Title
不安の研究 −Nail-Bitingを中心に−
Author(s)
棚原, 健次
Citation
沖大論叢 = OKIDAI RONSO, 9(1): 241-268
Issue Date
1969-02-28
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12001/11023
不 安 の 研 究
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三再開ゐ、棚 原 健 次
ネールパイティグ(nail-biting)に関する心理学的研究は1
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年 Wechs ler. D によってはじめて寄与され、その後 ColemanよC&
Mc calley,] E (1948)は大学生を対象に、青年期における nail-bitingを調査し、 l皮 爪者の現実不安と神経質的傾向を述べている。 MasslerM & Malone A. J (1950)は幼児期から青年期に至る大がかりの調査によって、発達過 程や社会的緊張という文化的要因により nail-bitingの心理学的吟味がな さ~1J,こ。 わが国においては、臨床心朋学や精神分析学的立場から、主として Neurotic Behouiorの説明がなされてきた。しかしながら、この問題の 解明にあたっては、今日なおいろいろの事象が浅されている。 先ず nail-bitingには質、強さ、持続性、拡がりの盟国が考えられる。 質的要因には、 Biologicalの問題として、生物の爪というのは怒りの 感情や恐怖の感情を表現する。外敵に対しては defenseゃaggression の武器を象徴するものである。クレツチユマー (KretchmerErnst)は精 神の形層的把握における精神の発達史的考察において、成人せる文佑人の 精神生活の最上層の文化闘の下に初期発達段階の白津が認められることを 問うて出発している。爪~唆み切るという現象は発達史的に初期段階の名 残りを留めている。またわれわれが日常生活で使用する言葉のなかでも、-
241-不安の研究 「戦争の爪跡」とか、 「暴風の爪跡」という感情的表現に結びつけて使用 することが多L、。パーソナリテイの面では、
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と神経質との関 係が問題とされ、精神分析学的立場では、O
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の問題として、唇 の粘膜に異常な刺激を求めて快感を味わうと述べる。 いずれにしてもその質的要因の発生機序は快、不快による興奮と抑制の 過程にあるといえよう。 強さの要因では、軽度(+1) 、中度(+2) 、強度(+3) のn
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が認められる。それと同時に定型(工0本の佼爪者)と不定型(l本 ----9本の佼爪者)が区別される。 持続性の要因では、緊張や興奮するような場面一一試験中や映画、テレ ビ、音楽、スポーツを見ているとき一ーに起っている。 また弛弛緩した状態で、なにかぼんやり退屈しているときに、自動的にn
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が起っている。そのような心的状態というは興奮と抑制が相互 に機能している結果であるといえよう。 拡がりの要因においては、社会的緊張や社会的不安によっても量的質的 変化が認められよう。また乳児期の授乳や離乳の仕方、厳けの仕方によっ ても異なるであろ。夜尿症や寄生虫、その他心身の欠陥との関連もあるで あろう。n
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の分布の拡がりは広範である。発達段階では年令的 差異があり、また民族性によっても異なる。更に拡がりの要因と考えられ るものに、乳児期の歯のはえはじめるころには、むずかゆみや歯を固める ために、前歯の方からだんだん奥歯の方へ指を佼も、という現象がみられ る。更に初期幼児期の親子聞の対人関係においては、母親のn
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が子供に感応し、子供自身にもその徴候のみられる事例があった。いわば 母親の不安の緊張は子供になんらかω
形で伝導するものといえる。このよ うな意味において、n
