層ゴム支承は,水平変形 能力および荷重支持能力について,目標を満足する結 果を得る事ができた。しかし,水平剛性が目標性能よ りも高く,地震時における加速度の低減率が小さい (1/1~1/2 程度)1)という課題が残された。 図 2 積層ゴム支承の形状(形状L3) 図 3 圧縮限界強度領域(目標範囲と実験結果) 図 4 復元力特性(静的載荷試験:鉛直荷重68.6kN) 図 5 慣性力‐水平変位関係(正弦波加振)

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3 8 7 m m 鋼 板 厚 9.0mm ゴ ム 厚 9.0mm φ350mm φ260mm ゴム外径 350mm ゴム内径 260mm ゴム厚 9mm ゴム層数 22層 ゴム総高さ 198mm 鋼板外径 360mm 積層鋼板厚 9mm 鋼板層数 21層 鋼板総高さ 189mm フランジ 25mm×2枚 0 1 2 3 0 50 100 150 200 250 せ ん 断 弾 性 係 数 G ( N / m m 2) せん断ひずみγ (%) ●:動的載荷 ▲:静的載荷 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 地 震 力 Q ( kN ) 水平変位 (mm) heq=0.23 応答スペクトル 第2種地盤(Gs=2.025) 目標性能 第1種地盤 (Gs=1.35) 応答値 形状L3(実験結果) 形状L5(予想) 数値 A (mm2) 4.31×104 I (mm4) 5.12×108 Ge (N/mm2) 0.51 Ee (N/mm2) 17.1 KS (kN) 22.1 KB (kNmm2) 8.77×106 NH (kN) 102.5 形状L5の諸元 断面2次モーメント 断面積 座屈荷重(線形理論解) 曲げ剛性 =EeI せん断剛性 =GeA 有効曲げヤング率 有効せん断弾性係数 水平変位 せん断ひずみ 水平剛性 せん断弾性係数 δH (mm) γ (%) KH (N/mm) G (N/mm2) 44.7 22.6 257.81 1.52 92.8 46.9 155.92 0.95 173.5 87.6 92.80 0.61 246.3 124.4 67.81 0.48 329.3 166.3 48.96 0.38 200.0 101.0 48.89 0.38 400.0 202.0 24.66 0.27 動的載荷 (振動台実験) 静的載荷 4. 形状検討 4.1 ゴム材料のせん断弾性係数G 前述した通り,前報で実験を行った形状L3 の水平剛 性は,想定した値よりも高い結果となった(図 5)。こ れは,高減衰ゴム材料の持つひずみ依存性や速度依存 性による剛性の変動が大きな要因の一つと考えられる。 そこで,これらの影響を把握するために,動的載荷時 におけるゴム材料のせん断弾性係数 G について,形状 L3 の実験結果を基に考察した。 積層ゴム支承の軸力下の水平剛性 KHは,ゴム材料の せん断弾性係数 G の値を基に Haringx 理論より解析的 に求める事ができる8)。従って,軸力下における水平 剛性KHの値を形状L3 の実験結果(軸力 68.6kN)で与 えると,そこからせん断弾性係数 G の値を算定するこ とができる(算定方法の詳細は文献 8)を参照)。高減 衰ゴム材料を用いた積層ゴム支承の復元力特性は, bilinear 型で表現することができるが,ここでは,図 5 に示す慣性力‐変位関係の各ループにおける 2 次剛性 (接線剛性)K2を水平剛性KHとして評価を行った。算 定結果を表 1 および図 6 に示す。また,静的載荷実験 の結果(図4)を基に同様の方法で算定したせん断弾性 係数 G の値も併せて示す。ゴム材料のせん断弾性係数 G の値は,水平変位の増大に対して低下し,一定の値 に収束することがわかる。また,動的載荷の方が静的 載荷に比べてせん断弾性係数G の値が 4 割程度大きく なっており,速度依存性による剛性の増大が確認でき る。今回のゴム材料(G0.39)の場合,速度依存性を考 慮して大変形領域におけるゴム材料のせん断弾性係数 G を評価すると 0.38N/mm2となる。 表 1 ゴム材料のせん断弾性係数G 図 6 せん断弾性係数G‐せん断ひずみ γ 関係 4.2 積層ゴム支承の形状 図 1 の目標性能に対して,実験結果より得られた形L3 の水平特性を bilinear 型で表すと図 7 に示す通り となる。目標性能に対して水平剛性が高く,免震告示 で設計した場合には,応答変位は抑えられるが,上部 構造へ入力される地震力が大きいという結果が得られ る。目標を満足するためには,図中●の応答値を通る ような水平特性となる必要がある。 ここで,積層ゴム支承の水平特性について,前節で 考察したゴム材料のせん断弾性係数 G を基に大変形時 の水平剛性KH(=2 次剛性 K2)をHaringx 理論より解 析的に求め,1 次剛性および降伏荷重を東洋ゴム工業 の技術資料を参照して,形状L3 の実験結果を基に断面A およびゴムの総高さ hr より推定し,目標を満足す る形状について検討した。検討した形状を図 8 に示す (形状名L5)。上記の方法により算定した形状 L5 の水 平特性は図7 に示す通りとなる。さらに,文献 8)を参 照して,G=0.38N/mm2とした場合の物理定数を算定す ると,表 2 に示す通りとなる。形状 L5 は,文献 2)3) に示される安定条件式をほぼ満足するものとなる。 図 7 目標性能と積層ゴム支承の水平特性 図 8 積層ゴム支承の形状(形状L5) 表 2 形状L5 の物理定数(G=0.38N/mm2)

