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AirCampus©(オンライン教育)による知識教育型教育の効果

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Academic year: 2021

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Learning Effect with the subject of knowledge type

using Distance Learning Methodology

石井 貴春

Ishii Takaharu 要旨 社会人学生の科目に対するモチベーションは、学生の職業や役職・部署・業務内容に伴い 異な る可能性がある。モチベーションは受講前には 講義への期待として、期待が一定程度 満たされると講義終了後の科目アンケートにおいて、高い満足度として反映される。つまり 学生の属性と満足度は関連が高い。また学習は、学生自身 の知識の習得や理解を通じ、現在 だけでなく将 来の学生の職務・業務内容に影響を与える可能 性が高い。現在および将来に 影響を与える可能性が高いと学生が認識していれば、モチベーションが上がり学習時間や最 終試験の点数へ反映される。さらに学習内容を職務経験の中で知っていることも想定され、 このような知識や経験 は発言の容易さや、学生自身の経験以外の問題解決方法やクラスメイ トの異なる経 験を知りたいという欲求から、発言数の上昇へつながる可能性が高い。つまり 学生の属性は、学習時間、最終試験の点数、発言数などへ反映 される。このように学生の属 性は、モチベーションを通じて、講義の難易度に影響を受けるものの、単位習得までの週当た り平均学習時間や最終試 験の点数、発言数と強くかかわる。本研究では、MBA における学生の 属性にもとづくモチベーションが、科目の満足度や最終試験の点数、発言数や発言の質、学習 時間に与える影響を科目別に a にした。オンラインの大学院教育における学習効果や満足度、 学生の発言を学生の属性と関連させ、その関係性が科目ごとに異なることを明らかにした。 Abstract

This paper confirmed about student motivations in Business School. It analysed about whether student job contents and positions relate the final scores and number of discussion, the degree of satisfaction for specific subject. It confirmed student subject motivation relates student job contents and position in Business School.

1. はじめに ビジネススクールにおける社会人学生のモチベーションは、通常の修士課程の学生と比 較して高いと言われる。主要な原因として MBA 教育の課程において学ぶ内容は、社会人 学生にとって、現在就業している業務内容で直面している課題の解決や、現状からの更な る飛躍に有益であると考える学生が多いことが想定される。しかし学生が全体としてモチ ベーションが高いことは想定される一方、どのような科目もすべての学生に同様にモチベ ーションを高めるとは限らない。 本研究では、学生の属性にもとづくモチベーションが、科目の満足度や最終試験の点数、発 言数や発言の質、学習時間に与える影響を科目別に明らかにする。オンラインの大学院教育に おける学習効果や満足度、学生の発言を学生の属性と関連させ、その関係性が科目ごとに異な るかどうかの研究は筆者の知る限りおこなわれていない。

