Title
[記事](研究発表会要旨)組織培養による切り花用キクの品
質に及ぼす影響
Author(s)
上原, 周夫; 松田, 義昭; 大仲, 裕次; 福村, 直樹; 濱井, 義則
Citation
南方資源利用技術研究会誌 = Journal of the society tropical
resources technologists, 9(1): 44-46
Issue Date
1993-03-30
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12001/14075
ニ ュース 総会 お よび特別講演会報告 組織培養 による切 り花用キクの晶質に及 ぼす影響 北 中城村 農業 開発株式会社 ○上原周夫 ・松 田義 昭 ・大仲裕次 福村 直樹 ・演井義則 [は じめ に] 沖縄 にお ける花 き産業 は,昭和 48年 頃か ら生産が み られ昭和 53年 頃か らは本土 出荷 が本格化 した ため生産 は加速 的 に増加 した.復帰 翌年 の昭和 48年 には, 53ヘ ク タール で あ った の に対 し昭和 60 年 には580ヘ クタール とな り,特 に昭和55年 か ら電照 ギ クを中心 に大 き く伸 びた. 平成2年度花 き生産面積 は946ヘ ク タールで 出荷 金額 は172億4千万 円 とな り本県 農 業 にお い て , -
44-γol.9 Nol 1993 ニュース さとうきびをしの ぐ重要 な産業 となっている.その中で, キ クの 出荷 金額 は全体 の65%の 112億 8千万円を占め花 きの中で も主要な品 目である. 現在,キクの生産向上及び生産拡大 を図る上で特 に,問題 となっているのは無選抜で長年 にわた り栄養繁殖 によって得 られた苗 を親株苗,及び走植苗 として用いて きたために切 り花 としてのキ ク の品質の劣化がみ られるようになったことである. 品質の劣化の例 としては,花色の退化,草姿の悪化,花数の減少,生体重の減少 (ボ リューム不 足)等がある. この ようなことか ら筆者 らは組織培養で作 出 したキクの品質特性 を調べ,組織培養苗 を利 用 した 優 良種苗の確保 によるキクの品質向上 を目的 として本実験 をお こなった. [材料及 び方法】 実験1 :組織培養 (IN VTTRO)におけるキクの増殖率の品種 間差異 材料 は本土出荷用 に用 い られている切 り花用キクを用 いた.品種 は大ギクとして,秋芳の力, 北 中1号,女神,大平,希望の光,小ギクとして,沖の園,ニ ュー沖縄,ハデギノソデ,美玉, ク リ スマスゴール ド, うりずん,スプレーギクとして, クリス タル, ジェリコ, を本部町,北 中城村 か らそれぞれ収穫後萌芽 した株 よ り採穂 した,探穂 した苗 は挿 し木,発根後,定植 し再 び萌 芽 した穂 を材料 として用 いた. 5-10cmに伸長 した穂 をエ タノール70%で10秒 アンチホル ミン0.5%で 15分滅菌 し生長点0. 3-0.5mmを葉原基2,3枚 をつけて
BA
2.0mg/l及 び,NAA
0.02mg/1を含 む修 正MS
培 地 (初代培 也) に置床 した. 初代培地置床後30日後 に増殖培地 としてBA
2.0mg/1及 びNAA
0.02mg/lを含 む修正MS
培 地 に移植 し増殖 を行 った. 第2代増殖 は第 1代増殖培地移植30日後 に増殖培地 に移植 し増植 を行 った. 増殖率 における品種間差異の調査 は,第2代増殖培地移植後30日後 にフラス コか ら多芽体 を取 り 出 し発生 したシュー ト数 を数 えて行 った. 実験2
:培葦苗及び非培養首の生育比較 実験1で用いた非培養苗 と実験 1で作出 された培養苗 を生育比較の材料 として用いた.生育ステー ジを揃 えるために非培養苗 は株で維持 し萌芽 した穂 を挿 し穂 し非培養苗 とした. 非培養苗 と培養苗 は平成2年1月20日に市販のCDU肥料 (N:P:K-15:15:15)を混入 した15cmポ ッ トに定植 した. 電照 は,定植直後か ら開始 した.調査 は満開時に行 い生体重,草丈,花数,花首長,開花 時期 を 調べた. [結果及 び考察] 組織培養苗 (IN VITRO) におけるキクの増植率 は品種 間による差が大 きく,増殖率が高いの は 北中1号58倍, うりずん47倍であった.一方,秋芳の力は13倍,沖の園17倍,二 .i-沖縄17倍 と低 く品種間における差が認め られた. 組織培養苗及び非培養苗の生育差 は,生体重 においては,組織培養苗が沖の園,沖の白波,美玉, ジェリコで増加がみ られ,草丈 においては組織培養苗が沖の白波,美玉, クリスマスゴール ド, 大 辛,希望の光, ジェリコで伸長がみ られた.花数は組織培養苗が沖の園,ジェリコで増加 がみ られ た.草姿 はうりずん,美玉,沖の園,ニュー沖縄で顕緒 な差がみ とめ られ,分枝 した枝が長 く頂部 での花揃 いが良好であった. -45-ニュース 総会お よび特別講演会報告 培養苗 は非培善苗 に比べ品種 によって生育が良 く品質の向上が認め られた. しか し,花首 は組織 培養苗が秋芳の力,大平で長 くなる傾 向がみ られた.開花時期 においては,開花時期 に変化 が認 め られないのは沖の園,女神,秋芳の力,培養苗が非培養苗 に比べて開花時期が15-20日遅れるのは ニ ュー沖縄, うりずん,北中1号, クリス タル,美玉, ジェリコ又,開花時期 にば らつ きが認 め ら れるのは,大平,希望の光, クリスマスゴール ド,沖の白波であった. 組織培養苗 は,冬至芽的性質 を有 しているので冷蔵処理 を併用す ることによって開花時期 のば ら つ きのある品種 も開花揃いが よくなると考 えられる. この ことは今後の研究課題 としたい. -