繰り返し外力を受ける構造物および部材の変形累積
に関する法則
著者
内田 保博
雑誌名
鹿児島大学工学部研究報告
巻
33
ページ
167-177
別言語のタイトル
Law of accumulation for deformation of
structures and members subjected to repeated
loading
繰り返し外力を受ける構造物および部材の変形累積
に関する法則
著者
内田 保博
雑誌名
鹿児島大学工学部研究報告
巻
33
ページ
167-177
別言語のタイトル
Law of accumulation for deformation of
structures and members subjected to repeated
loading
繰り返し外力を受ける構造物および部材の変形累積に関する法則
内 田 保 博
(受理平成3年5月31日) LawofAccumulationhrDehrmationofstructuresandMembersSuhjectedtoRepeatedLoading
YasuhiroUCHIDA Thispaperpresentsthehypotheticallawofaccumulationforthedeformationsofstructuresand members・Thehypothesisstatesthattheaccumulationofthedeformationofstructuresormembers subjectedtoalternatelyrepeatedloadingisconvergentordivergentaccordingtothevaluesofthe forcescorrespondingtotheaccumulateddeformationandareindependentofthestrengthdeteriora- tion・Inordertoverifythelaw,theconvergentanddivergentbehavioroftheaccumulationofthefol-lowingdeformationisanalyzed;1)thecurvatureofrectangularboxsteelbeam-columnswhichhave degradingstress-strainrelationandaresubjectedtoaltematelyrepeatedandconstantbendingmo-ments;2)theverticaldisplacementofone-story,single-baystructurescomposedofbracesandcol‐ umnsthataresubjectedtorepeatedhorizontalforces・Basedonthelawofaccumulation,thelimitsof theforcestobeloadedagainststructuresarealsotheoreticallyderivedinordertomaintainseismic safety. 1.序 構造物が地震力等の繰り返し水平力を受けて耐力低 下を生じるとき,繰り返しに伴い一般に構造物や部材 の変形に累積が生じるが,この変位や歪みの累積は, 構造物および部材の耐力低下挙動や崩壊挙動に密接に 関係していることが考えられる。従って構造物や部材 の耐震‘性能を評価するとき,変形の累積は,評価のた めの重要な指標になり得る。ここに変形とは,変位や ひずみを表すものとする。変形の累積に関する研究は, 山田1),17),吉村2),松井3),高梨4),鈴木5),上谷6)・7), 加藤8>,松島9),坂本IC),小堀11),洪12),水畑13),Yaol4), 椋代15),家村16)らにより行われてきた。しかし,耐 力低下を生じる構造物や部材にも変形の累積の収束・ 発散現象が存在することやそのメカニズム,及びこの 現象に基づいた構造物および部材の耐震性能評価や外 力を制限する方法については明らかにされていない。 筆者らは,局部座屈により耐力低下が生じる鋼柱に も,耐力低下を生じない場合と同様に,重心ひずみの 累 積 の 収 束 ・ 発 散 現 象 が 存 在 す る こ と を 示 し た 。 さ ら にひずみの累積に関する条件をもとに,耐力低下を生 じる鋼柱の耐震性能を評価する方法を提案し,この方 法から鋼柱が十分な耐震性能を有するための,軸力比 の制限値を導いた'8)∼2')○ 本研究ではさらに,一定軸力と繰I)返し曲げを受け る柱に見られる重心ひずみの累積の収束・発散現象と 同様の変位の累積現象が,耐力低下の有無とは無関係 に,広く一般の構造物に存在することを仮説として提 案する。