「食品中の放射性物質対策に関する説明会」概要 関東農政局土浦地域センター 1.日 時 平成24年7月27日(金)14:00~16:40 2.場 所 つくばカピオ内ホール 3.主 催 関東農政局土浦地域センター 4.後 援 茨城県、つくば市、土浦市、茨城県農業協同組合中央会、 茨城県食生活改善推進団体連絡協議会、茨城県消費者団体連絡会、 茨城県生活協同組合連合会、(独)農業環境技術研究所、 (独)農業・食品産業技術総合研究機構、(公社)茨城県栄養士会、 茨城県農業会議、茨城県畜産農業協同組合連合会 5.参 加 者 消費者、農業者、食品関連事業者等 300名 6.内 容 (1)食品中の放射性物質による健康影響について 内閣府食品安全委員会事務局リスクコミュニケーション専門官 久保 順一 (2)食品中の放射性物質の基準値について 厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課 放射性物質専門職 岩岡 和輝 (3)農業生産現場における対応について 農林水産省生産局総務課生産推進室長 安岡 澄人 (4)放射線・放射能の正しい測定方法について 茨城大学大学院理工学研究科教授 高妻 孝光 7.概 要 【挨拶要旨】土浦地域センター長 本日はお忙しい中お集まりいただ き感謝申し上げたい。 貴重なご説明の時間を妨げないよ う、簡単に本日の開催の趣旨をご紹 介したい。 本日のテーマ「食品中の放射性物 質対策」については、昨年から地域 の生産者や消費者団体から要望され ていた。 このため、本年4月に新たな基準 が示されたので、その考え方や、実 際に行う検査の方法、また生産現場 での取組について理解を深めて頂く 主催者挨拶
本日は、次第にあるそれぞれの専門分野について、茨城大学の高妻先生、内閣府の 久保様、厚生労働省の岩岡様、農林水産省生産局の安岡室長の皆さまから、ご説明を いただくこととなっている。 ご参集の皆さまの理解の一助になることと思っている。 なお、最後に、ご後援を頂いた「茨城県様、つくば市様、土浦市様ほか」県内関係 団体の皆様に、厚くお礼申し上るとともに、本説明会が皆さまにとって有意義な会と なることを祈念して、簡単だが私の挨拶とする。本日はよろしくお願いしたい。 【講演の様子】 食品安全委員会事務局 久保順一氏 厚生労働省 岩岡和輝氏 茨城大学教授 高妻孝光氏 農林水産省 安岡澄人氏
【質疑応答(意見交換)】 (司会) 会場の都合により時間が限られているため、質問は一人につき一問に限らせてい ただくのでご理解願いたい。 (消費者) 7月5日の朝日新聞にセシウム汚染の記事が載っていた。それには福島及び茨城 の霞ケ浦などの湖沼において、昨年の3.11の時に比べて今年に入ってからかな りのレベルで沼底の泥土の放射能の濃度が上がっている。この傾向は2014年度 に一番高くなるだろうという見通しもこの中で出されている。 霞ケ浦は茨城県南地区にとって大きな水源となっており、また魚なども食用とな っている。そういう状況について、農林水産省では調査をしているようだが、まだ 国の調べ方が足りないのではないかという声が強い。 先週月曜日に霞ケ浦を放射能汚染から守ろうという集会があり、その中でこのよ うな報告がされた。 このように食品も飲料水も茨城県民に非常に重要な役割を果たしている霞ケ浦の 危険な状況について、農林水産省及び厚生労働省はどういう見方を持っているのか。 (農林水産省) 食品の検査でしっかり把握することが重要。特に放射性セシウム濃度が高くなる 可能性がある品目については重点的に検査することになる。 検査自体は各県で実施していただいているため、霞ヶ浦の魚のような個々の品目 をどのように検査しているかをここで説明することは出来ないが、こうした品目に 測定機器の実演 プロジェクターでの説明
(厚生労働省) 飲料水については定期的にモニタリングをしており、10 ベクレル/kg以下であ ることを確認している。また、高くなる可能性があるものについては重点的に調査 を行っている。そういったことから市場に出回ることはだいぶ少ないのではないか と考えている。 (消費者) 私は、放射能が堆積する場所も理由も分かっている場合に、魚が捕れた時点で抑 えるというやり方は後手だと思う。問題提起させていただくのでご検討願いたい。 (消費者) 自然界における放射性カリウムと今回の事故に由来するセシウム137は同じ放 射線を出しているから変わりないという説明を聞いて少し安心したところもある が、これは体に受ける影響というのも同じなのか。 (茨城大学教授) 2つあって、まずエネルギーが大きい放射線は私達に影響を及ぼす。カリウム4 0という天然ものとセシウム137、134という人工のもののエネルギーを比べ ると天然のカリウムの方が2倍くらい大きい。 ところが、私達の体の中での影響は、最終的にはカリウムの方が5分の1になる。 だから、影響がまったく同じという意味ではない。あくまでも物理的にベクレル という単位で表しているのは、その1個の放射性物質が1秒間に1回放射線を出せ ばそれが1ベクレルとなる。カリウムの1000ベクレルとセシウムの1000ベ クレルは同じ放射能だが、人間への影響というのはセシウムよりもカリウムのほう が2倍くらい影響が低くなる。でも逆にエネルギー的に見た場合はカリウムの方が 大きい それらを色々考えていただき たい。一緒に考えるお手伝いを したいと思っている。 (消費者) 久保先生に質問です。資料の 1の14(13)ページに「約 3300文献」とあるが、これ は3.11の後に検討された文 献なのか。誰がどれくらいの期 間をかけて検討したのか。 質疑応答の様子
(食品安全委員会事務局) 今回の評価は3.11の後、厚生労働省の暫定基準値の評価要請を受けて資料を 集めて評価に入った。チェルノブイリや広島、長崎等の過去の知見も合わせて評価 を行った。評価した人数は今すぐにはお答えできないが、プロジェクトチームを立 ち上げて、食品安全委員会委員が7名、専門家の委員等も合わせて約20人くらい で、3月から10月の終わりごろまで、約7か月間を費やして評価を行った。 (茨城大学教授) 研究者の立場からの情報提供だが、チェルノブイリ事故のずっと前から世界的に は高線量地帯というのがある。有名なのはブラジルのガラパリ、インドのケララ、 イランのラムサールや中国の陽江などで、そういうところの疫学調査はずっと行わ れてきている。高線量地帯に何世代も住んでいても特に異常は見つかっていない。 (消費者) 今日のお話はほとんどがγ(ガンマ)線のことについてだったが、α(アルファ) 線とかβ(ベータ)線といった非常にエネルギーの高い放射線を出す(ストロンチ ウムやプルトニウムなどの)核種があるのに、本日の説明ではまったく触れられて いない。これらについても見解をお聞かせ願いたい。 (茨城大学教授) 県内の様々な場所を計っている。プルトニウムを検出するのは難しいけれど、α 線が出ているようなものは、みなさんの環境中にはおそらくほとんど無いと思われ る。 ストロンチウムはβ線だけを出し、数cmしか透過しない。そういう意味でγ線 の影響だけを見ることにしている。ストロンチウムは非常に量が少ないことがつく ば市のデータで明らかになった。大きく懸念すべきは量ではないという評価をして いる。それ以外にも、セシウム もβ線とγ線を出す。 (消費者) そういう問題はあまり報道さ れていないのではないか。 (茨城大学教授) マスコミは(放射能が)出れ ば報道するが、出なければ報道 してくれない。 皆さんから、出ていない事実 も報道してほしいという声が大 きくなれば報道特集を組むとか するかもしれない。
(消費者) ハワイでもアメリカ本土でもごく微量ながら検出していると聞いている。 (茨城大学教授) 放射性セシウムは世界中にある。ストロンチウムもあると思うが、検出出来るほ どの分析技術は非常に高度なものとなる。ウランは確実にあるので検出される。 プルトニウムの量については、研究者などからはまだ聞いていない。データを待 っている状態。 (消費者) ストロンチウムもプルトニウムも原発事故由来のものではないのか。 (茨城大学教授) ムルロワやビキニでの核実験もあり、時間が経っても検出することはあるので、 原発事故由来のものとは断言出来ない。 (消費者) 資料2の6ページに、プルトニウムの半減期が14年とあるが、訂正すべきでは ないか。 (厚生労働省) プルトニウムにも様々な種類がありプルトニウム 238、239、241 などがある。 その中でもここに載せているのは一番半減期の短い 241 を載せている。 (消費者) 資料2の一番最後のページ「日常生活で受ける放射線量」の中で食品から受ける 自然放射線量が世界平均に比べて日本が高いのはなぜか。 (厚生労働省) 日本人は魚を多く食べており、魚の中には自然放射性物質のポロニウム 210 とい う物質が多く含まれているため、食品からの被ばく量が多くなっている。 (司会) それでは、時間となったのでこれで本日の議題をすべて終了とさせていただく。 皆様には本日の円滑な議事進行にご協力いただき感謝申し上げる。