カンタータ第
215
番<汝の幸をたたえよ、恵まれしザクセン>
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研 究
片 岡 啓 一
は じ め に 今回の研究は、前回の研究(カンタータ第12番(泣き、嘆き、憂い、怯え) (第2曲)と(ミサ 曲ロ短調一十字架につけられ一) (第 17曲)の転用関係についての研究 徳島大学総合科学部 人 聞社会文化研究 第10巻 pp.145-152 2003) に続くもので、 (ミサ曲ロ短調) (BWV232) の転 用に関する研究の3回目のものである。 私は前回の研究において、 (ミサ曲ロ短調〉の中でも最も注目すべき部分、即ち同曲の第17曲 ( (ニケア信経)の(十字架につけられ) (Crucifixus)) を、その原曲として 1714年に作曲され たカンタータ第12番(泣き、嘆き、憂い、怯え) (BWV12) と比較し、その転用関係について考察 した。即ち私は、両曲の対応関係を、小節数、シャコンヌの周期とその音型、調性、伴奏楽器の種類 とその使用方法、歌詞の内容とその配置、楽曲構成の推移等、極力具体的な事実関係をよりどころと しつつ考察を行ってみたわけであるが、そのことによって私は、バッハ (J.S.Bach 1685・1750) がミ サ曲の編曲に際していかに真剣に原曲の中身を検討し、普遍的で深みのある作品に仕上げていったか を実感として認識することができた。 今回の研究も同様の研究の系列の一部分を形成するものであり、バッハの編曲についての理解を深 めるために行われるものであるが、私は、 (ミサ曲ロ短調〉の原曲との転用関係の認識を深めるため の研究対象作品として、今回どの曲を選べばよいかいろいろと悩んだ。私自身の過去の研究として、 i (ミサ曲ロ短調) (BWV232) 研究-象徴的表現の視座を基盤とする問題点の所在に関する概観 的考察一 J (徳島大学総合科学部 人 間 社 会 文 化 研 究 第5巻 pp.153・169 1998) があり、同研究 のpp.164-166で、私は(ミサ曲ロ短調〉の転用関係を集約的に記述したのだが、私はその部分に繰 り返し目を通しながら、どの曲に研究の焦点をしぼるべきかしばらくの間迷い続けたυ 原曲の成立年 代、歌詞のみが残っていて音楽作品が消失してしまっているケース、原由が教会カンタータであるか それとも世俗カンタータであるか等、いろいろのことが気になったが、思い悩んだ、末に、前曲は原由 が教会カンタータであったので、今回は原曲が世俗カンタータで、しかも歌詞と共に音楽作品も残っ ているものを研究してみたいという気持に段々と傾いていった。 (ミサ曲ロ短調〉の原曲が世俗カンタータである例は、同曲の3つの部分(第 7曲、第 18曲、第 23曲(とその反復部分の第 25曲))に認められるれそのうち音楽作品が歌詞と共に現存しているの は残念ながら 1曲だけで、その原曲が今回の研究対象作品である(汝の幸をたたえよ、恵まれしザクセ ン) (BWV215) ということなのである。 1)ただ同曲は、世俗カンタータの(国父なる王よ、万歳) 円 δ n w u(& lebe der Konig, der Vater im Lande) (BWV An h. 11) (ザクセン選帝侯フリードリッヒ・ アウゲスト 1世 (F.August 1 1670・1733)の聖名祝日の祝賀のためのカンタータ)の第1曲目が最 初の原曲であり、同作品は歌詞のみが残存し、音楽作品は消失している。そしてそれが(汝の幸を一) の第1曲に転用され、さらに(ミサ曲ロ短調)の第23曲(とその反復部分の第25曲)の(いと高き ところにオザンナ) (Osanna in excelsis) に転用された。今回の研究では、 (ミサ由ロ短調〉と
ω
転用関係については触れず、まず(汝の幸を・ー〉の全曲の象徴的表現について調べてみることにする が、ただ、 個父なる王よ・・・〉と(汝の幸を・・・)との歌詞の対応関係についても吟味してみたいと思う。 第 一 章 世 俗 カ ン タ ー タ 〈 国 父 な る 王 よ 、 万 歳 ) ( B W V An h. 11 ) に お け る 第 1曲 の 歌 詞 と 世 俗 カ ン タ ー タ 〈 汝 の 幸 を た た え よ 、 恵 ま れ し ザ ク セ ン ) (BWV215) に お け る 第1由 の 歌 詞 の 対 応 関 係 に つ い て 「はじめに」の部分でも指摘したように、今回の研究の主目的は、 (ミサ曲口短調〉の(いと高き ところにオザンナ〉の原由である(汝の幸をたたえよ、恵まれしザクセン)の作品全体にわたってそ の象徴的表現方法を研究することであるが、同由の第1曲は、更にその原由となっていてその歌詞の みが残存している(国父なる王よ、万歳〉の第1曲が存在していることがわかっているハそのような ことからここでは、一応参考までに最初に両曲の歌詞のすべてとその日本語訳を紹介し、その後で両 曲の第1曲の歌詞の対応関係を吟味してみたいと思う仁 〈 国 父 な る 王 よ 、 万 歳 ) の 原 歌 詞 と そ の 訳2) Es lebe der Konig, der Vater im Lande Landes-Liebe, Landes-Gluckseligkeit, und Landes-Fursehung. (国父なる王よ、万歳。) (国の愛、国の幸、国の加護。) Ch orus. Es lebe der Konig, der Valer im Lande, Der weise, der milde, der tapfer Aug us t ! Er ist unser Schmuck und Ruhm, Er isl unser Eigenthum, Er ist Selbst dcs I-limmels Lust,Dcr weise, der milde, der tapfer AuguSl! Da Capo. 合 唱
賢明で温和で勇敢なるアウグストよ! 彼は、我らが輝きであり、誉れである 彼は、我らが主(あるじ)である。 彼は、天が欲するそのものである。 賢明で温和で勇敢なるアウグストよ! ダ・カーポ Recitativ August, unsterblicher August, Wo ist einLand
An Ruh und Segen, Heil und Lust,
Wie Sachsen, so bekannt ?
Wer ist wie Du? Wer ist dir Gleich? Durch Dich allein Mus Land und Reich. ln dem Besitz der fetten Jahre seyn. Wer siehet einem Untherthan N ot h oder Kummer an'? Wir sind beschutzt, wir sind ernahrt,
Und jauchtzen im Genus der Gaben, Die Deine Vater-Huld gewahrt :
Hier wohnet die Befriedigung, Weil wir an Dir ja alles haben! レ チ タ テ ィ ー ヴ ォ アウグストよ、永遠のアウグストよ、 彼の国では、安らぎと祝福、幸福と快楽があるυ ザクセンはどれほどまでに有名なのであろうか。 王はザクセジそのものなのだろうかh 王によってこそ、この国は実り豊かな恵みを伴って治められている。 誰が一体国民の苦しみや悲しみを思いやるというのだろうか。 我らは保護され、生計の糧を保証され、諸々の贈り物をいただいて、王をたたえるのだl 王から賜わったものは、国民の父としての王の愛をよく示している。 この国には平和があるけ 我らは、王によりですべてが満たされているのだ。 A r i a
Lobt, ihr Volker, unsre Wonne,
Habet Lust an unsrer Lust!
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Sagt : Gesegnet sind die Sachsen ; Aber sagt auch: dieses Wachsen Giebt uns unsrer Herr, August. Da Capo. ア リ ア 万歳、王の国民よ、 共に喜びを分かち合おう。 「祝されしザクセン」と言おうではないか。 しかも更に、 「我らが王であるアウグストによりてザクセンの栄華はあるのだ。 Jとも言おうではないかい ダ・カーポ Recitativ La n d e s -Li e b e .
Und darum, Herr, versichre Dich S 0 viel Dir Seelen unterthan,
D i e D i r z u Li e b e s i c h
Die Jahre kurzen lassen wohlten,
Das Deine Jahre fur und fur Und sonder Ende wahren sollten Wir hangen stets und gantz an Dir,
Und ob Du gleich seit einer langen Frist Der Zartlichkeit entrissen bist,
So sind wir dennoch deiner Spur Mit Beten und Verlangen
In wahrem Geiste nachgesangen , Dein Hetze fuhlet es,
Dis Vater-Hertze frege nur!
レ チ タ テ ィ ー ボ 国 の 愛 そしてそれゆえに主よ、王を護りたまえ。 多 ぐ の 魂 は 王 に 仕 え 、 王 も 又 多 く の 人 々 の 心 を 打 つ 。 人々は王より愛されている。 時 の 流 れ は 早 く 過 ぎ 去 る が 、 王 の 時 は 国 民 の 時 で あ る 。 そ し て そ の よ う な 時 が い つ ま で も 続 く こ と を 願 う 。 我らは常に王と共にある。 たとえ、王から長い期間にわたって親愛の情が示されない場合でも・・υ
か く し て 我 ら は 、 祈 り と 切 な る 真 心 を 込 め て 王 の 後 に 付 き 従 う 。 王
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心 は 我 ら を 導 き 、 我 ら に 力 強 く 語 り か け て く れ る 。A r i a
Entferne Deine holden Blicke,
Ve r s t e 11 e g 1 e i c h D e i n An g e s i c h t ,
Die Liebe wanckt und weicht doch nicht Sie fn1gt Dir nach, sie schliest Dich ein Und weil sie mus Dein Gleitsmann seyn,
So kommt sie auch mit Dir zurucke Da Capo. ア リ ア 王 の 優 し い ま な ざ し を 遠 く か ら あ お ぎ 、 王 の 顔 を 遠 く か ら み や る 。 王 の 愛 は 不 動 の も の で 、 絶 え る こ と は な く 、 常 に 王 と 共 に あ る 。 そ し て 王 の 愛 は 、 王 よ り 発 し 王 の も と に 帰 っ て く る 。 ダ ・ カ ー ポ Arioso a.2.
Landes-Gluckseligkeit und Landes-Liebe Geneigter Himmel, dem bekannt,
W i e d a s g e t r e u e S a c h s e n -La n d Den Konig, seinen August, schatzet,
Erhore das Gebet, Das fruh und spat An Deinen Thron mit lnnbrunst setzet Mehre, spahre
Seine Jahre,
Das Sein Laut, wie Seine Thaten,
Ub ermen s ch 1 i ch mag g erath en.