この仮説を証明するために,1)応力劣化型の 応力一ひずみ関係を有する角形鋼管柱が1主軸回りに 定曲率振幅曲げを,直交軸回りに一定曲げを受けると き,直交軸回り曲率の累積に収束・発散現象が存在す ること,2)耐力低下を生じるブレース及び柱を有する 1層の構造物が,繰り返し水平力を受けるとき,床板 の鉛直方向変位の累積に収束・発散現象が存在するこ とを示す。最後にこの収束・発散の限界条件から,構 造物や部材の十分な耐震性能の確保を目的とした,外 力の制限を導く方法について言及する。168 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 3 3 号 ( 1 9 9 1 ) 2 . 変 形 の 累 積 に 関 す る 法 則 構造物やそれを構成している部材の変形の累積に関 する一般法則を仮説として以下のように提案する。 「一定外力および一定振幅の繰り返し外力が作用す る構造体に,変位制御で交番繰り返し外力をさらに作 用させたとき,もし変位制御を行わない外力に対応し た変形に変化が生じれば,耐力低下の有無に拘らず, これらの変形は累積する。この変形の収束・発散は, 変位制御を行わない外力の大きさに依存する。」 ここに,一定外力は値が零の外力を含み,構造体と は,鋼やコンクリートなどの材料からなる構造物及び 部材である。また,変形の累積量が零で累積が収束す る現象は,累積が生じないことを表しており,この法 則 の 適 用 範 囲 に 入 る 。 変 形 の 累 積 現 象 と 耐 力 低 下 挙 動 は密接な関係があるため,耐力低下を生じる構造物や 部材の耐震性能を評価,及び耐震安全性の確保を目的 とした外力の制限値の設定に際し,この法則を用いる と有用であると考えられる。 断面耐力の低下を生じる部材の解析は,断面耐力の 低下を巨視的に捉え,劣化型の応力一ひずみ関係を便 宜的に仮定して行うことができる。ただし,定変位振 幅下での繰り返し回数の増加と共に応力の低下も増大 し,応力低下が収束しない構造体には,この法則は適 用できない。しかし,鋼材の局部座屈やコンクリート の 圧 壊 な ど に よ り 部 材 の 断 面 耐 力 の 低 下 が 生 じ る と き,巨視的に捉えた部材の応力一ひずみ関係における 応力劣化は,既往の多くの実験および解析結果から判 断して,程度の差こそあれ,繰り返す毎に収束するこ とが予想される。 既往の研究において,断面耐力低下が無い場合では, 一定軸力と繰り返し曲げを受ける柱の重心ひずみの累 積の収束.発散現象1),2)・3)や1方向繰り返し水平力を受 ける柱の面外変位の累積の収束・発散現象6)が報告さ れている。断面耐力低下がある場合では,筆者等は, 応力劣化を生じる鋼柱が一定軸力と繰り返し曲げを受 けるとき,断面耐力低下が無い場合と同様に重心ひず みの累積に収束・発散現象が存在することを示してい る18)∼21)。これらの現象は,ここで提案した変位お よびひずみの累積に関する法則により,統一して説明 がされ得ると考えられる。 法則の妥当性を示すため,3.ではy軸回りに一定曲 げを,x軸回りに定曲率振幅曲げを受ける角形鋼管柱 の変形の累積挙動を解析により求めた。また4.では, 耐力低下を生じる鋼ブレース,鋼柱またはコンクリー ト柱からなる構造物の,床板重心における鉛直方向変 位の累積を,解析及び理論計算により求めた。 3.2軸曲げを受ける角形鋼管柱の変形の累 積 挙 動 図−1に角形鋼管柱の解析モデルを示す。モデルは 微小要素からなり,各要素の応力一ひずみ関係には, 文献21)で提案したモデルを用い,局部座屈による応 力劣化を便宜的に考慮して,図一2のように仮定した。 ここにs,eは,各降伏時の量で無次元化された応力, ひずみを表す。これらの曲線は,実験結果をもとに定 められたものでありれ,圧縮側のスケルトン曲線の内,
圧縮側処女載荷時のスケルトン曲線をfp,(e)で表わし,
圧縮側処女載荷時に局部座屈が発生した後,再び圧縮側に載荷された時のスケルトン曲線は,fp2(e)で表し
別’
■ ■ ■ 2. − − 一 図 − 1 解 析 モ デ ル 図 − 2 応 力 一 ひ ず み 関 係 X0.8 169 0.4 (2)重心ひずみの値を一定に制御 jxr=1.0 e。=−2 my=0.2,0.4 ここに、 ‘xr=降伏曲率で無次元化されたx軸回り曲率振幅 P=軸方向力,Pv=降伏時の量で無次元化された軸 方向力
my=y軸回りの全塑性モーメントで無次元化されたy
軸 回 り 曲 げ モ ー メ ン ト e・=降伏ひずみで無次元化された重心ひずみ 軸方向の値を一定に制御したときの計算結果を図−3 た。モデル化された圧縮側および引張り側のスケルトン曲線の式fp2(e),fp2(e),gpl(e)は,(1),(2)式で表さ
れる。なお本計算例では,モデル取扱いの簡便さのた め,文献21)のモデルと異なり,biの値は,局部座屈 時及びそれ以降の載荷においてともにlとした。 (1)圧縮側スケルトン曲線fpi(e)=−1/(a・le−eoril+bi)05(1)