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-35 -30 -25 -20 -15 -10 -5 0 5 10 15 20 25 30 35 -600 -500 -400 -300 -200 -100 0 100 200 300 400 500 600 慣 性 力 ( kN ) 水平変位 (mm) 目標性能 等価剛性Keq=59.35N/mm (水平変位=400mm) 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 地 震 力 Q ( kN ) 水平変位 (mm) 第2種地盤(Gs=2.025) heq=0.23 (目標値) 目標性能 応答値(目標) 形状L5(実験結果) 第2種地盤(Gs=2.025) heq=0.26 (実験結果) 応答値(実験結果) 加振波 加振方向 正弦波 X 20,40,80,120,160 (mm) El-centro NS X 25,50 (cm/sec) El-centro 3D 3D 25,50 (cm/sec) Hachinohe NS X 25,50 (cm/sec) Hachinohe 3D 3D 25,50 (cm/sec) JMA神戸 NS X 400,816 (cm/sec2) JMA神戸 3D 3D 400,816 (cm/sec2) JMA川口 3D 3D 624 (cm/sec2) JR鷹取 3D 3D 221,295,406,480 (cm/sec2) 目標加振レベル 0 100 200 300 400 500 600 700 800 0 200 400 600 800 1000 1200 応 答 加 速 度 ( c m / se c 2) 入力加速度 (cm/sec2) ●:形状L3 実験結果 △:形状L5 実験結果 6. 振動台実験 6.1 実験概要 静的載荷実験により大変形領域での安定性が確認さ れた形状 L5 の高減衰積層ゴム支承(図 8)について振 動台を用いた動的載荷実験を行い,その動的安定性を 確認した。具体的には,一方向の正弦波加振を行い, 動的載荷時における積層ゴム支承の水平特性について 評価を行った。また,複数の観測波による加振を行い, 地震時における挙動を確認した。加振波の概要を表 4 に示す。なお,試験方法は,前報1)で行った形状 L3 の振動台実験と同様である。 6.2 実験結果 6.2.1 水平特性 正弦波加振により得られた積層ゴム支承の荷重(慣 性力)‐変位関係を図 12 に示す。静的載荷実験と同様 に大変形時においても安定した履歴ループを描いてい ることがわかる。水平変位 400mm における等価剛性 Keq を推定すると 59.35N/mm となり,等価固有周期 Teq は 2.16 秒となった。形状 L5 の等価剛性 Keq は, 形状L3 と比較して 2 割程度小さい値になったが,目標 よりもやや高い水平剛性となった。また,得られた履 歴ループから等価粘性減衰定数 heq を算定すると大変 形時で 0.26 程度の値となった。正弦波加振の結果より 得られた形状 L5 の水平特性を bilinear 型で表し,免震 告示に示される地震力Q との関係を示すと図 13 の通り となる。応答値について見ると,水平変位は,目標よ りも大幅に抑えられ,上部構造へ入力される地震力は, 目標よりも1 割大きい程度という結果が得られた。 6.2.2 地震時の応答性状 表 4 に示す地震波によって加振した際の入力加速度 と応答加速度の関係を図14 に示す。また,前報で行っ た形状L3 の実験結果1)も併せて示す。形状L5 の応答 加速度は,形状 L3 よりも小さくなり,多少のばらつき はあるが,入力加速度 400cm/sec2 以上の範囲で 1/2~ 1/3 程度の低減率となった。写真 1 には,本実験での最 大応答変位を記録したJR 鷹取 3D(480cm/sec2)におけ る支承の変形状態を示す。実際に入力された加速度の 最大値は554.68cm/sec2,速度の最大値は98.96cm/sec で ある。この入力に対して,最大応答変位 414.63mm を 記録したが,座屈および破断は起こらなかった。 