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津波ハザードマップを受けて何を備えるのか 23 災害時の救援活動 災害の規模が大きければ大きいほど, 救助活動に当たる行政機関も被災する可能性が高く, また交通支障によって救援隊の到着も遅れる可能性が十分に想定できる. 被災直後, 自分の命は自分で守る, 自分たちの街は自分たちで守る が必須. 災害

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津波ハザードマップを受けて何を備えるのか

23

災害時の救援活動

災害の規模が大きければ大きいほど,救助活動に当たる行政機関も被災する可能性 が高く,また交通支障によって救援隊の到着も遅れる可能性が十分に想定できる. 被災直後,

「自分の命は自分で守る」

「自分たちの街は自分たちで守る」

が必須.

地域の防災力には,自助・共助が必要不可欠

災害時の自助・共助・公助の割合に関する事例

阪神大震災では,約16万4000人が倒壊家屋で閉じ込められた.その内,自力脱出 した人が12万9000人(自助),近隣住民によって救助された人が約2万7000人(共助), 消防・警察・自衛隊によって救助された人が約8000人(公助)であった. 「自助:共助:公助」=「16:3:1」

共助は自助が確立してこそ,成り立つこと

自助とは,平時から住民各自が自然災害に対してハザードマップ等から地域

の危険を熟知し,いざという時に自発的かつ迅速な自律的避難行動

(3)

自助・共助を確立するための地域防災活動とは

24

防災,防犯,福祉を一体として捉え,「地域住民の顔が見える関係」のもと,

地域の関係性を高めること

 「地域防災コミュニティ」の創造

「祭りの盛り上がる地域は防災力も高い」 「自主防災組織が活発な地域は町内運動会でも強い」 「地域防災のために(挨拶を交わし合う)声かけ運動を実践している」 ・ ・ ・ このような言葉の中に,地域における活動の方向を見出せるのでは

地域における具体的な活動?

 ハザードマップの利用促進活動  防災リーダの研修  避難訓練,避難経路確認(手作りマップ活動)  災害時要援護者の避難支援体制づくり  防災勉強会,小中学校での防災教育  情報に関する共有化

自主防災組織や自治会と市町村が連携した具体的な防災まちづくり活動

(4)

鳥取県の市町村における防災への取り組み状況

25 日南町 日野町 江府町 伯耆町 南部町 境港市 日吉津村町 米子市 大山町  防災訓練の実施(境港市で10月28日) 津波避難訓練 中山間地の市町村の支援活動訓練  津波注意看板の設置  津波ハザードマップの作成  避難施設(民間の避難ビル)の指定 (境港市の津波一時避難所:81ヶ所)

(5)

自主防災組織の構成と活動内容

26

「平常時の活動」と「災害時の活動」を効果的に実施するため,役割分担毎に「班」

を編成することが望ましい.

消火器の使い方, 消火訓練,火災予防 出火防止対策,初期 消火活動,火災の警戒 救出用資材の調達と整備,救助 技術の習得,救出・救助訓練の実施 救出・救助活動, 防災機関への協力 地震の基礎知識普及,巡回広報, 情報収集,伝達訓練の実施 情報の収集伝達,デマ防止,防災 関係機関への被害などの報告 集合所,避難路(所)の安全点検, 避難訓練の実施 避難の呼び掛け,避難人員 の点呼,安全な避難誘導 非常時持出品準備の啓発,炊き出 し用具の確保と訓練,避難生活計画 炊き出し,物資配分の協力, 避難所生活の調整,心のケア 応急手当や衛生知識の普及, 仮設便所の対策検討 応急救護の実施,重傷者の 搬送,防疫の協力,し尿対策 災害時要援護者の把握, 対応の検討 災害時要援護者の避難の呼び 掛け,人員点呼,安全な避難誘導 地域の巡回点検,危険物の 調査 被災地の巡回,危険箇所の 広報 ゴミ処理対策,瓦礫等廃棄物 処理の検討 ゴミの処理,避難経路の 障害物の除去 家屋等の補修に必要な資機材と 人員の確保 屋根の応急修理等 消火班 救出・救助班 情報班 避難誘導班 要援護者班 生活班 衛生救護班 安全点検班 清掃班 補修班 会長 副会長 副会長 副会長 静岡県自主防災組織活動マニュアル(平成19年3月)より 平常時の役割 災害発生時の役割

(6)

【基本的検討事項】

自治会,自主防災組織による防災訓練(研修)

27

【目的】 自助・共助に基づいた地域防災力の向上のための地域防災活動

① 地域を知る:

災害・防災の視点から地域点検(危険箇所,災害時に役立つ施設),その情報を 地域で共有

② 災害を知る:

地震・津波・風水害等に関する知識(過去の災害事例も含め)より,地域における 災害と被害の関係について検討

③ 人を知る:

