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射影曲線の交叉重複度とベズーの定理について

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Academic year: 2021

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(1)射影曲線の交叉重複度とベズーの定理について 教科・領域教育学専攻. 自 然系 コ ース M 0 8 1 7 3 I 塩  見  愛  美. 1 研究の背景. 線の研究が多くなされている.一方,実数上の代.  私は大学では数学を専門に勉強していたわけで はなく,研究の開始当初,学部で学ぶ数学の知識 などはほとんど持っていなかった.しかし,高等学. 数曲線の研究は,上記の2分野に比べてその複雑 さから,あまり多くの研究がなされていない.本 論文では,その実代数曲線について,Robert Bix 「Conics and Cubics」を中心に,関連する他の文. 校までの数学で曲線と曲線の交点を考える機会は. 献も交えてこの2年間に学んだもの,考えたこと. あった..  誰もが中学校数学で,1次の曲線である直線や放 物線,双曲線,楕円といった2次の曲線に出会い, 高等学校数学においてμ=プ(”)のタイプのさらに. 大きな次数の曲線に出会い,それをグラフに表す. ことにより曲線の形を知る.また,ある点で2曲. についてまとめている.特に,実の場合の交叉重 複度を用いて,実代数曲線の性質について調べて いる.実数の場合の問題を考えるにあたって,そ の複素化を考えて,最初の複素代数曲線の話に持 ち込み議論し,その後で実部を見るという考え方, 操作を多く用いている.. 線が接するときにはその点においてそれらの曲線 がただ交わるというだけではなく,同じ接線をも. 2 論文の構成. つという意味で,より多く交わっていることも,誰. もが気付くことである.例えば,実平面上の曲線 μ=”2とπ軸μ=0との交点の座標を求めると,. その点は原点となり原点で2回交叉することとな る.これは2次方程式を解く際に重解という言葉 を用いて学ぶ.したがって,大学で専門的に数学を. 学んでいなくとも,曲線と曲線がある点で複数回 交叉するということは,感覚的に捉えやすい.私. は,この2年間大学院で,ある点での2曲線の交 叉する回数を表す交叉重複度を用いることで,曲. 序章. 第1章. 平面曲線と射影曲線の交叉重複度.  1.1. 平面曲線の交叉重複度の性質と計算公式.  1.2. 交叉重複度に関する更なる公式.  1.3. 実射影平面と同次座標.  1.4. 実射影曲線の交叉重複度.  1.5. 直線と接線. 第2章. 実射影平面上の円錐曲線への応用.  2.1. 円錐曲線と他の代数曲線との交点.  2.2. パスカルの定理. 線に関する様々な定理の証明の研究を行ってきた..  曲線論といえば,複素数の場合には,代数幾何 学の立場からの複素代数曲線の研究が多くなされ. 第3章. 3次曲線.  3.1. 変曲点と特異点.  3.2. 曲線の加法. ており,多くの本が出版されている.また,実数の. 場合には微分幾何学の立場からの滑らかな正則曲. 一342_.

(2)  3.3. ベズーの定理. 曲線,交叉重複度,変換を複素数上に拡張し,ベ.  3.4. ヘシアン. ズーの定理を証明する.さらに,実射影平面上の.  3.5. 3次曲線の決定. 曲線に対してベズーの定理の類似の形を考え,示. 第4章. 交叉重複度の性質. している.最後に3次曲線がどのような点に関す.  4,1. 交叉重複度の定義. る条件より決定されるかを述べる..  4.2. 交叉重複度の性質の証明.  第4章では,交叉重複度の定義を厳密なものと し,成り立つものとして扱ってきた交叉重複度の. 3 論文の概要. 性質についての証明を行う.まず,多項式の独立と.  第1章では,実平面曲線の交叉重複度について. 従属についての概念を定義し,独立な多項式の考. の定義と,交叉重複度の性質について述べている.. え方を用いて直交座標における交叉重複度の定義. この交叉重複度の定義は厳密なものではないが,論. を述べる.そして,この定義より,交叉重複度の性. 文内で述べる性質をもつことを前提として理論と. 質を証明していく.さらに,交叉重複度の定義を同. 応用を展開する.さらに,実射影平面における交. 次座標へ拡張し,多項式の同次化,変換,共役化が. 叉重複度について考える.ここでは,変換を導入す. 交叉重複度を保存するという性質の証明を行う.. ることで,2曲線の交叉重複度を原点だけでなく, 任意の点で扱えるようにしている.また,1.2節で. は,交叉重複度に関して自分で導き出した公式が あるので,それも述べている..  第2章では,初等幾何学における定理の証明を, 交叉重複度を用いて行っている.まず,射影平面で. の2次曲線を分類し,円錐曲線はどの3点も共線 的でないような5点で決定されることを示す.そ して,交叉重複度を用いて,円錐曲線の剥離とい う考え方を使うことで,パスカルの定理を証明す る.さらにパスカルの定理の変形として,パップ. ス定理を考える.また,これらを双対化した定理 についても述べている..  第3章では,3次曲線について述べている.まず,. 変曲点または特異点をもつ既約3次曲線について 分類を行う.また,3次曲線の重要な性質の1つで. ある3次曲線における加法の概念を導入し,交換 可能であること,単位元,逆元をもつこと,結合. 主任指導教員 小池 敏司. 法則が成り立つことを示す.その後で,射影平面,. 指導教員小池敏司 一343一.

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