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子どもたちの人間関係を築く班活動-ウェッビング法を用いた活動を通して-

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Academic year: 2021

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(1)子どもたちの人間関係を簗く班活動一ウェッビング法を用いた活動を通して一                    教育実践高度化専攻 小学校教員養成特別コース.                              学籍番号 M07340J                              氏  名   松浦 加奈 1.研究報告者の構成. 自分の考えを発表したり,質問したりできない子.  本研究では,ウェッビング法を効果的に用いる. どもも参加できていたと思われる。このことから,. ことによって,班活動を活性化し,子どもたちの. ウェッビング法を効果的に用いて,子どもたちの. 人間関係がより良くなるのではないかという考. 話し合い活動を豊かなものにするための方法を. えをもとに進めた。. 考えていきたいと思い,研究テーマとして設定し た。. ウェ ツ ビング法 人 間. 学. 関. 習. (2)研宛の対象と方法. 対 象:三木市立三樹小学校 5年1組の児童. 班構成=6人X1班,5人×4班 (計26名) 教科・領域=総合的な学習の時間 (1コマ). 係. 方  法:. 人間関係を築く班活動.  話し合い活動で完成したウェブマップと事.  ウェッビング法を,人間関係と学習の2つの観. 前・事後のアンケートを中心に,どのような活動. 点で分析し,子どもたちにもたらすと考えられる. であったかを分析する。活動を通して人間関係は. ウェッビング法の効果を明らかにした上で,より. 変化したか,発言回数に偏りはなかったかなどの. 望ましい班活動の姿を考えていった。. 視点で分析していき,ウェッビング法の効果を明. 2.研究の優要. らかにする。. 3.研究の成果. (1)研究の同的.  ウェブマップを班員で作り上げていく活動を.  ウェッビング法を用いた班活動に期待できる. 通して,学びとしての効果だけでなく,友だちの. 効果を,連携協力校での実践データをもとに検証. 新たな一面に気付く機会をつくるといった効果. していく。そのために,認知心理学(第1章),. が表れることが期待できると考えた。. PM理論,学級風土,モデリング理論(第2章).  これは,実地研究I・1Iでの子どもたちの授業. の文献にあたり,以下の3点を見出した。. 中の様子がきっかけとなっている。筆者は,授業. (1)知識習得のメカニズムとウェッビング法. 中に積極的に発表する子どもとそうでない子ど.  一見,ウェッどシグ法はイメージを膨らませる. もがいるということに問題意識を持っていた。そ. 際などに用いられる,特別な手法であるかのよう. のため,子どもたち全員が積極的に参加できる授. に感じるかもしれない。しかし,認知心理学にお. 業づくりを考え,班活動を取り入れることを試み. いて,ウェッビング法は知識を習得するメカニズ. た。いくつかの活動パターンを取り入れてきたが,. ムと同様のものであるとされている。「知識の構. 子どもたちの反応が一番良かったのが,「鉛筆会. 造は,意味的に関連する情報同士が結びっけられ. 議」であった。「鉛筆会議」とは,ウェッビング. たネットワーク構造をなしている」(森)と考え. 法を用いた話し合い活動であり,班員全員でウェ. られている。そして,新しく知識を獲得する際に. ブマップを広げていくといった内容である。活動. は,r学習者がすでにもっている知識と照合し,. の様子から,子どもたちは他の手法を用いた班活. 理解し,取り入れる」(森)といった作業が行わ. 動よりも積極的に取り組み,学級のなかで進んで. れている。. 一534_.

(2)  すなわち,ウェブマップを作るという作業は,. り合わせが達成できたことになる。. 作業者白身の知識構造を書き記していくことで.  ②については,活動内の発言回数を計測したと. あり,完成するマップは作業者によって異なって. ころ,回数の偏りはほとんどなかった。その上,. くる。その「個と個の差異のすり合わせを通して」. 総合的な学習の時間,社会科を苦手とする子ども. 学びは達成されるのである(佐藤)一①。. や担任がみたr日頃発言の少ない子ども」,r支援 が必要な子ども」の発言回数も特に少ないことは.  授業中の学級全体に向けた発表では,どうして. なく,ある班ではr日頃発言の少ない子ども」が. も「いい意見を言おう」,「間違えると恥ずかしい」. 1番発言していたという結果も得られた。これは,. というような心理が働きやすい。したがって,筆. 発言に対する抵抗感や教科の苦手意識が軽減し. 者が実地研究で感じていたような発表者の偏り. た結果であると考えられる。. が生じてしまう。ウェッビング法では,単語をつ.  ③については,班の「まとめ役」,「教えてくれ. なげていく単純作業であるため,発言に対する低. る子ども」などの質問項目を参考に検証した。班. 抗感が緩和され,学習の習熟度も気にせずに全員. おける人間関係を矢印で記し(側1子どもA→. で取り組むことができると考えられる一②。発言. 子どもB),前後で比較したところ,初めは矢印. しやすい雰囲気をつくり,子どもたちの間で考え. の向きがバラバラだったのが活動後には一人に. を認め合い学び合う関係ができれば,以下で述べ. 集中したり,事前調査では評価されていなかった. る学習意欲の向上にも発展することになる。. 子どもが活動後にみんなから評価されたりする という変化がみられた。人聞関係が固定化されや.  森は,r学級でのコミュニケーションが豊かに. すい学級において,このような活動は,友だちの. なれば,子どもたちは互いに啓発しあい共感しあ. 活躍に気付き,認め,新たな関係を築いていくこ. い,そのことを通して各人の個性や学力はさらに. とに有効に働く。そして,その気付きは刺激とな. 豊かに磨かれる」と述べている。一斉授業に比べ,. り,自己の学習の動機づけにもなる。. 班活動では仲間とのやりとりが多くなる。また,.  ウェッビング法を用いた班活動は,学習能力の. ウェッビング法によって,友だちの言葉と自分の. 差を気にすることなく,子どもたちが主体的に学. 言葉がつながっていく様子が可視化されるため,. ぶきっかけを与えるものとして有効である。この. マップ上でもコミュニケーションが行われてい. 活動は,教師が子どもたちにr人間関係を形成す. くことになる。友だちの知識構造を知ることや,. る力」を育成するために取り入れるものとしても,. 活動の様子を近くで見ることなどを通して,友だ. 効果が期待できるものである。. ちが学習への動機づけのモデルとなる一③。. 4.主な引用・参考文献.  以上の3点から,ウェッビング法は班活動を進. ○鹿毛雅治(編)『学ぶこと・教えること一学校. める手法の一つとして,有効的な役割を果たすこ.  教育の心理学』金子書房,1997。. とが考えられる。実際に収集したデータ(ウェブ. ○關清和『ウェッビング法一子どもと創造する教. マップ,事前・事後のアンケート)と3点を照ら.  材研究法一』明治図書,2002。. し合わせると以下のような結果が得られた。. ○多鹿秀継(編)『認知心理学からみた授業過程.  事後アンケートの「なるほどと思った言葉」を.  の理解』北大路書房,1999。. 間う項目では,単語で友だちが発言した言葉を書. ○中谷素之(編)『学ぶ意欲を育てる人間関係づ. いている回答が多かったが,数人は言葉と言葉の.  くり 動機づけの教育心理学』金子書房,2007。. 関係を示していた。これは,自分の知識構造では 繋がらなかった言葉が,友だちの発言を機につな がったといえる。このやりとりは,①の差異のす. 一535一. 主任指導教員  初日ヨ隆.

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