国立市耐震改修促進計画
平成29年3月
国 立 市
目 次
はじめに 1 1.計画の目的 2.計画の位置づけ 3.計画の期間 4.対象区域、対象建築物 第1章 想定される地震の規模・被害の状況 4 1.阪神・淡路大震災(平成 7 年 1 月)における被害状況 2.国立市で想定される被害状況 第2章 耐震化の現状及び目標 7 1.耐震化の現状 2.耐震化の目標 第3章 耐震化の取組方針 14 1.基本的な取組方針 2.重点的に取り組むべき施策 3.関係機関との連携 第4章 耐震化に係る総合的な施策の展開 18 1.普及啓発 2.耐震改修等に関する支援 3.耐震化に係る関連施策の推進 4.今後の取組はじめに
1.計画の目的
国立市耐震改修促進計画(以下「本計画」という。)は、国立市内の住宅 及び建築物の耐震化を促進し、市民の生命と財産を守るため、災害に強い 安全で安心なまちを目指すことを目的とする。2.計画の位置づけ
本計画は、建築物の耐震改修の促進に関する法律(平成 7 年法律第 123 号。以下「耐震改修促進法」という。)第 6 条第 1 項及び東京都耐震改修促 進計画に基づき策定する計画である。また、本計画は、各種計画等との整 合性を図るものとする。3.計画の期間
本計画の計画期間は、平成28 年度から平成 32 年度までの 5 年間とする。 なお、計画内容や進捗状況等を検証し、必要に応じて計画内容の見直しを 行う。また、おおむね3 年を目途として、目標に対する検証を行う。4.対象区域、対象建築物
本計画の対象区域は、国立市全域とする。対象建築物は、原則として新 耐震基準※(昭和 56 年 6 月 1 日施行)以前に建てられた建築物のうち、次 に掲げるものとする。 表0-1 国立市耐震改修促進計画対象建築物 種類 内容 住宅 ○戸建住宅(長屋住宅を含む) ○共同住宅 緊急輸送道路 沿道建築物 ○東京における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を促進 する条例第7条に基づき、都が指定した道路の沿道建築 物で、高さが道路幅員のおおむね1/2を超える建築物 ○上記以外の緊急輸送道路の沿道建築物 特定既存耐震 不適格建築物 ○耐震改修促進法第14条に定める特築物 (表0-2) 公共建築物 ○市庁舎 ○避難所となる小中学校等防災上重要となる公共建築物 ○不特定多数の者が利用する集会所等の施設 ○その他、防災上重要な公共建築物 ※本計画において、耐震改修促進法第14条に定める特定既存耐震不適格建 築物と用途・規模要件が同じ全ての建築物を「特定建築物」という。 ※国・東京都が所有する公共建築物については、原則として建築物の所有者 が耐震診断・耐震改修の促進を図るものとする。 ※ 新耐震基準:現行の耐震基準(新耐震基準)は昭和 56 年 6 月 1 日に導入された。この新耐震基準は、建築基準 法の最低限遵守すべき基準として、建築物の耐用年数中に何度か遭遇するような中規模の地震(震 度 5 強程度)に対しては構造体を無被害にとどめ、極めてまれに遭遇するような大地震(震度 6表0-2 特定既存耐震不適格建築物一覧表 特定既存耐震 不適格建築物の 規模要件 (法第14条) 指示対象となる 特定既存耐震不適格 建築物の規模要件 (法第15条) 要緊急安全確認 大規模建築物の 規模要件 (附属第3条) 小学校、中学校、中等教育学校の前 期課程、特別支援学校 階数2以上かつ 1,000㎡以上(屋内運 動場の面積を含む。) 階数2以上かつ 1,500㎡以上(屋内運 動場の面積を含む。) 階数2以上かつ 3,000㎡以上(屋内運 動場の面積を含む。) 上記以外の学校 階数3以上かつ 1,000㎡以上 階数1以上かつ 1,000㎡以上 階数1以上かつ 2,000㎡以上 階数1以上かつ 5,000㎡以上 階数3以上かつ 1,000㎡以上 階数3以上かつ 2,000㎡以上 階数3以上かつ 5,000㎡以上 階数3以上かつ 1,000㎡以上 階数3以上かつ 2,000㎡以上 階数3以上かつ 5,000㎡以上 階数3以上かつ 1,000㎡以上 階数3以上かつ 2,000㎡以上 階数3以上かつ 5,000㎡以上 階数3以上かつ 1,000㎡以上 階数3以上かつ 2,000㎡以上 階数3以上かつ 5,000㎡以上 階数3以上かつ 1,000㎡以上 階数3以上かつ 2,000㎡以上 階数3以上かつ 5,000㎡以上 階数3以上かつ 1,000㎡以上 階数3以上かつ 1,000㎡以上 階数3以上かつ 2,000㎡以上 階数3以上かつ 5,000㎡以上 階数3以上かつ 1,000㎡以上 階数3以上かつ 2,000㎡以上 階数3以上かつ 5,000㎡以上 階数3以上かつ 1,000㎡以上 階数3以上かつ 1,000㎡以上 階数2以上かつ 1,000㎡以上 階数2以上かつ 2,000㎡以上 階数2以上かつ 5,000㎡以上 階数2以上かつ 1,000㎡以上 階数2以上かつ 2,000㎡以上 階数2以上かつ 5,000㎡以上 階数2以上かつ 500㎡以上 階数2以上かつ 750㎡以上 階数2以上かつ 1,500㎡以上 階数3以上かつ 1,000㎡以上 階数3以上かつ 2,000㎡以上 階数3以上かつ 5,000㎡以上 階数3以上かつ 1,000㎡以上 階数3以上かつ 2,000㎡以上 階数3以上かつ 5,000㎡以上 階数3以上かつ 