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音楽聴(Musikhoren)の概念を生かした音楽鑑賞教育の研究

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Academic year: 2021

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(1)音楽聴(Musikhδren)の概念を生かした音楽鑑賞教育の研究. 教科・領域教育学専攻 芸術系コース〈音楽〉. M08196H 石原孝一. 1.動機と目的  本研究は、r音楽に何を聴くか」r音楽をどう.  そこで、本論では、「音楽に何を聴く」、「音楽. 聴くか」という音楽鑑賞教育の問題の解決のた. をどう聴くか」という音楽鑑賞教育の問題の解. めに、〈音楽聴〉(Mus趾hδren)の概念を生か. 決のために、く音楽聴〉の概念を生かした音楽鑑. した音楽鑑賞教育の研究を行い、〈音楽聴〉の概. 賞教育の研究を行う。. 念を生かした音楽鑑賞の授業を提案することを 目的とするものである。. 2.論文構成.  鑑賞とは、マーセル(J.L.Murce■)が「音楽. はじめに. への動機付けの源泉であり、音楽教育の目的は、. 第1章 音楽聴の概念. よりよい、より深い鑑賞によって達成しうる。」.  第1節 ハンスリックの美的享受論. と述べているように、音楽学習の中核であり、.  第2節 聴体験の構造. 音楽科教育においてきわめて重要な活動といえ.  第3節 音楽聴. る。その鑑賞が学校現場で停滞し、中教審の報.  第4節音楽の理解. 告においてr鑑賞が不十分」との指摘を受けて. 第2章 音楽鑑賞における音楽聴の有効性. いる。その原因は、「音楽の何を聴かせればいい. 第1節 現代の聴体験における問題点. のか分からない」、「音楽をどう聴かせればいい. 第2節 現代の聴体験における. のか分からない」という、鑑賞教育の難しさに.        音楽聴の有効性. ある。このような状況を打破するため、音楽鑑. 第3節 音楽鑑賞教育の問題点と. 賞教育に〈音楽聴〉の概念を生かすことが有効.        音楽聴の有効性. ではないかと考えた。. 第4節. 〈音楽聴〉とは、ドイツの音楽学者リーマン (H.Riemann)が提唱したもので、「音楽の理解に. これからの音楽鑑賞教育に.     おける音楽聴の有効性. 第3章 音楽聴の概念を生かした. 基づいた、精神の働きによる能動的、創造的な.         鑑賞授業の構想. 音楽の聴き方」という「音楽の聴き方」の概念.  第1節  音楽に何を聴くか. である。国安は〈音楽聴〉について、「感動を引.  第2節  音楽をどう聴くか. き起こす音楽の秘密が、音楽の構造を理解する.  第3節  鑑賞授業の構想. ことにより解き明かされ、音楽をより深く聴く. 第4章 授業の実践と検証. ことができる」と述べている。.  第1節  授業実施の概要. 一380一.

(2)  第2節. 鑑賞教材について. 育においてもく音楽聴〉が有効であることを明.  第3節. 学習指導案. らかにした。最後に、これからの音楽鑑賞教育.  第4節. 授業の検証. における〈音楽聴〉の有効性を新学習指導要領 との関連から探った。その結果、新学習指導要. おわりに. 領の内容と、〈音楽聴〉の概念に共通点が多くあ. ることを確認し、これからの音楽鑑賞教育にお. 3.論文の概要  第1章ではく音楽聴〉の概念について明らか. ける〈音楽聴〉の有効性が明らかになった。. にした。.  最初に〈音楽聴〉の先駆的見解がみられる、.  第3章では、〈音楽聴〉の概念を生かした鑑賞. ハンスリックの美的享受論についてまとめた。. 授業の構想を示した。. 次に聴体験についてその深化の系列を構造化し.  最初に音楽鑑賞教育の重要なポイントである. た、国安洋の「聴体験の構造」についてまとめ. 「音楽に何を聴くか」、「音楽をどう聴くか」に. た。さらに、〈音楽聴〉について、リーマンの見. ついて〈音楽聴〉の視点からまとめた。「音楽に. 解を小林秀雄の見解との比較を通して考察し、. 何を聴くか」については、r構造を聴く」こと、. リーマン以降の学者の見解も考察する中から、. そして、「構造の中からく創始者のリアリティー〉. 音楽聴の特徴を明らかにした。そして、〈音楽聴〉. を洞察する」ことを挙げて考察した。次に、「音. にとって重要なr音楽の理解」にっいてまとめ、. 楽をどう聴くか」については、「想像力で聴く」、. 最後に〈音楽聴〉の概念を次のように定義した。. そして「理解に基づいて聴く」ことを挙げて考.  〈音楽聴〉とは…  、. 察した。最後に、研究の成果を生かした鑑賞授. 「(構造の)理解に基づいた、精神(想像力)の働き. 業の構想図を示した。. による、能動的・創造的な音楽の聴き方」  第4章では、鑑賞の授業実践と検証を行った。  第2章では、音楽鑑賞教育における〈音楽聴〉.  最初に授業実施の概要を述べ、次に、鑑賞教. の有効性について明らかにした。. 材であるヴィヴアルディ作曲の『四季』につい.  最初に現代の聴体験における問題点として、. ての文献研究及び楽曲分析を行い、授業の要点. 木間英子の論をもとに、r肝心な耳が閉じてい. を抽出した。そして、学習指導案を示し、授業. る」こと、「1つしか耳をもっていない」という. の検証を行った。. ことを明らかにし、現代の聴体験における/音 楽聴〉の有効性についてまとめた。その中から、. 4.今後の課題. 〈音楽聴〉は芸術音楽だけではなく現代の様々.  今後の課題として、①〈音楽聴〉の概念につ. な音楽に対応できる聴き方であり、〈音楽聴〉の. いてより深く掘り下げること、②教材として西. 聴き方を学ぶことにより、多様な聴き方のでき. 洋音楽だけでなく、日本伝統音楽や諸外国の音. るr柔軟で弾力性のある開かれた耳」を育成で. 楽を取り入れた授業づくりを行うこと、③実践. きることを明らかにした。. が高学年のみであったので低・中学年にも実践.  次に音楽鑑賞教育における問題点とく音楽聴〉. を広げること、の3点を挙げた。. の有効性について、児童のアンケートや鑑賞の. 授業実践事例などをもとに考察し、音楽鑑賞教. 一381. 主任指導教員 草野次郎.

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