ただしe≦eori,(i=1,2)‘-{::鮒│鮒匡至
、e=7r2E/A2/ぴy
A=k・B/t'
《
=
{
│
洲
匡
;
:
汀=円周率,E=ヤング係数,ぴ、=降伏応力度 B/t=幅厚比 bi=1 eori=ea+eB+Sci eCi=eOriS
c
i
=
f
p
i
(
e
c
i
)
=
−
1
/
b
i
o
5
ea=最大経験引張りひずみ,初期値はl eB=局部座屈発生時のひずみ’二署悶‘
(2)引張り側スケルトン曲線gp(e)=1/(a.|e−e。『|+1)1.5(2)
ただしe≦eor a=1/(3.1.,e+1.4) eor=ea+eB+1 図−1に示す解析モデルに,一定軸力の下で,また は軸方向の重心ひずみの値が一定になるような軸方向 加力の下で,y軸回りに一定曲げを,x軸回りに定曲 率振幅曲げを加え数値計算を行った。角形鋼管断面の せい,幅2.はともに17.5cm,板厚tは0.56cm,幅厚比 は31とした。解析パラメータを以下に示す。なお, 塑性域の応力一ひずみ関係を表わすスケルトン曲線の a,k,eBの値には,幅厚比が35のときの値を用いた。 内 田 : 繰 り 返 し 外 力 を 受 け る 構 造 物 お よ び 部 材 の 変 形 累 積 に 関 す る 法 則 】−2 0.8 0.4#
0#
J−4i −0.4 『】−F −0.8 (a)P/Py=−0.01,my=0.1 J・巳 b)P/Py=-0.01,my=0.2l
i
i
−0.4 解 析 パ ラ メ ー タ (c)P/Py=-0.2,my=0.1 図−3曲げモーメントー曲率関係 0‘
0.4 0.8 0 御 I 希 一﹂ ← 定12
を00J
値一一一一0
の叫叫峠
力 向LL,
002
方000
軸5lll
j1’’一一一一 1’一γBR.Rくx///
#PPP
!』
0.8 0.4f
−0.8#Ⅱ
170 −Z、0 −0.8 0.2や軸力比P/Py=-0.2が作用するときは,y軸回り の曲率および重心ひずみの累積は発散しており(図− 3(b),(c),4(b),(c)参照),一定曲げモーメントや軸力比 の大きさに従い,曲率および重心ひずみの累積に収 、 X 0.8I
2.0 (b)P/Py=-0.01,my=0.2 0.4 1.0 0 −1.0I
】−F −0.4 −0.8 0.8#
−2.0 0.4 (a)P/Py=-0.01,my=0.1〃
−0.401
1
1
1
1
m
2.0八
0.8I
l
i
l
l
i
l
W
W
1.0 0.4 J−B −0.8 a)my=0.2,e。=−2 =1.0 !〕-月 −0.4 −0.8 0.8 0.4 0 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 3 3 号 ( 1 9 9 1 ) (b)my=0.4,e。=−2図−6x,y軸回り曲率関係,曲げモーメントー軸
力比関係口
y (b)my=0.4,e。=−2図−5曲げモーメントー曲率関係
−0.4川
00000
● ● 。 ●2112
0.8 8 −0.8 (c)P/Py=-0.2,my=0.lx,y軸回り曲率関係,曲げモーメントー重
心ひずみ関係心
0.4V
図 − 4 −1.0 −2.0口
(a)my=0.2,e・=−2 Z、0 1.0 ∼4に示す。図−3は,曲げモーメントー曲率関係, 図−4は,x軸回り及びy軸回り曲率関係,曲げモーメントー重心ひずみ関係である。図中,mx,myはXly軸
回りの全塑性モーメントで各々無次元化されたx'y軸 回り曲げモーメントであり,‘x'#vは,各々X,y軸回り の降伏曲率で無次元化されたx,y軸回りの曲率である。 一定軸方向力と繰り返し曲げを受ける柱において, 軸方向変位の累積が見られたが19),これと同様に, 繰り返し曲げが作用する軸と直交する軸回りに一定曲 げが作用するとき,図−3,4に示すように,一定曲 げを受ける軸回りに曲率の累積が生じ’2.で示した法 則が成立する。軸力比が-0.01と小さいときは,mv= 0.1の大きさのy軸回りの曲げモーメントが作用し,フ ランジ要素の応力劣化が生じるにも拘らず,y軸回り の曲率および重心ひずみの累積は収束する(図−3(a)’ 4(a)参照)。しかし,y軸回りの曲げモーメントmv=1
1
J