1,000㎡以上 階数3以上かつ 2,000㎡以上 階数3以上かつ 5,000㎡以上 階数3以上かつ 1,000㎡以上 階数3以上かつ 2,000㎡以上 階数3以上かつ 5,000㎡以上 階数3以上かつ 1,000㎡以上 階数3以上かつ 2,000㎡以上 階数3以上かつ 5,000㎡以上 階数3以上かつ 1,000㎡以上 階数3以上かつ 1,000㎡以上 階数3以上かつ 2,000㎡以上 階数3以上かつ 5,000㎡以上 階数3以上かつ 1,000㎡以上 階数3以上かつ 2,000㎡以上 階数3以上かつ 5,000㎡以上 階数3以上かつ 1,000㎡以上 階数3以上かつ 2,000㎡以上 階数3以上かつ 5,000㎡以上 政令で定める数量以 上の危険物を貯蔵し、 又は処理する全ての 建築物 500㎡以上 階数1以上かつ 5,000㎡以上(敷地境 界線から一定距離以 内に存在する建築物 に限る) 耐震改修促進計画で 指定する避難路の沿 集会場、公会堂 用途 学校 体育館(一般公共の用に供されるもの) ボーリング場、スケート場、水泳場、その他これらに 類する運動施設 病院、診療所 劇場、観覧場、映画館、演芸場 公衆浴場 展示場 卸売市場 百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗 ホテル、旅館 賃貸住宅(共同住宅に限る。)、寄宿舎、下宿 事務所 老人ホーム、老人短期入所施設、福祉ホームその 他これらに類するもの 老人福祉センター、児童厚生施設、身体障害者福 祉センターその他これらに類するもの 幼稚園、保育所 博物館、美術館、図書館 遊技場 危険物の貯蔵又は処理場の用途に供する建築物 飲食店、キャバレー、料理店、ナイトクラブ、ダンス ホールその他これらに類するもの 理髪店、質屋、貸衣装屋、銀行その他これらに類す るサービス業を営む店舗 工場(危険物の貯蔵場又は処理場の用途に供する 建築物を除く。) 車両の停車場又は船舶若しくは航空機の発着場を 構成する建築物で旅客の乗降又は待合の用に供す 自動車車庫その他の自動車又は自動車の停留又 は駐車のための施設 保健所、税務署その他これに類する公益上必要な 建築物
第1章 想定される地震の規模・被害の状況
1.阪神・淡路大震災(平成 7 年 1 月)における被害状況
(1)建築物の被害 倒壊した建築物の多くは、昭和 56 年以前に建築された建築物であった。 図1-1 阪神・淡路大震災における建築物の被害状況 (平成7年 阪神・淡路大震災建築震災調査委員会報告) 阪神・淡路大震災における建築物の被害状況 0% 20% 40% 60% 80% 100% 昭和56年以前 昭和57年以降 軽微・無被害 中・小破 大破以上 図1-2 木造建築物の全壊率テーブル(2)死亡原因 阪神・淡路大震災においては、家具・家屋の倒壊等による犠牲者が、 全体の 8 割以上であった。 図1-3 阪神・淡路大震災における死因 (兵庫県警察本部資料より) 阪神・淡路大震災における死因 家屋・家具の転 倒倒壊等による 圧死・窒息死, 83.7% その他, 16.3% 家屋・家具の転倒倒壊等による圧死・ 窒息死 その他
2.国立市で想定される被害状況
「首都直下地震等による東京の被害想定(東京都防災会議 平成 24 年 4 月策定。以下「東京都の被害想定」という。)」において、国立市に大 きな被害を及ぼす地震として立川断層帯地震および多摩直下地震が発 生した場合の国立市の被害想定は、以下のように示されている。 表 1-1 国立市の地震被害想定(首都直下地震による被害想定) 単位 立川断層帯地震 M7.4 多摩直下地震 M7.3 (冬 18 時、風速 8m/秒) 夜間人口 人 75,510 昼間人口 人 71,295 面積 ㎢ 8.15 建物棟数 木造 棟 8,768 非木造 棟 2,557 計 棟 11,325 原因別建物全壊 棟数 ゆれ 棟 1,113 370 液状化 棟 0 0 急傾斜地崩壊 棟 6 5 計 棟 1,119 375 ゆれ建物 全壊棟数 木造 棟 970 325 非木造 棟 143 45 火 災 出火件数 棟 8 6 焼失棟数(倒壊棟数含む) 棟 3,143 1,623 焼失棟数(倒壊棟数含まない) 棟 2,834 1,570 人 的 被 害 死 者 数 ゆれ・液状化建物被害 人 43 14 急傾斜地崩壊 人 0 0 火災 人 60 31 ブロック塀等 人 0 0 落下物 人 0 0 計 人 104 46 屋内収容物(参考値) 人 2 1 負 傷 者 数 ゆれ・液状化建物被害 人 727 356 急傾斜地崩壊 人 0 0 火災 人 235 102 ブロック塀等 人 14 9 落下物 人 1 0 計 人 977 468 屋内収容物(参考値) 人 36 30 エレベーター閉じ込め台数 基 6 4 *小数点以下の四捨五入により合わないことがある。 *交通被害については、算出しないため表に含めない。 *焼失した建物と倒壊した建物の棟数は、一部被害が重複するので、焼失した建物に倒壊した建物を 含む場合と含まない場合を示す。第2章 耐震化の現状及び目標
1.耐震化の現状