ア リ オ ー ソ a.2 . 国 の 幸 と 国 の 愛 幸 多 き 天 は 王 の こ と を よ く 知 っ て い る の そ し て 忠 実 な ザ ク セ ン の 民 は 、 王 で あ る ア ウ グ ス ト を 誇 り に 思 う 。 昔 も 今 も 、 イ ン 地 方3)の 情 熱 を 持 っ て お ら れ る 王 へ の 国 民 の 祈 り が か な え ら れ ま す よ う にυ 王の時をより一層大切にしよう。 王 の 進 む 道 は 、 王 の み 業 と 共 に 誠 に す ば ら し い も の で あ る 。
A
r i a. Die Landes-Liebe 司 t n ﹃ dFrommes Schicksal, wenn ich frage,
Ob das Wachsthum froher Tage Meines Konigs ferner da?
Ach so sage, sage : Ja! Eccho. Ja! Und vor solchem Untergange
Schutz uns machtig, schutz uns lange! Eccho! lange! ア リ ア 国 の 愛 神と共にある運命よ。 さ す れ ば 我 は 、 わ が 王 の 楽 し き 日 の 成 長 が い や 増 し て ゆ く か ど う か を 確 か め る 内 ああ、確かにそうだと繰り返し我は言う。 そ し て 王 よ 、 我 ら を い つ ま で も 滅 ぶ こ と の な き ょ う 力 強 く 守 り た ま え の Recitativ
Lan des -Furs eh un g
Getrost, ihr treuen Unterthanen,
Das ist der Allmachts-Schuls・
Wie August mehr als alle Treftlichkeit D e r H e 1 d e r S e i n e r Ah n e n
In Seine Seele schleust ;
So will der Himmel Seiner Zeit,
Die er schon hier selbst gottlich preist,
D e r s e 1 b e n J a h r e Zi e 1 Zusammen ubergeben,
Getrost! Er wird der Zeit zum Wender leben. レ チ タ テ ィ ー ヴ ォ 国 の 加 護 王の忠実なる国民よ、自信を持とう。 そのこと自体がすべてを可能にする。 ア ウ グ ス ト は 何 に も ま し て 偉 大 で あ り 、 そ の 魂 は 彼 の 祖 先 か ら 受 け 継 が れ た 。 かくして天は王の時代たらんとする。 王は神の如く称賛される。 王のみ心は神の時に委ねられる。 自信を持とう。 王 は 、 こ れ か ら も ず っ と 驚 く べ き す ば ら し き 時 を 創 っ て ゆ く で あ ろ う 。 A r i a
Ich will Ihn pflegen
Und Seiner Seele freundlich thun. Mein Auge soll Ihn leten,
Mcin Arm so11 vor Ihn streiten,
Auf meinen Handen soll er ruhn. Da Capo ア リ ア 私 は あ な た を 守 り 、 あ な た の た め に 働 き 、 あ な た の 魂 の そ ば に 寄 り 添 お う 。 私の目はあなたを導き、私の腕はあなたのために戦うので、 あ な た は 私 の 両 腕 の 中 で 休 ら う こ と が で き るn ダ ・ カ ー ポ Recitativ. Landes-Glucke. Wohl mir! mein Wohlergehn Wird, wie ein Fels, so unbewegt,
So fest und ewig stehn,
Und wo es moglich ist, sich annoch mehr erhohn. Landes-Liebe
Nun werd ich untersattlich seyn,
Den milden August zu umfassen,
Und keinen Tag voruber lassen,
Ihm Lippen und Hertze zum Wunsche zu weihn
レ チ タ テ ィ ー ヴ ォ 国 の 幸 幸 い な れ 、 わ が 国 ! わ が 国 は 岩 の 如 く 不 動 で あ るU 確 固 た る か た ち で い つ い つ ま で も 栄 え 、 可 能 な 限 り 自 ら が 高 め ら れ ま す よ う に 国 の 愛 今や私は、寛大なるアウグストをいついつまでも王として大切に思い、 王のことを気にかけぬ日はない。 王のみ言葉とみ心、そして王の願いは、本当に神聖なものである。 Aria.
Es lebe der Konig, der Valer im Lande,
Zum Tro s t e, zur Freude, zur Zi erde der Welt,
Und Sein Printz, Sein Salomo Grun und bluhe gleichfalls so,
n
可
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Wie es Seiner, Lust gefallt,
So bleibet noch alles gesegnet im Stande Es lebe der Konig, der Vater im Lande,
Zum Troste, zur Zierde der Welt.
ア リ ア 国父なる王よ、万歳コ 王 は こ の 世 の 慰 め で あ り 、 喜 び で あ り 、 誇 り で あ る わ そ し て 、 ソ ロ モ ン 王 の よ う に 賢 明 な 王 子 も 、 王 と 同 様 、 心 優 し ぐ 立 派 で あ る 。 王は王子を心より愛している。 すべては祝福されているのだ。 国 父 な る 王 よ 、 万 歳 。 王 は こ の 世 の 慰 め で あ り 、 誇 り で あ る 。 〈 汝 の 幸 を た た え よ 、 恵 ま れ し ザ ク セ ン 〉 の 原 歌 詞 と そ の 訳4)
Preise dein 01ucke, gesegnetes Sachsen
(汝の幸をたたえよ、恵まれしザクセン。
Chor
Preise dein Glucke, gesegnetes Sachsen,
Weil Oott den Thron deines Konigs erhalt Flohliches Land,
Danke dem Himmel und kusse die Hand,
Die deine Wohlfahrt noch taglich last wachsen Und deine Burger in Sichenheit stellt.
合 唱 汝 の 幸 を た た え よ 、 恵 ま れ し ザ ク セ ンυ し か ら ば 神 は 、 そ の 王 権 を お 守 り ぐ だ さ る j 国 の 繁 栄 を 天 に 感 謝 し 、 神 の み 手 に 接 吻 せ よυ 天 は 汝 の 幸 を 日 々 い や ま し て く だ さ り 、 そ の 国 の 民 を し っ か り と 守 っ て く だ さ る リ Recitativ (T)
Wie konnen wir, grosmachtigster August, Die unvcrfalschten Triebe
Von uns'rer Ehrfurcht, Treu und Liebe Dir anders als mit groster Lust Zu deinen Fusen legen '?
Fliest nicht durch deine Vaterhand Auf un s rer Lan d
Mit reichen Stromen zu '?
Und trifft nicht uns're Hoffnung ein,
Wir wurden noch zu uns'rer Ruh In deiner Huld, in deinem Wesen
Des grosen Vaters Bild und seine Taten lesen?
レ チ タ テ ィ ー ヴ ォ ( テ ノ ー ル ) 我 ら は 、 最 強 の ア ウ グ ス ト が 何 を 望 ん で い る か を 本 当 の 意 味 に お い て ど の よ う な か た ち で 知ることができるだろうかり し か ら ば 、 我 ら の 王 に 対 す る 畏 れ と 忠 実 と 愛 こ そ を 王 は 最 も 強 ぐ 望 ん で い る の で は な い だ ろうか。 天 の 恵 み で あ る 我 ら が 国 の 王 の み 手 に よ っ て 、 国 は 豊 か に な る の で は な い だ ろ う かυ そ し て 、 た と え 我 ら の 望 み が 達 せ ら れ な く と も 、 偉 大 な る 王 の み 姿 と 行 い に 基 づ い た そ の 恵 み と 本 質 に 対 し て 、 心 か ら の 安 ら ぎ を 覚 え る で あ ろ う 。 Arie (T)
Freilich trotzt Augustus' Name,
ein so edler Gotter Same,
Und die Burger Provinzen Solcher tugendhaften Prinzen Leben in der guld'nen Zeit ア リ ア ( テ ノ ー ル ) 確 か に 、 か く も 高 貴 な る 神 々 の 子 孫 で あ る ア ウ グ ス ト の 名 前 は 、 世 俗 の あ ら ゆ る 力 と は 無 関 係 で あ る け れ ど も 、 こ の よ う な 徳 の 高 い 王 子 の 国 民 は 輝 か し い 時 代 に 生 き て い る の で あ る。 Recitativ (B) 5)
Was hat dich sonst, Sarmatien, bewegen,
Das du fur deiner Konigsthron Den Sachsischen Piast,
Des grosen August wurd' gen Sohn,
Hast allen andern vorgezogen?
Nicht nur der Glanz durchlauchter Ahnen,
Nicht seiner Lander Macht.
Nein! sondern seiner Tugend Pracht Ris aller deiner Untertanen
Und so verschied'ner Volker Sinn Mehr ihr allein,
Als seines Stammcs Glanz und angeerbten Schein, - 101
-Fusfallig anzubeten hin. Zwar Neid und Eifersuft,
Die leider! oft das Gold der Kronen
Noch weniger als Blei und Eisen schonen, Sind noch ergrimmt auf dich, 0 groser Konig,
Und haben deinem Wohl geflucht.
ledoch ihr Fluch verwandelt sich in Segen, Und ihre Wut
1st wahrlich viel zu wenig,
Ei n Gl uck e, das auf Fel s en ruh t,
1m mind'sten zu bewegen. レ チ タ テ ィ ー ヴ ォ ( パ ス ) 何 が ザ ル マ ー タ の 民6)である汝の心を動かしたのか。 汝 の 国 の 王 座 や ザ ク セ ン の 貨 幣 7)や 偉 大 で 尊 敬 す べ き 息 子 の ア ウ グ ス ト の た め に こ そ 、 す べてのことは行われたのではないだろうか。 王 の 思 い が 込 め ら れ た 輝 き も 、 王 の 治 め る 国 々 の 力 も 、 王 の 徳 も 偉 大 さ も 、 そ れ ら す べ て は結局国民のためにあるのだ。 そ し て 先 組 よ り 伝 え ら れ た 王 の 血 族 的 栄 光 よ り も 、 諸 国 民 の 心 そ の も の の 方 が 大 切 に さ れ るのだ。 残 念 で は あ る が 、 確 か に 我 々 は 嫉 妬 心 や 猪 疑 心 が あ っ て 、 王 冠 の 黄 金 が 銅 や 鉄 よ り も 賀 沢 に 扱 わ れ て い る こ と に よ っ て 、 偉 大 な る 王 に 腹 を 立 て て 王 の 幸 を の ろ う こ と も あ る け しかしながらそのような国民ののろいは、殆どすべて王への祝福へと変化するに 国の民と共に穏やかに安らぐ王の幸いは、殆ど不動のものであるり Arie (B) 8)
Rase nur, verweg'ner Schwarm,
In dein eig'nes Eingeweide! Was ch e n ur den frech en Arm Voller Wut,
ln unschld'gner Bruder Blut,
Uns zum Abscheu, dir zum Leide,
Weil das Gift
Un d der Grimm v 0 n dein em Nei de
Dich mehr als Augustum trifft! ア リ ア ( パ ス )
向こう見ずな者共よ、 心の底より怒ってみよ。
怒りに満ちて腕を振り回してみよ" 確 か に 不 遜 な 者 共 は 、 王 を 嫌 っ た り 、 王 に 苦 し め ら れ た り す る こ と も あ ろ う 。 彼 ら の 怒 り や 嫉 妬 は 、 も と も と ア ウ グ ス ト 王 の せ い で は な い の で 、 結 局 の と こ ろ そ の よ う な気持は王に敵対する者共自身にはねかえってくるのだ。 Recitativ (S) J a, J a !
