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福祉用具を使用した移乗介助法の導入-取り組みと事例を通し、導入のあり方を考える-

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Academic year: 2021

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(1)

施設名: 社会福祉法人 渓仁会 西円山敬樹園 (北海道 札幌市) 発表者 田中智子1) 移乗の会 1)2) 依本正恵3)

発表者: 田中智子1) 移乗の会一同1)2) 依本正恵3)

福島雅弘(介護老人保健施設 コミュニティホーム白石)1)

(2)

・特養で働く作業療法士として、

介護職の腰痛

の多さと

改善の必要性

を強く感じている。

・腰痛の要因には立位が困難な利用者の

腰痛の要因には立位が困難な利用者の

「持ち上げ」移乗

が考えられ、「持ち上げ」移乗

利用者側のリスクも高い

利用者側のリスクも高い

福祉用具を使用した移乗介助法導入が必要

取り組み・導入事例

“福祉用具導入のあり方“

に いて考察

“福祉用具導入のあり方“

について考察

(3)

1.当施設の介護状況の把握

①介護職へのアンケート調査

対象:

介護職員

45名

対象:

介護職員

45名

内容:

・腰痛の有無

・福祉用具使用経験の有無

・介護福祉機器導入について 等

介護福祉機器導入について 等

11項目

11項目

方法:

無記名

期間:

平成24年3月6日~3月12日

回収率:

75.5%

回収率

7 .

(4)

介護職へのアンケート

当施設の介護状況の把握

1. 腰痛を患っていますか? 2. 病院や治療院に通院し

腰痛を患 て ますか

ていますか?

はい いいえ 76% 24% いいえ 50% はい 50% 76% 50% 50% n=34 n=34 n 34

(5)

介護職へのアンケート

当施設の介護状況の把握 3. 介護業務を行うにあたり、 身体的な負担を感じています か? 4. 3で「はい」と答えた方は具体的 にどのような介護業務中に負担 を感じますか?(自由記載) か? を感じますか?(自由記載) 無回答3% 移乗 回答 移乗 人 はい いいえ 26% 71% 26% n=34 n=24

(6)

介護職へのアンケート

当施設の介護状況の把握 5. トランスファーボードを知っていますか? はい44% いいえ56% 6. トランスファーボードを使用したことが ありますか? 5. トランスファ ボ ドを知っていますか? はい15% いいえ 85% ありますか? 7. スライディングシートを知っていますか? はい62% いいえ38% 8. スライディングシートを使用した移乗法 を行ったことがありますか? はい29% いいえ68% 9. 移乗用介護リフトを知っていますか? 10 移乗用介護リフトを使用したことが はい71% いいえ26% 10. 移乗用介護リフトを使用したことが ありますか? 10% 0% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% はい15% いいえ82% n=34 無回答

(7)

介護職へのアンケート

当施設の介護状況の把握 11. 介護福祉機器導入について意見があればお願いします。

・是非導入してほしい。

マンパワーだけでは

正直辛い

・工夫しても

工夫しても

体格差等で

体格差等で

どうしても

どうしても

負担な場合がある。

負担な場合がある。

・利用者・介護者お互いの負担が減れば良いのでは。

見たことがないので研修などで使ってみたい

度皆

を使

話 合 た

一度皆でリフトを使用してみて話し合いたい。

骨折などの危険を伴う利用者の方以外であれば

・骨折などの危険を伴う利用者の方以外であれば

機器無しでも大丈夫では

(8)

②入所者の状態把握

当施設の介護状況の把握

:入所者

119名の主とする移動手段を集計。

独歩 杖8% 独歩 7% 歩行器9% 歩行器9%

車椅子

76%

76%

n=119

(9)

③移乗方法の調査

当施設の介護状況の把握

:車椅子利用者

91名の車椅子・ベッド間の移乗方法を調査。

1名介助:

介助なし 見守り 前方・後方支持(軽・中・重介助)

【当施設の移乗方法:9種類】

※当施設の呼び名で表記

1名介助:

介助なし 見守り 前方・後方支持(軽・中・重介助)

2名介助:

バ ス タ オ ストレッチャ-型 立位前後支持 ル 移 乗 平行移乗 ストレッチャ 型 平行移乗 立位前後支持

(10)