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の問題は精神衛生やカウンセリングにお ける実際的な興味につながると同時に、狭い意味における一部の異常行動 の解明にも積極的な役割を果すことにもなろう。特に本研究は次のことが -242-不安の研究 らについて検証することを目的とする。 (1)ネールパイティングの軽度(+1)、中度(+2)、強度(+3)につ いて分析する。 (2)ネールパイティングの年令的発達に伴う量的変化とその傾向を分析す る。 (3)文化社会的要因としての民族性を比較検証する。 (4)性格特性とそのパーソナリティ背景の要因を研究する。
方 法
1. 被験者 日時、場所 調査は神奈川県逗子市と横須賀市の中都市を中心に調査した。次表l乙示
す通り保育園と幼稚園(7校)、小学校(l校)、中学校(l校)、高等 学校 (2校)を調査対象として実施した。被験者は 5才"'18才、男子2324. 人、女子工.989人、計4313人、調査月日は昭和31年7月21日 昭和31年10月 30日塩 3ヶ月聞を要した。 第 1表 調 査 校 調 査 月 日 昭和31年9月5日 11 9月6白 11 9月8日 11 9月17日 119
月2
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日 11 9月29日 11 9月13日...18日 11 7月21日...25日 グ 10月3日目5日 グ 10月30日 望 退子市沼間たちばな保育園 横須賀市立保育園 :~I~子市立湘南保育園 逗子市東逗子幼稚園 逗子市第二幼稚園 逗子市逗子でら学園 辺子市沼間南台保育園 辺子市沼閲小学校 逗子市立中学校 神奈川県立横須賀高等学校 神奈川県立逗子高等学校 - 243-所不安の研究 診断検査 適応性診断テスト 昭和31年10月四日逗子市逗子市立中学校 テーラー不安指標 昭和43年9月工8目、コザ市山内中学校 第2衰被験者の年令別構成
~
性 調 査 人 員¥別
男 女 計¥
5 90 100 190 6 90 120 210 7 106 133 239 8 147 140 287 9 140 160 300 10 119 126 245 11 79 90 169 12 86 114 200 13 229 195 424 14 221 201 422 15 205 172 377 16 332 156 4881
7
189 146 335 18 291 136 427 一 一 ー ー 総 計 2 324 1 989 4 313 -244-不安の研究 2. 佼爪度の評定 第3表 校 爪 度 評 定 尺 度 爪 度 摘 要
。
全然l皮爪の1Ji跡のない状慾 +1 1'琵 度 不規則且軽い程度のI!l(:爪した状態I
+ 2 度 規則的旦波形状i乙!皮爪した状態I
+ 3 強 j変 強度KI皮爪した状態 一 一 一 第 1 図 岐 爪 度 評 定 図 版 経 度 中 度 強 度 Massler&
maloneの原版使用 -245ー不安の研究 3. 唆爪度指標 唆爪度の指標は0'"'-'30の聞に非唆爪者と唆爪者を分配する。 非 唆 爪 者 ( 0 ) 軽 度 (1'"'-'10) 中 度ょ (1工'"'-'20) 強 度 (21...30) 更に細分化して、 不定型 軽度不定型 (l "'v 9 ) 中度不定型 (11...19) 強度不定型 (21...29) 定 型 程 度 定 型 (10) 中 度 定 型 (20) 強 度 定 型 (30) とする。尚調査方法は佼爪者記入用紙に示す通りに実継した。 ~
246-不安の研匁 学年 組 唆 爪 丸 暗 記 入 用 紙
旦
名
年 月 日 生 満 歳 ヶ 月 男 女 住所 家 庭 状 況 上 中 下 e日附 今 学校名 記録者 (1) (あなたは爪をl噛んだことがありますか) 質問 全燃ない a b 以前噛んだことがあるが現在はない。目的み始めた年齢( )止めた年 (2: 齢 ( ) 爪を噛んだ理由 止めた理由 l焚爪皮(軽度+1、中度+2、強度十3) 左 ( ) =1安爪の順位 右。
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4
7
ー e言語障害 1病 弱 別居 fD匿気 親代り不安の研究'
4
.
適応性診断テスト 瞭爪者の性格特性を知るために、次のように被験者を抽出して、適応性 診断テスト(長島貞夫、山崎正共著)を実施した。このテストの構成は次 の10の特性より成る。 ① 異常傾向 ③ 神 経 質 傾 向 @ 自尊感情 @ 退行的傾向 @ 自己統制 @ 社会的技術 ⑦ 統 率 性 @ 家 庭 関 係 ① 学校関係 ⑩ 近 隣 関 係 被験者は逗子市立中学校生徒を対象とした。 被験者の構成は次の通りである。 唆爪者 男子 15名 非佼爪者 女子 四名 計 30名 5. テーラー不安指標 男子 工5
名 女子 工5名 計 30名 被験者、 コザ市山内中学校生徒 瞭爪者 36名 非暁爪者 28名 計 64名結 果 と 考 察
1. 唆爪者数 年令5才-18才遣の調査対象被験者4313人のうち、 10.6%の児童は殴爪者 であった。 この結果は WechslerD (1931)とMasslerM&
Nalo伽A
.