(1)防災上重要な公共建築物の耐震化の状況 国立市所有の防災上重要な公共建築物のうち、昭和 56 年以前建築のも のは表 2-1 のとおりであり、平成 27 年度現在、東福祉館を除き耐震性能 が確保されている。 表2-1 防災上重要な公共建築物の耐震化の状況(S56年度竣工分まで) 40 535.396 済 済 167.004 済 済 S 42 第一給食センター 2/1 889.587 済 必要なし S 44 一本松公会堂 2/0 134.1 済 ― 平成27年度に建て替え S 45 2/0 339.8 済 済 2/0 53.24 済 済 S 47 立東福祉館 2/0 171.12 済 必要なし S 48 四軒在家公会堂 2/0 168.13 済 必要なし 中央図書館 3/1 1483.448 済 済 S 49 久保公会堂 2/0 130.84 済 必要なし 保健センター分室※ 2/0 446.52 済 必要なし 西保育園 2/0 599.98 済 必要なし S 50 南区公会堂 2/0 134.44 済 ― 平成23年度に解体 青柳福祉センター 2/0 606.995 済 必要なし 西福祉館 2/0 336.27 済 必要なし 第二給食センター 2/0 720 済 必要なし S 52 3/1 8516.518 済 済 3/0 61.765 済 済 東保育園 2/0 685.816 済 済 S 53 東福祉館 2/0 446.866 済 H28予定 公民館 3/1 1589.82 済 必要なし S 54 庁舎倉庫 2/1 791.18 済 必要なし 北福祉館 2/0 342.623 済 必要なし 中平防災センター 2/0 159 済 必要なし S 56 保健センター 3/1 1623.039 済 必要なし 第四分団器具置場 2/0 76.46 済 必要なし S 57 くにたち市民総合体育館 4/2 6123.83 済 済 2/0 なかよし保育園 (S42.増築) 市庁舎 (S52増築) ※ (旧東京都立川保健所国立保健相談所)平成9年に東京都より移管 (現在1F子育て支援センター、2F教育センター) 矢川児童館 (S53.増築) 耐震診断 実施状況 延べ面積(㎡) 階 数 (地上/地 下) 竣工 年度 S 施 設 名 耐震改修工事 備考 実施状況市立小中学校の校舎、体育館は、全て昭和 56 年以前に建築されたもの である(表 2-2 参照)。 このため、市では、他の公共施設に先駆け平成 8 年度から市立小中学 校の耐震促進に取り組んできた。現在までに全ての小中学校校舎、体育 館について耐震診断及び耐震改修を完了している。 校舎 昭和39~41年度 済 済 体育館 昭和48年度 済 済 校舎 昭和38~42年度 済 済 体育館 昭和44年度 済 済 校舎 昭和47~49年度 済 済 体育館 昭和50年度 済 済 校舎 昭和44~46年度 済 済 体育館 昭和49年度 済 必要なし 校舎 昭和40~44年度 済 済 体育館 昭和45年度 済 済 校舎 昭和44~48年度 済 済 体育館 昭和45年度 済 済 校舎 昭和46~51年度 済 済 体育館 昭和47年度 済 済 校舎 昭和53年度 済 済 体育館 昭和53年度 済 済 校舎 昭和37~48年度 済 済 体育館 昭和44年度 済 済 校舎 昭和37~44年度 済 済 体育館 昭和43年度 済 済 校舎 昭和50~53年度 済 済 体育館 昭和50年度 済 済 市立第八小学校 市立第一中学校 表2-2 市立小中学校耐震診断および耐震改修実施状況 市立第二中学校 市立第三中学校 市立第二小学校 市立第三小学校 市立第四小学校 市立第五小学校 市立第六小学校 市立第七小学校 学校名 施設名 耐震診断 実施状況 耐震改修工事 実施状況 建築年度 市立第一小学校
(2)民間特定建築物の耐震化の状況 特定建築物のうち、特定行政庁に提出された「平成 26 年特殊建築物等 定期調査報告」によると市内の民間特定建築物は、86 棟である(表 2-3 参照)。 これらのうち、東京都の耐震化率の推計方法に準じて算定すると、必 要な耐震性を満たしていると推定される建築物は 77 棟(89.5%)で、必 要な耐震性を満たしていないと推定される建築物が 9 棟(10.5%)と見 込まれる。 表2-3 民間特定建築物の耐震化の現状(平成26年末現在) 単位:棟 民間特定建築物 昭和56以前の 建築物 昭和57年以降 の建築物 建築物数 耐震性を満た す建築物数 耐震化率 種別 a b a+b=c d d/c 防災上特に重要な建築物 (学校、病院等) 26 17 43 40 93.0% 要配慮者が利用する建築物 (社会福祉施設等) 0 6 6 6 100.0% 不特定多数のものが利用する建築物 (百貨店、ホテル、劇場等) 2 6 8 7 87.5% その他の建築物 14 15 29 24 82.8% 合 計 42 44 86 77 89.5%