Gott ist uns noch mit seiner Hilfe nah,
Und schutzt Augustus' Thron,
Er mach t, das der g es amt e No rden
Durch seine Konigswahl befriedigt worden. Wird nicht der Ostsee schon
Durch der besiegten Weichsel Mund Augustus' Reich
Zug 1 ei ch
Mit seinen Waffen kund?
Und lasset er nicht jene Stadt,
Die sich so lang ihm widersetzet hat,
Mehr seine Huld als seinen Zorn empfinden? Das macht, ihm ist es eine Lust,
Der Un t ert an en Brus t
Durch Liebe mehr denn Zwang zu binden
レ チ タ テ ィ ー ヴ ォ ( ソ プ ラ ノ ) 確 かに 神は 、ま だ 近く で 我らを助け、アウグス ト の王座 を 護り給 う 。 王 は 、 王 自 身 が 選 出 さ れ る こ と に よ っ て 、 北 方 の す べ て の 国 々 を 満 足 さ せ た 。 も し も バ ル ト 海 が 、 征 服 さ れ た ヴ ィ ス ワ 河9) に 通 じ て い な か っ た ら 、 ア ウ グ ス ト の 国 は 武 器 と 共 に 知 ら れ て い た で あ ろ う か ? あ る い は 、 か く も 長 く 王 に 抵 抗 し て き た あ の 町 に お い て も 、 王 の 怒 り よ り は む し ろ 王 の 恵 み を 感 ず る こ と は な か っ た の だ ろ う か ? 結 局 の と こ ろ 、 国 民 の 心 は 王 に よ る 束 縛 よ り も 王 の 愛 に つ な が り 、 そ れ が 王 の 喜 び と な っ ているのだ。 Arie (S) 10)
Durch die von Eifer entflammeten Waffen Feinde bestrafen
Bringt zwar manchem Etr und Ruhm,
Aber die Bosheit mit Wohltat vergelten,
1st nur der Helden,
-1 s t Aug us t us ' Ei g e n t um
ア リ ア ( ソ プ ラ ノ )
強 く 鼓 舞 さ れ た 武 器 で 敵 は こ ら し め ら れ る け れ ど も 、 民 衆 の 敵 意 に も か か わ ら ず 、 王 は そ の名誉と栄光のもとに多くの恵みを施し、アウグストは真の英雄となる。
Recitativ und Arioso (T, B, S) 11)
レ チ タ テ ィ ー ヴ ォ と ア リ オ ー ソ ( テ ノ ー ル 、 パ ス 、 ソ プ ラ ノ )
[T]
Las doch, 0 teurer Landesvater, zu,
Das unsre Musenschar
Den Tag, der dir so glucklich ist gewesen,
An dem im vorigen Jahr
Sarmatien zum Konig dich erlesen,
ln ihrer unschuldvollen Ruh' Verehren und besingen durfe.
[テノール] お お 、 親 愛 な る 国 民 よ 、 我 ら が 女 神 の 群 れ が 、 大 い な る 幸 い に 包 ま れ し 日 を 与 え る こ と を 認めさせ給え。 か つ て ザ ル マ ー タ の 民 に よ っ て 王 が 選 任 さ れ し 時 、 そ の 王 は 穏 や か な 安 ら ぎ を も っ て 尊 敬 され歌い継がれる。
[
B
]
Zu ciner Zeit,Da alles um uns blitzt und kracht,
J a, da der Fran zen Mach t
(Die doch so vielmal schon gedampfet worden) Von Suden und von Norden
Auch un s erm Vat erl an d mi t S ch wert un d Feur draut,
Kann diese Stadt so glucklich sein, Dich, machtgen Schutzgott uns'rer Linden,
Und zwar dich nicht allein,
Auch dein Gemahl, des Landes Sonne,
Dcr Untertanen Trost und Wonne,
ln Ihrem Schos zu finden
[パス]
あ る 時 、 我 々 を 取 り 巻 く す べ て の も の が 、 ( 昔 よ り 既 に し ば し ば 鎮 圧 さ れ て い た ) フ ラ ン ス の 力 に よ っ て 、 南 や 北 の い た る と こ ろ で 侵 略 を 受 け た と し て も 、 又 、 た と え 我 ら が 祖 国 が 武 器 や 火 に よ っ て 損 害 を 受 け た と し て も 、 結 局 こ の 町 は 大 い な る 幸 い に 恵 ま れ 、 力 強 い
守 護 神 に よ っ て 我 ら が リ ン デ ン 通 り 12) は 安 泰 な の で あ る 。 し か も わ が 国 は 、 い わ ば 夫 婦
と か 太 陽 の よ う な 存 在 で あ っ て 、 多 く の 慰 め と 喜 び が 若 々 し い 息 吹 き と 共 に 国 民 に 与 え ら れるのであるい
[
s
]
Wie sollte sich bei so viel Wohlergeh'n
Der Pindus nicht vergnugt und glucklich seh'n ! [ソプラノ]
こ の 国 に は 多 く の 恵 み が 満 ち て い る か ら こ そ 、 ピ ン ド ゥ ス 13)に は 楽 し み と 幸 い が 少 な か っ
たことがよくわかるのだ。
[
s
、 T,BJHimmel ! las dem Neid zum Trutz Unter solchem Gotterschutz Sich die Wohlfahrt unsrer Zeiten In viel tausend Zweige breiten !
[ソプラノ、テノール、パス]
天 よ 、 こ の よ う な 神 の 恵 み を 感 謝 し て 嫉 妬 心 や 攻 撃 心 を 持 つ こ と の な い よ う に し よ う 。 我 らが時代の幸福は、無数に枝分かれして広がっているのだから。
Chor14)
Stifter der Reiche, Beherrscher der Kronen,
saue den Thron, den Augustus besitzt !
Zi ere s ei n Haus
Mit unverganglichem Wohlergeh'n aus,
Las uns die Lander in Friede bewohnen,
Die er mit Recht und mit Gnade beschutzt ! 合唱 国の富、王の支配、王座等は、すべてアウグストのものである。 王の一族はどうかいついつまでも栄えますように。 我らが国の平和が続きますように。 王は、正義の名において、恵み深くこの国を護ってくださるのだから。 〈 国 父 な る 王 よ 万 歳 〉 の 第 1曲 目 の 歌 詞 と 〈 汝 の 幸 を た た え よ 、 恵 ま れ し ザ ク セ ン 〉 の 第1曲 目 の 歌 詞 の 対 応 関 係 に つ い て 両曲の第 1曲目は共に合唱で、 (国父なる王よー)の方は、夕、・カーポで合唱を最初か ら 途 中 ま で 反 復 す る か た ち に な っ て い る 。 ( 汝 の 幸 を … 〉 の 方 も 、 同 曲 の 楽 譜 やC Dで 確 認できるように同じくダ・カーポで、 IFloliches LandJ の 前 の 歌 詞 の 部 分 の と こ ろ (2 行 自 の 終 り の 部 分 ) で 1曲 目 が 終 結 す る こ と が わ か る 。 即 ち 両 曲 は 共 に 合 唱 で ダ ・ カ ー ポ - 105
一
と い う 同 じ パ タ ー ン で あ り 、 対 応 関 係 か ら 推 測 す れ ば 、 (国父なる王よ…〉の方も、 2行 自の終りの IAug us t ! Jのところで恐らぐ曲は終結していただろうと考えられる。 と こ ろ で 、 両 曲 の 第 1曲 目 の 歌 詞 に お け る 対 応 関 係 に は ど の よ う な 状 況 が 見 て と れ る で あ ろ う か 。 歌 詞 の 作 者 は 、 注 2と注 4で言及したように、 (国父なる王よ・・・〉の方はビカ ンダー(ピカンダーは筆名で、本名はF.ヘンリーツィ。)で、 (汝の幸を…)の方は1.
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.
