小学部第6学年 自立活動学習指導案
1 題材 生活の中の音について 2 指導観 ○ 本学級は、男子1名、女子2名、計3名の児童が在籍している。とても明るい雰囲気の学級で、小学部 最上級生としての自覚をもち、何事にも積極的に取り組む姿が見られる。 学校生活の中では、様々な音に対して、自分にとってうるさい音、ちょうど良い音、聞こえにくい音を 認識できており、特に、学習場面においては、友達が発表した際、「聞こえないから、もう少し大きな声で 話してください。」等と友達に伝える姿が見られる。また、自分がうるさく感じない音でも、教員が耳をふ さぐと「先生はうるさいの。」と尋ねる姿も見られ、聞こえ方は一人一人異なるということに気付くことが できている。しかし、一方では、隣の教室が授業中にも関わらず友達を大きな声で呼んだり、給食の配膳 台を移動させる際には、とても大きな音が出ていても気にしなかったりする等、自分自身が出している音 や、物を媒体として出ている音がどのような大きさであって、それが周りに対してどのような影響を及ぼ しているのかということに気付きにくい様子が見られる。 自立活動では、交流及び共同学習の事前学習で、小学校の友達に対し、自分たちの聞こえ方をどのよう に伝えると良いのかについて話し合った。その際、補聴器を装用していても聞こえにくい音があることや、 同じ音でも聞こえる人と聞こえない人がいるということ等、一人一人が自分たちの聞こえ方に対する考え を表現する姿が見られた。また、交流及び共同学習を行う際には、児童自ら「声を掛ける時は、後ろから ではなく前から掛けてください。」や「気付かない時は肩を軽く叩いて教えてください。」等、騒音下にお ける声の掛け方について配慮してほしい点を小学校の友達に伝える姿も見られた。 ○ 本題材は、特別支援学校学習指導要領自立活動編「2 心理的な安定(2)状況の理解と変化への対応 に関すること」「3 人間関係の形成(3)自己の理解と行動の調整に関すること」「4 環境の把握(4) 感覚を総合的に活用した周囲の状況の把握に関すること」の三つを関連付けて構成している。 本題材では、生活の中で不快と感じる音が一人一人異なるということに気付き、周りの状況等に応じて、 自分自身が不快な音を出さないためには、どのように行動したら良いのかを考えることができるようにな ることをねらいとしている。 本学級の児童は、保有する聴覚を活用しながら様々な音に触れて生活しているが、児童一人一人の聴力 レベルが異なることから、音に対する感じ方も様々である。そのような中、生活の中には、児童自らが出 している音(声、足音等)、物を媒体として出ている音(ドアを閉める音等)等の様々な音が存在しており、 それらの音の大きさを理解することで、一人一人が感じている音に対するイメージを具体化するとともに、 人によって不快と感じる音の大きさが異なるということに気付くことが大切であると考えた。そして、周 りの状況等を踏まえ、自分自身が出している音や物を媒体として出ている音等に配慮しながら適切な行動 ができるようになることにつながる上でも、この題材は大変意義深いと考える。 ○ 本題材の指導に当たっては、教室の中の様々な音の大きさと関連付けながら、人によって不快と感じる 音の大きさが異なるということに気付かせるため、不快な音を体験的かつ視覚的に捉えることができるよ うな活動を取り入れながら進めていく。 そのために、第一次では、オージオメータを用いて、自分自身にとって不快と感じる音の大きさを測定 することで、体験的に気付くことができるようにする。また、測定後は、一人一人の不快閾値を図式化して表すことで、自分自身の不快な音の大きさを知るとともに、人によって不快閾値が異なるということに も気付かせていく。第二次では、音の大きさを可視化することができる騒音計を用いて、教室内における 不快な音と想定される音を測定し、その大きさに着目させることで、不快さを軽減するためにはどのよう に行動すると良いのかについて考えることができるようにする。その際、人によって不快閾値が異なると いう第一次で学んだことを生かしつつ、実際に行動させたり不快さが軽減すると考えた行動前後の騒音計 の数値を比較させたりすることで、不快さを軽減するための行動について考えさせていきたい。 3 題材の目標 ○ 自分自身にとって不快な音の大きさを知るとともに、不快な音の大きさは人によって異なるということ を理解することができる。 ○ 教室内の不快な音の存在に気付き、周りの状況等に応じて、不快さを軽減するための適切な行動につい て考えることができる。 4 題材の計画(全2時間) 第一次 不快な音について知る。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1時間 第二次 周りの状況等に応じて不快さを軽減するための行動について考える。・・・・1時間(本時) 5 本時 (1) 平成○年○月○日(○) 第○校時 於:○○室 (2) 本時の指導観 本時では、音の大きさを可視化することができる騒音計を用いて、教室内における不快な音の大きさに 着目させることで、周りの人や自分自身にとっての不快さを軽減するための行動について考えることをね らいとしている。 導入では、教室内における不快な音の存在に気付かせるとともに、前時の学習内容と関連付けながら、 周りの状況等に応じて、不快さを軽減する必要があることに気付くことができるようにする。そのために、 まず、児童に前時の学習活動や内容について発表させ、不快と感じる音の大きさは一人一人異なることを 確認する。