• 検索結果がありません。

まえがき

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "まえがき"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

まえがき

著者

山田 紀彦

権利

Copyrights 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア

経済研究所 / Institute of Developing

Economies, Japan External Trade Organization

(IDE-JETRO) http://www.ide.go.jp

シリーズタイトル

研究双書

シリーズ番号

621

雑誌名

独裁体制における議会と正当性 : 中国、ラオス、

ベトナム、カンボジア

ページ

i-ii

発行年

2015

出版者

日本貿易振興機構アジア経済研究所

URL

http://hdl.handle.net/2344/00011128

(2)

ま え が き

 本書はアジア経済研究所において2013年度から 2 年にわたり実施された 「一党支配体制下の議会:中国,ベトナム,ラオス,カンボジアの事例から」 研究会の最終成果である。 1 年目の成果(山田紀彦編「一党支配体制下の議 会:中国,ベトナム,ラオス,カンボジアの事例から」調査研究報告書)をふま えて本書は, 4 カ国の独裁体制が議会を通じてどのように正当性を維持・獲 得し,体制の持続を図っているかを考察している。  近年の比較政治学では議会,選挙,政党等の民主的制度が独裁体制の維持 にどのような役割を果たしているのか,そのメカニズムの解明に関心が集ま り,すでに多くの研究成果が生み出されている。そこでのおもな関心は独裁 者がいかに民主的制度を活用しながら明示的 / 潜在的脅威を緩和するかであ る。  しかし本研究会では先行研究の知見を継承しながらも,これまでとは異な るアプローチを採用した。ひとつは,独裁者が直面する重要課題として正当 性の維持・獲得(国民の支持獲得)に着目したことである。独裁者が長期に かつ安定して体制を維持するには,体制への脅威緩和とともに,正当性を維 持し幅広い国民の支持獲得が不可欠となる。そして本書がとりあげる 4 カ国 では,議会が正当性の維持・獲得に重要な役割を果たしつつある。しかしこ れまでの権威主義体制研究は,独裁者の課題を体制内外の脅威緩和にほぼ限 定し,民主的制度もその解決手段として理解してきた。言い換えれば,独裁 者が直面する課題が多様であることが十分理解されてこなかったのである。  そしてもうひとつは,中国,ラオス,ベトナム,カンボジアという異なる サブカテゴリーに属する独裁体制の比較分析を行うために, 4 カ国を党と国 家が融合した独裁体制ととらえ直したことである。先行研究の多くは競争的

(3)

ii 体制(カンボジア)でも閉鎖的体制(中国,ラオス,ベトナム)でも,制度は 同様の機能を果たすとの前提をおいていた。それゆえに,体制分類の鍵であ った複数政党制と競争的選挙の有無という政治制度上のちがいは,制度の機 能分析過程ではあたかもないものとされてきたのである。それでは各国の独 自性はもとより,独裁者の課題や政治体制の種類によって民主的制度の機能 にちがいが生じることは理解できない。そこで本書では 4 カ国を党と国家が 融合した独裁体制ととらえ直すことで,サブカテゴリーの異なる独裁体制を 比較の俎上に載せ,政党数や競争的選挙の有無といった政治制度上のちがい を説明変数として扱うことを可能にした。  本書は何も正当性が独裁者の唯一の課題であり,党と国家が融合する体制 という視点が唯一正しいと主張するのではない。上述のアプローチを採用す るねらいは,体制維持と議会の関係は脅威の緩和だけでなく別の視点からも とらえることができ,議会機能やそれがもつ意味もその国の制度や政治的背 景によって多様なことを示すことにある。本書が独裁体制の理解に少しでも 貢献し,権威主義体制研究の発展に資すれば幸いである。  最後に,本書をとりまとめるうえでご協力いただいた方々にお礼を申しあ げたい。本書のすべての章は内容の一部を現地調査に依拠しており,各国の 政府関係機関からは多大なご協力をいただいた。心からお礼申し上げたい。 また研究会運営や出版においては,研究所管理部門や編集スタッフにご尽力 いただき,オブザーバーとして参加くださった坂田正三,山岡加奈子,青木 まき(以上アジア経済研究所)の各氏からは多くの有益なコメントをいただ いた。これらの方々にも改めて感謝の意を表したい。 2015年 8 月 編者 山田紀彦

参照

関連したドキュメント

存在が軽視されてきたことについては、さまざまな理由が考えられる。何よりも『君主論』に彼の名は全く登場しない。もう一つ

当初申請時において計画されている(又は基準年度より後の年度において既に実施さ

❸今年も『エコノフォーラム 21』第 23 号が発行されました。つまり 23 年 間の長きにわって、みなさん方の多く

本稿で取り上げる関西社会経済研究所の自治 体評価では、 以上のような観点を踏まえて評価 を試みている。 関西社会経済研究所は、 年

 本研究では,「IT 勉強会カレンダー」に登録さ れ,2008 年度から 2013 年度の 6 年間に開催され たイベント

次に、 (4)の既設の施設に対する考え方でございますが、大きく2つに分かれておりま

スマートグリッドにつきましては国内外でさまざまな議論がなされてお りますが,

従いまして、本来は当社が責任を持って担うべき業務ではあり