クラウダーであり、作詞担当はそれぞれ別人であることがわかる。又(国父なる王よ…〉は、 Rアワグスト 1世 (Friedrich August 1 1670-1733 玉としての在位期間は 1697・1733) (ポーランド王アウグスト 2世 ) の 命 名 日 祝 賀 用 作 品 と い う こ と で 、 ア ウ グ ス ト 1世 を 祝 賀したたえる内容になっている。 15)一方、 (汝の幸を・・・)は、新しく王となった F.アウゲ スト 2世 (Friedrich August II 1696・1763) (ポーランド王アウグスト 3世)が、ザク セ ン 選 帝 侯 国 に 属 し て い た ラ イ ブ ツ ィ ヒ を 訪 問 し た 際 に 演 奏 さ れ た も の で ( 1734年 10月 5 日 に 大 学 生 が 主 体 と な っ て 初 演 さ れ た 。 ) 、 そ の 歌 詞 は 、 第 1曲目も、 (第 2曲目以降も す べ て 、 ) ア ウ グ ス ト 2世 を た た え 、 ザ ク セ ン 選 帝 侯 国 の 幸 い と 繁 栄 を 願 う 内 容 に な っ て いる。 16) 歌 詞 の 内 容 か ら す る と 、 ア ウ グ ス ト 1世と 2世 の 違 い は あ る も の の 、 共 に ザ ク セ ン 選 帝 侯 国 の 国 王 で あ っ て 、 そ の 国 王 を た た え 、 同 国 の 幸 い と 繁 栄 を 願 う と い う 点 に お い て は 、 そ の 趣 旨 が 極 め て 類 似 し て い る こ と は 明 白 で あ る 。 た だ 前 述 し た よ う に 、 歌 詞 作 者 は 異 な っ ており、 ( 汝 の 幸 を … ) の ほ う の ク ラ ウ ダ ー は 、 恐 ら く は ( 国 父 な る 王 よ … ) の 作 品 そ の も の も ピ カ ン ダ ー の こ と も よ く 知 っ て い た の で は な い か と 推 測 さ れ る が 、 ク ラ ウ ダ ー 自 身 が 作 詞 す る 際 に は 、 そ れ 程 厳 密 な 意 味 に お け る 歌 詞 の 対 応 関 係 は 意 識 し な か っ た の で は な い か と 思 わ れ る 。 同 曲 の 第 1曲 は 、 確 か に 、 ほ ぼ 同 一 に 近 い 歌 詞 の 分 量 と か 、 合 唱 で ダ ・ カ ー ポ 形 式 と い う 点 で の 共 通 性 と か に お い て は 、 大 ま か な 対 応 関 係 が あ る と は い え る が 、 細 か い 点 に お け る 歌 詞 の 用 い 方 と か 音 節 の 数 と か 韻 の 踏 み 方 等 に な る と 殆 ど 対 応 関 係 は 存 在 し な い と い っ た 印 象 を 受 け る 。 ク ラ ウ ダ ー は そ こ ま で 気 を 使 っ て 歌 詞 作 成 は 行 わ な か っ た し 、 作 曲 者 の バ ッ ハ も 、 そ う い っ た 点 か ら の 歌 詞 内 容 の 修 正 要 求 は ク ラ ウ ダ ー に 対 し て し な か っ た の で は な い か と 考 え ら れ る 。 そ れ は 、 両 曲 の 全 曲 が す べ て 転 用 関 係 に あ る の で はなく、 2曲 目 以 降 の 各 曲 は そ れ ぞ れ ば ら ば ら に 組 み 合 わ せ 作 曲 さ れ て い る こ と か ら も 第 1 曲 目 の 歌 詞 の 対 応 関 係 の み を 厳 密 に 考 え よ う と は し な か っ た の は 、 あ る 意 味 で は で 自 然 な ことであろうu た だ 、 音 楽 自 体 に お け る 第 1曲 目 の 対 応 関 係 は 、 片 方 が 消 失 し て い る か ら 推 測 不 可 能 で あ る が 、 両 者 は 非 常 に 類 似 し て い た 可 能 性 も 相 当 考 え ら れ る つ 第 二 章 〈 汝 の 幸 を た た え よ 、 恵 ま れ し ザ ク セ ン 〉 の 象 徴 的 表 現 に つ い て 以下に、 (汝の幸を…)の各曲を第1曲 目 か ら 順 を 追 っ て 検 討 し 、 そ の 象 徴 的 表 現 が どの よ う な 様 相 を 呈 し て い る か と い う こ と を 基 本 的 な 視 点 と し つ つ 、 逐 次 言 及 し て ゆ き た い と思うが、その前に、まず最初に同作品の全体構成について考えてみたいり 1 . 作 品 の 全 体 構 成 に つ い て こ の 作 品 は 、 全 部 で 9曲よりなっている。 この 9は、 3X :3= 9と い う こ と で 、 神 の 完 全 性 を 表 わ す 3、 あ る い は そ れ を ア ウ グ ス ト 2世 の 幸 せ と 繁 栄 に 直 結 さ せ た 3を2乗するこ とで、 9は 喜 ば し い 気 分 が 増 幅 さ れ る 数 で あ る こ と は 明 白 で あ るu そ し て 、 両 端 の 曲 が 合 唱で、第 2 -第 7曲 は 、 レ チ タ テ ィ ー ヴ ォ と ア リ ア が テ ノ ー ル → パ ス → ソ プ ラ ノ の 順 に 繰 り返され、第 8曲 は 、 ソ プ ラ ノ ・ テ ノ ー ル ・ パ ス の 3重唱レチタティーヴォとなっているの 大 変 良 く バ ラ ン ス の と れ た 構 成 で あ り 、 第 8曲 が 最 終 曲 ( 第 9曲 ) の 高 ま り を 準 備 す る 部 分 に な っ て い て 、 音 構 成 そ の も の に よ る 安 定 感 と 、 ダ イ ナ ミ ッ ク で し か も あ る 程 度 抑 制 も 効いた高揚感の両要素が見事に調整されている。 又全体の調性は、 (1)合 唱 ( ニ 長 調 ← こ の 作 品 の 基 本 的 な 調 性 ) に 始 ま り 、 (2) レチ タティーヴオ→ (3)アリア(ト長調)→ (4)レ チ タ テ ィ ー ヴ ォ → (5 )アリア(イ長調) → (6)レ チ タ テ ィ ー ヴ ォ → (7) ア リ ア ( ロ 短 調 ) → (8) レ チ タ テ ィ ー ヴ オ → (9)合 唱 ( ニ 長 調 ) と い う 風 に 、 関 係 調 を め ぐ っ て 、 第 9曲で第 1曲 と 同 じ ニ 長 調 に 戻 っ て い る こ と が わ か る コ 第2-:3曲、第 4- 5曲 、 第 6- 7曲、第7- 8曲 は 、 そ れ ぞ れ が1組 の ペ ア で あ っ て 、 レ チ タ テ ィ ー ヴ ォ は い ず れ も 調 性 を 特 定 で き な い 感 じ が 強 ぐ 、 不 安 定 で 短 調 的 で あ り 、 ア リ ア の 直 前 に お い て ス ム ー ズ に ア リ ア に つ な つ が て ゆ く よ う な 配 慮 が 施 さ れ て い る こ と が 感 じ ら れ るυ17)調 性 的 構 成 に お い て も バ ッ ハ は す ば ら し い バ ラ ン ス 感 覚 を 発 揮し、 3つ 目 の ア リ ア が 並 行 短 調 ( ロ 短 調 ) と な る こ と ( こ れ は 、 そ の 部 分 の 歌 詞 が フ ラ ン ス 軍 と の 戦 い に 触 れ て い る こ と と 直 結 す る の だ が 、 … 。 ) に よ っ て 、 第9曲 と の 対 比 と クライマックス効果に大きく寄与している。 各 曲 の 拍 子 に つ い て は 、 第 1曲目から順に、 8分の3→4分の 4→4分の4→4分の 4 →8分の9→4分の 4→4分 の2→4分 の4→8分の6拍 子 と な っ て い るυ 第 1曲が8分 の3拍 子 で あ る の は 、 ア ウ グ ス ト 2世 に 対 す る 尊 敬 と 、 同 王 が ポ ー ラ ン ド 王 と な っ て 1周 年 を む か え る 祝 賀 の 気 持 、 同 王 家 の 多 幸 と 繁 栄 を 祈 願 す る 思 い 等 を 相 混 ぜ る か た ち で 、 生 動 的 で 華 麗 な 雰 囲 気 を 出 す た め に こ の 拍 子 が 用 い ら れ た こ と は 明 ら か で あ るυ 又この3は、 神 に よ っ て 王 の 偉 大 さ が 護 ら れ る こ と を 観 念 的 に 指 し 示 し て い る 。 中 間 部 に お い て は4分 の4拍子が圧倒的に多いが、 こ れ は 、 天 と か 神 の 3に 対 し て 、 大 地 や 東 西 南 北 、 ひ い て は 人 聞 の 日 常 生 活 の イ メ ー ジ の 4が つ な が る ( こ の 曲 が 世 俗 カ ン タ ー タ で あ る ) こ と に 、 観 念 的 次 元 に お い て 対 応 し て い る の で は な い か と 考 え ら れ る 。 た だ 第5曲が 8分 の 3拍 子 な の は 、 そ こ で 王 に 敵 対 す る 人 間 と の 戦 い が 歌 詞 と し て 取 り 上 げ ら れ て い る か ら で あ っ て 、 そ の 不 安 で 組 っ ぽ い 雰 囲 気 を 伝 え る た め に バ ッ ハ は8分の 3拍 子 を 用 い た の で あ ろ うQ 従っ て、同じ3拍 子 で も 、 第 1曲 と 第 5曲 で は 逆 の イ メ ー ジ に つ な が っ て く る こ と が わ か る 。 第5曲 は 全 体 の ち ょ う ど 中 央 で も あ り 、 そ こ で 第1曲 と 同 じ 拍 子 を 用 い る と い う 発 想 が バ ッ ハ の 中 に は あ っ た か も し れ な い 。 対 称 的 ( シ ン メ ト リ ッ ク ) 構 造 の 発 想 か ら す る と 、 第 9 - 107
-曲が8分の 3拍 子 に な っ て も 不 思 議 は な い が 、 そ こ を バ ッ ハ は8分の 6拍 子 ( ジ ー グ の リ ズム 18)) と す る こ と に よ っ て 、 若 干 抑 制 の 効 い た 上 品 な 終 り 方 と な っ て い る 。 こ の 曲 は 、 全 曲 演 奏 す る に は 40分 足 ら ず の 時 間 が 必 要 と さ れ る 大 曲 な の で 、 バ ッ ハ は 恐 ら く 、 音 楽 を 聴 く 側 の 王 家 の 人 々 の 肉 体 的 疲 れ の こ と を 配 慮 に 入 れ て 比 較 的 あ っ さ り と し た 終 り 方 を 意 図し、 3拍 子 よ り は 刺 激 が や や 穏 や か な G拍 子 の リ ズ ム を 選 ん だ の で あ ろ う り 更 に は 、 6 と い う 数 字 は 、 天 あ る い は 神 の 世 界 (3 ) と 地 あ る い は 人 間 の 世 界 ( (4) → 2 ) を 掛 け 合わせた数字でもあるので、 ( ア ウ ゲ ス ト 王 家 の 繁 栄 を 神 に 祈 る と い っ た 歌 詞 内 容 に 対 応 し て 、 ) 天 ( 神 )