J(1952) の研究 (41%)よりも非常に低い数値を示している。 このような差異は民族性ゃ社会的緊張によるものと思われる。 - 248ー不安の研究 (1) 年令的変化 畷爪者の年令的変化はS才より順次増加し、 8才"'11才の聞に数値が著し く増加し、 12才以後規則的な減少を示している。情緒の発達過程からし て、 8才"'11才の児童期は内面的抑制が強く、心的エネルギーは佼爪とい う表出的な行動に移行し、年令的にもこの時期には佼爪者の数値も多くな るものといえる。更に情緒的表出の激発し易い青年前期以後肢爪者の数は 減少を示している。この時期はあらゆる面において、発達の促進される時 期にあって、│安爪は抑制され、その数値が減少しているものと考ええれ 一 % 一 6 8 m J 一 爪 数 一 6 m M 門
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245 169 200 424 422 377 488 335 39 1 15.9 119 33 1 17.8 1 79 30 1 12.0 1 86 48 1 11.0 1 229 40 9.4 1 221 27 7.1 n f ' -n u d n ペ unku 内 A M 4 l E 1 u r ﹁ ︾••
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41ErnunhunHun4UFhu マ''aaynxu η L a i t -, q u n L 4 l a n t -4 l 140 251 17.8 160 231 14.3 1261 181 13.9 901 181 20.0 1141 141 12.2 1951 181 9.2 2011 171 8.4 1721 111 6.3 1561 101 6.4 1461 81 5.4 136 71 5.1 259 1 11.1 1 19891 1991 10.0 - 249ー酎R者 (1ー 10. 10)の経度(1-1旬 、 中 度 (11-20) 強 度 (21-30)の年令的傾向 図 2 第 % 20 ぜて3 ('.J
期一一斗
前 期 ー 斗 ← 背
圃 園 田 1ー10男女総合 。-0 10 (10本の岐爪者)定型 )(---1(. + 1 (1-10) 軽度ー
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+2 (11-20) 中度 ~ +3 (21-30) 強度 Y:lk綜 合 中 ij,
年期→件ー育
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固 執 忘 Q 川相時不安の研究 (2) 性 別 差
1-10
(工本""9
本の唆爪者+10
本の唆爪者)の不定型+定型では、男 女閣の差があり、男子がより優勢を示している。女子が男子に比較して少 ないということは、女子がそれだけ社会的認識を反映しているものといえ る。同時に女子に対するよりも、男子に対する社会的圧力がかhり、男子 が女子よりも緊張度が高いといえる。2
.
校爪者の傾向 全調査対象児童の89.4%
は佼爪してない者(
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)として判定された、い わば非夜爪者であった。1
0
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の定型佼爪者6.7%
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本.
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であった。l
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本 (1-10)
の不定型+定型は10.6%
を示している。1
0
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)
の定型肢爪者は全校爪者の63.3%
にあたり、l
本""9
本(1-9)
の不定 型殴爪者は全瞭爪者の36.7%
を占めている。 % 10走路
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3.9~~ <1'屯明) r1-9) 第4図 ilO) 6.7 % l境問考(0
、工-"9
、1-10
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児童の分布-
253-不安の研究 第 6 表 殴爪度測定による児童のカテゴリーと要点
%
総計一唆爪者 1. 非唆爪者数 関.
4
2. 10本の爪を暁んでいる児童 6.7 63.3 3. 1---9本の爪を唆んでいる児童 3.9 36.7 1∞%
11∞%
2
.