(3)住宅における耐震化の現状 平成 20 年および平成 25 年住宅・土地統計調査をもとに推計した平成 26 年度末現在の市内の住宅総戸数は、36,400 戸である。 東京都の推計方法に準じて算定すると、このうち 30,700 戸(84.3%) の住宅が必要な耐震性を満たしていると見込まれる。一方、5,700 戸 (15.7%)の住宅が必要な耐震性を満たしていないと見込まれる。 【推計方法】 ①平成 25 年住宅・土地統計調査における耐震化率の推定 ・ 昭和 56 年以前の住宅については、東京都耐震改修促進計画を参考に算 定。 ・ 昭和 57 年以降の住宅については、すべて耐震性有りとする。 ・ 建築時期不詳の住宅については、以上の推計結果の比率で按分する。 (注:昭和 56 年 12 月までは 56 年以前、昭和 57 年 1 月以降は 57 年とする。) 総数 耐震性無し耐震性有り 総数 耐震性無し耐震性有り 昭和56年以前 8,470 3,070 2,189 881 5,400 2,751 2,649 昭和57年以降 22,930 7,440 - 7,440 15,490 - 15,490 31,400 10,510 2,189 8,321 20,890 2,751 18,139 100.00% 20.83% 79.17% 100.00% 13.17% 86.83% 建築時期不詳 4,530 2,150 448 1,702 2,380 313 2,067 35,930 12,660 2,637 10,023 23,270 3,064 20,206 E A B C D 100.00% 35.24% 7.34% 27.90% 64.76% 8.53% 56.24% 平成25年時点の耐震化率の推計値 計 木造系(木造+防火木造) 総数 (戸) 非木造(総数-木造系) 小計 住宅総戸数 E 未耐震化住宅 A+C 耐震住宅 B+D 35,930 5,701(15.9%) 30,229(84.1%)
②現状(平成 26 年)における耐震化率の推定 住宅総数 未耐震化住宅数 耐震住宅数 平成 20 年住宅・土地統計調査 33,750 戸 6,553 戸 27,197 戸 平成 25 年住宅・土地統計調査 35,930 戸 5,701 戸 30,229 戸 増減数 2,180 戸 △852 戸 3,032 戸 年平均増減数 436 戸/年 △170 戸/年 606 戸/年 平成 26 年度推計値 36,366 戸 5,531 戸 15.1% 30,835 戸 84.9%
H26 年度の推計値(概数)
住宅総戸数
未耐震化住宅
耐震住宅
36,400
5,500(15.1%)
30,900(84.9%)
2.耐震化の目標
(1)防災上重要な公共建築物の耐震化の目標 防災上重要な公共建築物のうち、新耐震基準以前に建築されたものは、 耐震診断が完了している。耐震診断の結果、耐震性を満たしていないと 判定された建築物は、平成 27 年度までに概ね耐震改修工事を完了してお り、未改修となっている 1 棟の耐震改修工事は平成 28 年度に完了する予 定である。 (2)民間特定建築物の耐震化の目標 東京都耐震改修促進計画(平成 26 年 4 月 1 日変更)を踏まえ、市民の 生命の保護と経済活動における減災を図るため、民間特定建築物は平成 32 年度までに耐震化率を 95%以上とすることを目標とする。 また、民間建築物の中でも、不特定多数の者が利用する建築物や災害 時要配慮者が利用する建築物は、震災時の被害が甚大になるおそれがあ るため、所管行政庁※と連携し、積極的に耐震化を促進するものとする。 ※ 所管行政庁:建築主事を置く市町村又は特別区の区域については当該市町村又は特別区の長をいい、その他の 市町村又は特別区の区域については都道府県知事をいう。(3)住宅の耐震化の目標 住宅の耐震化率の目標設定にあたっては、東京都耐震改修促進計画(平 成 26 年 4 月 1 日変更)を踏まえ、市民の生命、財産の保護及び地域の被 害の軽減を図るため、平成 32 年度までに耐震化率を 95%以上とすること を目標とする。 【住宅の耐震化の目標の考え方】 住宅総数 未耐震化住宅数 耐震住宅数 平成 20 年住宅・土地統計調査 33,750 戸 6,553 戸 27,197 戸 平成 25 年住宅・土地統計調査 35,930 戸 5,701 戸 30,229 戸 増減数 2,180 戸 △852 戸 3,032 戸 年平均増減数 436 戸/年 △170 戸/年 606 戸/年 平成 26 年度推計値 36,400 戸 5,500 戸 30,900 戸 上記結果を基にした 平成 32 年度の推計値(概数) 39,000 戸 4,500 戸 34,500 戸 耐震化率 95%を達成するには、 39,000 戸×95%=37,050 戸 の耐震化が必要。 37,050 戸-34,500 戸=2,550 戸 が目標達成のために耐震化を図る必要がある住宅戸数。
第3章 耐震化の取組方針
1.基本的な取組方針
(1)建物所有者による主体的な取組 住宅や建築物の耐震化は、自助・共助・公助の原則を踏まえ、まず、 その所有者が自らの問題、地域の問題として主体的に取り組むことが不 可欠である。このため、耐震診断及び耐震改修は、原則として建物所有 者自らの責任で行うことが重要である。 (2)市の支援 個々の住宅や建築物は、連担して都市を構成する社会資本であり、そ の耐震性を向上することは、災害に強いまちづくりを行う上で不可欠で ある。このことを踏まえ、市は、建物所有者が耐震診断及び耐震改修を 行いやすい環境整備や負担軽減のための助成制度の継続実施など、必要 な施策を講じるものとする。また、事業の実施にあたっては、国や東京 都の補助事業を積極的に活用するものとする。2.重点的に取り組むべき施策