x
地 ( 人 間 ) の6を 、 バ ッ ハ は 観 念 的 次 元 に お い て 考 え て い た 可 能 性 は 高いと推測される。 演奏における各パート担当としては、 トランペット3, テ ィ ン パ ニ 1、フルート 2、オー ボエ 2、 ヴ ァ イ オ リ ン2、 ソ プ ラ ノ ・ ア ル ト ・ テ ノ ー ル ・ パ ス 各2の 2重 合 唱 、 通 奏 低 音 と い っ た 編 成 が 最 大 規 模 で は 行 わ れ て お り ( 第1曲)、 ト ラ ン ベ ッ ト は 第 1曲 ・ 第9曲 で は 、 祝 賀 ・ 繁 栄 の イ メ ー ジ と 結 び つ き 、 第8由では、戦いのイメージと直結している。又、 第3曲・第 7曲 で は 、 普 通 の オ ー ボ エ で は な く て 、 オ ー ボ エ ・ ダ ・ モ ー レ が 登 場 し て い る が 、 多 分 そ れ は 、 純 音 楽 的 な 効 果 を 求 め て 使 用 さ れ て い る の で あ っ て 、 と り た て て の 象 徴 的な意図は感ぜられない。 小 節 数 に 関 し て は 、 第 1曲 目 が418小 節 と 突 出 し て い て 、 第 2-第9曲は、 16・168・ 28・235・18・144・41・64小 節 と な っ て い る 。 各 曲 に お け る 小 節 数 は ば ら ば ら で 、 全 体 構 成 の 中 で の 数 象 徴 的 意 図 は と り た て て な い の で は な い か と 考 え ら れ 、 む し ろ バ ッ ハ 自 身 の 演 奏 家 と し て の 豊 か な 経 験 に 基 づ い て こ の よ う な 小 節 数 の 配 置 が 施 さ れ た 可 能 性 が 大 き い。 以 上 、 楽 曲 数 ・ 調 性 ・ 拍 子 ・ 楽 器 配 置 ・ 小 節 数 等 の 観 点 か ら 作 品 の 全 体 構 成 に お け る バ ッ ハ の 象 徴 的 表 現 の 意 図 を さ ぐ っ て み た が 、 こ の 作 品 が 世 俗 カ ン タ ー タ と い う こ と も あ っ て 、 教 会 カ ン タ ー タ 等 と 比 べ る と 、 そ れ ほ ど 厳 密 な か た ち で 象 徴 的 表 現 に こ だ わ っ て い る わ け で は な く 、 む し ろ 純 音 楽 的 で 、 音 そ の も の を 楽 し む と い う 視 点 が 重 視 さ れ て お り 、 の び や か な か た ち で 音 楽 が 作 ら れ て い る こ と を 感 じ る 。 勿 論 、 そ の 中 で 若 干 観 念 的 な 意 味 合 い を 含 め た 穏 や か な 象 徴 的 表 現 意 図 も 感 じ ら れ る の で あ る が 、 そ れ は 、 あ く ま で も 純 音 楽 的 な お お ら か な 発 想 の 中 に 包 み 込 ま れ て い る 感 じ が 強 い 。 それでは以下に、 1曲 1曲 に つ い て 、 そ の 中 身 を 象 徴 的 表 現 の 視 点 を 基 本 的 な よ り ど こ ろ としながら検討してみたいと思う。 2. 各 曲 の 分 析 的 検 討 第 1由 最駒初伽…の I 11
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の リ ズ ム が 繰 り 返 さ れ 、 音 楽 は 華 や か で 活 気ド予、ツ
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3小節目から、 2重 合 唱の全声部が「干Pr印eiωse d 山ei川n Gl川凸cke引」 と歌うO この部分のリズムは、導入の器楽部分を踏襲した
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であり、同リズムと旋律は、基本的なテーマ て、同曲全体を貫いているり 47小 節 ま で 、 合 唱 の 全 声 部 が IPreise dein Glucke, gesegnetes Sachsen, weil Gott den Thron deines Konigs erhalt.jと歌い、その後、 47小 節 か ら 合 唱 グ ル ー プA (仮 称 ) が フーガ風に ipreise dein Gluckej を 歌 っ て ゆ く が 、 そ こ で は 、 合 唱 グ ル ー プB (仮称) が す べ て の 声 部 で 同 じ 歌 詞 を 3回 繰 り 返 す 。 そ し て 11小 節 か ら は 、 グ ル ー プ Bがフーガ風、 同Aが逆に 3回反復を担当し、 95小 節 か ら は グ ル ー プAがフーガ風、 104小 節 か ら は グ ル ー プBが フ ー ガ 風 ( こ の 問 、 他 声 部 は 縦 に そ ろ う 歌 い 方 で 歌 っ て ゆ く の ) 、 そ し て 、 117小 節からは、 Iweil den Thron "'erhaltjの 歌 詞 で グ ル ー プA.B
が 全 声 部 で 一 緒 に 歌 うυ 149小 節 で 同 合 唱 が 終 了 し 、 同 小 節 か ら 最 初 の 器 楽 部 分 の み の 音 楽 が 再 現 し 、 そ れ が 181 小 節 ま で 続 く 山 そ し て 182小 節 よ り 、 次 の 対 照 的 な 部 分 、 即 ち 、 i F r o h 1 i c h e s La n d Sicherheit stellt.jま で が 、 合 唱A.B
で 担 当 を 交 代 し つ つ 縦 系 列 で 併 せ る か た ち で 歌 っ て ゆ き 、 最 後 (230-237小節)は、 ideine Wohlfahrt ... Sicherheit stelltj を全声部 で 一 緒 に 歌 っ て 終 結 点 に 至 る 。 た だ し 、 音 楽 そ の も の は 、 そ の 終 結 点 (237小節)で、 Da Capo.の 記 号 に よ り 最 初 に 戻 っ て 、 最 終 的 に は 181小 節 で 第 1曲 は 完 結 す る 。 フ ー ガ 風 の 処理では、 ipreiseJの歌詞が、又曲をはさむ部分の ifrohlichesJの歌詞が、メリスマティッ クな唱法で強調されたり、 8声 部 の 合 唱 パ ー ト が 同 じ 歌 詞 で 歌 う こ と に よ っ て 強 調 さ れ た り 、 同 曲 に は 、 作 曲 技 法 的 ニ ュ ア ン ス に お け る 象 徴 的 表 現 意 図 が な い と は い え な い が 、 む し ろ そ の よ う に 理 解 す る よ り も 、 こ の 第 1曲 は 、 全 曲 の 中 で 最 も 偉 大 で 華 麗 な 部 分 で あ っ て 、 そ れ を あ ら ゆ る 意 味 に お い て49歳 の 円 熟 し た バ ッ ハ が 豊 か な 音 楽 的 経 験 に 基 づ い て 、 あ る 意 味 で は 大 し た 苦 労 も な く 作 曲 を 行 っ た と い う 印 象 を 受 け る 。 又 、 神 の 数 字 と し て の 3に つ な が る 発 想 が 、 音 楽 構 成 へ の 土 台 と し て 、 合 唱 の 反 復 回 数 や 発 展 的 構 成 の 組 み 合 わ せ 方 に も 認 め ら れ る が 、 こ れ ら は 無 理 に 象 徴 的 表 現 に 結 び つ け る よ り は 、 純 音 楽 的 な バ ラ ン ス 感 覚 に よ っ て 作 曲 さ れ た と い う 風 に 理 解 し た 方 が 妥 当 で あ る という感じがする。 そ の よ う な こ と か ら 、 第1曲 目 に お い て こ の 音 楽 を 象 徴 的 表 現 の 視 点 か ら さ ぐ っ て み た 場 合 、 バ ッ ハ 自 身 に は そ の よ う な 意 図 は む し ろ 希 薄 で 、 バ ラ ン ス 感 覚 に 満 ち た 円 熟 し た バ ッ ハ が 、 あ る 意 味 で は 自 然 体 で さ り げ な ぐ 完 成 さ せ た 純 音 楽 的 作 品 で あ り 、 歌 詞 に お け る 王 を た た え る 祝 賀 的 気 分 を 全 体 と し て 見 事 に 表 現 し た も の で あ る と 判 断 す る こ と が で き ょ うυ そ の 中 に 、 象 徴 的 表 現 の 発 想 も 、 特 別 な 意 図 を 持 つ の で は な く 、 極 め て 素 朴 で 自 然 な か た ち で 内 包 さ れ て い る と い う 風 に 考 え た 万 が よ い の で は な か ろ う か 。 第2曲 第2曲 は テ ノ ー ル の レ チ タ テ ィ ー ヴ ォ で 、 強 大 な ア ウ グ ス ト 王 に 臣 民 達 が 畏 敬 の 念 を 持 っ て 心 か ら 忠 節 を 尽 く す と 歌 っ て い る の 通 奏 低 音 パ ー ト の 旋 律 の 動 き を 見 て み る と 、 終 結ω
15--16小 節 で は こ 長 調 に な っ て い る と は い え 、 曲 の 途 中 で は 臨 時 記 号 が 多 用 さ れ て 調 性 が 特 定 し に く い か た ち で 曲 が 推 移 す る 印 象 が 強 い り l ・・ Ih