地域にどのような人がどのような時間帯に存在,どの程度の活動が可能か,さらに は災害時に支援が必要な人(災害時要援護者)に関する情報を地域で共有

④ 技術の習得:

救助方法,避難所でのお世話など

①地域を知る

③人を知る

②災害を知る

④技術の習得

地域の防災力の向上化

(7)

地域を知る

28

日時:平成20年3月2日(日) 午前10時から12時

場所:境港市渡公民館

主催:境港市,渡町4区・5区自治会

参加者:渡町4区・5区の皆様(23名),境港市消防署(1名),境港市消防団(4名)

道路や空地、地域の人材、要援 護者の位置をマーキング 班での検討 鳥取県HPより

境港市 災害時要援護者対策図上訓練実施

(8)

検討された内容

29 1 作製した地図を見て,地区の「弱い点」,「強い点」を検討 【弱い点】  地盤が弱い,狭い道路が多い  古い木造で耐震性がないものが多い  津波の時近くの避難所が使用できない  高齢者が多い  住宅が密集している  仕事などで日中は援護者がいない 【強い点】  人間関係が密である  自治会を通じて弱者の把握が出来ている  避難誘導する人が大勢いる  高層の建物がない  危険物が少ない 2 災害の初動時にすべき事について検討 【自助】  自己及び家族の安否確認  家屋の被害状況把握  2次災害の防止  家族を会館に避難させる  両隣の安否確認 【共助】  地域内の災害状況を把握  会館に参集した人による要援護者の確認・避難  参集した人から道路等の被害情報収集  参集した人で役割分担(避難誘導,消火救助等) 3 災害時要援護者の避難について検討 【個人として】  会館に参集すること  家の防災対策を考えておく  ガラスの飛散防止  家具等の転倒防止  家族への連絡方法や連絡先を確認  防災グッズを準備  避難時の身体保護するものを準備  隣近所の要援護者の生活パターンを 把握 【自治会役員等として】  避難場所を決定  日ごろより常に声掛け,顔を見る事  独居老人に災害伝言ダイアルの使用方法を研修  要援護者の確認(民生委員より)  担架を準備  誘導や避難の役割と経路を決めておく  地区の要援護者の生活パターンの把握  災害の状況による、避難場所の確認  要援護者の緊急連絡先の把握

(9)

地域・人を知る

(避難に関する確認ゲーム)

30

自治会や町内会において,災害時に遭遇する課題に対して,「Yes」か「No」で

回答してもらい,なぜ「Yes」か「No」かの意見を発表してもらうことにより,参加

者の共通認識を図るゲーム==>自治会,町内会での情報の共通化

自主避難をしようと思ったが,ペットの小型犬のことが心配です.

一緒に避難場所に連れて行きますか?

Yes(連れて行く)

No(連れて行かない)

妊婦のお母さんが子供を連れて避難しています.避難場所までの途中に,

足の不自由な老人がおられることを知っています.あなたがお母さんの立場

ならどうしますか?

Yes(一緒に避難する)

No(寄らずに避難する)

避難直後の避難所の運営はどなたが行うか? 例えば,小学校の体育館を利用するとき, 通路をどこに設定するか? 避難者をどのように配置するか? 仮設トイレをどこに配置するか? 持病の方をどこへ収容するか? 炊き出しの場所をどこにするか?・・・

(10)

災害を知る

(氾濫流による人的被害)

31 D2 L4 L3 L2 L1 D 1 D3 D4 D’3 作用流体力 (浸水深,流速) 歩行者の抵抗力 (年代別,男女別) 1.6 1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 水深( m ) 5 4 3 2 1 0 流速(m/s) 10代男性 30代男性 50代男性 10代女性 30代女性 50代女性 被害無男性 被害有男性 被害無女性 被害有女性 被害無子供 被害有子供 越村ら(2002)によるスマトラ沖地震津波映像から 判定された人的被害の有無の結果も併記 0.735u c

h

ae

 人的被害発生

水深

重力加速度

津波の伝播速度

2 10m/sec 1000m 重力加速度 水深 h km m/sec 360 / 100 1000 10     津波の伝播速度 例えば

(11)

平日の日中に大規模地震・津波発生

避難訓練に当たって考慮するべき事項

32

①想定災害の種類

「地震・津波」,「風水害」

②災害発生の時間帯・季節

「平日の日中,または夜間,早朝」,「休日の日中,または夜間,早朝」

①お父さん お母さん

②子供

③お爺さん お婆さん

①仕事場

②学校

③自宅

①仕事場の近く避難場所

②学校もしくは近くの高台

③自宅の近くの避難場所

家族(3世代)

居場所

避難場所

家族は全員無事だろうか?

