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オンリーワンの研究を目指して

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Academic year: 2021

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2010 年オンリー・ワン創成プロジェクト報告書

新しい研究支援のあり方を求めて

学長 

山 本 健 慈

 国立大学法人の第 1 期事業期の 6 年間が終わった。機敏に社会的使命に応える大学運営 という法人化理念は、学長のリーダーシップによる新しい大学運営とそのための財政支出 を求めた。しかも 「構造改革」 路線の政策展開と重なる時期にスタートした国立大学法人 は、財政の縮減のなかで、拡大する社会的ミッションへの対応を迫られてきた。  この<オンリー・ワン創成プロジェクト>制度は、以上の事態のなかで、本学の<研究 力>の高揚を示すため、< 2 年間の継続研究>< COE に繋がる研究><各領域でオンリー ワンの研究>であることを「基本条件」として、一件数百万の枠で研究費を配分するという 設計であった。本報告書に示すように、この制度的支援によって価値ある研究成果を生み 出すことができた。潤沢な財政によってより強力な支援が行われれば、まだまだ多くの価 値ある研究成果を生み出す力が本学にはあることを確信させてくれるものでもある。  しかし一方で、この財源を確保することによって、各々の研究者にわたる基礎的研究費 を含め他の領域の支出が縮減されるという事態が生じており、これが大学と研究の全般的 衰弱を招いているということは、今日、高等教育政策担当者を含めた認識となっている。 そして、今、これらの第 1 期の結果をふまえ第 2 期の事業に向かおうとしている。  和歌山大学は、第 2 期中期目標の前文において、以下のことを宣言している。  「和歌山大学は、高野・熊野世界文化遺産等豊かな歴史と環境に育まれた和歌山県唯一 の国立総合大学として、「地域を支え、地域に支えられる大学」であるとともに、持続可 能な社会の実現に寄与することを宣言する。  その実現のため、3つの基本目標を掲げる。 1.和歌山大学は、現代の学生の、青年期に至る人間形成上の諸課題を深く認識し、教養 教育、専門教育によって「生涯学習力」を培った市民・職業人として社会に参加し、そ の発展に寄与できる人間を育てる。 2.和歌山大学は、紀伊半島を含む黒潮文化圏という歴史、自然、経済、文化を活かした 研究活動によって創造された知見を活かし、地域から日本と世界の発展に寄与する。 3.和歌山大学は、教員の多様な問題関心に基づく諸活動を尊重し、職員の主体的な職務 遂行を支え、学生が高度な理論と実践力を修得するとともに「学生満足」が充足される 大学生活を送ることができるよう支援を強化する。   また、教員・職員・学生相互の信頼関係のもとでの協働と参画を通じて、「自主・自律・ 共生の気風にあふれる大学」であることを目指す。」  この前文で宣言している<教員の多様な問題関心に基づく諸活動を尊重する>ための研 究支援と<地域から日本と世界の発展に寄与する>研究支援、この二つを実現しようとす ることは財政運営上至難のことである。  第 2 期においては、本報告書に込められた努力から教訓をくみ取り、かつ研究者の実情 によく耳を傾けながら、研究支援の戦略と戦術を編み出したいと思う。 1

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