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L 3し3 ド - 109-( あ る い は そ の 拡 大 形 ) を 柔 和 な 雰 囲 気 で 歌 詞 の 前 後 に 配 置 し て い る 。 こ の モ テ ィ ー フ の リ ズ ム は 、 あ る 種 の 人 間 の 確 固 た る 心 情 を 表 現 す る 時 に バ ッ ハ が 使 用 す る も の の 変 形 で あ る が 、 オ ー ボ エ の 柔 ら か い 響 き と 全 体 の 不 安 定 な 調 性 と が あ い ま っ て ¥ あ る 種 の 不 安 感 を を と も な い つ つ も 、 玉 に 対 す る 忠 節 と 親 愛 の 気 持 ち に は 確 た る も の が あ る と い っ た 複 雑 な 心境が表現されているように感じられる。 第2曲は 16小節と短く、第 3曲のテノール・アリアへの導入的役割を果たしているが、 象 徴 的 表 現 と い う 視 点 か ら す る と 、 オ ー ボ エ の 旋 律 に 見 ら れ る モ テ ィ ー フ の リ ズ ム と 同 楽 器 の 音 色 と 全 体 の 不 安 定 な 調 性 が 融 合 し た 状 況 が そ れ に 該 当 す る と 解 釈 す る こ と は 可 能 で あ ろ う 。 こ の 解 釈 は 、 こ じ つ け 的 な 感 じ は 殆 ど な い と 思 わ れ 、 曲 が 短 く 使 用 楽 器 が 少 な け れ ば 少 な い ほ ど 、 バ ッ ハ の 象 徴 的 表 現 の 意 図 は か え っ て 具 体 的 次 元 に お い て 顕 現 し て く る と い っ た 感 じ が あ る 。 と は い っ て も 、 バ ッ ハ 自 身 の 立 場 か ら す れ ば 、 この第2曲 を 作 曲 す る 場 合 で も 、 豊 か な 作 曲 経 験 に 支 え ら れ て 、 ご く さ り げ な く 書 き 上 げ て し ま っ て い る こ と は い う ま で も な い で あ ろ う か ら 、 後 追 い 研 究 を し て い る 私 自 身 が 、 あ ま り 象 徴 と い う 問 題 にこだわりすぎること自体が、 (研究そのものを無視する立場からすれば、)ある意味こつ けいであるかもしれない。 第 3曲 第 3曲 は 、 第 2曲 を 引 き 継 ぎ つ つ 、 テ ノ ー ル が ダ ・ カ ー ポ ・ ア リ ア を 活 気 の あ る 雰 囲 気 で歌っている。 iFreilich
…
Sterblichkeit.Jまでの歌詞がA、 iUnd…
Ze i t.Jまでの歌 詞がBで、 A→B→Aと歌って終る。 Aが70小節まで、 Bが70-98小 節 と 、 規 模 と し て は 比 較 的 長 大 な ア リ ア で あ る 。 基 本 調 性 は ト 長 調 で あ っ て 、 器 楽 の み に よ る 導 入 部 分 が 12 小節まで続き、その終りの部分ではこ長調に変化しているが、 13小 節 の 歌 詞 が 始 ま る と こ ろ で は 、 再 び も と の ト 長 調 に な っ て い る 。 こ の 導 入 部 分 の 1-2小 節 の オ ー ボ エ ・ ダ ・ モ ーレ
1.n
とヴァイオリン Iの旋律におけるi
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と い う 活 気 あ る 音 型 が 、 同 曲 の 基 本 的 なI
~..い 73γ ソうシド. ....~フすしミレき-\!' ~ モティーフで、 3小 節 か ら は そ の モ テ ィ ー フ が 変 形 ・ 発 展 し ゅ く 状 況 が 認 め ら れ る 。 こ の 器 楽 部 分 で は 、 イ タ リ ア の 協 奏 曲 に お け る 強 弱 の 対 比 の 発 想 も 、 生 き 生 き と し た か た ち で 取 り入れられている。そして、全く同ーのモティーフで、テノールが13小節より iFreilich…J と歌い始める。その際の管弦の伴奏のI
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歌のモティーフと見事に融合してすば 'ドドト
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らしい音楽的効果を かもし出している。 Aの 歌 詞 は 13- 2 6小節、 32-41小節、 42-59小節において計 3回 繰 り 返 さ れ 、 そ の 聞 の 器 楽 部 分 は 導 入 部 分 の 反 復 が 行 わ れ て お り 、 最 初 の 導 入 部 分 を 含 め て 楽 器 の み の 部 分 が4回 反 復 さ れ て い る 。 こ の 70小 節 ま で の Aの部分では、 ト長調を土台 と し つ つ 、 長 調 と 短 調 に よ る 数 種 類 の 調 性 ( ホ 短 調 ・ ニ 調 調 ・ イ 短 調 等 ) を バ ラ ン ス よ く 配 置 し 、 時 々 短 調 に 変 化 す る こ と に よ っ て 、 聴 く 側 の 人 間 を 飽 き さ せ な い 誠 に こ き み よ い 作曲が行われている。 70小節の終りから B の部分に入り、 71小節から iUnd…
Zeit. J の 歌詞が最初ホ短調で歌い出される。 Bの終結の 98小節に至るまで、 Bの歌詞はやはり 3回繰 り 返 さ れ て お り 歌 詞 の 伴 奏 に
│マ刀山刀
1
1
の リ ズ ム モ テ ィ ー フ が 使 用 さ れ て い る の は 、 Aと 同 じ でI '
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ある。 Aは 、 ど ち ら か と い う と 長 調 が 中 心 の 中 に 時 々 短 調 を 混 ぜ る 印 象 が 強 い の に 比 べ て 、 B は 、 短 調 ( ホ 短 調 ・ ロ 短 調 等 ) が 中 心 に な っ て 、 部 分 的 に ほ ん の 少 し 長 調 が 混 ざ る 感 じ が 強 い の も 興 味 深 い 。 そして 98小 節 の と こ ろ で ハ 長 調 で 終 結 し 、 最 初 の Aの ト 長 調 に 戻 る と い う 書 き 方 に な っ て い る 。 こ の 第 3曲 は 、 純 音 楽 的 に み て も 純 粋 に 楽 し め る 極 め て バ ラ ン ス 感 覚 に 富 ん だ す ば ら し い 作 品 で あ る と 思 わ れ るo ,~打1t
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という伴奏とか、It~~Jtl
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歌 詞 の 動 き と 見 ドγララ
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事にマッチして、何ともいえぬ音楽的快感を聴く者に与えてくれる。 lア ウ ゲ ス ト 王 の 名 前 は 、 確 か に 世 俗 の 世 界 と 直 結 は し な い に し て も 、 王 の 民 達 は 、 実 に 輝 か し い 時 代 に 生 を 受 け て い る の だ 。 」 と い っ た 歌 詞 の 内 容 は 、 純 音 楽 的 バ ラ ン ス 感 覚 に 富 ん だ 見 事 な 作 曲 を 通 じ て 、 民 の 喜 び の 心 情 が 極 め て 自 然 な か た ち で 伝 わ っ て く る 。 そ の 中 に 、 メ リ ス マ テ ィ ッ ク な 歌 詞 の 強 調 が 、 I Same J、 I Name J、 Ileben JIguld'nenJ等において行われ、速度を落とすことによる歌詞の強調が、 ISterblichkeitJ、
lin der guld'nen ZeitJ に お い て 行 わ れ て い る 。 あ る い は 、 同 じ 器 楽 伴 奏 が 強 弱 の 対 比 を 伴 っ て ダ イ ナ ミ ッ ク な 効 果 を 出 し た り 、 跳 躍 を 伴 う 活 気 あ る リ ズ ム で ItugendhaftenJ が 強 調 さ れ た り 、 同 じ 歌 詞 を 反 復 す る こ と に よ る Ig副d'n en Jの 強 調 が あ っ た り と い う 風 に 、 象 徴 的 表 現 の 発 想 は 、 純 音 楽 的 効 果 の 中 に 包 摂 さ れ て い る 感 じ が 強 い 。 第4曲 第4曲では、パスがコンティヌオの伴奏のみを伴って、 28小 節 か ら な る 短 い レ チ タ テ ィ ー ヴ ォ を 歌 う 。 歌 詞 の 中 で は 、 当 時 の ザ ク セ ン 王 が 政 治 的 に 平 定 し て い た ポ ー ラ ン ド の 民 の 話 も 登 場 し 、 王 に 対 し て 嫉 妬 や 憤 り を 感 じ て い る 人 々 も い る け れ ど も 、 最 終 的 に は 、 殆 ど の 民 は 王 の 偉 大 さ に 臣 従 す る こ と に な る と い っ た 趣 旨 を 、 全 体 と し て 語 る よ う な 口 調 で 歌 っ て い る 。 調 性 は 不 安 定 で 、 種 々 の 調 ( ホ 短 調 ・ イ 長 調 ・ ニ 長 調 ・ ト 長 調 ・ ロ 長 調 ・ 嬰 へ 短 調 ・ ロ 短 調 等 ) が 次 々 と き め 細 か く 推 移 的 に 使 用 さ れ 、 全 体 と し て 確 た る 音 楽 的 ま と ま り を 見 せ る わ け で も な く 、 最 終 的 に イ 長 調 で 終 結 し て 、 第5曲 の パ ス ・ ア リ ア の イ 長 調 に つ な が っ て い る 。 即 ち 第4曲 は 、 あ く ま で も 第 5曲 の 導 入 の 役 割 を 果 た し て い る と 考 え て も さ し っ か え な い で あ ろ う 。 象 徴 的 表 現 と し て 考 え ら れ る こ と と し て は 、 1つ は 、 強 調 し た い い ろ ん な 単 語 を 高 音 部 に 配 置 し て い る こ と 、 も う 1つ は 、 わ ず か 28小 節 と い う 短 い 曲 に お い て 、 極 め て た く さ ん の 調 性 を 次 か ら 次 へ と 推 移 さ せ る 音 楽 的 不 安 定 性 が 、 領 地 を 統 治 す る 王 の サ イ ド と 支 配 さ れ る 民 の サ イ ド と の 聞 の 複 雑 で 不 安 定 な 状 況 に 対 応 し て い る こ と であろう。 第5曲 第 5曲 で は 、 パ ス が 、 王 に 敵 対 す る 者 達 が 荒 れ 狂 う こ と は あ っ て も 、 そ れ は 敵 対 す る 者 達 自 身 に 問 題 が あ る と い っ た 趣 旨 の 歌 詞 を 歌 っ て い る 。 そ の 、 不 遜 で 荒 々 し く 、 心 の 中 が 穏 や か で な い 人 間 の 、 不 安 で 焦 燥 感 に か ら れ 、 お の の き っ つ 敵 対 心 を 抱 い て い る 状 況 を 、 噌 EA
同 曲 で は 、 ヴ ァ イ オ リ ン と ヴ ィ オ ラ が16分 音 符 の せ わ し な い 連 続 (
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~・・:=F\I
I
"IJjJJJ
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の 反 復 ) の 伴 奏 に よ っ て 、 象 徴 的 に 表 現 し て い る 。 歌 詞 の 趣 旨 に 直 結 J.r".,..!