次に、教室内で不快な音を聞いた経験を振り返らせることで、児童一人一人が不快と感じてい る音の種類を引き出す。その際、担任が不快と感じる音についても聞き出し、騒音計を使ってその大きさ を測定した結果を前時の測定結果と照らし合わせることで、自分が不快と思っていなくても周りの人は不 快と思っていることに気付かせ、本時のめあてにつなげていく。 展開では、教室内における不快な音を聞いた時の不快さを軽減するための行動について考えることがで きるようにする。そのために、まず、導入時に示した担任が不快と感じる音の不快さを軽減するための行 動について考えさせることで、活動の見通しをもつことができるようにする。その際、実際に行動させた り、不快さが軽減すると考えた行動前後の騒音計の数値を比較させたりすることで、児童が体験的かつ視 覚的に不快さが軽減できていることを実感することができるようにする。次に、騒音計を使って、児童一 人一人が発表した不快と感じる音の大きさを測定し、不快さを軽減する行動について考えさせる。その際、 全ての音を測定することが難しい場合は、児童から出た不快な音の中から、一番不快と感じている音を一 つ選ばせるようにする。また、不快な音の大きさの測定結果や児童が考えた不快さを軽減するための行動 については、一覧表に記入して提示することで、視覚的に捉えることができるようにする。 終末では、不快さを軽減するための行動を、今後も継続する必要性があることに気付くことができるよ うにする。そのために、不快さを軽減するための行動を振り返るとともに、今後大切なことは何かを問い
かけることで、日常生活に生かしていくことに気付かせることで学習のまとめをする。 (3) 本時の目標 ○ 教室の中における不快な音の大きさを知ることができる。 ○ 不快な音を聞いた時の不快さを軽減するための行動について考えることができる。 (4) 準備 ①前時学習内容を想起させる掲示物 ②騒音計 ③不快な音を測定した結果等を記入する一覧表 (5) 展開 学習活動・内容 指導者の支援及び留意事項 評価 教材・教具 1 始めのあいさつをする。 ・学習の始まりを理解する こと 2 本時の学習内容を知る。 ・本時の学習内容に気付く こと 3 教室内の不快な音の大 きさを測定し、不快さを軽 減するための行動につい て考える。 ・不快さを軽減するための 行動が分かること ○ 呼名を行うことで、補聴器、人工内耳の 聞こえの状態を確認することができるよう にする。 ○ 日直に号令を促すことで、学習の始まり を理解することができるようにする。 ○ 掲示物を手掛かりに、前時の学習内容を 振り返らせることで、不快と感じる音の大 きさは、一人一人異なるということを想起 することができるようにする。 ○ 教室内において、不快な音を聞いた経験 を振り返らせることで、不快と感じる音の 種類を児童一人一人から引き出すことがで きるようにする。 ○ 担任が不快と感じる音の種類を聞き、騒 音計を使ってその大きさを測定すること で、測定方法の理解を促し、児童自ら測定 することができるようにする。 ○ 担任が不快と感じる音の測定結果を、前 時の学習内容を示した掲示物と照らし合わ せ、自分にとって不快な音でない場合、そ の音を出しても良いのかと問い掛けること で、本時のめあてをつかむことができるよ うにする。 ○ 担任が不快と感じる音の測定結果を基 に、不快さを軽減するための行動について 考えさせることで、活動の見通しをもつこ とができるようにする。 ○ 実際に行動させたり、不快さが軽減する と考えた行動前後の騒音計の数値を比較さ せたりすることで、不快さを軽減するため の行動を体験的かつ視覚的に捉えることが できるようにする。 ○ 児童が不快と感じる音がたくさん出た場 ・生活を振り返り、教 室内における不快 な音の種類を発表 することができる。 ・騒音計を使って、教 室内の不快な音の 大きさを測定する ことができる。 ・実際の行動や騒音計 の数値を比較しな がら、不快さを軽減 するための行動に ついて考えること ができる。 ① ②③ 教室内の不快な音の大 きさを測定し、不快さを 軽減するための行動に ついて考えよう。 めあて
4 本時のまとめをする。 ・不快さを軽減するための 行動を生活に生かすこ とが分かること 合、一番不快と感じている音を一つ選ばせ ることで、児童一人一人が必ず1回測定す ることができるようにする。 ○ 児童が教室内の不快な音の大きさを測定 する際は、椅子に座った状態で測定させる ことで、音源からの距離を一定に保った状 態で測定することができるようにする。 ○ 不快な音の大きさの測定結果や、軽減す るための行動等を記載する一覧表を提示す ることで、互いに関連付けながら視覚的に 捉えることができるようにする。 ○ 掲示物を基に、不快さを軽減するための 行動や数値に着目させることで、不快さが なくなるとは限らないが、軽減されたこと を理解することができるようにする。 ○ 不快さを軽減するための様々な行動を考 えたことを称賛するとともに、今後大切な ことは何かを問いかけることで、不快さを 軽減する行動を今後も意識することが大切 だと理解することができるようにする。 ・不快さを軽減するた めの行動は、今後も 継続することが大 切だと気付き、教員 に伝えることがで きる。 6 座席表 7 板書計画 不快な音の種類 音の大きさ(dB) 不快さを軽減するための行動 行動後の音の大きさ(dB) A 児 T めあて B 児 C 児 まとめ 教室内の不快な音の大きさを測定し、不快さを軽減 するための行動について考えよう。 不快さを軽減するための行動は、今後も継続して いくことが大切である。