唆 爪 度 被験者の唆爪度は非殴爪者 (0)、 軽 度 ( +1)、 中 度 ( +2)強度 (+ 3)に評定した。更に唆爪度指揮は非唆爪度 (0)、軽度(1-10)、 中度 (11-20)強度 (21-30)に評定し測定した。 10本の爪を唆爪してい る者(定型)を軽度 (10X2)、中度(10X2)強度 (10X3)とした。 (1)、強度、中度、強度の分布 ① 軽 度 分 布 軽度(+工)の指標は次の範曜に分類される。 (1-9) 2.9% 不定型 ( 10) 1.5%
定 型 (1-10) 4.4% 不定型+定型 ⑨ 中度分布 中度(+2) は次の指標に分類される。 (11-19) 0.9% 不定型 ( 20) 2.2% 定 型 (11-20) 3.1% 不定型+定型- 2
5
4
ー不安の研究 第 7 豪 校爪の指標I乙億る児童の分布 n u n O 唱 1 7 s o o n 3 7 t p O 4・ 0 6 4 E B -E t n 4 U
8
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女 子 実数(%) 4 l n H U E -u n L マ t 4・ n U R u -マ t 咽 1 句 l -l n t 子 数(%)8
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第 5図 岐爪者指標による分類図 -∞お│ 金目立爪者 10.6%
│
3.1 %/「
'J.4 % 21 28 29 30 26 25 24 21 22 23 19 20 1I 12 13 14 15 16 11 18 唆 爪 度 指 糠 10 9 8 7 6 5 3 2。
5 紙庖 Q 山 制 げ 付① 強 度 分 布 強 度 ( +3)は次の指標に分類される。 不定型 定 型 (21-29) 30 (21-30) 0.1% 3.1% 3.1% 不定型+定型 第 B 表 岐 爪 者 の 差 異 型 分 布 総 児 童 数 の 百 分 事
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7
% (3)、定型分布と不定型分布 ①定型分布 唆 爪 度 定型唆爪者は次の指標によってその数値が示される。 軽 度 ( +1)、指標 (10) 1. 5% 中 度 ( +2)、指標 (20) 2.2% 強 度 ( +3)、指標 (30) 3.0% - 257-不安の五!!内不安の研究 ② 不定型分布 不型殴爪者は次の指標によって数値が示される。 軽度(+工)、 指 標 (
1
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)
2.9%
中 度 ( +2)
、
指標(
1
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-
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)
0.9%
強 度 ( +3)
、 指原(
2
1
-
2
9
)
0.1%
③ 定型と不定型瞭爪者の年令的傾向 殴爪者の年令的傾向は次のように示されるc 幼 児 期 (5才"'7才) 児 童 期 (8才"'ll才) 青年前期(
1
2
才"
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才) 青年中期(
1
6
才"
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1
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才) 上記の分類のうちで、特に児童期 (8才"'ll才)に瞭爪者の数値が高 い。牛島義友によれば、この時期は、空想の世界から事実の世界へ移り、 自然界の驚異に対する好奇心の強くなる知識生活時代と呼んでいる。 この時期は瞭爪者が著しく多いといえる。 3. 初期研究との比較 わが国における唆爪者児童は1
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等の研究とは、その年令的傾向において、7
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才の聞に 佼爪者の多いことは一致して居り、その分布も類似した傾向を示している が、アメリカの児童は日本の児童よりも著しく殴爪者の数値が高い。-
258-不安の研究 第 S 図 本研究と
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259-不安の研究
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の調査は東京少年鑑別所の職員によっで昭 和25年、 26年、 27年、 28年の4ヶ年にわたって調査された社会的徴標検査 によるものである。本研究は検査済みの社会的徴標検査資料から唆爪者を 抽出して統計的測定を行ったものである。調査件数は男子工021人 、 女 子 724人、計1745人である。調査の結果、非行少年の男女の比較において、は るかに男子の瞭爪者が多いといえる。 二 時 一 川 町 川 別 引M