(1)住宅の耐震化 地震による人的被害を減少させるには、住宅の耐震化の促進が重要で ある。また、住宅の耐震化等の予防策を講じることは、被災後の応急復 旧コストの低減(家屋倒壊等による震災ゴミの低減)につながることが 指摘されている。これらのことから、住宅の耐震化を重点的に推進する ことが重要である。 (2)地震発生時に閉塞を防ぐべき道路の沿道建築物の耐震化 地震により防災上重要な道路の沿道の建築物が倒壊し、道路閉塞を起 こした場合、広域的な避難や救急・消火活動に大きな支障をきたし、甚 大な被害につながる恐れがある。また、地震発生後の救急物資等の輸送 や、復旧及び復興活動を困難にさせることが見込まれる。 都では、耐震化促進条例に基づき、特に沿道建築物の耐震化を図る必 要がある緊急輸送道路として「特定緊急輸送道路」を指定し、特定緊急 輸送道路以外の緊急輸送道路(一般緊急輸送道路)とともに耐震改修促 進法に基づく地震発生時に閉塞を防ぐべき道路と指定している。(図 3-1 参照) 国立市内の特定緊急輸送道路は、中央高速道路、国道 20 号線、都道 256 号線及び都道 256 号線から石田街道、さくら通りを経由して市庁舎へ至 る道路が指定されている。図3 -1 地震発 生時に閉塞 を防ぐべき 道路とし て指定する道 路 ・・・特定緊急輸送道路 (高速道路) ・・・特定緊急輸送道路 (高速 道路以外) ・・・一般緊急輸送道路
3.関係機関との連携
(1)所管行政庁との連携 所管行政庁は、特定建築物の所有者に対して指導、助言等を行うこと とされている。 ○すべての特定建築物の所有者に対して、耐震改修促進法の規定に基づ く指導・助言を実施するよう努める。 ○指導等に従わないもののうち、地震に対する安全性の向上を図ること が特に必要な建築物の所有者に対しては指示を行い、正当な理由がな く、その指示に従わない場合は、その旨を公表するものとし、公表を 行ったにもかかわらず耐震改修等を行わない場合は、建築基準法に基 づく勧告又は命令を行うことを検討する。 ○耐震診断の実施に関する指導等に従わない所有者に対して指示を行 い、正当な理由がなく、その指示に従わない場合は、その旨の公表、 耐震診断の実施に関する命令を行う。 ○耐震診断が義務付けられている建築物については、正当な理由がなく 耐震診断の結果を報告しない所有者に対して、耐震改修促進法の規定 に基づく命令をし、その旨を公表する。 以上のことから、市内の民間特定建築物の耐震化は、所管行政庁であ る東京都(東京都多摩建築指導事務所)と連携・協力して推進する。 (2)関係団体との連携 市は、所管行政庁及び建築関係団体と連携・協力し、適切な役割分担 のもとに住宅・建築物の耐震診断及び耐震改修の促進に取り組むものと する。第4章 耐震化に係る総合的な施策の展開
1.普及啓発
(1)市民の意識(国立市市民防災意識アンケート※の結果から) ■ 危険を感じる災害 危険を感じている災害の種類は、「地震」(85.6%)の回答率が非常に高 く、次いで「火災」(64.2%)、「台風」(28.1%)が続いている(図 4-1 参 照)。 図4-1 危険を感じる災害 85.6% 4.7% 28.1% 7.5% 64.2% 8.5% 14.4% 2.2% 4.0% 1.2% 2.5% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 地震 浸水、河川のはんらん 台風 豪雨 土砂崩れ・崖崩れ 火災 大規模事故 食品・毒劇物・感染症などの健康被害 その他 特にない わからない ※ 国立市市民防災意識アンケート:「総合防災計画」の策定に伴い、市民や事業所の防災意識や対策の考え方を広 く把握することを目的とし、平成 18 年 10 月に実施した。事業所 200 事業所、 市民 1,000 人を無作為抽出し、それぞれ 89 事業所(44.5%)、402 人(40.2%) 危険を感じる災害■ 首都直下地震への関心 首都直下地震への関心は、「非常に関心がある」(55.0%)と「ある程度 関心がある」(31.8%)を合わせると 86.8%となり、「多少関心がある」 (10.2%)を含めると、97%が首都直下地震に対して何らかの関心を持っ ているという結果になる(図 4-2 参照)。 ■ 耐震診断 耐震診断を行ったことが「ある」(9.5%)が 1 割未満に対して、「ない」 (63.4%)が過半数を占める。行ったことがない理由としては、「費用が かかるから」(28.2%)、「耐震診断の方法が分からないから」(25.9%)、「信 頼できる事業者が見当たらないから」(24.3%)、「借家だから」(23.9%) となっている(図 4-3 および 4-4 参照)。 耐震化を進めるための支援策については、「耐震診断を行う事業者の無 料派遣や耐震診断助成制度の創設」(60.7%)、「耐震補強工事への助成制 度」(42.0%)といった金銭面での支援を望む回答率が高い(図 4-5 参照)。 わからない 1.0% 不明1.0% 関心がない 1.0% 多少関心 がある 10.2% ある程度関 心がある 31.8% 非常に関心 がある 55.0% 首都直下地震への関心 図4-2 首都直下地震への関心
