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附属特別支援学校の役割: 教員養成機能と教員の専門性向上に係る地域への貢献

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Academic year: 2021

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(1) . 附属特別支援学校の役割. 教員養成機能と教員の専門性向上に係る地域への貢献. 横浜国立大学教育人間科学部附属特別支援学校 副校長 山口 秀子 Ⅰ 特別支援学校の地域支援機能(特別支援教育セン. のに工夫や配慮を必要とし、その工夫や配慮があれば、. ターとしての役割)及び課題. 他の子どもと一緒に授業に参加することができるような 子どもたちである。. 平成19年、それまでの障害児教育から特別支援教育. 特別支援学校が地域のセンター的機能をもつことにな. への法的転換がなされた。幼稚園・小学校・中学校・高. るということは、即ち、このような通常学級に在籍して. 等学校は、配慮が必要な子どもに関して、適切に指導す. いる子どもたちの指導の方法や支援の方法、また子ども. ることが明確化され、特別支援学校は、障害のある子ど. たちの状況そのものの捉え方をどのようにしていくかを. もたちを教育する専門機関として、在籍している児童生. 特別支援学校の教員の専門性の一つとして必要となって. 徒の教育だけではなく、幼・小・中・高等学校に在籍す. きた。. る支援を必要とする子どもたちへの指導の手立てとし. このように特別支援学校は、今まで以上に特別支援教. ての支援を行う役割 ( 特別支援教育センターとしての役. 育について幅の広い専門性のある教員の育成を迫られて. 割 ) を担うこととなった。. きているという背景からも、本校は、地域の学校等に向. 具体的には、次の6つの内容が挙げられている。. けて知的障害教育の専門性向上のための研究・研修体制. ① 小中学校等の教員への支援. づくりを提案していくことも期待されている。. ②特別支援教育等に関する相談・情報提供 ③ 障害のある幼児児童生徒への指導・支援. Ⅱ 教員の専門性向上に向けた本校の取り組み. ④ 福祉、医療、労働などの関係機関等との連絡・調整 ⑤ 小中学校等の教員に対する研究協力 ⑥ 障害のある幼児児童生徒への施設設備等の提供. (1)校内の教員の専門性の向上 校内での専門性向上に対する取り組みとしては、 「校 内研修会」「授業研究会」「校内セミナー」等がある。ま. このことによって、特別支援学校はそれぞれの「地域. た、地域への支援活動である「親子ムーブメント」 「サマー. 支援機能」を持ち「地域の特別支援教育センターとして. フレンド」は、地域の関係機関との連携事業ではあるが、. の役割」を担い、地域の学校との連携・協働が進められ. この事業を実践することをとおして教員の専門性が高ま. るようになった。. ることも期待されるものである。特に、「親子ムーブメ. しかし、通常の学級に在籍する支援を必要とする児. ント」は実技を交えて教員の研修の機会となっている。. 童生徒は、特別支援学校に在籍する児童生徒の教育的. また、平成26年度は、大学の特別支援教育講座の大. ニーズとは異なっていることが多い。文部科学省の調査. 学院の春季講義を本校を会場として全6講座を開催し. (H24.12)によると、通常の小・中学校の普通学級に在. た。このことをとおして、大学の講座の教員の専門分野. 籍している児童生徒の内、約 6.5%あまりが学校生活や. を附属の教員が学ぶよい機会となり、また、大学の先生. 学習活動に何らかに配慮を必要としている ( 軽度発達障. 方と連携する契機となった校内研究もある。. 害を含む ) という結果が出ている。 この 6.5% の子どもたちは、学習は他の子どもたちと. (2)地域の学校等への専門性向上への貢献. 同様に理解し、学習活動に参加できるが、様々な状況へ. 本校では、開校以来、障害児教育において地域の先導. の適応や人との関係作りに課題を持ち、学習活動そのも. 的役割を果たしてきた。附属学校として研究を推進し、 教育デザイン研究 第6号(2015年1月) 47.

(2) 附属特別支援学校の役割. その成果を全国に発信する「公開セミナー」の開催や、. して、特別支援教育の大切さを児童生徒から学ぶことが. 地域の教員に対して「公開研修会」や「教育相談」の実. できたという感想が多く寄せられる。このような体験を. 施等、本校が培ってきた子どもの捉え方や、指導方法等. とおして、将来、通常学級の教員として教壇に立った際、. について広く地域に還元する取り組みを行っている。. 支援を必要とする児童生徒の「困り感」を敏感に感じる. また、本校の教育実践の特色である、「個別教育計画. 教員になって欲しいと願う。特別支援教育について「無. に基づく教育」「教科中心の教育課程」「ムーブメント教. 関心」から「関心」を持ち、「理解」につながる教員が. 育」の3点については、折に触れて地域の学校に紹介し. 増えていくことであろう。. ている。その結果として、教材教具や検査器具の貸し出. 学生は、毎回、レポートを記入し、全員で各自の感想. しを希望する学校や本校の教育実践をまとめた冊子の問. 等をシェアする会を実施している。各自の考えを出し合. い合わせで本校に来校する地域の教員が多くなった。こ. い、全員で共有することをとおして、特別支援教育への. のように、本校の教育実践を伝えることから、地域の特 別支援教育に貢献していることも多々ある。. 「関心」に近づいていると思われる。 ある学生のレポートには、次のような内容の記載が あった。『高等部の生徒は、自ら指示をあおいだり、わ. (3)教員養成機能への寄与. からないことや疑問があれば積極的に聞くことができて. ~学生の特別支援教育の理解の推進~. おり、とても感心した。私自身が高校生だった頃を思い. 本校は附属学校として年間を通して多くの学生を受け. 出すと全くできていなかったと思う。こういった自主性. 入れ、体験・実習の場を提供している。「教育実習」「介. や積極性を養うことは一般校であっても特別支援学校で. 護等体験」「教育実地研究」「特別支援教育特講」等は、. あってもとても必要なことだと感じた。この2日間で私. 将来、教員を目指す学生に特別支援学校の教育活動を実. は特別支援学校を今までは別の目で見ていたことにとて. 際に体験することを通して支援が必要な児童生徒の理解. も恥ずかしい思いをした。』. と対応を知るよい機会となっている。 特に、「介護等体験」は、教員免許状の取得に際し義. 以上、特別支援学校が地域の特別支援教育のセンター. 務づけられているものであるが、本学学生の特別支援学. 的機能を充実させるための附属特別支援学校の役割につ. 校における体験(2日間)を本校において受け入れてい. いて、その現状と課題を教員の専門性の向上の視点から. る。平成 25 年度は 164 名の学生を受け入れた。学生. 述べた。. は、小学部・中学部・高等部のいずれかに配属され、そ. 今後、神奈川県内の特別支援学校では、経験を積み重. れぞれの授業に参加する。また、学部行事にも参加する. ねたベテラン教員が大量に定年退職を迎えるという。そ. 機会を提供している。日常の授業に参加するとともに行. のことからも教員の人材育成は喫緊の課題になってい. 事に参加することで、基礎的な教科学習が児童生徒の自. る。本校は、教員養成に係る大学の附属学校として、ま. 立と社会参加につながっていることを実体験する機会に. た、学内唯一の特別支援学校としてもその使命の重さを. もなっている。. 感じる。本校内の教員の専門性を更に高めることが県内. 多くの学生にとって、特別支援学校とそこで学ぶ児童. の各地域教育界への貢献につながり、また、相互に交流. 生徒との出会いは新鮮な体験である。2日間の体験を通. や連携を通して、更に本校も専門性の向上を図りたい。. 48.

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