内 田 : 繰 り 返 し 外 力 を 受 け る 構 造 物 お よ び 部 材 の 変 形 累 積 に 関 す る 法 則 171 束・発散の限界が存在することが推測でき,2.の法則 が成立することがわかる。 図−5,6は軸方向重心ひずみの値を一定に制御し たときの結果である。図−5はx,y軸回りの曲げモーメ ントー曲率関係であり,図−6は,x軸回りおよびy軸 回り曲率関係,x軸回り曲げモーメントー軸方向力の 関係である。重心ひずみe・は,計算開始から−2の値 を取るものとする。これらの図から,my=0.2のy軸回 り曲げモーメントが作用するときは,曲率の累積は収 束するが,mv=0.4の曲げが作用するとき曲率の累積 は発散することがわかる。すなわち,一定載荷曲げモー メ ン ト の 大 き さ に 応 じ て , 載 荷 方 向 曲 率 の 累 積 に 収 束・発散現象が存在しており,載荷条件が変わっても 2.の法則が成立していることがわかる。なお重心ひず みを一定としたとき,軸方向力の値に,繰り返しに伴 う変化が見られる(図−6参照)。 これらのことから,骨組の柱の耐震性能を確保する ためには,常時荷重としての軸方向力やx,y軸回り曲 げの大きさは,変形の累積に関する条件に基づき,相 関作用を考慮して総合的に制限される必要があること が分かる。 なお本計算では,板要素は,降伏ひずみに達すると すぐに局部座屈を生じると仮定したが,板要素の幅厚 比 が 小 さ く 大 ひ ず み 領 域 ま で 局 部 座 屈 が 生 じ な い 場 合 , 変 位 や ひ ず み の 収 束 条 件 に 基 づ く 軸 力 比 や 曲 げ モーメントの制限値は,本計算例の制限値よりは大き くなることが予想される。 4.構造物の床板鉛直方向変位の累積挙動 ブレースを有する1層1スパンの構造物を図一7のよ うにモデル化し,図−8に示す一定変位振幅6hrを伴 い水平力を繰り返し加力する。6h,6vは床板重心の 水平変位及び鉛直方向変位であり,βiは部材角,4 は柱材の長さである。柱材の部材番号iは1,4,5であ り,ブレースの部材番号は2,3である。各部材の両 端はピン接合されており,床板は剛とする。柱材の材 料は鋼またはコンクリートであり,ブレースの材料は 鋼 で あ る 。 柱 材 料 及 び ブ レ ー ス の 応 力 一 ひ ず み 関 係 を 図−9に示す。ブレース材の計算においては,曲げ座 屈による耐力低下を考慮して,応力劣化形の応力一ひ ずみ関係を仮定した。図中,si,eiは各部材の無次元 応力,無次元ひずみである。 水平力が構造物の床板に加わるとき,水平変位及び 鉛直変位とともに,構造物全体のモーメントが釣合う RigidBody u m n 図 − 7 解 析 モ デ ル
割
¥
▽
△
▽
le 図 − 8 変 位 履 歴 様に,一般に床板の回転が生じる。しかし,ここでは 構造物をせん断形にモデル化しており,床板には水平 変位と鉛直方向変位のみが生じるものとする。なお, 引っ張り側の力及び変位の符号を正とする。 図−7のモデルの鉛直方向及び水平方向の力の釣合 式は下記の通りとなる。 1 ) 鉛 直 方 向 5 W=Zsi(ei)・Ai・ぴyi・sin8/Wy(3) i=1 2)水平方向 5 h=Zsi(ei)・Ai・ぴyi・cos8i/Wy(4) i=1 5ここ(こWy=ZAi・ぴyi・sin6i,i=部材番号
i=l ei=(6h.COS8i+6v・Sin8i)・Sin8i/(C・Eyi) Ai=各部材の断面積 ぴ = 〃 降 伏 応 力yU E = 〃 降 伏 ひ ず みyI w=Wyで無次元イヒされた床板重量 h = 〃 水 平 荷 重 6vの累積が収束したとき,左右各反転において6h =6hrl−6hrであるときの各部材の応力Siを図−10172 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 3 3 号 ( 1 9 9 1 )
識
鋼 コ ン ク リ ー ト (a)プレース (b)柱 図 − 9 応 力 一 ひ ず み 関 係藤
Conc = 6 h 6hrcoge1Sinei6vSin28i (b)柱 反転点における応力 ZEyi2Ey, (a)プレース 図−10反d に示す。部材番号i=2,3のブレースのひずみeiは,収束時各々6,,.Sin8i2/(‘・Eyi)を中心にして6
h.CoS8i・sin8i/(0.Eyi)の振幅で変動する。またi =1,4,5の柱材のひずみeiは6、,/(’・Eyi)の値を とる。反転点における鉛直方向の力の釣合式から”累 積の収束,発散領域を表すW’6h/0,6v/‘の関係 式が以下のように得られる。ただし,1)6、,の累積が 収束したときのブレースのひずみ振幅6h『・COS8i・ sin8i/(’・Eyi)≦1,2)柱材の変位の累積は,弾性域 で収束しないものとする。Cイw+α、6h/‘+α,6v/《+q<0:発散(5)
( j = 1 , 2 ) ≧ 0 : 収 束ば
と
き
:
:
二
竺
:
“
i)6V/(《Eyk)<E3,(k=1,4,5) C}=一│α,(A1+A4+A5)+A2・sin82+A3.sin831 C』=(A2・〆2.cos82,sin282十A3.浬1.cos83・s
i
n
2
8
3
)
/
E
y
s
Cムーノα3.α・(A,+A4+A5)/gys+(A2・ノU2・sin28
2
+
A
3
・
ノ
α
1
.
