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JAIST Repository: 大学改革への原理的アプローチ

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Academic year: 2021

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全文

(1)

Japan Advanced Institute of Science and Technology

JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/

Title

大学改革への原理的アプローチ

Author(s)

大熊, 和彦; 林, 隆之; 塚原, 修一; 小林, 信一; 平

澤, 泠

Citation

年次学術大会講演要旨集, 15: 422-425

Issue Date

2000-10-21

Type

Conference Paper

Text version

publisher

URL

http://hdl.handle.net/10119/5897

Rights

本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す

るものです。This material is posted here with

permission of the Japan Society for Science

Policy and Research Management.

(2)

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大学改革への 原理的アプローチ

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(3)

さらに知識社会の 到来により、 大学への社会の 期待が高まるとともに、 大学以 外の機関による 知的活動との 競合が激化しつつあ る。 しかし、 大学の固有の 活動 であ る大量かっ高度な 公共的知識の 生産、 知識の整理と 習得しやすい 体系的知識 ・原理的知識への 加工、 充実した多様な 教育活動は代替困難であ る。 今後は、 新 たな職業領域に 必要な知識を 提供する継続教育の 実施が一層求められることにな ろう。 したがって、 大学論が議論すべき 論点には、 (1) 多様な社会の 期待にどこまで 応えるか、 (2) 教育すなむち 知識の提供と 人づくりをどのようにすすめるか、 (3) これらを支え 得る大学の新しい 機能モデルをどのように 構築するか、 などがあ る。 2 .

我が国の大学の 基本的性格に 関わる問題と

改革の動向 我が国の大学は、 歴史的発展の 経緯において、 また法制度上も、 国際的に見て 独自の形態をとってきており、 これまでの大学改革の

展開にもその

特徴が反映し ている。 歴史的には我が 国の近代大学制度は、 明治初期に国家的キャッチアップ 装置 と して、 当時としては 先進的な実学領域をも 含む総合大学として 発足した。 その 主 な 機能は学術研究の 翻訳と輸入学問を 身につけたエリートの 供給であ った。 その 後 大正にいたり 実学のフロントを 包 接して複線型教育機構の 一応の完成を 見たも のの、 戦後は新制大学として 一元化され、 理想化された 米国型モデルが 形式的に 導入された。 その後、 新制大学は私立大学を 中心に急膨張し、 高度成長を支える 均質で基盤的知識を 身につけた技術者やホワイトカラーを 養成した。 この体制は キャッチアップの 間には有効に 機能したといえる。 70 年代半ば以降に 高等教育の多様化が 着手され、 大衆化に対処すると 共に 「質 的充実」 も目指された。 75 年前後は高等教育の 転換点とされ、 学問研究の場 と されていた大学院に、 後追いながら 専門職業人養成機能を 加えて実践面での 高度 化に応えようとしている。 特に工学分野では 実質的な補強効果を 発揮した。 他方 で、

理工系離れ現象が

80 年代から顕在化し、 90

年代初めには 大学院重視政策が

打ち出されるが、 旧体制の強化にとどまり・ 社会ニーズと 将来社会への 先行投資 を 見据えた個性的大学への 重点的転換の 流れは出現していない。 これらの結果として 現在の大学や 大学院には、 研究機能至上主義が 内部に充満 し 、

社会サービス 機能は依然として

微弱であ る。

教育内容も本格的な 専門職業教

育を目指す学部や 学科は少なく、 理系文系を問わずジェネ、 ラリストのための 基盤 的知識教育にカリキュラムの 重点があ る。 制度的には、 国立大学は文部省の 下部機関に位置づけられ、 法人格を有しない ため法的には 当事者能力を 欠いた存在であ る。 大綱化以双の 大学は・ 設置基準と 視学委員制度、 国立学校特別会計、 学校教育法、 教育公務員特例法等を 根拠とす る制度的規制と、 集権 的な大学政策の 立案と予算配分に 加え、 一元的な事務局管 理 のもとにあ り、

