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思春期の自尊感情形成に関する発達心理学的研究

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Academic year: 2021

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(1)思春期の自尊感情形成に関する発達心理学的研究.          専 攻 学校教育学          コース 学校心理学.          学籍番号 M09040A          氏 名 山田 倫子         問題・目的. 測定尺度(山本ら(1982)によって和訳された.  遠藤(1999)によれば、自尊感情とは自己に. Rosenberg(1965)の自尊感情(Se1冊steem). 対する評価感情であり、自尊感情は精神的健康. 測定尺度(10項目)を、兵庫県A市の小中学校教. や適応の基盤をなすものであるという。. 員により一部文言を修正されたもの)と、①最.  様々な自尊感情に関する先行研究においては、. 近、家で家族からほめられたことはありますか、. 対象のほとんどが中学生と高校生、大学生であ. ②最近、学校で先生や友だちからほめられたこ. るため、現在のところ小学生を含む思春期を対. とはありますか(小学生のみ回答)、③最近、家. 象とした本研究同様のものは見あたらない。. の手伝いをしていますか、の質問項目3項目。.  近年、毎日の生活に生きがいを喪失し、無気. そして、小学校生活適応感測定尺度(浅川・森. 力になって自立ができない子どもが増加してい. 井・古川・上地(2002))、中学校生活適応感測. る。家庭で手伝いをし、肯定的評価を受ける機. 定尺度(浅川・森井・古川・上地(2002))を. 会も減少し、子どもたちは自らを低く評価する. 使用した。. ことにつながっているのではないだろうか。本 研究では、子どもたちの自尊感情と家族や教師. 自尊感情と被賞賛経験との関係についての発. からの賞賛はどのような関係があるのかを検討.          達差. することが重要ではないかと考えた。.         結果・考察.  本研究では、意味のある大人からの被賞賛経.  分析結果より、本研究においては自尊感情の. 験によって自尊感情は形成されるのか、という. 高低に学校種と性において有意差がないことが. ことを第1の目的とする。また、学校適応感の. わかった。その結果をもとに、3つの質問項目. 高低と自尊感情との関係が小学生と中学生で違. においても分析を行ったが、小学生では自尊感. いが見られるのかを検討し、思春期の子どもた. 情が高い児童は被賞賛経験も多いと感じている. ちに対する学校・家庭での心理的支援の示唆を. が、自尊感情が低い児童は被賞賛経験が少ない. 得ることを第2の目的とする。. と感じていることが明らかとなった。これは、. 先行研究の高井(2007)や姫路市青少年協議会.          方法. (2008)の結果を支持するものであった。しかし、.  兵庫県A市内の小学5・6年生418名、およ. 中学生では自尊感情と被賞賛経験との間に有意. び中学1・2・3年生450名を対象とし、小学校. な差を見いだすことはできなかった。これは、. においては2009年7月、中学校においては. 仮に自分の行為が肯定的に評価されなくても、. 2008年7月に実施された。材料は、自尊感情. その原因が自分の能力不足でないと考えるため. 一72一.

(2) 自尊感情が傷つくことがないのではと考えられ た。児童期の特徴を残す小学生5・6年生と思春. 半手甲繋慧鰐㌘甲哀㌣駿芦睾器㍉、皿. 期の特徴を示す中学生の違いが影響しているの ではないかと考えられる。小学生は褒められる. I_. 小学生1. ことを素直に喜び、自分自身の価値が高められ. M H. 自尊感情の形成や維持につながると考えられる L. が、中学生は他者の評価を気にしたり、自尊感 情の傷つきを避けようとしたりすることが考え. 中学生,. }. H. られ、被賞賛経験と自尊感情の関係性が見られ. 舅 1. 40. 34.40. 4.38. 女. 24. 34196. 3.33. 男 1. 121. 48.98. 4.80. 女. 138. 48.98. 4.65. 易 1. 23. 62.74. 3.62. 女  1. 34. 61.97. 3.42. 男. 22. 4τ.09. 4.86. 女. 26. 46.00. 5.58. 男 …. 121. 63.03. 5.90. 女 1. 139. 62.36. 5.38. 男. 38. フ8.9フ. 4.93.   圭. 23. 80.22. 5,4フ. 浴@1. なかったのであろう。.      全体的考察と今後の課題.    学校適応感と自尊感情との関係.  本研究の結果より、学校適応の高低に自尊感.         結果・考察. 情が関係していることが明らかとなり、その自.  小学生では学校適応感が高い児童ほど自尊. 尊感情の形成に児童にとって意味のある大人か. 感情得点も高く、男子児童より女子児童の方が. らの被賞賛経験が影響しているであろうと考え. 自尊感情得点は高かった。しかし、中学生では. られる。家庭において、手伝いの機会が児童に. 学校生活適応感、姓ともに自尊感情に対する有. 与えられ、それによって児童が家族から賞賛を. 意差は見られず、三浦・原岡(2002)とは異な. 得ることができるならば、自尊感情を高め、児. る結果となった。中間・小塩(2007)によれば、. 童の学校適応感を高めることに影響を与えるこ. 自尊感情の測定にあたっては、その高低のみで. とが示唆されたといえる。学校適応感を高め、. はなく、安定性の次元も含めて検討することの. 児童がよりよい学校生活をおくるための支援が、. 必要性が指摘されており、自尊感情の変動性の. 学校だけでなく家庭においてもできるであろう. 大きい者は自尊感情を問われた際に、その時の. と考える。. 感情が認知を凌駕してしまう可能性があること.  また、中学生においては小学生とは異なり、. が示唆された。つまり、思春期に入り第二次性. 大人からの肯定的な評価を素直に自己への肯定. 徴という心身の発達的変化と対人関係や学校内. 的な評価とすることが困難である。この時期は、. での自己のおかれている立場の変化など不安定. 大人からの肯定的な評価よりも友人からの肯定. な心理状態を来たす要因は多く、この発達期は. 的な評価のほうが彼らにとって大きな意味をも. 多くの児童生徒にとっては「二重の意味で危機. つのであろう。中学生の自尊感情形成に関して. 的である」(古川・小泉・浅川,1992)という. は、友人関係も検討する必要があるだろう。・. ことを考え合わせると、自尊感情の高さが必ず しも良好な対人関係につながるとは限らないと. 主任指導教員  浅川 潔司. いえる。そしてこのことからも、学校適応と自. 指導教員  浅川潔司. 尊感情を一次元的にとらえるのではなく、今後 の課題として学校適応と自尊感情の変動性の関 連を検討していく必要性が示唆された。. 一73一.

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参照

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