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李賀詩研究 : 竹を詠じた詩を中心として(二〇一〇年度卒業論文要旨集)

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Academic year: 2021

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(1)Title. 李賀詩研究 : 竹を詠じた詩を中心として(二〇一〇年度卒業論文要旨集). Author(s). 小田, 健太. Citation. 札幌国語研究, 16: 32-32. Issue Date. 2011. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/2575. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 李賀詩研究 − 竹を詠じた詩を中心として − 漢文学研究室 七四二六 小田 健太. 杜甫諸研究. に多くの影響を与える。杜甫もまた、しばしば雨を眺め、雨に. 雨は、風と同じく人々の生活に身近なものであるため、人々. 漢文学研究室 七四七三 富山 航平. − 雨を詠じた詩を中心として −. て、特に竹に着目して考察したものである。研究方法として、. 思いを寄せては詩作を重ね、雨が詩題に現れるものだけでも四. 本研究は、中唐の詩人、李賀 ︵七九一∼八一七︶ の詩につい まずは李賀詩の竹の用例を摘出し、それが意味するところの相. か。本研究では、この点に着目し、第一章では、仕官期、成都. 十五首に上る。杜甫は、雨にどのような感情を託したのだろう. 期、愛川期、晩年期の四期に分けた杜甫の生涯に即しながら、. メージと比較し、李賀の詠じた竹の特徴を探った。 李賀詩の竹は大きく分けて四つに分類できる。一つ日は ﹁詠. 第二章では、雨を表す語を中心に、それぞれ考察を試みた。. 違によって分類した。さらに唐代以前の詩賦における竹のイ. 物の対象としての ︵竹︶﹂ である。季賀は大朝斉代に始まった. 第一章の四期のうち、成都期では杜甫の個人的な、日常生活. 詠竹詩の伝統を継承しながらも、竹でできた冠を貴顕の者に献 上したいと泳い、仕官への望みを表現していた。二つ目は﹁女. の詠じ方を広げ、雨の強弱や場所の違い、時間の流れまでを、. に即した両の憂いや喜びを書きとめ、嚢州期では、雨そのもの. それぞれ措き分けている点に、なみなみならぬ力が注がれてい. 性描写にまつわる︵竹﹀﹂ である。ここでは竹にまつわる貞節. た。. の固さのイメージを利用しながら、男性と離別している女性の にもそれが見えた。三つ目は﹁故郷昌谷にまつわる︵竹︶﹂で、. 悲哀や嘆きと対比させていた。服飾表現の一種である﹁竹葉﹂. 第二章では、取り上げた﹁喜雨﹂﹁夜雨﹂﹁細雨﹂ のすべてが. せる恵みを象徴する一面だけでなく、戦乱を洗い清めることを. 春の雨であり、杜甫にとって、春の雨には、穀物を豊かに実ら. 李賀は竹に望郷の念を仮託しており、﹁竹根﹂という言葉にも それがうかがえた。四つ自は﹁李賀の不遇感と︵竹︶﹂である。. 期待したり、平穏な生活のイメージを付随させたりするような、. 例えば竹を素材とする鞭には、科挙に登第できない不遇な状況 を託していた。このように、李賀の竹にはいくつかの側面が認. 従来の詩人には措かれなかった描写があることがわかった。. りと示されているのである。. 姿勢は、一見区別しにくい雨を多様に詠じ分けた点に、はっき. 杜詩の特質である、日常を見つめ続け、それを詩に詠み込む. められたが、それらは竹の詩に限らず、李賀詩全体の看過でき の不可欠さ、また竹に仮託したイメージの豊富さを物語ってい. ない重要なテーマとも重なる。このことは、李賀諸における竹 るのだ。. 32.

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