s
i
n
3
8
3
)
/
E
y
s
Cl=−α・(A1十A4+A5).(ノU3.e3+1)+A2,sin8 2.(S2-ノu2・e2)十A3.sin83(91−ノα1.el) iMv/(《・Evk)≧G3、(k=1,4,5) Cl=i)のCI C&=i)のC&C
&
=
(
A
2
・
ノ
"
2
.
s
i
n
3
8
2
+
A
3
・
ノ
u
1
・
s
i
n
3
8
3
)
/
e
y
&
Cl=−α・(A1+A4+A5)+A2・sin82・(g2−ノu2・
e2)+A3・sin83・(§1−ノα1・色,)C;(i=1∼4)は,Clの式の中の§n,en,偽(n=1,2)を§m,
em,ノL4nに置き替えることにより得ることができる(n =1のとき、=2,,=2のとき、=1)。 ここにα=ぴyk・Eys/(ぴys・Eyk) ぴyk=ぴys又はぴyc,Eyk=Eys又はEyo ぴys,Eys=鋼の降伏応力度及び降伏ひずみ度 ぴyc,Eyぐ=コンクリートの〃 §1,e1,§2,e2=図−9(a)に示す,ブレースの無次元降伏 応 力 度 及 び ひ ず み 度 E3=図−9(b)に示す,柱の降伏時又は圧壊時の無次 元ひずみ,鋼のときは恩3=−1,コンクリートのと きはe3<−1 ノα1,ノα2=図−9(a)に示すブレースの応力一ひずみ関 係 の 塑 性 域 の 勾 配 ノu3=図−9(b)に示す柱の応力一ひずみ関係の塑性域 の 勾 配 (5)式を用いて,累積の収束.発散の境界を計算に よ り 得 る こ と が で き る 。 計 算 に 用 い た パ ラ メ ー タ は 以内 田 : 繰 り 返 し 外 力 を 受 け る 構 造 物 お よ び 部 材 の 変 形 累 積 に 関 す る 法 則 173 下 の 通 り で あ る 。 計 算 パ ラ メ ー タ i)柱材が鋼のとき │Ail='5,10,10または15,5,51(cm2) l8il='90,135,45,90,901(度) │ぴvil='2.4,〃,〃,〃,〃|(t/cm2) lEvil='0.11,〃,〃,〃,〃│(%) 似1=0.02,ノu2=−0.05,e1=1,s1=1,e2=−1,§2= −1,e3=−1,6hr/2=0.02 1)'α3=0,A3=10 2)ノ"3=0.02,A3=10 3)偽=0.02,A3=15 ii)柱材がコンクリートのとき J - F 0.8 0.4 lAil='50,10,10,50,501(cm2) l8il='90,135,45,90,901(度)
│
ぴ
y
i
l
=
'
0
.
2
,
2
.
4
,
2
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2
1
(
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i
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9
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1
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0
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1
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,
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.
0
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,
0
.