図 12 慣性力‐水平変位関係(正弦波加振) 図 13 目標性能と形状 L5 の実験結果 図 14 入力加速度‐応答加速関係 写真 1 JR 鷹取(480cm/sec2)最大応答変位414.63mm 表 4 加振波一覧 -35 -30 -25 -20 -15 -10 -5 0 5 10 15 20 25 30 35 -600 -500 -400 -300 -200 -100 0 100 200 300 400 500 600 水平 力 ( kN ) 水平変位 (mm) 等価剛性Keq=35.1N/mm (水平変位400mm) 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500 550 600 650 700 750 0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 軸 力 ( kN ) 水平変位 (mm) 実験結果 ●:異常無し ▲:破断 圧縮限界強度 (目標範囲) 0 100 200 300 400 500 600 700 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 鉛 直 荷 重 ( kN ) 鉛直変位 (mm) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 0 100 200 300 400 500 600 700 800 水 平 力 ( kN ) 水平変位 (mm) -35 -30 -25 -20 -15 -10 -5 0 5 10 15 20 25 30 35 -600 -500 -400 -300 -200 -100 0 100 200 300 400 500 600 水 平 力 ( kN ) 水平変位 (mm) 位 変 平 水 重 荷 直 鉛 体 験 試 ) m m ( ) N k ( . o N ±200 ±400 鉛直方向の圧縮試験 588.0 0.0 2 水平方向の破断試験 0.0 破断まで 3 軸力下の水平載荷試験 68.6 ±500 軸力下の水平載荷試験 1 試験方法 68.6 5. 静的載荷実験 5.1 実験概要 前章で検討した形状L5 の高減衰積層ゴム支承(図 8) について,試験体を 3 体製作し,積層ゴム支承の大変 形領域における安定性と圧縮限界強度領域を確認する 試験を行った。実施した試験は表 3 に示す通りである。 なお,試験方法の詳細は,前報1)を参照のこと。 5.2 実験結果 5.2.1 大変形領域における安定性 軸力下の水平載荷試験(鉛直荷重 68.6kN)より得ら れた水平方向の荷重‐変形関係を図9 に示す。形状 L3 の実験結果(図4)と同様に,積層ゴム支承の直径であ350mm を超える大変形時においても安定した履歴ル ープを描いていることがわかる。使用範囲の目標であ る水平変位400mm における等価剛性 Keq は 35.1N/mm となり,形状 L3(Keq=50.2N/mm)と比較して 3 割程 度小さい値となった。 5.2.2 圧縮限界強度領域 実施した試験(表3)の実験結果を基に圧縮限界強度 領域図を描くと図10 の通りとなる。図に示す通り,形L5 は目標を満足する圧縮限界強度となることが確認 できた。各試験の実験結果および加力時の変形状態を 図 11 に示す。鉛直方向の圧縮試験では,形状 L3 と同 程度の面圧(約 13.5N/mm2)まで加力を行った。実験 結果および加力後の目視確認では損傷等は確認されな かった。水平方向の破断試験では,破断点が 720mm (せん断ひずみ 381%)という結果が得られ,形状 L3 よりもやや小さい値となった。軸力下の水平載荷試験 (鉛直荷重68.6kN)では,水平変位 500mm に対して, 座屈および破断をしないという結果が得られた。 表 3 実施試験一覧 図 9 荷重‐変形関係(鉛直荷重68.6kN) 図 10 圧縮限界強度領域(目標範囲と実験結果) 図 11 実験結果(圧縮限界強度の確認) 試験体No.3:軸力下の水平載荷試験 (鉛直荷重68.6kN,水平変位 500mm) 試験体No.2:水平方向の破断試験 (鉛直荷重0kN,水平変位 720mm) 試験体No.1:鉛直方向の圧縮試験 (鉛直荷重588kN,水平変位 0mm)