する irase(怒れ)Jは 、 反 復 さ れ た り 、 メ リ ス マ テ ィ ッ ク な 感 じ で 強 調 さ れ て お り 、 同 様 に iEingeweide(内部)Jも メ リ ス マ テ ィ ッ ク に 強 調 さ れ て い る 。 最 初 の 90小節までは、 1つのまとまりとしてイ長調が基本になっており、その後、 91小節より、 iWasche (洗え)J 以 降 の 新 た な 歌 詞 が 、 伴 奏 が 同 じ 16分 音 符 の 連 続 を 繰 り 返 し な が ら 、 嬰 へ 短 調 → 嬰 ハ 短 調 といった短調的な推移で経過し、 i Abscheu (怒り) J、 iLeide(苦しみ)Jと い っ た 言 葉 が メ リ ス マ テ ィ ッ ク に 強 調 さ れ た り し て い る 。 更 に 、 133小 節 よ り は 、 終 結 部 の 歌 詞 (Weil以 降 ) が ロ 短 調 で 歌 わ れ て ゆ く 。 そ し て 、 調 性 が 不 安 定 に 変 化 し な が ら 、 154小 節 よ り 最 初 の 歌 詞 (Rase...) が イ 長 調 で 再 現 し 、 そ れ が 最 初 の 部 分 の 18小節につながって、 90小 節 で 終 結 す る か た ち に 作 曲 さ れ て い る 。 最 初 の 歌 詞 を 再 現 さ せ て 終 結 す る こ と に よ り 、 王 に 敵 対 す る 者 達 の 心 情 の 一 貫 性 が 巧 み に 表 現 さ れ て い る 感 じ が す る 。 第6曲 ここでは、ソプラノがレチタティーヴォとして登場し、 18小節という短い部分において、 フルート1•
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の 分 散 和 音 的 な2
重 奏 の モ テ ィ ー フ ( ~ヨ h の リ ズ ム の 反 復 ) ト 王 が 神 の ご 加 護 を 得 て 北 方 の 国 々 を 平 定 し 、 そ の 土 地 の 人 々 は 王 の 恵 み と 愛 情 に よ っ て 心 安 ら か と な る と い っ た 表 現 に な っ て お り 、 全 体 と し て 調 性 の 特 定 は で き ず 、 嬰 へ 短 調 に 始 ま り 、 種 々 の 調 ( イ 長 調 ・ ニ 調 調 ・ 嬰 ハ 短 調 ・ ホ 短 調 ・ ロ 短 調 ・ ホ 長 調 ) を き め 細 か く 推 移 し な が ら 、 ロ 短 調 で 終 結 し 、 第7曲のロ短調につながっ.ている。(第6曲 は 、 第7曲 の 導 入 部 の 役 割 を 果 た し て い る 。 ) 同 曲 で は 、 分 散 和 音 風 の フ ル ー ト の2重 奏 的 伴 奏 と 極 め て 不 安 定 な 調 性 の 推 移 が き わ だ っ て い る が 、 そ の 2つ の 要 素 が 融 合 し て 、 歌 詞 に お け る 平 定 さ れ た 民 衆 の 不 安 と 安 堵 感 を 、 柔 和 な 雰 囲 気 で 包 み 込 む か た ち で 作 曲 が 行 わ れ て お り 、 その作曲方法自体が象徴的表現と一体化している。 第7曲 同 曲 で は 、 通 奏 低 音 部 に ヴ ァ イ オ リ ン と ヴ ィ オ ラ が 配 備 さ れ て お り 、 こ の よ う な こ と は 極 めて珍しいケースであろう。フルート 1•n
が、ユニゾンでb I I
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の モ テ ィ ー フ を 奏 し て お り 、 引 ' 巴 に コ │J
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長会;ミレ!ミレ下内
同 モ テ ィ ー フ の 断 片 を 利 用 す る か た ち で 音 楽 が 展 開 し て ゆ く 。 導 入 の 器 楽 の み に よ る 部 分 は ロ 短 調 ( 同 曲 の 基 本 調 性 ) で 始 ま り 、 そ の 後 ホ 短 調 に 推 移 し 、 歌 詞 が 始 ま っ て い る 25小 節 で は ロ 短 調 に 戻 っ て い る 。 こ の 歌 詞 の 始 ま る 部 分 で は 、 最 初 に 紹 介 し た モ テ ィ ー フ で そ の 旋 律 が 始 ま り 、 途 中 で 多 様 な 旋 律 的 展 開 が 認 め ら れ る が 、 基 本 的 モ テ ィ ー フ は 伴 奏 声 部 も 含 め て 随 所 に 登 場 し て い る 。 調 性 は 、 ロ 短 調 → ニ 長 調 → 嬰 へ 短 調 と推移し、 60小 節 で 歌 詞 が rRuhmJ となり一段落している。そして、 60小節より 72小 節 に か け て は 器 楽 の み の 部 分 が 続 きI
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I というリズムのフルート に よ る 下 降 分 散 和 音 と 、 そ の 部 分 的5
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16分 間 の 分 散 和 音 的動 き を 反 復 し た 通 奏 低 音 声 部 が 巧 み に 組 み 合 わ さ れ て い て 興 味 深 い が 、 同 じ モ テ ィ ー フ の 組み合わせは、既に13-15小 節 や 、 歌 い 始 め の フ ル ー ト で も と い う モ テ ィ ー フ が 演 奏 さ れ て い る の で 、 そ う い っ た 要 素 が
同
品
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ここで再現したということであろう。 73小 節 か ら 再 び 新 た な 歌 詞 iaber"'Eigenthum. Jが、 途 中 若 干 の 器 楽 部 分 (85-88小 節 ) を は さ ん で 繰 り 返 さ れ 、 基 本 モ テ ィ ー フ や 下 降 分 散 和 音 的 モ テ ィ ー フ が 土 台 と な っ て 120小 節 ま で 歌 わ れ る 。 そ し て 、 120小 節 の 終 り か ら 始 め の 部 分 の 2小 節 目 に つ な が る か た ち で 最 初 に 戻 っ て 、 歌 詞 が 始 ま る 直 前 の 25小 節 に て 同 曲 は 終 結 す るζ60小 節 の 器 楽 部 分 か ら 、 不 安 定 な 調 性 で 数 小 節 推 移 し た 後 、 ロ 短 調 → 嬰 へ 短 調→ホ短調と推移し、 115小 節 前 後 あ た り か ら ロ 短 調 に な っ て 、 そ の ま ま 同 調 性 に て 終 結 す る と い っ た か た ち を と っ て い る 。 歌 詞 は 、 「 武 器 に よ っ て 民 衆 を 平 定 し た 後 、 王 は そ の 地 の 民 に 多 く の 恵 み を 施 し 、 そ の こ と に よ っ て 、 王 は 真 の 英 雄 と な る 。 」 と 歌 っ て い る が 、 フ ル ー ト の 基 本 モ テ ィ ー フ が 奏 す る ほ ん の 少 し 切 な く て 美 し い 旋 律 は 、 王 の 民 衆 に 対 す る 恵 み の 心 情 の 象 徴 的 表 現 と い う 風 に 理 解 す る こ と が で き ょ う 。 同 モ テ ィ ー フ は 、 こ の 曲 全 体 に 一 貫 し て 用 い ら れ て い る の で 、 バ ッ ハ は こ こ で 王 の 恵 み の 心 情 に 焦 点 を 当 て て 作 曲 を 行ったものと思われる。 iWaffen J ( 武 器 ) と い っ た 言 葉 に 対 し て は 、 バ ッ ハ は 強 調 的 表 現 は 一 切 行 っ て い な い 。 又 、 iFeinde bestrafen J ( 敵 を こ ら し め る ) と い う 歌 詞 に つ い て は 、 メ リ ス マ テ ィ ッ ク な 強 調 は 認 め ら れ る が 、 あ く ま で も 部 分 的 強 調 に と ど ま る と い っ た 感じが強い。 iHeldenJ ( 英 雄 ) を 、 メ リ ス マ テ ィ ッ ク な 方 法 や 反 復 の 方 法 に よ っ て 強 調 したり、 109-120小 節 に か け て は 、 特 に 117-120小節では19)、速度をAdagioにして、 同じ歌詞を更に強調している。 第8曲 同 曲 で は 、 テ ノ ー ル → パ ス → ソ プ ラ ノ の 順 に 、 ア ウ グ ス ト 王 を た た え る 歌 詞 を 歌 っ て ゆ く 。 テ ノ ー ル は イ 長 調 を 基 調 と し て い る が 、 調 は 、 イ 長 調 → ニ 長 調 → ト 長 調 → イ 長 調 → ロ 短 調 と 不 安 定 に 揺 れ 動 き 、 そ れ を ヴ ァ イ オ リ ン と ヴ ィ オ ラ と 通 奏 低 音 が ゆ っ た り と し た 音 符 で 伴 奏 し て い る 。 テ ノ ー ル は 、 「 征 服 さ れ た ザ ル マ ー タ ( ポ ー ラ ン ド ) の 民 も 、 王 に 対 し て 穏 や か な 心 情 で 敬 意 を 払 っ て い る 。 」 と 歌 う 。 9小節からパスがテノールを引き継ぎ、 23小 節 ま で そ の 歌 が 続 い て ゆ く 。 パ ス は 「 フ ラ ン ス に よ っ て ザ ク セ ン の 地 が 打 撃 を 被 る こ と が あ っ て も 、 ザ ク セ ン は そ の よ う な 者 共 を 平 定 し 、 世 の 中 は 安 泰 と な る 。 」 と 歌 い 、 ア ウ グ ス ト 王 の 威 徳 を た た え て い る 。 バ ッ ハ は 、 フ ラ ン ス の 攻 撃 に さ ら さ れ る と い っ た イ メ ー;;合守間用官庁了