0
9
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1
(
%
)
似1=0.02,ノu2=−0.05,ノα3=−0.02,e1=1,91=1, c2=−1,§2=−1,G3=−3,6hr/{=0.02 柱材が鋼のとき,1)∼3)の3ケースの計算を行った。 ここでは他に,w’6h/0を与え(3),(4)式を用い て数値計算により逐次h’6v/《を求め,累積の安定 限界値との比較を行った。数値計算に用いたパラメータは以下の通りである。なお,lAil,I8il,|ぴyil,
IEyilおよび柱材,ブレースのノui,ei,gi,6hr/0の 値は,累積の収束限界の計算で用いた値と同じとした。 J−8 0.8 0.4 h/11 0 02 0.026h/20l
H
雲
'
二
二
芦
21 −0.0 -0.02 −0.4 LJ−H −0.8 (a)w=-0.37,eof=0,ノ〔43=0 .)‐卜 ]−月 h/2 .02 0.8 0.4 =0.4 −0.8鴨
(c)w=-0.39,eor=0,偽=0 −0. j‐[腰
.)‐卜 .04 2 04 −0.0 -0.0 0.8 0.4 h/2 0 02 −0.4 −0.8I
−0.4 −0.8 (b)w=-0.37,eor=-6,偽=0 J−Fj 0−8 0.8 0.4 h/2 0 .02 −0.4 −0.811
(d)w=-0.39,eor=0,偽=0.02 ]‐C 04 (e)w=-0.22,eor=0,縄=0.02,A3=15 図−11水平力一変位関係(柱材:鋼) リー【』 04174 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 3 3 号 ( 1 9 9 1 ) i)柱材が鋼のとき 1)w=-0.37,eor=0,偽=0,A3=10 2)w=-0.37,eor=−6,ノ〔43=0,A3=10 3)w=-0.39,eor=0,ノU3=0,A3=10 4)w=-0.39,eor=0,ノU3=0.02,A3=10 5)w=-0.22,eor=0,ノ〔43=0.02,A3=15 ii)柱材がコンクリートのとき 1)w=-0.30,eor=0 2)w=-0.30,eor=−6 3)w=-0.33,eor=O ここにeorは,柱材の重心ひずみの初期値である。 図−11,12に柱材が鋼材であるときの数値計算結 果を示し,図−13,14には柱材がコンクリートであ るときの計算結果を示す。図−11,13は,水平力一 水平変位関係,水平力一鉛直方向変位関係である。図 −12,14には,変位反転点における鉛直方向変位一 −0.02 −0.02 −0.01 −0.01 0 cle 0 繰り返し回数関係を示す。 柱材が鋼およびコンクリートであるとき,理論計算 により得られたw’6v/Iの収束限界を図-15に各々 示す。(5)式で表されるw'6v/’の収束限界の曲線の 勾配が正のとき,変位の累積は必ず収束し構造は安定 で あ る 。 し か し , 勾 配 が 負 の と き は , 変 位 の 累 積 が Stableと記された領域を越えると構造は不安定とな り,wが一定値をとるとき変位の累積は発散する。(5) 式で表されるw’6v/’の収束限界の曲線の勾配 Cl/c{の符号は,qの符号が本計算例では常に負であ るから,qの符号で決まる。qの符号が正のとき q/qの符号は負となり,変位の累積は必ず収束する が,Clの符号が負のときは発散する。 また,図-15には,数値計算から得られた床板の 鉛直方向変位の累積挙動を破線で示す。柱材が鋼材及 びコンクリートのとき,共に理論計算から得られた収 −0.02 −0.01 e 0 4 8 1 2 (a)w=-0.37,eor=0,メ亀=0 4 8 1 2訂 4 8 1 2 (b)w=-0.37,eor=-6,偽=0(c)w=-0.39,eor=0,ノLG=0 −0.oz -0.02 −0.01 −0.01 O (d) 4 8 1 2
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0 4 w=-0.39,eor=0,ノ〔亀=0.02 (e)w=-0.22,eor=0 ノu3=0.02,A3=15 図−12鉛直方向変位一繰り返し回数関係(柱材:鋼).〕‐【』 175 04 −0.4 構 造 物 や 部 材 の 変 形 の 累 積 に 関 す る 法 則 を 仮 説 と し て提案し,x軸回りの繰り返し曲げとy軸回りの一定 曲げを受け耐力低下が生じる角形鋼管柱や繰り返し水 平力を受け耐力低下が生じる構造物の解析結果に基づ いて,その法則の妥当‘性を明らかにした。また,変形 の 累 積 現 象 と 耐 力 低 下 現 象 が 密 接 に 関 係 し て い る こ と,及び構造物や柱材の耐震性能の確保を目的とした 外力の制限値は,各外力の相互作用を考慮して決定す べきであり,本論文で提案した累積の法則に基づけば, 外力間の相関作用を考慮して外力制限値を設定できる ことを示した。 5 . 結 語 (5)式から,最大耐力後の変形の累積を抑え耐力低 下を小さくするためには,qの値を大きくすればよい ことが分かるが,そのためには圧縮材に比べ引張り材 の量を多くすれば良い。しかし安定領域を増大するた めには,q,qを小さくする必要がり,このときは引 張り材に比べて圧縮材の量を増やすと良い。従って, 安定領域を大きくしてかつ耐力低下量を小さくするた めには,引張り材,圧縮材の適正な量のバランスを考 える必要があろう。 0−8 .】‐IPI 0.8 J‐脂