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-35 -30 -25 -20 -15 -10 -5 0 5 10 15 20 25 30 35 -600 -500 -400 -300 -200 -100 0 100 200 300 400 500 600 慣 性 力 ( kN ) 水平変位 (mm) 目標性能 等価剛性Keq=59.35N/mm (水平変位=400mm) 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 地 震 力 Q ( kN ) 水平変位 (mm) 第2種地盤(Gs=2.025) heq=0.23 (目標値) 目標性能 応答値(目標) 形状L5(実験結果) 第2種地盤(Gs=2.025) heq=0.26 (実験結果) 応答値(実験結果) 加振波 加振方向 正弦波 X 20,40,80,120,160 (mm) El-centro NS X 25,50 (cm/sec) El-centro 3D 3D 25,50 (cm/sec) Hachinohe NS X 25,50 (cm/sec) Hachinohe 3D 3D 25,50 (cm/sec) JMA神戸 NS X 400,816 (cm/sec2) JMA神戸 3D 3D 400,816 (cm/sec2) JMA川口 3D 3D 624 (cm/sec2) JR鷹取 3D 3D 221,295,406,480 (cm/sec2) 目標加振レベル 0 100 200 300 400 500 600 700 800 0 200 400 600 800 1000 1200 応 答 加 速 度 ( c m / se c 2) 入力加速度 (cm/sec2) ●:形状L3 実験結果 △:形状L5 実験結果 6. 振動台実験 6.1 実験概要 静的載荷実験により大変形領域での安定性が確認さ れた形状L5 の高減衰積層ゴム支承(図 8)について振 動台を用いた動的載荷実験を行い,その動的安定性を 確認した。具体的には,一方向の正弦波加振を行い, 動的載荷時における積層ゴム支承の水平特性について 評価を行った。また,複数の観測波による加振を行い, 地震時における挙動を確認した。加振波の概要を表 4 に示す。なお,試験方法は,前報1)で行った形状 L3 の振動台実験と同様である。 6.2 実験結果 6.2.1 水平特性 正弦波加振により得られた積層ゴム支承の荷重(慣 性力)‐変位関係を図12 に示す。静的載荷実験と同様 に大変形時においても安定した履歴ループを描いてい ることがわかる。水平変位 400mm における等価剛性 Keq を推定すると 59.35N/mm となり,等価固有周期 Teq は 2.16 秒となった。形状 L5 の等価剛性 Keq は, 形状L3 と比較して 2 割程度小さい値になったが,目標 よりもやや高い水平剛性となった。また,得られた履 歴ループから等価粘性減衰定数 heq を算定すると大変 形時で 0.26 程度の値となった。正弦波加振の結果より 得られた形状L5 の水平特性を bilinear 型で表し,免震 告示に示される地震力Q との関係を示すと図 13 の通り となる。応答値について見ると,水平変位は,目標よ りも大幅に抑えられ,上部構造へ入力される地震力は, 目標よりも1 割大きい程度という結果が得られた。 6.2.2 地震時の応答性状 表 4 に示す地震波によって加振した際の入力加速度 と応答加速度の関係を図 14 に示す。また,前報で行っ た形状L3 の実験結果1)も併せて示す。形状L5 の応答 加速度は,形状L3 よりも小さくなり,多少のばらつき はあるが,入力加速度 400cm/sec2 以上の範囲で 1/2~ 1/3 程度の低減率となった。写真 1 には,本実験での最 大応答変位を記録したJR 鷹取 3D(480cm/sec2)におけ る支承の変形状態を示す。実際に入力された加速度の 最大値は554.68cm/sec2,速度の最大値は98.96cm/sec で ある。この入力に対して,最大応答変位 414.63mm を 記録したが,座屈および破断は起こらなかった。 