ブラックホールに落下する
ガスのblob
2014年2月2日 京都大学宇宙物理学教室 修士1年 森山小太郎本研究
S降着円盤
最内縁安定円軌道からずれて BHに落ち込むガスの塊につい て考える。 ガスの塊 (以降spot)遠方
遠方からどう観測される か理論的に研究する。B
aの決定に用いる。円運動するSpotからの
光のエネルギーフラックス
B
S スタート地点500M
V.Karas(1992) Obs面 仮定:Spot自体のLuminosity は 時間変動しない。a=0.9981M
エネルギーフラックスの
時間変化
spotの回転半径 (r/M) 2つの特徴的なピークが 見られる。 光のエ ネ ルギーフラック ス /最大フ ラックス 回転角度(rad)/2π V.Karas(1992)ピークの物理的意味①
0.5 0.75 光のエ ネ ルギーフラック ス /最大フ ラックス 回転角度(rad)/2π ビーミング効果本研究の初期条件
• Θ=π/2面 SB
r=0.99r_ms
エネルギーE_ms 角運動量 L_msr_ms/M=2.320884
Spot中心の エネルギー、角運動量 に対応する保存量 最内縁安定円軌道の エネルギー、角運動量 に対応する保存量エネルギーフラックスの時間依存性
(i=70deg)
flux
エネルギーフラックスの時間依存性
r_ms→r_mb→r_phへ移る。 ≒Tms(r_msの回転周期) a=0.9M 各aについて、ピークの 時間間隔Δt、fluxに 特徴的な変動がある。 0.99r_ms 事象の地平面 r_mb~r_ph時間間隔Δtの考察
• 各円軌道の周期 Tms,Tmb,Tphはaが大 きくなるほど Tms=Tmb=Tph に近づく。 a→大で時間間隔の時 間発展は緩やかにな る。 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 (Tms-Tmb)/Tms (Tms-Tph)/Tms Kerrパラメーターa/M 各軌道の周期の比時間間隔Δtの時間依存性
• a→大で、Δtは緩やかに時間発展する。
Δt/tms
時間間隔Δtの時間依存性を用いた
aの決定方法
目標; 右図のように実際観 測された時、これから Kerrパラメーターaを 決定する方法を考え る。 (a=0.9M)a決定の準備
• さまざまなSpotの落ちる位置 での時間間隔をfitting曲線 (青線)で結ぶことができる。 →青線の形を見る。B
S 0.99r_ms S S φ 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 0 2 4 6 8 Δt(a=0.9M,RHS=0.1M) Δt(a=0.9M,RHS=0.1M) t/tms Δt/tmsFitting曲線(点線)
• aが未知のΔtの時間依存図をfittingすることで aを決定できる。
Mを使わないので、
減衰関数の評価
• 曲線の曲率を で評価し、グラフ化 する。 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 0 1 2 3 4 5 6 減衰関数 a=0.8M a=0.9M t/tms R a=0,0.6Mとa=0.8M,0.9M間で、減衰関数は異なる。 a=0.8Mとa=0.9Mの比較には複数個のspotの情報をfittingする 必要がある。 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5 0 1 2 3 4 5 6 log減衰関数 a=0 a=0.6M a=0.8M a=0.9M log(R) t/tmsIncrenation angleθに対する不変性
Increnation angleによる変動はほとんどない。
Δt/tms
Spotの大きさに対する不変性
Spotの大きさに対する依存性はほとんどない。
まとめと課題
• tの時間発展をみれば、spotの大きさ、 increnation angleに ほとんどよらずに aを決定できる。 • 課題:ピークはさまざま なspotのものが混ざって存在する。 →一つのspotに対応するピークを選別する方法 を考える。 cygnusX-1ピークの選別