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174 社会人学生の科目に対するモチベーションは、学生の職業や役職・部署・業務内容に伴い異 なる可能性がある。モチベーションは受講前には講義への期待として、期待が一定程度満たさ れると講義終了後の科目アンケートにおいて、高い満足度として反映される。つまり学生の属 性と満足度は関連が高い。また学習は、学生自身の知識の習得や理解を通じ、現在だけでなく 将来の学生の職務・業務内容に影響を与える可能性が高い。現在および将来に影響を与える可 能性が高いと学生が認識していれば、モチベーションが上がり学習時間や最終試験の点数へ反 映される。さらに学習内容を職務経験の中で知っていることも想定され、このような知識や経 験は発言の容易さや、学生自身の経験以 外の問題解決方法や、クラスメイトの異なる経験を知りたいという欲求から、発言数の上昇へ つながる可能性が高い。つまり学生の属性は、学習時間、最終試験の点数、発言数などへ反映 される。このように学生の属性は、モチベーションを通じて、講義の難易度に影響を受けるも のの、単位習得までの週当たり平均学習時間や最終試験の点数、発言数と強くかかわる。 2.先行研究 経済産業省商務情報政策局は「e-ラーニング白書 2007/2008 年版」の中で、e-learning の定 義を「情報技術によるコミュニケーションネットワークなどを使った主体的な学習」としてい る。矢野(2003)は広義と狭義に e-learning を分類し、遠隔かつ双方向的な e-learning は狭 義に含まれ、CD-ROM などによる教材を用いた学習は広義に含めている。上記以外にも多く の定義が存在するが3つの要素を考える。第1に「インターネット」「コンピュータ」を中心と した印刷教材を除く学習媒体であるメディアの要素、第2に学習者と教授者の距離による物理 的要素、第3にコミュニケーションの双方性として示されるインタラクティブの要素である。 調査校はオンデマンド学習と学生・教員間のディスカッションを可能とする AirCampus と呼 ばれるシステムを用いることによる双方向学習であることから、本研究のデータは矢野(2003) の狭義の分類にもとづく。 Zhao et al.(2005)は 1928 年から 1998 年までの 71 年間の論文から遠隔授業と対面授業の効 果の差に関するメタ分析をおこない、遠隔授業と対面授業の効果の差は有意でなかった。 オンデマンド学習・双方向学習の満足度・学習効果の研究としてZhang et al.(2006)は双方 向の学習とオンデマンド学習を比較し、満足度・学習効果ともに双方向の学習効果が高いとし ている。Pei-Chen Sun et al.(2007)は満足度を被説明変数に回帰分析をおこなうことで評価の 多様性やe-learning の有用性・活用の容易性、講義内容の質や講義受講の柔軟性等が満足度を 高めるとしている。Awadh et al.(2013)は対面型、ブレンド型、e-learning の高等教育の学習 効果を比較したが、有意な違いを見出すことはできなかった。Yao-Ting Sung et al.(2016)はモ バイルによる学習効果を 1993 年から 2013 年の研究結果をもとにカテゴリーごとにメタ分析 をおこなった。カテゴリーは中学や高校、大学などの教育ステージ別、デバイスの種類別、教 育方法別、科目別等である。カテゴリーごとにその結果は大きく異なるとしている。 3.データ 本研究における対象校は、社会人が主な学生であるオンラインですべての学習が可能なビジ ネススクール1 校である。対象科目は 7 科目、対象期間は 2014 年から 2016 年の 3 年間であ る。新設科目であるマネジメント基礎(2 回)を除き 3 回の受講データを用いる。以下の科目

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175 名の後ろのカッコは3 年間の履修者総数を意味する。財務(アカウンティング(603 名)・コー ポレートファイナンス(358 名))、マーケティング(マーケティング概論(398 名))、組織(組 織行動論(429 名))、統計(統計解析(192 名))、経済(経済理論(89 名))、基礎経営(マネ ジメント基礎(125 名))の分野の1年次に受講可能な基礎科目である。統計解析・経済理論・ マネジメント基礎は選択科目、その他の科目は必修科目である。対象期間における科目等履修 生を除く春秋の本科の入学者総数603 名が対象者総数である。 データは4種類のアンケートから構成される。入学時アンケート・入学時のプロフィール・ 成績(最終試験の点数・発言数など)・科目アンケート(満足度等)を用いる。 4.仮説 本研究は、学生の職務内容や役職を含む属性と、最終試験の点数・科目満足度・発言数との 関係の考察をおこない、以下を明らかにする。 1)最終試験の点数・満足度・発言数の関係性 2)学生の属性(職務内容・役職含む)と、 最終試験の点数・満足度・発言数の関係 3)学生の発言数・成績・学習時間等に応じて2 分 類し、その分類に属性が与える影響 ビジネススクールにおける主要科目のうち7 科目の比較をおこなう。職務内容の分類は、入 学時の学生のアンケートをもとに、学生が取り組む主要な業務内容や部署・役職によって営業 や企画・開発等の分類をおこなう。 5.分析手法 上記の①~③を検証するため、科目ごとに以下の推定をおこなう。 a)最終試験の点数・満足度・発言数の 3 変数間の単相関 b)3 時点のプーリングデータを用いて最終試験の点数・満足度をそれぞれ被説明変数として 重回帰分析 c)クラスター分析により学生を分け、分析結果であるクラスターを被説明変数として重回 帰分析 6.分析結果 最終試験の点数・満足度・発言数・週当たり学習時間の相関は以下のとおりである。満足度 は値が小さいほど満足度が高いことを意味する。最終試験の点数と発言数の相関は全科目にお いて有意であるが、それ以外の相関は科目により違いがある。満足度が高い場合に必ずしも最 終試験の点数が高くないことが確認できる。 次に重回帰分析をおこなった。表2は満足度と属性の関係を、表3は最終試験の点数と属性