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−0. 0 4 − 0 . 内田:繰り返し外力を受ける構造物および部材の変形累積に関する法則 束 限 界 と 数 値 計 算 か ら 得 ら れ た 弾 塑 性 挙 動 は 良 く 対 応 していることが分かる。柱材が鋼材であり,ひずみ硬 化を有するとき,収束限界の曲線は正勾配であり,図 −11(d),(e)に示す様に構造物の耐力低下や変位の累 積は収束し易い。 図一’'’’3から,柱材が鋼及びコンクリートに拘 らず,耐力低下の収束・発散現象と鉛直方向変位の累 積の収束・発散現象が対応していることが分かる。ま た,構造物に生じている鉛直方向変位の初期値すなわ ち初期不整の大きさにより,変位の累積の収束・発散 限界荷重wの大きさが異なることが分かる。 図-12(e)には,左右のブレースの断面積の大きさを 変 え た と き の 鉛 直 方 向 変 位 一 繰 り 返 し 回 数 関 係 を 示 す が,繰り返しの正側,負側の反転点における変位の累 積の収束値は異なっており,カオス的挙動が見られる。 以上に示したことから,図−7の構造物のモデルに おいても,2.で提案した変形の累積に関する法則が成 立していることが分かり,この法則を用いて構造物の 耐震性能評価が可能である。なおここでは,両端ピン の 部 材 か ら な る 単 純 な 構 造 物 の モ デ ル を 取 り 上 げ た が , 一 般 の ト ラ ス 構 造 物 に つ い て も 同 様 の 結 果 が 予 測 される。 0.8 −0.4 −0.8 −0.8 Ij−IE1 (b)w=-0.30,eor=−6 (a)w=-0.30,eor=0 -0.0 h/1 0 02 】一R (c)w=-0.33,eor=0 図−13水平力一変位関係(柱材:コンクリート) 0.4 −0.8 J‐【』 、04 -0.4 J・ど176 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 3 3 号 ( 1 9 9 1 ) −0.04 −0.02 0 4 8 1 2 Cycle (a)w=-0.30,eor=0 −0.04 −0.02 0 6v/2 4 8 1 2 (b)w=-0.30,eor=−6 -0.04 −0.02 0 4 8 1 2 (c)w=-0.33,eor=0
図−14鉛直方向変位一繰り返し回数関係(柱材:コンクリート)
−0.4 -0.2 0 -0.4 -0.2 0 J − ① 巴 J 1 V e r O e −0.01 (a)柱材:鋼,』しG=0 −0.01 (c)柱材:鋼,偽=0.02 A3=15 −0.4恥 − − − − 画 窪 −0.2 L 】 −0.02 0 0.<(」 −0.4 0.>【】 −0.2 -0.02 0 図−15収束限界曲線 −0.01 (b)柱材:鋼,偽=0.02 。 § L 5 O n V e 工 q 上 〕 l V e r q E ]‐C (c)柱材:コンクリート −0.02 ]‐C内 田 : 繰 り 返 し 外 力 を 受 け る 構 造 物 お よ び 部 材 の 変 形 累 積 に 関 す る 法 則 177 謝 辞 御 助 言 を 賜 り ま し た 三 谷 勲 教 授 ( 鹿 児 島 大 学),森野捷輔教授(三重大学)に感謝の意を表します。 また図面作成に協力して頂いた鹿児島大学大学院生, 小御門匡君に感謝します。 参 考 文 献 1 ) 山 田 稔 , 白 川 潔 : 軸 圧 を う け る H 形 鋼 柱 の 弾 塑性曲げ変形性状に関する研究(Ⅱ:交番繰り返 し曲げ:曲げモーメントー曲率関係),日本建築学 会論文報告集,第141号,pp、29-35,昭和42年11月。 2)吉村浩二:InelasticBehaviorofSteelMem‐ bersSubjectedtoAlternatingLoads,九州大学博 士学位論文,昭和48年。 3 ) 松 井 千 秋 , 三 谷 勲 : 繰 り 返 し 水 平 力 を 受 け る 高張力鋼骨組の弾塑性性状に関する研究,日本建 築学会論文報告集,第250号,pp、31-41,昭和51 年2月。 4 ) 高 梨 晃 一 , 田 中 尚 他 : 軸 力 と 繰 り 返 し 曲 げ を受けるH形鋼柱の変形能力,日本建築学会大会 学術講演梗概集,pp,lO81-lO82,昭和51年10月。 