• 検索結果がありません。

Because+命令文の時間に関する調査

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "Because+命令文の時間に関する調査"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

Ⅰ はじめに

本稿は,米国 Saginaw Valley State University に 年度交換教授として滞在期間中に行った,be-cause+命令文の時間に関する調査結果の報告であ る。本稿で扱う because+命令文とは,⑴のような もので,because 内に理由を表す statement を伴わな いものである。)この種の because+命令文の他の例 や,解釈に関しては,富山( )を参照されたい。

⑴…We also know that she put up a struggle but we know she didn’t harm the person because look at her hands. The only thing on her hands is her own blood and the only thing under her finger-nails is her own blood.(Death of a Dream P. )) Ⅱ 目的 本調査の目的は,because 内に現れた命令文が, 発話時よりも未来に行われる行動を求めることがで きるのか否かを明らかにすることである。未来の時 間の動作を示せない命令文としては,日本語の畳語 形の命令文を挙げられる。例えば,「乗った乗った」 のような畳語形で発せられた命令は,動作実行のタ イミングで発せられるので,未来の時間を指定する 「明日」と共起させると「*明日そのバスに乗った 乗った」のように不自然な文となる(井上( : ))。) Ⅲ 調査方法 小説からの抜粋である⑴の下線部と,⑴に基づき 作成した⑵⑶⑷の下線部に対して,英語話者がどの ような評価をするかを調査した。⑵⑶⑷には,発話 時 の 時 を 表 す right now,未 来 の 時 を 表 す tomor-row,時の副詞節 when you meet her がそれぞれ付 加されている。

⑵…We also know that she put up a struggle but we know she didn’t harm the person, because look at her hands right now.

⑶…We also know that she put up a struggle but we know she didn’t harm the person, because look at her hands tomorrow.

⑷…We also know that she put up a struggle but we know she didn’t harm the person, because look at her hands when you meet her.

インフォーマントは,Saginaw Valley State Uni-versity において 年度の秋学期に開講された,JA-PAN (Elementary Japanese I),JAPAN

(In-Because+命令文の時間に関する調査

富 山 晴 仁

A Research of Time Relating to Because+Imperative Constructions

Haruhito T

OMIYAMA

ABSTRACT

This paper reports on a survey of because+imperative constructions. The survey was conducted at Saginaw Valley State University, USA, in the fall semester, .The result shows that because +imperative constructions do not refer to future time but only refer to present time, which is simul-taneous with speech time.

KEYWORDS: Because+imperative constructions, future time, present time

四国大学紀要, : − ,

Bull. Shikoku Univ. : − ,

研究ノート

(2)

⑴ ⑵⑶⑷ JAPAN 月 日・ 人 月 日・ 人 JAPAN 月 日・ 人 月 日・ 人 JAPAN 月 日・ 人 月 日・ 人 ENGL /MFL 月 日・ 人 月 日・ 人 合計人数 人 人 ⑴ ⑵ ⑶ ⑷ Very Natural Somewhat Natural Very Unnatural ⑴ ⑵ ⑶ ⑷ Very Natural Somewhat Natural Very Unnatural ⑴ ⑵ ⑶ ⑷ Very Natural Somewhat Natural Very Unnatural ⑴ ⑵ ⑶ ⑷ Very Natural Somewhat Natural Very Unnatural ⑴ ⑵ ⑶ ⑷ Very Natural Somewhat Natural Very Unnatural ⑴ ⑵ ⑶ ⑷ Very Natural .% .% .% .% Somewhat Natural .% .% .% .% Very Unnatural .% .% .% .% termediate Japanese I),JAPAN (Japanese

Conver-sation),ENGL /MFL (Japanese Literature in Translation)の受講生の中の英語を母語とする学 生である。)それぞれの授業における調査の実施日 とインフォーマントの数は以下の通りである。 ⑸

イ ン フ ォ ー マ ン ト に は⑴−⑷の 自 然 さ を 判 断 し, つの選択肢 Very Natural,Somewhat Natural, Very Unnatural のいずれかを○で囲んでもらうこと を求めた。 Ⅳ 結果 クラス別の結果は下記の通りである。表内の数は 回答者数である。 ⑹ JAPAN ⑺ JAPAN ⑻ JAPAN ⑼ ENGL /MFL 各クラスから得られた結果を合計したものが⑽で ある。 ⑽ ⑽を割合で表したものが⑾である。構成比は小数 点以下第二位を四捨五入しているため,合計は必ず しも とはならない。 ⑾ Ⅴ 考察 .⑴(原文) ⑴の下線部のような statement の無い because+命 富山晴仁 ― 38 ―

(3)