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一 F : F I E -一 年 齢 一 日 同 市 内 げ 問 問 一 向 一 一 一 一 T 一 年令的傾向においては、 15才にその数値が高く、 15才以後減少を示してい る。一般児童の瞭爪者と非行少年の唆爪者を比較した場合、明らかに非行 少年に多いことが認められる。東京少年鑑別所職員によると、その徴候に おいて、非行性が発作しはじまると殴爪度が多くなり、精神状態は動揺し 不安定になることを述べている。 Glueckの調査と本調査との比較 Glueckの非行児の瞭爪者調査において、非行のある者に 21.4%、非行-
260-% 35 30 25 20 15 10 . / / / 5 不安の研究 第ワ図 一 般 児 童 殴 爪 者 と 非 行 少 年 校 爪 者 p
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ー不安の研究 でない者 16.6%を示し、明らかに非行児に佼爪者が多い結果を示してい る。本調査においても非行少年に19.1%、一般児童に10.6%で、非行少年 この結果は非行少年に股爪 に多いことは Glueckの調査と一致している。 の調査で6.8%、本 Glueck 者の多いこと認がめられる。その百分率差は の調査と本調査と Glueck 調査では8.6%で、いずれも非行少年に多い。 の百分率差は、非行少年2.3%、非行でないもの6.0%で、いずれもGlueck よりも優勢を示している。 の調査(アメリカ)が本調査(日本) 1
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499 査 調 本 ネールパイティンをやめた理由 6. 以前 高等学校の生徒年令指グ...18才の男子工.81人、女子63人について、 咳爪した者がその後肢爪をやめた理由について調査した。それによると次 のようなことが指摘される。 (1)社会的不承認 両親の注意、友人の注意、先生の注意によって阻止されたと報告している。 - 262-社会的認識 (2)不安の研究 その理由として、不潔、不衛生、みっともない等が年令のす』むにつれて 考えられるようになった。健康上よくないと思った。人に見られるのが恥 しいなどの理由によってやめたという報告である。特t乙年令のすhむにつ れて社会的認識を反映しているものと思われる。 (3) 美化的価値認識 特に女子の場合、爪を佼みきると自分でもいやになる。 爪の型が崩れ てみにくいなど、いわば美化的認識が高まってきたことを報告している。 (4) 徹菌感染への恐れ 爪の中の徽菌や回虫発生の原因になるなど病原菌に対する恐怖を述べて し、る。 6. 身体状況 精神と身体との関係は、従来医学や心理学において考えられてきたよう に、一方的な因果関係にあるのでなく、両者の聞には了解的な因果関係が あるのである。 したがって、 瞭爪者の場合、心身相闘を仮定して身体状 況を調査した。本調査の身体状況は神奈川県逗子市沼間小学校において、 検査済みの身体検査票、昭和31年度検査より、殴爪者団8人と比較対照群 (非殴爪者) として748人を調査した。調査は異常扇挑腺、眠、耳の疾患 及ひe障害、肺及ぴ腹部、身体発育遅滞等について調査した。調査の結果は、 眠、耳の疾患及び障害、肺及ぴ腹部や身体発育遅滞には問題になるほどの 差は認められなかったが、扇桃腺肥大には伺等かの関係があるように思わ れる。 (1)扇腺桃肥大 扇桃腺肥大において、校爪者と非殴爪者の聞に百分率差4.7%で、明らか に、殴爪者に扇桃腺肥大が多いといえよう。扇桃腺肥大には口蓋扇桃腺肥 大と咽頭扇桃腺肥大の二つがあり、身体症状として、風邪をひき易く、容 易に発熱する。 アデノイド増殖のとき鼻よりの呼吸が困難になり、鼻性 注意不能を来し、性格的にも遅錦、不活発であるのが特徴である。このよ
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ー不安の研究 うな関係から扇桃腺肥大と殴爪と何等かの関連があるといえよう。 第 11 表 身 体 的 異 常 及 び 障 害 内
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7. 適 応 性 適応性診断テストの結果は、次の特性に有意差が認められた。 神経質傾向1%
水準 自主事感情1%
水準 社会的技術1%
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水準 学校関係6%