不明 1.0% わから ない 26.1% ない 63.4% ある 9.5% 18.0 8.2 28.2 23.9 24.3 10.2 17.3 2.7 1.2 14.9 0.4 25.9 0 20 40 60 80 100 耐震性能が十分に満たされていることが分かっているから 耐震性能が不足していることが分かっているから 費用がかかるから 借家だから 耐震診断の方法が分からないから 信頼できる事業者が見あたらないから 建て替えやリフォームと合わせて行いたいから 耐震化しても大地震には被害を受けると思うから 被害を受けるような地震は起きないと思うから 関心がないから その他 不明 耐震診断実施の有無 耐震診断を行わない理由 図4-3 耐震診断実施の有無 図4-4 耐震診断を行わない理由 (単位:%)
36.6 60.7 18.4 22.9 33.6 3.0 4.7 5.7 42.0 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 信頼できる事業者の斡旋 耐震診断を行う事業者の無料派遣や耐震診断助成制度の創設 個人でできる耐震診断方法の開発 耐震補強工事の事例を紹介したパンフレットの配布、説明会など啓発 活動の実施 耐震補強工事への助成制度や資金融資制度の創設 賃貸住宅や借家などの家主に対する指導 個人住宅なので行政は何もすべきではない その他 不明 耐震化を進めるために国立市や東京都に求める支援策 (2)地域危険度の周知 都市の防災性を高め、災害に強いまちづくりを推進するためには、市 民一人ひとりが自分の住んでいる地域の地震に対する危険性を正しく認 識し、日ごろからの備えと十分な対策を講じておくことが重要である。 このような観点から、地域の危険性に対する市民や事業者の意識啓発 を図るため、市では、「地域危険度測定調査」(東京都)を活用して地域 の危険度を周知する。 図4-5 耐震化を進めるために国立市や東京都に求める支援策 (単位:%)
【参考】 地震に関する地域危険度測定調査(第 7 回)(平成 25 年 9 月東京都) I. 調査の目的 東京都震災対策条例の規定に基づき、以下の目的でおおむね 5 年ごとに地震に関する地域の危険度を最新のデータや知見を 取り入れて調査するもの。 ① 地震に強い都市づくりの指標とする。 ② 震災対策事業を実施する地域を選択する際の参考とする。 ③ 地震震災に対する都民の認識を深め、防災意識の高揚に 役立てる。 II. 調査の概要 都内市街化区域の 5,133 町丁目について、各地域における 地震に対する危険性を、建物倒壊、火災の面から 1 から 5 ま でのランクで相対的に評価(1 低い⇔5 高い)した。総合危険 度は地震に起因する危険性を同等とするため、建物倒壊危険度 と火災危険度の各々の順位(1~5133 位)を合算し 5 段階の ランク分けを行った。 また、第 7 回調査から災害時の避難や消火・救助活動のしや すさ(困難さ)を加味するため、「災害時活動困難度」(災害時 の活動を支える道路等の基盤状況を評価する指標)を考慮した 危険度の測定を行っている。
地震に関する地域危険度測定調査(第 7 回) 国立市の結果 青柳 1 3,313 1 3,627 1 3,517 2 2,646 1 3,274 1 2,988 青柳1丁目 1 4,052 1 4,191 1 4,171 1 4,158 1 4,229 1 4,225 青柳3丁目 1 3,557 1 4,060 1 3,866 1 3,544 1 4,026 1 3,833 石田 1 3,570 1 4,435 1 4,054 1 3,272 1 4,378 1 3,875 北1丁目 1 3,150 1 3,238 1 3,245 2 2,388 2 2,770 2 2,602 北2丁目 2 2,384 2 1,915 2 2,190 2 1,778 2 1,498 2 1,582 北3丁目 1 4,141 1 3,332 1 3,786 1 3,989 1 3,169 1 3,636 中1丁目 1 2,997 1 2,860 1 2,963 2 2,254 2 2,373 2 2,318 中2丁目 1 3,663 2 2,775 1 3,270 2 2,314 2 1,927 2 2,116 中3丁目 1 3,840 1 3,392 1 3,663 1 2,876 2 2,772 1 2,848 西1丁目 1 2,870 2 1,838 2 2,375 2 1,947 2 1,329 2 1,580 西2丁目 1 3,095 2 2,265 2 2,707 2 2,510 2 1,827 2 2,166 西3丁目 2 2,205 2 1,622 2 1,920 2 1,799 2 1,343 2 1,513 東1丁目 1 3,353 2 1,708 2 2,548 2 2,295 3 1,176 2 1,691 東2丁目 1 3,134 2 2,495 1 2,842 2 2,062 2 1,832 2 1,922 東3丁目 2 2,424 2 1,797 2 2,137 2 1,772 2 1,392 2 1,526 東4丁目 1 3,208 2 2,198 2 2,720 2 2,526 2 1,731 2 2,126 富士見台 1丁目 1 4,008 1 3,033 1 3,565 1 4,114 1 3,111 1 3,677 富士見台 2丁目 1 4,306 1 4,036 1 4,233 1 4,457 1 4,146 1 4,333 富士見台 3丁目 1 4,270 1 3,710 1 4,038 1 4,599 1 4,014 1 4,338 富士見台 4丁目 1 4,340 1 3,744 1 4,094 1 