移乗方法調査結果

移 移 ストレッチャ 型 ストレッチャ 型 7%7% 当施設の介護状況の把握 平行移乗 平行移乗 2% 2% ストレッチャー型 ストレッチャー型 7%7% 立位前後支持 立位前後支持1%1%

「持ち上げ移乗」

立位前後支持立位前後支持1%1% 介助なし 1 %

「持ち上げ移乗」

29%

バ タオ バ タオ 15% 見守り4%

9%

前方 前方支持:支持: バスタオル バスタオル1%1% 前方・後 方支持: 軽介助 ボ ド等 備品な 重介助重介助18%18% 軽介助 16% 前方支持:中介助 36% トランスファーボード等 備品なし。

福祉用具を使用した移乗法

導入率

0%

n=119

(11)

管理者に必要性を報告

2.福祉用具購入の申請

・トランスファーボード2枚購入 ・リフトについても前向きな回答を得る。リフトについても前向きな回答を得る。 マスターグライドM

3 知識・技術の研鑚と先進施設の情報収集

【資格・研修】

3.知識・技術の研鑚と先進施設の情報収集

・リフトリーダー研修(名古屋) ・リフトインストラクター(名古屋)( ) ・福祉用具プランナースキルアップ研修(札幌)

【情報収集】

【情報収集】

・リフトフェア2012(東京) ・「高齢者施設などにおける福祉用具利用と ・「高齢者施設などにおける福祉用具利用と 効果的な運用体制に関する調査研究」報告書(平成23年度)

(12)

(平成24年4月)

4.ケア部実技研修会の実施

:トランスファーボード・シートでの移乗を実施。

介護職の反応は比較的良好 ボードを使用しても「持ち上げ」てしまう、 動きに合わせられず、スピードが速く危険な人も 動きに合わせられず、 ドが速く危険な人も この研修で、初めて使用した職員がほとんど

使

福祉用具移乗の“体験段階“

実場面

(利用者)で使用するのは難しい状況

(13)

(平成24年8月)

5.「移乗の会」の立ち上げ

・先進施設を参考に、

先進施設を参考に、

導入を進める中心グループ

を結成。

・介護福祉士

4名 作業療法士1名 計5名

の有志でスタート

の有志でスタート。

取り組み

実場面でのトランスファーボード導入が成功

(14)

事例紹介

移乗の会の活動 ・Aさん 80歳代 女性 ・身長 145cm 体重 55.7㎏ ・既往歴:多発性脳梗塞 圧迫骨折 他 圧迫骨折 他 ・ADL:車いすゆっくり自走 立位はわずかに支持可 困難(両膝痛+) 立位はわずかに支持可~困難(両膝痛+) 2名立位抱え移乗 オムツ排泄 (移乗時の両膝・両脇痛や遠慮からオムツとなった経過あり。 尿便意はあいまいながらもある。) 認知面 性格 日常生活上問題ない 笑顔が多くみられる ・認知面・性格:日常生活上問題ない。笑顔が多くみられる。 こだわりや頑固な面もある。

(15)

移乗の会の活動

移乗の問題点と各々の認識

問題点: ・両脇・両膝の痛み 右すねに傷 打撲跡 2名立位抱え移乗 ・右すねに傷・打撲跡 →「車椅子に移るときぶつかるんだ」 (Aさんのお話) (Aさんのお話) ・Aさんは受身的な動き ・介護者の腰部負担がある。 Aさん 介護職 太 ている自分が 腰が辛い。 問題ない 自分は 太っている自分が 悪いんだ 良いとか悪いとか 腰が辛い。 困っている。 自分は うまくできる。 良いとか悪いとか わからない。

(16)

移乗の会の活動

トランスファーボード導入の取り組み

・立位でなければ両膝痛なく 下肢の動きが可能 【評価と適合】 下肢の動きが可能。 ・端座位がとれ、上肢や認知機能が良好。 トランスファ ボ ドを採用 トランスファーボードを採用。 後付手すりの併用で、 Aさんの主体的な動きが可能。 トランスファーボードを 介護側も無理なく動作が可能。 後付手すり 【課題:介護職へいかに周知するか】 当園初のトランスファーボード導入例。 トランスファ ボ ドを 使ったことがありますか? ※H24年アンケート はい 当園初のトランスファ ボ ド導入例。 介護職の多くが実場面での使用経験は無く、 考えも様々な多数の介護職45名(居室階22名) 15% いいえ 85% 考えも様々な多数の介護職45名(居室階22名) へいかに周知するかが大きな課題であった。 85% N=34