大学内には

「大学の自治 = 教授会の自治」

の形式的枠組みとと

もに 「末端権 力機構」 が息づく歪んだ 状況があ った。 大学にも文部省依存体質が 発生し、 「護送船団」 的状況をもたらしてきた。 大綱化により、 制度的規制の 柔 軟化や、 運用上の自由度は 格段に増したが、 規制の大枠や、 集権 性、 画一性、 マ 一 423 一

(4)

イクロマネ 、

ジメント性から

解放されたわけではない。

このように我が 国の大学は様々な 規制により囲い

込まれ、 内部のマネ 、 ジメント や 当事者としての 自立した意識や 能力が未発達のまま、 事実上実社会から 隔絶し た 振る舞 いが 許容されてきた。 社会の大学に 対する関心も、 大学紛争の一時期を 除き、 入試と就職に 集中し、 社会の側からの 積極的な問いかけはなかった。 しか し 、

このような閉塞的状況は

90

年前後に変化の

兆しを見せはじめ、 90 年代を通 じ大学は本格的な 改革の渦の中に 投げ込まれ、 現在もその渦中にあ る。 しかし "

改革疲労

"

さえ伝えられる

従来の大学改革は、

文部省や各種審議会な

どにより主導されたトップダウン 的、 一元的、 集権 的ないし受動的なものであ っ た 。 このような大学改革では、 改革に関する

議論が部分的理解や 限定的データに

基づきがちで、 多様性、 適応性を犠牲にした 画一的ガイドラインを 示して、 あ ら かじめ 形 、

枠を決めてから 改革する指示的改革方式になる

傾向があ った。 3 .

今後の大学改革の 枠組み一自己改革とその 補完・支援システム

( 1 ) 自己改革の仕掛けの 必要性 社会を先導する 立場にあ る大学の改革は、 各大学の本質的に 自主的な改革によ って進められるべきものであ る。 大学は様々な 実験や試行錯誤を 通じて、 自律的 にまた柔軟かつ 継続的に改革し 続けるための 仕掛けを、 制度や体制として 組込む 必要があ る。 その仕掛けとしては、 一方で各大学、 学部、 学科、 さらには構成員 個人のあ らゆる階層が 自己改革を進める 主体となり、 そのような改革主体に 可能 な 限りの権 限の委譲と、 改革を進めるインセンティブを 与え、 他方で・ 各大学等 の権 限と責任の範囲を 超える外部環境については、 文部省等の責任部署自身が 積 極 的に環境整備に 取り組むことが 必要であ る。 このような仕組みの 下で、 大学等 の改革主体は、 ボトムアップ 的、 多元的、 分散的な改革を 進めることができる。 ( 2 ) 自己改革支援型インセンティ プ の設計要因 具体的には、 大学等の各改革主体の 自己改革を支援するインセンティブの 設計 が 重要になる。 インセンティブの 設計にあ たっては、 改革とインセンティブ 付与 の 主体の特定、 インセンティブを 提供する媒介項や 手段の設計、 その運用のため の

制度や仕組みの

整備方法、 の 3

点を明確にする

必要があ る。 第一に、 インセンティブ 付与主体には 個別大学の内部と 外部のものがあ る。 大 学内部では中枢機構から 個別の学部や 学科、 さらには個々の 教員までがあ り、 そ ね ちに対するインセンティブのネットワークを 構築することが 必要であ る。 大学 外部では、 産業界や学生を 送りだす高校や 家庭があ り、 また、 相互競争関係にあ る 大学のような 市場競争的な 環境の中での 主体と、 そうした市場競争的インセン ティブを補完し 代替するインセンティブを 与える役割を 担う国、 公的機関などの 主体があ る。 第二に、 インセンティブの 手段、 媒介 項は ついては、 教育研究の資金・ スペー ス といった 「生存」 のためのインセンティブから、 個人の処遇、 給与、 テニュア

制度といった

安定、 帰属にかかわるようなインセンティブ、 評価、 報 賞 、 人気や 評判・名声などの 「自尊」 インセンティブ、 さらには自由度のようなより 高次の

インセンティブまで 幅広く捉えることが

必要であ る。

(5)

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参照

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