• fluxピークの時間変動には各aごとに特徴が あるので、それを用いる。 • →fluxのピークの 時間発展に注目する。a=0.9M
ピーク選別の準備
• さまざまなSpotの落ちる位置 でのfluxのピークを青線(包 絡線)で結ぶことができる。 →青線(包絡線)の形を見る。B
S 0.99r_ms S S φ各aでの包絡線の比較
aが未知のfluxの時間依存図にfittingすることで 一つのspot空出た光のピークを選別できる。
具体的には
a=0.9M T1≒Tms 緑はフラックスの 規格化で合わせる。 赤線の横軸成分を 前半のTmsより規格化 する。 赤線のようにfittingし、 ピークの候補を探す。まとめと次への課題
• 以上の方法により、aを決定することができ る。 • fluxはspotのエネルギーフラックスに大きく依 存する。 • →Spotの性質に大きく依存する。 • →Spotのモデルを他にも考える。Spotを多粒子で構成
obs面上でエネルギーフ ラックスを足し合わせ、平 均した。 縦軸は最大ピークで規格化 a=0.9M潮汐力
ここから事象の地平
面近傍の物理につ
いて考えている。
• M:ブラックホールの質量 • c=1,G=1単位系を使う; ct=t[L], • a:ブラックホールの回転パラメータ(0≦a≦M) (カーパラメーター) • θ0:観測者との方位角
記法
粒子のemissivity
• ブラックホールに落下するspotはaccretion diskから供給されているとすると、 で構成 されていると考えられる。→ガス状。 →emissivityは指数関数的に減少するモデル かつ、粒子同士での重力相互作用は無視でき ことを仮定する。 自己吸収はないとすると、輸送方程式は 重力赤方偏移、focus効果、 beaming効果の寄与を表す。 粒子の中心と光の発生する 位置との距離の2乗Single(1粒子spot)
BH
r
カーパラメーター a=0.9M pz
Spot(球型spot)
その1
BH
z
r
・ y z x カーパラメーター a=0.9M spotp p
Spot(球型spot)その2
p z x y p p p p p p p p p p p p p p p p p p p p p p p p y z 0.05M π/4 はじめ、すべての粒子は同じ速度を 持つとする。(基準は粒子0) dr/dt≃const , dφ/dt ≃ const (各粒子) dθ/dt ≃ 0(粒子間のpuresureを仮定) Rspot特徴的な回転軌道
• ブラックホール周辺で の粒子光線の特徴的 な回転軌道は3種類あ る。
回転するspotの角速度
光の測地線方程式(θ:任意)
衝突パラメーター
各粒子の軌道
上の3つの領域で粒子の落ち方が異なる。 粒子の分離が激しい。 すぐに遠心力で はじかれる。 起動終了時間t≈60M 起動終了時間t≈100MSpotの形状の時間変化
短い時間でばらばらになる。 しかし、今はSpot中心に粒子がある程度まとまって いる状況を考えたい。→spotの半径を小さくする。 →spot2型 z平均エネルギーフラックス
の時間変化
• 最初はsingleと同じ振る舞いだが、終盤では 粒子の分離が起こっていることがわかる。
各粒子の軌道
Spot1型、disk型に比べ、まとまりのある運動。
緑枠の粒子が遠心力で飛んでいく。
→粒子同士の重力相互作用があればまとまると考えられる。
Spotの形状の時間変化
• 形状もspot1型よりはまとまった形になってい る。
Spot2型でのa決定
• 1粒子の延長なので、 singleの場合と同様の 方法で範囲を決定できる と考えられる。 • また、エネルギーフラックスで特 徴的な形が得られればその形 だけで事象の地平面近傍の減 少と同定できる可能性がある。ピークの大きさの特徴
• ピークの大きさが急 激に変動するところ はr_mbに到達する ときにおこると考え られる。 • →ピークが急激に 変わる時spotは r~r_mbSingleの図
確認
(角速度 )
LNRF
(locally non rotating frame )
ボイヤーリンキスト座標を使ってray tracingするには 複雑な式変形が必要。 • LNRFという簡単な座標系にすることで、物理を理 解する。 • その後でボイヤーリンキスとに直して考察する。 B 観測者