図 12 慣性力‐水平変位関係(正弦波加振) 図 13 目標性能と形状 L5 の実験結果 図 14 入力加速度‐応答加速関係 写真 1 JR 鷹取(480cm/sec2)最大応答変位414.63mm 表 4 加振波一覧 -35 -30 -25 -20 -15 -10 -5 0 5 10 15 20 25 30 35 -600 -500 -400 -300 -200 -100 0 100 200 300 400 500 600 水平 力 ( kN ) 水平変位 (mm) 等価剛性Keq=35.1N/mm (水平変位400mm) 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500 550 600 650 700 750 0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 軸 力 ( kN ) 水平変位 (mm) 実験結果 ●:異常無し ▲:破断 圧縮限界強度 (目標範囲) 0 100 200 300 400 500 600 700 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 鉛 直 荷 重 ( kN ) 鉛直変位 (mm) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 0 100 200 300 400 500 600 700 800 水 平 力 ( kN ) 水平変位 (mm) -35 -30 -25 -20 -15 -10 -5 0 5 10 15 20 25 30 35 -600 -500 -400 -300 -200 -100 0 100 200 300 400 500 600 水 平 力 ( kN ) 水平変位 (mm) 位 変 平 水 重 荷 直 鉛 体 験 試 ) m m ( ) N k ( . o N ±200 ±400 鉛直方向の圧縮試験 588.0 0.0 2 水平方向の破断試験 0.0 破断まで 3 軸力下の水平載荷試験 68.6 ±500 軸力下の水平載荷試験 1 試験方法 68.6 5. 静的載荷実験 5.1 実験概要 前章で検討した形状L5 の高減衰積層ゴム支承(図 8) について,試験体を 3 体製作し,積層ゴム支承の大変 形領域における安定性と圧縮限界強度領域を確認する 試験を行った。実施した試験は表 3 に示す通りである。 なお,試験方法の詳細は,前報1)を参照のこと。 5.2 実験結果 5.2.1 大変形領域における安定性 軸力下の水平載荷試験(鉛直荷重 68.6kN)より得ら れた水平方向の荷重‐変形関係を図9 に示す。形状 L3 の実験結果(図4)と同様に,積層ゴム支承の直径であ350mm を超える大変形時においても安定した履歴ル ープを描いていることがわかる。使用範囲の目標であ る水平変位400mm における等価剛性 Keq は 35.1N/mm となり,形状 L3(Keq=50.2N/mm)と比較して 3 割程 度小さい値となった。 5.2.2 圧縮限界強度領域 実施した試験(表3)の実験結果を基に圧縮限界強度 領域図を描くと図10 の通りとなる。図に示す通り,形L5 は目標を満足する圧縮限界強度となることが確認 できた。各試験の実験結果および加力時の変形状態を 図 11 に示す。鉛直方向の圧縮試験では,形状 L3 と同 程度の面圧(約 13.5N/mm2)まで加力を行った。実験 結果および加力後の目視確認では損傷等は確認されな かった。水平方向の破断試験では,破断点が 720mm (せん断ひずみ 381%)という結果が得られ,形状 L3 よりもやや小さい値となった。軸力下の水平載荷試験 (鉛直荷重68.6kN)では,水平変位 500mm に対して, 座屈および破断をしないという結果が得られた。 表 3 実施試験一覧 図 9 荷重‐変形関係(鉛直荷重68.6kN) 図 10 圧縮限界強度領域(目標範囲と実験結果) 図 11 実験結果(圧縮限界強度の確認) 試験体No.3:軸力下の水平載荷試験 (鉛直荷重68.6kN,水平変位 500mm) 試験体No.2:水平方向の破断試験 (鉛直荷重0kN,水平変位 720mm) 試験体No.1:鉛直方向の圧縮試験 (鉛直荷重588kN,水平変位 0mm)