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と い っ た 分 散 和 音 的 な 戦 い の モ テ ィ ー フ楽 器 の 伴 奏 と し て 用 い る こ と に よ っ て 象 徴20) 的 な 表 現 を 行 っ て い る が 、 そ れ が11小 節 や 12- 13小 節 で は 、 弦 楽 器 の 速 度 の 早 い 32分 音 符 に よ る 音 階 的 な 動 き と 一 体 と な っ て 、 独 特 な 音 楽 的 効 果 を 醸 し 出 し て い る 。 又 同 じ モ ティーフの断片は、 18-24小 節 に お い て も 5回 程 反 復 使 用 さ れ て い る 。 パ ス の レ チ タ テ ィ ー ヴ ォ で は ニ 長 調 の 調 性 が よ く 用 い ら れ て い る が 、 ニ 長 調 → ト 長 調 → イ 短 調 → ホ 短 調 → ニ 長 調 → イ 長 調 → ニ 長 調 → ト 長 調 と い っ た 風 に 、 極 め て 不 安 定 な 推 移 が 認 め ら れ る 。 そ し て 、 円 ぺ u ' E Aパスを引き継ぐかたちで、ソプラノが、 24-27小 節 に お い て 、 フ ル ー ト と オ ー ボ エ の ゆ っ た り と し た 伴 奏 と 共 に 、 ギ リ シ ャ の 詩 人 で あ る ピ ン ド ゥ ス を 引 き あ い に 出 し つ つ 、 ア ウ グ ス ト王の治めるザクセンの民は、豊かな恵みに満ちていると歌っている。この部分の調性は、 ニ長調からト長調に推移しており、その後、 28小 節 よ り 、 ソ プ ラ ノ → パ ス → テ ノ ー ル と い う順番で3声 部 す べ て に よ る フ ー ガ 風 な 歌 唱 が 始 ま っ て い る 。 こ の フ ー ガ 風 の 部 分 が 39小 節 で 終 結 し て 、 そ の 後 41小 節 ま で 通 奏 低 音 が 響 い て 、 同 曲 は 終 結 し て い る 。 こ こ で は 、 「 ア ウ グ ス ト 王 に よ っ て 幸 い が 保 た れ て い る の だ か ら 、 王 の 民 は 不 平 を 持 た な い よ う に し よ う 。 」 と い っ た 歌 詞 が 歌 わ れ て お り 、 豊 か な 恵 み が 至 る と こ ろ に 浸 透 し て い る と い っ た ニュアンスが伝わってくる。 Itausend Zweige breitenJという歌詞は、 32-33小 節 で メ リ ス マ テ ィ ッ ク な 唱 法 と 3声 部 が 一 緒 に 歌 う 唱 法 を 共 に 用 い る こ と に よ っ て 、 歌 詞 強 調 を行っている。このフーガ風な後半部分では、 ト長調が基本調性として使用されているが、 途 中 で ハ 長 調 や ニ 長 調 も 登 場 し て い る 。 同 部 分 で は 、 通 奏 低 音 以 外 の 楽 器 伴 奏 は 行 わ れ て いないが、 3声 部 の 同 時 歌 唱 に よ っ て 、 あ る 種 の 緊 張 感 と 高 ま り を 感 じ さ せ て ぐ れ る 。 第 8曲 は レ チ タ テ ィ ー ヴ ォ で あ る と は い っ て も 、 終 曲 の 第9曲 の 高 ま り と 一 体 と な る 終 結 的 効果の前半をになっていると考えることができょう。 第 9曲 同 曲 が こ の 作 品 の 終 曲 と な っ て い る わ け で あ る が 、 本 曲 で は 、 ポ リ フ ォ ニ ッ ク な 傾 向 が 殆 ど 認 め ら れ ず 、 一 貫 し て ホ モ フ ォ ニ ッ ク で 楽 し い 雰 囲 気 に 満 た さ れ て い る が 、 一 方 で は 、 若 干 抑 制 の 効 い た 安 定 感 も 併 せ 持 っ た 音 楽 で あ る 。 4小 節 単 位 で 音 楽 が 反 復 さ れ 、 そ の 後 半 で 合 唱 が 加 わ る と い っ た 、 極 め て わ か り や す い 音 楽 的 構 成 と な っ て い る 。 8分の 6拍 子
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は 、 舞 曲 の 雰 囲 気 を 醸 し 出 し て い る が 、 壮 麗 で は あ っ て も 第1曲 程 の 規 模 に も っ て ゆ か な い と こ ろ に 、 バ ッ ハ の 作 曲 家 と し て の 円 熟 が 見 て と れ る 。 即 ち バ ッ ハ は 、 ア ウ グ ス ト 王 家 の 聴 く 側 の 肉 体 的 疲 労 と 演 奏 す る 側 の 同 様 の 疲 労 を 併 せ て 考 え 、 舞 曲 の リ ズ ム で ほ ん の 少 し あ っ さ り と 終 結 し 、 し か も 、 ソ プ ラ ノ ・ ア ル ト ・ テ ノ ー ル ・ パ ス の 4声 部 が 殆 ど 縦 に 並 ぶ か た ち で 、 歌 詞 の 内 容 を 大 変 聴 き 取 り や す く す る こ と に よ り 、 極 め て 賢 明 な 作 曲 を 終 曲 に施している。同曲の歌詞は、 「 王 家 一 族 の 繁 栄 と 王 家 の 民 達 の 幸 が 末 長 く 続 く こ と を 祈 願 す る 。 」 と い っ た 趣 旨 で あ り 、 ダ ・ カ ー ポ で 最 初 に 戻 っ て 、 最 初 の 歌 詞 、 即 ち 、 「すべ て は ア ウ グ ス ト 王 に 帰 属 す る 。 」 と 歌 っ て 、 最 初 か ら 16小 節 目 で 曲 は 終 結 し て い る 。 こ の 終 曲 に お け る 象 徴 的 表 現 と し て 、 特 に と り た て て 指 摘 で き る も の は な く 、 む し ろ 、 純 音 楽 的 な 観 点 に 立 っ て 同 曲 は 作 曲 さ れ た と 考 え る 方 が 自 然 で あ る と 思 わ れ る 。 調 性 は 、 殆 ど の 部 分 が ニ 長 調 で あ る が 、 途 中 で ト 長 調 や イ 長 調 が ほ ん の 少 し 登 場 し た り 、 ダ ・ カ ー ポ の と ころの数小節では嬰へ短調となっているのも、なかなかに興味深い。お わ り に 私は、今回の研究を通じて、 (国父なる王よ、万歳。)の第 1曲 目 の 歌 詞 と ( 汝 の 幸 を た た え よ 、 恵 ま れ し ザ ク セ ン ) の 第 1曲 目 の 歌 詞 の 対 応 関 係 に つ い て は 、 そ れ は 殆 ど 存 在 せ ず 、 後 者 の 第1曲 目 の 歌 詞 を ク ラ ウ ダ ー が 作 詞 す る 時 に 、 彼 自 身 が 前 者 の 第 1曲 目 の 歌 詞 に つ い て の 特 別 な 配 慮 を 示 す 必 要 を 殆 ど 感 じ な か っ た で あ ろ う こ と を 確 認 し たυ 又 、 後 者 の 作 品 に つ い て 、 全 9曲 に わ た っ て そ の 象 徴 的 表 現 が ど の よ う な か た ち で 行 わ れ て い る か に つ い て 調 べ て み た わ け で あ る が 、 こ の 作 品 自 体 が 世 俗 カ ン タ ー タ で あ る こ と も 関 係 し て 、 鰍 密 に あ ら ゆ る 部 分 に わ た っ て 象 徴 的 表 現 意 図 が 感 じ ら れ る と い っ た 印 象 は あ ま り な く 、 む し ろ 基 本 的 な と こ ろ で は 、 バ ッ ハ の 円 熟 し た 作 曲 技 術 が 土 台 と な っ て 、 純 音 楽 的 な 視 点 を 最 優 先 す る か た ち で 作 品 が 音 楽 化 さ れ て い る こ と が わ か っ た 。 た だ 、 作 品 全 体 の 中 に 、 一 方 で は 、 は っ き り と し た 象 徴 的 意 図 が 随 所 に 極 め て 自 然 な か た ち で 溶 け 込 ん で い る 状 況 が 認 め ら れ 、 と り わ け 短 い レ チ タ テ ィ ー ヴ ォ の 部 分 に お い て は 、 そ の よ う な 意 図 が か えって緊密かつ明瞭に感じられたことも事実である。 バ ッ ハ の 世 俗 カ ン タ ー タ の 作 品 に お け る 象 徴 的 表 現 の 発 想 が 、 他 の ど の 作 品 で も 同 様 の 傾 向 を 有 す る か ど う か に つ い て は 、 今 後 の 研 究 を 待 た な い と 確 認 は で き な い け れ ど も 、 象 徴 的 表 現 の 研 究 に お け る 私 自 身 の 視 野 が 、 今 回 の 研 究 を 通 じ て ほ ん の 少 し 広 が っ た こ と に ついては、ある種の喜びを感じている。 注
1) <ミサ曲ロ短調)の第 24曲 ( 神 の 小 羊 、 世 の 罪 を 除 き た も う 主 よ > (Agnus Dei qui tollis peccata
mu n d i ) は 、 そ の 原 由 は 、 昇 天 祭 オ ラ ト ー リ オ ( そ の み 国 に て 神 を ほ め ま つ れ > (Lobet Gott in seinem
Reichen) (BWV 11) の第 4曲 の 転 用 で あ り 、 又 同 曲 は 、 音 楽 が 消 失 し た 4曲 の 世 俗 カ ン タ ー タ に さ か の ぼ る 大 変 複 雑 な ケ ー ス で あ る が 、 こ れ は 昇 天 祭 オ ラ ト ー リ オ を 一 応 教 会 カ ン タ ー タ と 同 系 列 と 考 え 、 と0)曲 に つ い て の 研
究は後にまわすととにしたの
2) < 国 父 な る 王 よ 、 万 歳 〉 に お け る 第 1曲の歌詞については、 iJ.S.Bach Neue Ausgabe Samtlicher
W e r k e S e ri e I . B a n d 3 6 F e s t m u s i k e n f u r d a s k u r f u r s t 1 i c h - s a c h s i s c h e H a u s Kritischer Bericht von Werner Neumann Barenreiter KasseトBa s eトL0 n d 0 n -N e w Yo rk 1962J の pp.20-23を 参 照 し た 。 そ の 部 分 で は 、 同 曲 の 歌 詞 作 者 は ピ カ ン ダ ー (Picander 1700-64 ピカ ン ダ ー は 筆 名 で 、 実 名 は フ リ ー ド リ ヒ ・ へ ン リ ー ツ ィ F. Henrizi) で あ る と と が わ か る 。 な お 、 今 回 の 私 の 研 究
に 直 結 す る と と で は な い が 、 閉 じ 部 分 の 説 明 に お い て フ リ ー ド リ ヒ ・ ス メ ン ト (F.Sm e n d 1 8 9 3 - 1 9 8 0 )が、
〈 国 父 な る 王 よ … ) の 第 7曲 ( ア リ ア ) <Ich will ihn hegen> ( 私 は 彼 を 守 ろ う ) は 、 音 楽 劇 (Drama per Musica)の ( 楽 し い ヴ ィ ー デ ラ ウ よ 、 お ま え の 牧 場 で 喜 べ 。 > (Angenehemes Wiederau,
freue dich in deinen Auen!) (BWV30a) の第7曲 ( ア リ ア ) <あなたを守り、あなたと共に治め
F 同 υ 唱E A 唱E A