Lorentz factorの概算その②
回転していないBH 回転しているBHを LNRFで測ったもの 回転しているBHを LNRFで測ったもの Beaming effect が効いてくる位相角の広がりは 45~60[deg]の間(v≲0.2cくらい)Spotのスペクトルの形は関係ない
光の振動数νの関数はここだけ。 →νについて全積分すれば、 スペクトルの形には依存しなくなる。 振動数νの光のエネルギーフラックス Newtonianな振動数νの光のエネルギーフラックスLorentz factorの概算その①
各ピークの形を比較
• 各ピークの大きさを1に 規格化して比較した。 • 初期のフラックスはな だらかに増加。 →beaming効果大 • 終盤はやや鋭く増加。 →focus~beaming 0.00E+00 2.00E-01 4.00E-01 6.00E-01 8.00E-01 1.00E+00 1.20E+00 0 5 10 15 20 25 Npeak1 Npeak2 Npeak3 Npeak4 Npeak5 t norma liz ed f luxSingleの図
① ② ③ ④ ⑤Singleピークの考察
V.Karas(1992) ・ピークは最初なだらかに上がっている。 (focus効果は鋭く増加?) ・inclenation angleは右図よりも小さい。 (focus効果は80~90°で支配的) →focus効果に比べ、beaming効果が支配的と考えられる? (後半では、同じくらいの寄与) →θを変えて比較する必要がある。Singleの図
• 最後のピークと1つ前のピークの時間間隔に注目す る。 • 粒子の軌道は事象の地平面近傍で回転軌道に近づ く。 • そこでの回転半径、回転周期は、 • これを以下に代入して • すると、aに対する条件式が得られる。
Kerrパラメータaの決定
(未完成)
Kerrパラメータaの決定
(
BHのMが既知
)
• 回転周期Tの急激な変動 に注目する。 • Tの変動は Tms⇔Tmb ⇔Tph の間での変位。 • 各時間間隔の比を計算 し、右図と比較してaの範 囲を決めることができ る。 1 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1.7 1.8 1.9 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 Tms/Tmb Tmb/Tph Kerrパラメーターa/M 各軌道の周期の比 (1.4,2.6)の範囲では 精度が悪い。 欠点 今回のsingleでは1.36Kerrパラメータaの決定②
• BHのMが決まっていない 場合を考える。 • 回転周期Tの急激な変動 に注目する。 • Tの変動は Tms⇔Tmb ⇔Tph の間での変位。 • 各時間間隔の比を計算 し、右図と比較してaの範 囲を決めることができる。 1 1.2 1.4 1.6 1.8 2 2.2 2.4 2.6 2.8 3 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 Tms/Tmb Tms/Tph Kerrパラメーターa/M 各軌道の周期の比 (1.4,2.6)の範囲では 精度が悪い。 欠点 今回のsingleでは1.36disk型ピークの
考察
エネルギーフラックスの時間依存性
Obs面に到達する すべての光のエネ ルギーフラックスを 面上で平均した。
エネルギーフラックスの考察①
• この2粒子は落ちる のが非常に遅い。 • これが効いている。 • →右図のようになっ ていると考えられる。 でかいまま ポテ ン シャ ル rエネルギーフラックスの考察②
粒子④~⑥はitobs~300M で落ちる。よってこれらの最
後の回転運動で出た光が 原因。
エネルギーフラックスの考察③
• これは2粒子(r依存)の 理由と同じであると考え られる。
B
Focus effect
B
B
B
z
x
y
θ
φr
Θ=40°
Time/周期
r/M
B
B
光
17M
考察の対象
• ブラックホール近傍に存在する光源(spot)の 発する光が遠方で観測されるエネルギーフ ラックスについて考える。