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古典に親しむ態度を育成する指導の研究 : 「狂言」を教材とした授業づくりを通して

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Academic year: 2021

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(1)古典に親しむ態度を育成する指導の研究 一「狂言」を教材とした授業づくりを通して一                         教育実践高度化専攻                      小学校教員養成特別コース.                        P09085E 畠山 知子 である「狂言」を教材とした授業づくりを行う。. 1 本研究の概要  平成20年に告示された学習指導要領(以下新. 具体的には,「附子」を教材として古典に親しむ. 学習指導要領という)では,「生きる力」の育成. 態度を育成するための方法に焦点をあてて授業. を目指して伝統文化に関する教育が重視された。. づくりの検討を行う。. これを受けて国語科においては「我が国の言語文. 2 研究報告書の構成 間題の所在と研究の目的. 化を享受し,継承・発展させる態度」の育成を目.  序章. 指して従来の3領域に加えて「伝統的な言語文化. 第1章 小学校における古典指導の意義. と国語の特質に関する事項」が新設された。. 第2章. 古典に親しむ態度を育成する指導.  ここでいうr伝統的な言語文化」とは,「我が. 第3章. r狂言」を教材とした単元構成. 第4章. 「附子」を教材とした授業実践. 最終草. が高い言語そのものや言語生活 さらには 古代. 研究の成果と課題. 3 研究の成果 芸術や芸能などを幅広く指している」である。.  本研究は,「狂言」の鑑賞活動や音読活動,唯.  とりわけ,高学年においては,r生涯にわたっ. 言」の言葉で作文幸書く活動を取り入れることで, 「狂言」に親しむ子どもの育成を目指す。. て古典に親しむ態度を育成する」ことを目的とし. て古文や漢文などのいわゆる古典について指導. ■単元名 狂言を楽しもう. することが言及されている。. ■対象 兵庫県播磨町立播磨西小学校.  しかし,長年にわたる中学校の古典指導の実態.  第6学年2組28名(男子15名,女子13名). について財津(2009)は,「古語の壁,現代生活. ■期間 平成23年9月15目∼9月30目. との隔たりのために語釈に終始し,生徒にとって. ■教材  「附子」(光村2000). わくわく感から遠いものになっている」と指摘し. ■単元目標. ている。つまり,生徒は外国語に等しい古語を理. ◎日本の伝統文化である「狂言」に興味・関心を. 解するのが困難であるため,古典教材に魅力を感.  持とうとしている。(関心・意欲・態度). じられなくなっているのである。そして,現在各. O「狂言」の言葉の独特な言い回しやリズムのお. 小学校において子どもの発達段階を考慮し,古語.  もしろさを感じながら,音読することができる。. の困難さという課題を克服しつつ子どもたちが.  (読むこと・伝統的言語文化). 魅力を感じるような古典の指導や教材化の試み. ○現代とは違う言葉遣いや言い回しに気づき,. が始まっている。.  「狂言」の言葉を使って文を作ることができる。.  そこで,本研究では小学校において古典に親し.  (書くこと). む子どもを育成するために,日本伝統芸能の一つ. ■授業の流れ. 一144一.

(2) 第一次 知る. 第二次触れる 第三次使う.  ’狂言に興味を.  ’独特の言い回しや  ’独特の言い回し.   もつ.   リズムの      を楽しむ.   r街勝教材.   おもしろさ      ‘現κとぽ.  絵本の.   を感じる     逆ラ茅婁”.  最み〃か甘.  c旨鯛勤      炊ク出L.  「狂言」の言葉で作文する活動によって,古語の. 意味や使い方への理解が深まり,古語への関心や 学習意欲が高まるという効果が見られた。. ②古語で表現する喜びを生む  自分の思いや想像したことを楽しく表現する 作文が多数見られたことから,作文活動は想像を 膨らませ,「狂言」の言葉で表現する楽しさを生. r狂言」に ついて知ろう (1時間). r狂1』独特ω. r狂言」ω官業. み出し,活・動への関心を高めるという点で効果が. 言い回しやリズムを. を使って遊ぼ. 見られた。. 感じよう{1傍間〕. うい時間). ③遊びの要素が学習意欲を高める.  第一次では,白本の伝統文化であるr狂言」を.  書く活動のゲーム性を含んだ遊びの要素が,活. 知り,鑑賞することで,「狂言」に対して興味や. 動を楽しいものとし,子どもたちの古語への抵抗. 関心を持つことを目標とした。. 感や書く活動への苦手意識を軽減し,学習意欲を.  第二次では,音読活動によって「狂言」の独特. 高めるという点で効果が見られた。. の言い回しやリズムのおもしろさを感じること.  一方で次のような課題も残った。. (1)第二次「狂言」の表現のよさを感じる音読. を目標とした。.  第三次では,現代とは違う言葉を取り出し,簡.  活動の工夫の必要性. 単な文を作ることによって,「狂言」の独特の言.  第二次では,「狂言」の言い回しの特徴にまで. い回しを楽しむことを目標とした。. 気づかせる音読活動を十分に行うことができな.  また,「附子」を教材とした研究授業から,「狂. かった。今後は今の言葉遣いと比較して,「狂言」. 言」に対する関心・興味を高め,「狂言」に親し. の言い回しの特徴について,意見を交流し「狂言」. みをもたせるための以下の手がかりが得られた。. の言葉への気づきを促がす働きかけが必要であ. (1)本物の「狂言」の舞台を鑑賞する意義. ると感じた。.  DVDで本物の「狂言」の舞台を鑑賞すること. (2)交流の場の設定の必要性. で,子どもたちは狂言師の伝統の技を感じ,狂言.  全体的に意見を交流する場が不足していた。特. のよさを実感することができた。. に,作文活動において多様な表現を生み出すため. (2)「知る・触れる」の導入の効果. には,友だちと交流する場の設定が必要である。.  子どもたちの実態に応じて,スライドで「狂言」. 4 今後の課題. を知る活動や絵本の読み聞かせ活動,DVDによ.  以上の課題を踏まえて,「附子」以外の題材や. る「狂言」鑑賞活動を取り入れるといった導入の. 他の伝統芸能を教材とした授業開発を行う。. 工夫が,子どもたちの古語への抵抗感を軽減させ,. 5 主な引用及ぴ参考文献. 教材の内容に興味を持たせるという点で有効で. 財津伸子「楽しく和歌を読む」『国語教育No.71』. あることが分かった。. 明治図書,2009年,pp.80・83。等. (3)書く活動を位置づけた効果 ①古語への理解を深める.            修学指導教員 初田隆            指導教員   初田隆. 一145一.

(3)

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