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U.D.C 537.87

鉄筋コンクリート壁の電磁波シールド特性に関する研究

-特定周波数の電磁波シールド方法の検討-

田野井淳一

川瀬 隆治

* 要 約: コンクリート構造物に電磁シールド対策を講じる場合,一般的には躯体とは別に銅箔などの導電性材料によるシールド層を構 築する。しかしこれら従来の電磁シールド対策工法は高価であり,かつ手間がかかるため,コスト節約・工期短縮のためにもよ り低価格で施工が容易な電磁シールド技術が求められている。そこでひとつの解決策を検討するために,一般的に建物の躯体と して多用されている鉄筋コンクリートに着目し,その電磁波シールド特性の解析的および実験的な検討を試みた。鉄筋などの導 体棒を格子状に配置してできる金網の電磁波シールド特性については過去にも解析的な検討が行われているが,検討の結果から 1GHz 程度以上の高周波において鉄筋層はほとんどシールド面として機能しないと考えられてきた。しかし今回,鉄筋コンクリー ト壁において電磁波シールド特性の 3 次元電磁界解析および実測を行った結果,一部の高周波において 20dB 程度の電磁波シー ルド性能が得られる場合があり,配筋方法とコンクリートの比誘電率を調整するだけで特定周波数の電磁波をシールドできる可 能性が示されたので報告する。 キーワード: 電磁波シールド特性,鉄筋コンクリート,鉄筋間隔,鉄筋ピッチ 目 次: 1.はじめに 5.実壁面を用いたシールド特性の測定 2.鉄筋コンクリート壁の構成 6.測定結果および解析結果との比較 3.シールド特性解析 7.まとめ 4.シールド特性の解析結果 1. はじめに 建物の電磁シールド対策技術は,今後の無線通信技 術の発展・普及に伴い,その必要性が増大していくも のと予想される。特に,無線LAN に加えて Bluetooth,

Wireless USB などを活用した無線 PAN(Personal Area Network)を安全に利用するには,暗号化などのソフト 的な対策のみではなく,物理的に建物内で電磁シール ド対策を施し,通信傍受や不正アクセスなどの情報セ キュリティに関わる危険性を排除しておく必要がある。 コンクリート構造物に電磁シールド対策を講じる場 合,一般的には躯体とは別に内壁等を造り,銅箔など の導電性材料によるシールド層を構築する。しかしこ れら従来の電磁シールド対策工法は高価であり,かつ 手間がかかるため,コスト節約・工期短縮のためにも, より低価格で施工が容易な電磁シールド技術が求めら れている。そこでひとつの解決策として,一般的に構 造躯体として多用されている鉄筋コンクリートに着目 し,その電磁波シールド特性の解析的および実験的な 検討を試みた。 鉄筋などの導体棒を格子状に配置してできる金網の 電磁波シールド特性については,過去にも解析的な検 討が行われており,既に式(1)の簡易計算式が提示さ れている1), 2)。例えばD10@150 シングル配筋を空気中 に置いた場合,上記式に基づいて 1GHz における電磁 波のシールド性能を概算すると約 1dB と見積もられ, ほとんど透過してしまうことになる。こうした従来の