家族の避難方法や避難場所,避難後の連絡方法を事前に相談(共有)しておく

(12)

家族の避難カード(避難場所,連絡先)

(13)

避難計画に必要な情報と検討内容

34

時間情報: いつまでに

 避難所要時間

空間情報: どこへ

 避難場所,避難経路

個人として検討,心がけておく事項  避難場所や避難経路,避難手段は複数用意しておく(雪道対策)  「揺れを感じたら!すぐ避難」 率先避難 自治会・自主防災組織における検討事項  避難経路(広道)の安全性の確保(資料:想定地震動や液状化マップ)  避難場所の浸水想定エリアとの位置関係  要援護者避難プラン(避難経路や避難誘導方法(リヤカー,車等))  災害の発生時間帯を考慮した訓練(地域の小中高学校との連携)  観光客の避難誘導方法(観光協会と連携) 企業における検討事項  事業継続計画(BCP)の確立 従業員の安全の確保+家族の安全等の検討 事務所の被害想定(耐震性と耐浸水性の検討)  要援護者避難に対する地域自治会・自主防災組織との連携

個人,自治会・自主防災組織,企業,行政が必要な情報

(14)
(15)

鳥取沖東部断層の震度分布

36

鳥取県津波対策検討業務(平成24年)

(16)

鳥取沖西部断層の震度分布

37

鳥取県津波対策検討業務(平成24年)

(17)

鳥取県における地震に対する想定危険度

38

鳥取県地震防災調査(平成17年)

予防対策用地震動マップ

想定地震と震源位置が特定しにくい地震 の重ね合わせによる最大震度マップ

(18)

鳥取県における地震に対する想定危険度

39

鳥取県地震防災調査(平成17年)

(19)
(20)

手作り防災マップ事業を始めた理由

41

• 予想浸水深が浅いとか,浸水がないと安心(

災害イメージの固定化

• 市町村による配布後の利活用に関する住民へのきめ細かい

フォローアップ不足

保有率が高くない原因

鳥取市洪水ハザードマップの保有率に関するアンケート調査結果

(鳥取市の場合,平成22年6月に全戸配布)

保有率はアンケート回答者の約50%弱 (アンケート回収率:40%)

行政

住民

一方通行 地域安全の確保は行政の責務 ==>「おまかせ」

行政

住民

双方向 地域安全の確保は行政と住民の 協働の責務

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非常時の備えはできていますか?

42

一人ひとりに準備するもの

家族で準備するもの

□食料品,水(一人 1日3L×3日分) □携帯ラジオ (予備電池含む) □救急薬品 □カセットコンロ (予備ボンベ含む) □アドレス帳及び 印かん 通帳のコピー  ロウソク  ライター,マッチ  ナイフ  雨具  ティッシュ

(22)

率先避難検証の避難シミュレーション実施例

43 世帯数:800 津波の遡上開始: 避難勧告後50分 ×:道路閉塞箇所 ●:率先避難者 ●:ゆっくり避難者 割合:0.5 避難場所

(23)

率先避難による避難所要時間の短縮化

44

2000

1500

1000

500

0

避難所要時間(s

)

1.0

0.8

0.6

0.4

0.2

0.0

率先避難者の住民総数に対する割合

地域の防災力の向上に対して,迅速かつ自律的な避難行動の実行は有効な手段

(24)

公助としての防災拠点センターに必要な機能

45

災害対策本部機能

建物の耐震化,災害情報の共有化,応急復旧活動の指揮系統の一元化

広域支援部隊のベースキャンプ機能

災害医療支援機能

支援部隊(警察,消防,自衛隊等)や救護班,NPO・ボランティア等の一時集結機能, 及び集結後の派遣先を調整・決定・連絡等を行うことができるベースキャンプ機能 災害拠点病院での受入状況に関する情報把握,災害時医療に必要な医薬品,医療用 資機材等の提供支援,災害時医療の補完・支援機能(広域後方医療機関に傷病者を搬 送するためのヘリコプター及びヘリポート等の確保等)

救援物資の中継・分配機能

物資等の備蓄機能

救援物資の中継輸送,集積,荷さばき,分配等を行うために,各種交通基盤(陸・海・空 等)と連携した緊急物資の中継・分配機能 初動段階において必要な水,食糧,医薬品,応急復旧用資機材等を備蓄できる機能

防災拠点の冗長化(リスク分散)機能

(25)

まとめ

46

前提条件

災害の規模が大きいほど,公的機関の救助活動は制限され,

限界がある.このことを忘れてはいけない.

『自助・共助』を原則に,住民と住民,住民と行政が

密接な連携をとりながら,

地域の防災活動にあたって

「その瞬間を生き残る備え」から始めようでは・・・・・

ご清聴ありがとうございました.

参照

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