令文は,非標準的な表現であるものの,小説の中で 使用されていることからその容認度は高いことが予 想できる。今回の調査でも .%が Very Natural だ と判断し,わずか .%( 名)だけが Very Unnatu-ral だと判断する結果となった。⑴は英語話者にと って,十分に容認できる表現だと考えられる。 .⑵ right now ⑴と比較して,Very Natural と評価する割合が .%か ら .%へ と 半 分 以 下 に 落 ち 込 ん だ。 Somewhat Natural においては, .%から約倍の .%へと上昇した。 .%であった Very Unnatural は .%となった。このように全体的に容認度が下 がる方向へ移行した結果となったが,依然として約 割が Very Natural と判断し,Very Unnatural と評 価した割合も約 %に留まっている。これらのこと から,発話時の時間を示す right now を付加して も,⑴のような because+命令文は英語話者に容認 されると考えることができる。 .⑶ tomorrow 未来の副詞 tomorrow を付加した文が⑴⑵⑶⑷の 中で最も容認度を落とす結果となった。Very Natural との評価はわずか .%で,Somewhat Natural と合 わせた場 合 で も 約 分 の の .%で あ る。Very Unnatural の割合が .%であることから,この未 来の時間の tomorrow を付加した場合の because+命 令文は容認されないと考えられる。この結果は,発 話時の時間を表す right now を付加した場合と顕著 な違いを示している。

.⑷ when you meet her

⑷の when you meet her も,原文と比較して容認 度を落としている。Very Natural と Very Unnatural に関しては right now に次ぐ割合,Very Unnatural に関しては tomorrow に次ぐ割合を示している。つ まり when you meet her の付加は,right now の場 合よりは悪く,tomorrow の場合よりは良いと言え る。興味深いのは, .%が Very Natural と判断し ている一方,同じく .%が Very Unnatural と評価 している点である。Somewhat Natural が 割弱の .%であることも踏まえると,何らかの理由で容 認度の判断が難しい文であったのかもしれない。 Ⅵ まとめと今後の課題 以上のように,right now を付加した文は容認度 が比較的高く,tomorrow を付加した文は容認度が 低いという結果が得られた。今回の調査結果に限っ て言えば,because+命令文は,発話時点での行為 の遂行を求める 表 現 で あ る と 考 え る こ と が で き る。)この見通しが正しいか否かは,より精査した 文を複数提示して調査を行っていく必要がある。)

また,when you meet her の付加した文の評価が分 かれたことに対しては,引き続き考察を重ねてい く。

参考文献

Takahashi, Hidemitsu( )A Cognitive Linguistic Analy-sis of the English Imperative : With Special Reference to Japanese Imperatives, Amsterdam/ Philadelphia : John Benjamins Publishing Company.

Verstraete, Jean-Christophe( )“Two Types of Coordi-nation in Clause Combining,” Lingua : − . 井上優( )「発話における『タイミング考慮』と『矛 盾考慮』―命令文・依頼文を例に―」『国立国語研究 所研究報告集』 , − ,秀英出版 富山晴仁( )「Because 節内に現れる様々な命令文 について」『日本英文学会第 回大会 Proceedings( 年度支部大会 Proceedings)』 − ,日本英文学会 *今回の調査に快く協力してくださった,Saginaw Val-ley State University の Department of Modern Foreign Language に所属する Monika Dix 教授に心より感謝の意 を表します。

)理由を表す statement が現れている because+命令文 とは下記のようなものを指す。下線部分が理由の state-ment に相当する。

I only made US$ in the whole year, and even like the next two years, I was just like getting by, be-cause don’t forget that our expenses are very high. (Verstraete : )

Because+命令文の時間に関する調査

(4)

...my only view is that, er, the reason is that, by the time it saw the light of day, because remember, the manuscript was in the, the manuscript was physically in the possession of the Bullitt family not the Freud family.(Takahashi : )

)Paul LaRosa and Erin Moriarty, ,Pocket Star, New York. )井上( )は,「現在動作実行のタイミングにあ る」ことを前提にして発せられる命令文を「タイミン グ考慮」の命令文として分類している。 )この つの授業は全て,今回の調査に協力してくだ さった Monika Dix 教授が担当されている授業であ る。 )井上( )の「タイミング考慮」に該当すると言 える。 )今回の調査の後,ある英語話者に同じ⑴−⑷の文を 見せたところ,フォーマルな文体である主節に,口語 表現である because look at her hands が後接している のは不自然であるとのコメントを得た(その英語話者 の判断では,⑴∼⑷はそれぞれ,⑴Somewhat Natural, ⑵Very Natural,⑶Very Unnatural,⑷Very Unnatural であった)。今後の調査では because+命令文が非標準 の表現であることを踏まえて,提示する文を作成する 必要がある。

富山晴仁

参照

関連したドキュメント

バックスイングの小さい ことはミートの不安がある からで初心者の時には小さ い。その構えもスマッシュ

世界的流行である以上、何をもって感染終息と判断するのか、現時点では予測がつかないと思われます。時限的、特例的措置とされても、かなりの長期間にわたり

自閉症の人達は、「~かもしれ ない 」という予測を立てて行動 することが難しく、これから起 こる事も予測出来ず 不安で混乱

本論文での分析は、叙述関係の Subject であれば、 Predicate に対して分配される ことが可能というものである。そして o

層の積年の思いがここに表出しているようにも思われる︒日本の東アジア大国コンサート構想は︑

以上の基準を仮に想定し得るが︑おそらくこの基準によっても︑小売市場事件は合憲と考えることができよう︒

自然言語というのは、生得 な文法 があるということです。 生まれつき に、人 に わっている 力を って乳幼児が獲得できる言語だという え です。 語の それ自 も、 から

□ ゼミに関することですが、ゼ ミシンポの説明ではプレゼ ンの練習を主にするとのこ とで、教授もプレゼンの練習