a d f

SE10420Log(  )1000 (1) SE:シールド性能[dB] ,a :導体棒の中心間隔[m] d:導体棒の直径 [m] , f :周波数 [MHz] 「金網による電磁波シールド理論」に基づく検討の結 果から,鉄筋層はほとんどシールド面として機能しな いと考えられてきた。 しかし今回,鉄筋コンクリート壁における電磁波シ ールド特性の 3 次元電磁界解析および実測を行った結 果,一部の高周波において20dB 程度の電磁波シールド 特性が得られる場合があるとの解析結果が得られたの で報告する。 2. 鉄筋コンクリート壁の構成 今回解析を行った鉄筋コンクリート壁の寸法概要を, (a)鳥瞰図と(b)立面断面図にして図 1 に示す。図 1 に示 すように 12mm 厚の PB(プラスターボード),33mm の空気層,200mm 厚の鉄筋コンクリート壁を配置して いる。鉄筋は、直径 10mm の丸棒を仮定し,外側が縦 筋のダブル配筋(縦筋の芯々間 115mm)とした。便宜 上,PB 側を「前側」,PB と反対側を「後側」とし,前 側の鉄筋層を 1 層目,後側の鉄筋層を 2 層目と呼ぶこ と に す る 。 前 側 の 被 り 厚 を Cd[mm],鉄筋ピッチを Gd[mm]の変数とした。 7. まとめ 免震告示による構造計算方法で,第 2 種地盤におい て簡略法による地盤増幅係数 Gs(=2.025)の評価にも 対応可能となる軽量構造物用高減衰積層ゴム支承の開 発を目的に,性能を満足できる高減衰積層ゴム支承の 形状について検討し,静的載荷実験および振動台実験 による性能確認を行った。 地盤増幅係数Gs の値を 2.025 として設計した場合に は,免震層の応答変位が過大となるため,適用する積 層ゴム支承には高い座屈安定性が求められる。計画し た高減衰積層ゴム支承(図8)は,小さい鉛直荷重を支 えた状態で,支承の直径を超えるような大変形に対し ても安定した性状を示すことが実験により確認された。 また,水平剛性や減衰定数といった振動特性について も免震構造に適した性状となることが確認された。 免震告示では,その適用範囲を第 1 種地盤および液 状化のおそれの無い第 2 種地盤までとしている。本実 験研究により地盤増幅係数Gs の値が 2.025 の場合まで 対応可能な高減衰積層ゴム支承を開発し,これにより 免震告示で対象としている全ての地盤条件において既 開発の免震システム6)を適用することが可能となった。 今後は,施工コストの低減や積層ゴム支承のコストダ ウンを図り,木造戸建住宅をはじめとする軽量構造物 への免震構造の普及に向けた取り組みを進める予定で ある。 謝 辞 本研究開発は,東京都市大学(旧武蔵工業大学)建築学科西村研究室および東洋ゴム工業株式会社との共同研究である。ここに記 して関係各位に謝意を表する。 参考文献 1)鈴木敏志,豊嶋学,他 3 名:軽量構造物を対象とした免震構造用高減衰積層ゴム支承の開発,東急建設研究所報,No.36,pp.35-40, 2010 年 2)西村功:幾何学的非線形を考慮した曲げ‐せん断部材の座屈後挙動 ‐免震構造用積層ゴム支承の座屈安定性問題への適用‐,日 本建築学会構造系論文集,第593 号,pp65-72,2005 年 7 月 3)西村功:積層ゴム支承の座屈荷重に与える幾何学的非線形の影響,日本建築学会構造系論文集,第 599 号,pp79-86,2006 年 1 月 4)鈴木敏志・西村功:積層ゴム支承の座屈安定性に関する実験的研究,日本建築学会構造系論文集,第 74 巻,第 636 号,pp289-296, 2009 年 2 月 5)鈴木敏志・西村功:高減衰積層ゴム支承の安定性に関する実験的研究,日本建築学会構造系論文集,第 75 巻,第 650 号,pp799-806,2010 年 4 月 6)鈴木敏志,根本誠之,他 4 名:積層ゴム支承を用いた戸建免震住宅の研究開発,東急建設研究所報,No.34,pp.5-10,2008 年 7)(独)建築研究所・(社)日本免震構造協会・(社)建築研究振興協会:改正建築基準法の免震関係規定の技術的背景,(株)ぎょう せい,2001 年 8 月 8)西村功・小木亜希子・今泉幸成:中空断面を有する積層ゴム支承の座屈荷重に関する実験的研究,日本建築学会構造系論文集,第 586 号,pp79-86,2004 年 12 月

DEVELOPMENT OF HIGH DAMPING LAMINATED RUBBER BEARINGS

FOR THE LIGHTWEIGHT BUILDING(PART2)

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