4,373 1 3,732 1 4,090 谷保 1 4,215 1 4,203 1 4,270 1 3,834 1 3,970 1 3,932 泉1丁目 1 4,917 1 4,991 1 4,977 1 4,929 1 5,011 1 4,997 泉2丁目 1 4,554 1 4,439 1 4,516 1 4,321 1 4,282 1 4,334 泉3丁目 1 4,478 1 3,755 1 4,164 1 4,658 1 3,951 1 4,336 泉4丁目 1 4,886 1 4,823 1 4,865 1 4,981 1 4,926 1 4,978 矢川3丁目 1 4,566 1 4,589 1 4,592 1 4,804 1 4,762 1 4,807 総合 危険度 火災 危険度 総合 危険度 町丁目名 建物倒壊 危険度 ラ ン ク ラ ン ク ラ ン ク 災害時活動困難度を 考慮した危険度 建物倒壊 危険度 火災 危険度 順 位 順 位 順 位 ラ ン ク ラ ン ク ラ ン ク 順 位 順 位 順 位
(3)相談体制の整備 住宅や建築物の耐震化を図る第一歩として、市民や事業者が気軽に相 談できる環境整備を行うことが重要である。また、様々な相談に対して 的確に対応することが必要である。 このような観点から、毎年、建築士やマンション管理士会等の協力を 得て「国立市耐震フェア」開催し、耐震に関する相談会を実施しており、 今後も継続して実施する。 また、住宅の耐震診断・改修の相談について専門家相談窓口や専門機 関等の紹介を引き続き行う。 (4)情報提供の充実 都が、信頼できる耐震診断技術者を紹介するために創設した「東京都 木造住宅耐震診断事務所登録制度」について、市民への周知を図る。 また、耐震診断及び耐震改修の促進のため、助成制度や減税制度等の 支援策について、市報への掲載やホームページ掲載等で適切に情報提供 を行う。さらに、上記「国立市耐震フェア」にて相談会を行うとともに、 耐震改修工法の紹介等を行うことにより、市民に対して、意識啓発や情 報提供を行う。 (5)耐震改修促進税制の周知 平成 18 年度税制改正において、耐震改修促進税制が創設され、既存住 宅を耐震改修した場合、その証明書を添付して確定申告を行うなどによ り、所得税額の特別控除や固定資産税額の減免措置を受けられるように なった。住宅耐震化を促進するための手段として、耐震改修促進税制を 普及させることは、有効であると考えられる。 このような観点から、市は、耐震改修促進の普及を図るため、所得税 額の特別控除や固定資産税額の減額措置について周知する。
表4-1 耐震改修促進税制 所得税の特別控除 固定資産税の減額措置 条件 ○自ら居住する住宅 ○昭和 57 年 1 月 1 日以前から 所在する住宅 ○昭和 56 年 5 月 31 日以前に 建築された住宅 ○耐震改修に係る費用が 50 万 円を超えること。 ○平成 31 年 6 月 30 日までに 耐震改修工事が行われた 住宅 ○平成 30 年 3 月 31 日までに 耐震改修工事が行われた 住宅 ○現行の耐震基準に適合させ るための耐震改修工事であ ること 控除や減額の内容 住宅耐震改修に係る耐震工事 の標準的な費用の額(補助金等 の交付を受ける場合には、その 補助金等の額を控除した金額) の 10%(最高 25 万円)を控除 耐震改修工事を行った際に、当該 家屋に係る翌年分の固定資産税 (120 ㎡相当分までに限る)を 1/2 に減額 手続き 証明書等を添付して確定申告を 行う。 耐震改修が完了した場合 3 か月 以内に、証明書等を添付して申告 する。
2.耐震改修等に関する支援
市では、①分譲マンション耐震診断助成事業、②木造住宅耐震診断・ 改修助成事業、③特定緊急輸送道路沿道建築物耐震化促進事業を行って いる。これらの支援策については事業を継続し、必要に応じて見直しを 検討するとともに、新たに耐震化率の向上を図るため、個別訪問を含め た住宅耐震改修普及啓発事業を実施する。 (1)木造住宅耐震改修普及啓発事業 旧耐震基準で建設され未だに耐震化がされていない家屋等を、平成2 9年度から2ヶ年にわたり個別訪問し、耐震化の必要性、助成制度の説 明、案内の配布等を実施し、耐震化率の向上を図っていく。 (2)分譲マンション耐震診断助成事業 市では、市内に存する耐火建築物又は準耐火建築物であり、昭和 56 年 5 月 31 日以前に建築基準法第 6 条に基づく確認を受けていること、また、 耐震診断に必要な設計図書(建築士法(昭和 25 年法律第 202 号)第 2 条 第 5 項に規定する設計図書をいう。)が備わっている分譲マンションに 対し、「国立市分譲マンション耐震診断助成金交付要綱」に基づき助成 している。図4-6 国立市分譲マンション耐震診断助成金交付事業の流れ (担当:都市整備部 都市計画課 都市計画係) (3)木造住宅耐震診断・改修助成事業 耐震診断及び耐震改修助成について、昭和 56 年 5 月 31 日以前(新耐 震基準以前)に建築された民間木造住宅(店舗併用住宅の場合、居住部 分が2分の1以上)で対象の住宅に居住しており、市税等の滞納がない ことを要件とし、助成を行っている。 (4)特定緊急輸送道路沿道建築物耐震化促進事業 「国立市特定緊急輸送道路沿道建築物耐震化促進事業助成交付要綱」 に基づき、耐震診断及び補強設計並びに耐震改修、建替え及び除却につい 申請者 交付決定 助成金の受取 交付申請 診断完了 助成申込み 審査 診断完了届 助成金額決定 審査 診断着手 耐震診断 助 成 金 交 付 交付 決定通知書受取 国立市 耐震診断実施者 診断見積り 事前相談 耐震相談窓口 着手届