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176 の関係を示している。 表3では発言数についてはアカウンティング・コーポレートファイナンス・マーケティング 概論・組織行動論は質問・回答ともに有意であり、学習時間についてはアカウンティングと マーケティング概論が有意である。科目間で満足度・最終試験の点数に影響を与える属性に は違いがみられ、その傾向は満足度と最終試験の点数で異なることが確認できる。表3で見る とアカウンティングはすべての役職で有意である一方、マーケティング概論と組織行動論の経 営者以外では役職は有意な結果がみられなかった。

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177 職務内容を見ると、コーポレートファイナンスで有意であるがほかの科目では有意な結果を 得ることができなかった。一方、表2を見ると役職はアカウンティング・コーポレートファイ ナンスで有意であるが、職務内容はコーポレートファイナンス・組織行動論で有意であるがほ かの科目では有意とならなかった。 続いて科目へのモチベーションや科目への取り組み姿勢を基準として学生を分類するため、 最終試験の点数・発言数・学習時間によるクラスター分析(k-means 法)をおこなった。以下 は、最終試験・発言数・学習時間・満足度を軸にとった分布である。 紙幅の都合上、2科目の表示にとどめている。また履修登録をおこなったが視聴のみで発言 を し て い ない学生を含めている。

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178 クラスター分析の結果にもとづき、2分類した学生のグループを被説明変数としてロジット 分析をおこなった。 学生をモチベーションに影響を与える指標も科目により異なることが確認できる。統計解 析・マーケティング概論・組織行動論の3科目は役職が有意である。また組織行動論は性別や 学歴・事前知識・学習時間や志望動機・科目の関心度の変数と多くの変数で有意な結果を得た が、経済理論やマネジメント基礎では有意な結果を得ることができなかった。

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<参考文献>

Awadh A.Y.AI-Qahtani and Steven E. Higgins (2013)"Effects of traditional,blended and e-lear-ning on students' achievement in higher educati-on" Journal of Computer Assisted Learning,29(3), 220-234.

Dongsong Zhang, Lisa Zhou, Robert O.Briggs, Jay F.Nunamaker Jr. (2006) "Instructional video in e- learning: Assessing the impact of interactive video on learning effectiveness" Information & Manage-ment,43,15-27.

Zhao,Y.,Lei, J. and Yan,B.(2005) "What makes the difference? A Practical Analysis of Research on the Effectiveness of Distance Education." Teachers College Record, NY: Columbia University, 107(8): 1836-1884.

Pei-Chen Sun, Ray J.Tsai, Glenn Finger, Yueh-Yang Chen, Dowming Yeh "What drives a successful e- learning? An emperical investigation of the critical factors influencing learner satisfaction" Computers & Education(2007) xxx-xxx.

Yao-Ting Sung, Kuo-En Chang, Tzu-Chien Liu "The effects of integrating mobile devices with teaching and learning on students learning performance" Computers & Education 94,252-275.(2016)

経済産業省商務情報政策局情報処理振興課(2007)『e-ラーニング白書 2007/2008 年版』東京電機大学出版局

矢野米雄、金西計英、松浦健二(2003)「e-learning と教育システム情報学会」教育システム情報学会誌、20 (2):66-70

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参照

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