(17)

移乗の会の活動

トランスファーボード導入の取り組み

【介護職への周知・伝達】

ケア部研修実施

(平成25年2月) ・「持ち上げ移乗」はなぜいけないのか? 意識の統一 持ち上げ移乗」はなぜいけないのか? ・当園介護職の腰痛率(50%) げ ・持ち上げ移乗の割合(29%) ・福祉用具使用経験率(ボードやリフト等)( ) ・トランスファーボード移乗の動画 Aさんの感想 表情(笑顔で移乗)等 先生方次第。 →Aさんの感想、表情(笑顔で移乗)等 板の方がいい。 抱え もらうより ※H24年アンケート 抱えてもらうよりいい。

(18)

移乗の会の活動

トランスファーボード導入の取り組み

介護職への実技伝達(平成25年3月~)

技術の習得

①詰所

PC内の動画を各介護職が確認

②メンバーと介護職でマンツーマンの基礎練習 ③Aさん 介護職 メンバー3名で実践練習 ③Aさん、介護職、メンバ 3名で実践練習 一人で確実に出来るまで実施 ④③が完了した職員から実場面での使用開始 平成25年7月:居室階介護職全員へ伝達完了。

(19)

・トランスファーボード使用で2名介助から1名介助になった。 ・両脇・両膝痛が消失 打撲もなく 安全な移乗が可能となった ・両脇・両膝痛が消失、打撲もなく、安全な移乗が可能となった。 介護職: Aさん: 介護職:

・声掛け・関わりの変化。

自ら意見を言う

今のは20点 こうして欲しい 「せーの」 (一気に動作)

自ら意見を言う。

「こちらに体重を移していきますね。」 サイ (反応ごとの声掛け・動き)

「腰が楽」との声が多数

前傾姿勢がとりやすくなり OKサイン ・「腰が楽」との声が多数。 ・前傾姿勢がとりやすくなり、 車椅子自走速度が向上。

(20)

Aさんのトランスファーボード移乗は定着

Aさんのトランスファーボード移乗は定着。

皆さん上手になりましたよ。 やっぱりトイレもいいよね。

トランスファーボードが選択肢の1つとして皆で検討できる。

「○○さんにトランスファーボードどうだろう?」と メンバー以外の介護職からも意見がだされるようになった。 Aさんの他、2名の利用者がトランスファーボードへ移行した。

(21)

・福祉用具に対し

非積極的

“まず知ろう“

良い面

悪い面を含めた用具の特性や適応を理解

良い面

、悪い面を含めた用具の特性や適応を理解。

入浴ストレッチャ-移乗の検討 介護リフトの体験 段差が無ければいいかな? 思ったより怖くない 介 護 段差が無ければいいかな? ちょっと こわい 思ったより怖くない 圧迫感がある 護 者 の 負 こわい 担 は 無 を離す が 裸だと痛いかもしれない 無 い スペースが必要 手を離す場面が ある。

(22)

2013年度の

施設ケア部の目標

「福祉用具導入と実践」が明記

有志から始まった活動が、組織的な活動に

発展した

発展した。

仲間が増えました♪ 仲間が増えました♪ 移乗の会2013 秋 移乗の会 2012 夏

(23)

組織的な体制づくり

組織的な体制づくり

評価と適合 用具の管理 教育体制の確立 意識の統一

福祉用具は導入するだけではうまく機能しない

・福祉用具は導入するだけではうまく機能しない。

・組織的な体制づくりが必要である。

(24)

主体的に活動できる方法が“福祉用具なのかどうか”

評価と適合

主体的に活動できる方法が 福祉用具なのかどうか

・福祉用具の

“何を選択”

“どう使うか”

を見極めること。 利用者の主体性の実現 結果的にこれらは一致する ケアの質の向上 介護者の負担軽減

・“万能な移乗法”は存在しない。

存在するのは

“その時”最適な方法

である。

“福祉用具ありき”ではない、

利用者を中心とした導入のあり方

が求められている。

参照

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