5 ) 鈴 木 敏 郎 , 玉 松 健 一 郎 , 小 野 敏 郎 : 梁 , 柱 の 塑 性 変 形 性 状 に 及 ぼ す 局 部 座 屈 の 影 響 く 単 調 ・ 繰 り 返 し 載 荷 に つ い て > , 日 本 建 築 学 会 大 会学術講演梗概集,pp,lO71-lO72,昭和51年10月。 6)上谷宏二,中村‘恒善他:繰り返し両振り曲げ を 受 け る 片 持 ち 梁 一 柱 の 構 面 外 変 形 発 生 機 構 と 限界点理論,日本建築学会大会学術講演梗概集, pp,1077-1078,昭和63年10月。 7)Uetani,K・andT・Nakamura:Symmetrylimit theoryforcantileverbeam-columnssubjectedto cyclicreversedbending,J・Mech・Phys・Solids, Vol、31,pp、449-484,1983. 8 ) 加 藤 勉 , 秋 山 宏 : 鋼 構 造 剛 接 骨 組 の 耐 震 極 限設計,日本建築学会論文報告集,第237号, pp、59-65,昭和50年11月。 9 ) 松 島 豊 : 各 種 復 元 力 特 性 を も つ 1 自 由 度 系 の 累 積塑性変形と耐震安全′性,日本建築学会論文報 告集,第291号,pp、27-32,昭和54年5月。 1 0 ) 坂 本 順 , 小 浜 芳 朗 , 棚 橋 泰 治 : 不 規 則 累 積損傷に関する考察IIl,Ⅲ,日本建築学会論文 報告集,第294号,pp,25-33,昭和54年8月およ び第300号,pp、1-9,昭和55年2月。 11)Kobori,T、,RMinaiandY、Suzki:Ontheaseis‐ micsafetyofelasto-plasticstructuresconsider-ingfatiguedamage,TheoriticalandApplied Mechanics,Vol、21,(Proc・ofthe21stJapan NationalCongressforAppliedMechanics,1971), Univ・ofTokyoPress,pp、309-321,1973. 12)洪起:履歴構造物の耐震安全性解析,日本建 築学会論文報告集,第306号,pp,51-57,昭和55 年8月。 13)Mizuhata,K、,Y、GyotenandHKitamura:Study onlowcyclefatigueofstructuralframesdueto randomlyvaryingload,Proc・of6WCEE,Vol. Ⅲ,NewDelhi,pp、3031-3036,Jan、1977. 14)Kasiraj,I・andJ.T、P、Yao:Fatiguedamagein seismicstructures,JournalofStruCturalEn-gineering,Proc・ofASCE,Vol、95,No.ST8, pp、1673-1692,Au9.1969. 1 5 ) 松 尾 彰 , 椋 代 仁 朗 : 激 烈 震 を 受 け る 鋼 構 造 骨組はり端ひずみの性状について,その2.最大ひ ず み 靭 性 率 と 低 サ イ ク ル 疲 労 損 傷 お よ び 層 靭 性 率とはり端ひずみ靭性率との関係,日本建築学 会論文報告集,第318号,pp、20-27,昭和56年8月。 16)Iemura,H,:Earthquakefailurecriteriaofde‐ terioratinghystereticstructures,7WCEE, Vol、5,pp、81-88,1980. 1 7 ) 山 田 稔 , 河 村 唐 他 : 複 曲 率 交 番 繰 り 返 し 曲 げを受けるH形鋼柱の弾塑性変形ならびに崩壊'性 状に関する研究(Ⅷ),日本建築学会大会梗概集, pp、'089-1090,昭和61年8月。 18)Uchida,Y・andS,Morino:BiaxialBendingMo‐ ment-CurvatureRelationofBoxBeam-Column withDegradingStress-StrainRelation,Research ReportsoftheFacultyofE、9.,MieUniversity, Vol、11,pp、55-67,Dec,1986. 19)Uchida,Y・andS・Morino:SeismicResistance CapacityofDegradingBeam-Columnsunder BiaxialBending,9WCEE,Vol.Ⅳ,pp,145-150, Au9.1988. 20)内田保博,森野捷輔:LimitofAxialForce RatioforDegradingSteelBeam-Columnslnvolv-ingLocalBuckling,日本建築学会論文報告集,第 425号,pp,57-68,平成3年7月。 2 1 ) 内 田 保 博 , 三 谷 勲 , 上 遠 野 明 夫 , 小 御 門 匡 :角形鋼管柱の軸力比制限に関する実験的研究( その1),(その2),日本建築学会九州支部研究報告, 第32号,pp、193-200,平成2年3月。