水準 上記の結果は、殴爪者が神経質的傾向を有し、身体と同時に心的葛藤が理 解される。 自尊感情においては、情緒的にも安定し、自らの決断で行動することが欠 如しているといえよう。社会的技術においては、自己中心的傾向を抑制し て、他の人々と広くまじわり、関心を求める対人関係の欠如が伺える。 統主幹性においては積極的な行動傾性を欠き、集団場面での適応性が低いと いえる。その点は学校関係でもあらわれている。学級集団や学校の生活場 面で要求が充されず、適応していないものといえよう。特に適応性診断テ ストの結果は、適応性(総計)において、1%
水準で佼爪者が一般児童に 比較して適応性が低いことを示している。-
264-不安の研究 第 12 表 定 型 岐 爪 者 群 と 非 政 爪 者 群 @ 比 較 (適応性診断テスト)
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性. 神経質傾向 特 異常傾向 自~'j'感情 各 No. 2 3 退行的傾向4
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不安の研究 水準で佼爪に不安の高いことが認られた。明らかに佼爪者は持続的に興奮 度が高いといえよう。l〆 要 約 (1) 全児童の工0.6%が強度(+3) 、中度(+2) 、軽度(ト 1) の校 爪者であった。そのうち6.7%(全校爪者児童の63.3%) は指標 (10X1) 軽度、 (10X 2) 中度、 (10X 3) 強度の瞭爪者で、 10本の爪を殴爪して いる児童であった。この10本の爪を股爪している児童が「定型殴爪者」で ある。 (2) 全児童の3.9%は指標(1-9)軽度、 (11-19) 中度、 (21-29) 強度に股爪している児童である。この3.9% (全校爪者児童の 36.7%)が 「不定型殴爪者」であった。 (3) 男子と女子とでは、男子が優勢である。年令的発達段階では幼児期、 児童期、青年前期、青年中期の区分のうち、校爪者児童の年令分布の頂点 は児童期8才""'11才の知識生活時代にきわめて多いことがいえる。 (4)
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と本 研究とを比較検討したのであるが、アメリカの児童にその数値が著しく大 であり、民族的差、社会的、時代的差のあることが認められた。 (5) 一般児童と非行少年との比較において非行少年に19.5%、一般児童 10.6%で非行少年に最も多く、ハァバード大学法学部教授E
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の調査とその傾向が一致する。 (6) 身体的状況の結果、要保護児童に多く、特に周桃腺肥大児童に多く、 殴爪者の大多数の者が、不眠、頭童、頭痛、胃腸障害を訴えるものが多か っTこ。-
266-不安の研究 (7) 校爪の阻止された理由として、特に社会的不承認、社会的認識がた かまったとか、爪の美化的認識、徽菌とか不潔の恐れ等が調査結果にあら われTこ。 (8) 適応性診断検査の結果、定型l佼爪者は神経質傾向、自持感情、社会 的技術、統率性、学校関係に適応性が欠如している。適応性総計において、 岐爪者が普通の児童よりも不適応を示している。 (9) テーラー不安指標では、普通の児童よりも唆爪者の不安の高いこと を示している。佼爪時の過程はなんらかの不安と圧力が加って、終始緊張 しきった場面において佼爪している、試験中、スポーツ競技を見ていると き、映画やテレビ告見ているとき、対話のとき、嫌いだとか、くやしい、 にくらしい、叱責されたとき等の快、不快の感情に伴って佼爪している。 あるいは退屈しているとき、疲封しているとき等、常時興奮と抑制が交
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I乙{乍用している。 ヲ , I F o n t不安の研究
文 献
1.Anthony J. Malone & Maury Massler Index of nail-biting in chiIdren
The Journal of abnormal and Social Psychology
t101ume 47. April 1952. No2 p193.
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牛 島 義 友 精神発達と教育 日本応用心理学会編、心理学講堕 第9
巻 町.
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第3
巻X P
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シェルドン・グリιツク エレノア・グリュツク 少年非行の解明 P 185 中央青少年協議会訳4. James C. Coleman and Jean Eliyabeth Mc Calley. naiI-biting College students
The Journal of abnormal and Social psychology. Volume 43. oct 1948. No 4. P517叫 524 5. 長島貞夫、山崎正 適応性診断テスト 手引 野間教育研究所案