(5)高齢者等に対する耐震シェルター等の設置の支援 高齢者は、耐震改修費用の負担が困難なこともあり、住宅の耐震改修 をためらう事例もある。しかし、地震による住宅倒壊から高齢者等の生 命を守るため、安価で信頼できる耐震シェルターや防災ベッド等の周知 を行い、普及支援について検討する。
3.耐震化に係る関連施策の推進
(1)家具類の転倒・落下・移動防止、ガラスの飛散防止の推進 近年発生した大地震の被害状況を分析すると、家具類の転倒及び落下 を原因とする負傷者が多発している。 福岡県西方沖地震(平成 17 年 3 月)では、市街地でのガラスの大量落 下が問題となり、その危険性が浮き彫りとなった。 市が実施した「第 7 回国立市市民意識調査結果報告書」によると、防 災対策として転倒防止器具を設置していると回答した市民の割合は 36.9%である。 家具の転倒防止やガラスの飛散防止対策は、比較的容易にでき、かつ、 人的被害を直接軽減できる手法であることから、積極的に取り組むこと が求められている。市は、市報、ホームページ及び防災訓練等で普及啓 発するとともに、自治会や自主防災組織、ボランティア等との連携によ る無償取付けを行う等の推進策を検討する。また、高齢者世帯向けの家 具転倒防止器具の支給及び取付事業を継続して実施する。 公共建築物においては、平成 24 年度に「国立市庁舎オフィス家具等の 転倒落下防止ガイドライン」を策定し、市庁舎で固定式の大型キャビネ ットを設置している。また、市立小中学校の大型調度備品は壁、床に固 定式で設置している。ガラスの飛散防止等は、市庁舎や市立小中学校で は飛散防止フィルムを貼付している。今後についても、市有施設の備品 の転倒防止・ガラスの飛散防止等をそれぞれ担当する部署で予算化し、 必要性の高いところから引き続き整備を促進する。(2)ブロック塀等の安全化 宮城県沖地震、阪神・淡路大震災などの地震では、多くのブロック塀 等の倒壊が被害増加の要因となった。また、東京都の被害想定によると、 ブロック塀の倒壊等で負傷者が出ることが想定されている。 市では、ブロック塀等の倒壊による危険性や対策の必要性について啓 発し、補強や修繕等の改善指導や国立市生け垣補助制度※を利用した生 け垣への転換等の指導に努める。 ※ 国立市生け垣補助制度の概要 根拠条例 補助の内容 補助対象 所管部署 国立市緑化推進条例 第12条 ・ブロック塀などを生け垣にする場合 長さ1m当り1万3千円(限度額39万円) ・生け垣を新設する場合 長さ1m当り8千円(限度額24万円) ※事前受付が必要 ①道路に面して生け垣をつくる。ただし、通り抜けて いる道路に限る。 ②生け垣と道路の間にフェンスなどが無いこと。 ③葉が互いに触れあう程度に植栽する。 ④植栽面の高さは道路面から40cm程度とする。 生活環境部 環境政策課 花と緑と水の係 (3)エレベーターの閉じ込め防止対策 千葉県北西部地震(平成 17 年 7 月)では、エレベーターの閉じ込め事 故や運転停止が多数発生し、救出や復旧に時間を要することとなったた め、地震時のエレベーターの安全対策が問題となった。また、東日本大 震災では、都内でもエレベーターの閉じ込め事例が報告されている。東 京都の被害想定によれば、当市においても、地震発生時にエレベーター 閉じ込め台数が 6 基と想定されている(立川断層帯地震M7.4)。 このため、震災時におけるエレベーターの安全対策等に関する情報提 供を行い、必要に応じて閉じ込め防止装置の設置や復旧体制の整備につ いて、東京都と連携し関係団体に働きかける。
(4)自動販売機の転倒防止対策 地震に伴う自動販売機の倒壊被害は、人身被害のみならず避難や緊急 車両の通行障害になることが予想されるため、安全化に向けた取組を促 進する必要がある。市では、市民からの通報または道路パトロール等で 道路の沿道区域において自動販売機の危険な状況を確認した場合は、管 理者に改善を要請している。 自動販売機の設置者・管理者に対して、日本工業規格(JIS)で制 定している「自動販売機の据付基準」を遵守するよう日常からの点検と 安全対策の徹底を引き続き要請する。 (5)天井等の落下防止対策の推進 地震発生時に落下のおそれのある大規模空間の天井や外壁タイル、は め殺し窓ガラス及び看板等の屋外広告物について、その危険性を周知する とともに、必要に応じて改善を図るよう啓発を行う。 (6)感震ブレーカーの普及啓発 阪神・淡路大震災や東日本大震災では、地震の揺れに伴う電気器具か らの出火や、停電後の電気復旧時に火災が発生する通電火災が多発した。 これらの火災に対して、地震を感知すると自動的にブレーカーを落とし て電気を止める「感震ブレーカー」の設置について、普及啓発を行って いく。
4.今後の取組
住宅・建築物の耐震化を促進するためには、本計画について、すべての 関係者が意識を共有し、耐震診断及び耐震改修の実施に向け、相互に連 携・協力して取り組むことが重要である。また、平成 32 年度の耐震化率 の目標の達成に向けて、計画的かつ継続的に取組を行う。